ぶるがり屋 2024/09/24 04:58

光る君へ 31話 の感想

光る君へ 31話
「月の下で」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 こころ ことのは ものがたり
ああ……面白い。
何のために、何を伝えたくて、何を糧に、書くのか。
創作の苦しみ楽しみ美しさが全て輝くようでした。

作家と編集者

 道長の願い、物語の力、まつりごとに。
ついに物語の本番、
『紫式部』『源氏物語』が始まる瞬間!
なのですが、色気のない、なんとも言えない雰囲気に(笑

 史実と「紫式部と藤原道長が相棒となってまつりごとに挑む」ことから予測できたのに、
創作に苦しむ作家 & 調整に苦労奔走する編集者 になるとは思いつきませんでした(笑
 な、生しくて世知辛い……!

 「もう一度書けぬか」はそこそこ無茶ぶりですが、宣孝おじ様への変顔ワンモア箱の前振りだったのかな(笑
 ううっ、過去の心の傷が痛い……!

三人才女

 『枕草子』の感想を紫式部が和泉式部に聞く。
これは平安文芸クラスタの夢の塊ですね……

 今、Xのポストが埋め込みできないようなので伏せた形になりますが、アダルト作家な和泉式部、中宮の私生活を描いた清少納言、天皇から宮廷の実在人物たちをモデルにした赤裸々物語を当人たちに納品した紫式部。
 まひろは元から(非暴力)革命志向も強かったけど、作家として一番過激になるとは(笑

作家と家族

 ああ、いともまひろを、まひろの才もまるっと愛しているんだなぁ。
もちろん他の"普通の貴族の妻女らしい"方が良いとも思っているのでしょうけど、家族として愛しているのも、まひろそおものを愛しく思っているのもまた、事実なように感じました。

 弟くんは作家性もめんどくささも何も全部まるっと愛してますし。
為時パパも同じくですが、多分弟くんよりまひろの作家性は苦しませたんじゃないか、自分のせいじゃないかと否定しがちなのですよね。

 賢子ちゃんは……。
賢子ちゃんだけは、母を愛して求めて、作家業を憎むんだろうなぁ……。

ものがたる そのために

 まひろの書くものは何か。
喪った人への歌ではなく、今生きるその人に向けた物語、なのか。
ああ、強いなぁ。
この物語の道長はとてもフラットに物を見ているから、最高の参考意見かもしれない。

 しかし今、愛する人じゃなくて取材源扱いだよ道長(笑
 でも同時に、まひろは道長の今まで告げなかった家の苦労を知り、道長も誰にもこぼせなかった苦悩をまひろにだけ話せて良かったなぁ。
お互いこんな、必要性あって事務的な流れじゃないと言えなかったでしょうから。

直秀を失って、今

 「それが人というものでございます」「人は何故」
人の弱さも醜さも愛しいと思うまひろの物語は。
そして、ここで
「直秀が言っておりました。」かー!

 寂しくて、苦しくて、誰かを求めて
月を見上げる。
誰もが月を見る理由は、誰もが願うものがあるから。
心を捕える呪いは、前へ進む祝福になるのか。

源氏物語 産まれる

 今までのまひろの道程。
おもしろさを直秀たちから、人の光をききょう=清少納言から、艶かしさをあかね=和泉式部から、天皇と宮廷に刺さる人の営みを道長から、学んで吸収して。
 まひろが愛しいと思う、人の心の弱さ愚かさ、美しさ強さを描く。
寄り添う。

 筆が走る 紙が舞う
物語が生まれる

これはわたしのものがたり

 産まれたばかり、簾の下からそっと捧げられる源氏物語。

 すっと見通して、すぐと閉じて目をきつく瞑る一条天皇。
ああ、届いたのか。
沁みたのか。
欠けた心に寄り添ったのか。

早く次回見せて!

 第二刷(笑)
まひろも正直苦しいと思いますが、やっぱり編集・出版・配本の道長の方が苦労が見えますよ(笑

 今回は作家としての喜びと苦しみ、読者としての喜びの解像度が高くて、本当にここおrしびれましたし、私のタイムラインも熱が高かったです(笑

 特に舞い散る物語の破片のシーン、
本当に美しかった……
このシーンだけでもう名作です。

 そしてさらに、『源氏物語』の始まり。
この後一週休みでなくて良かったですよ。
もっともっと、早く先が見たいです。

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