先週の へうげもの 感想 2017年 1月第4週
あらすじ
終わりが見えた大坂城で。
へうげもの(23) (モーニング KC)
山田 芳裕
講談社
2016-12-22
感想
徳川家も大阪方ももう勝敗はしっかり分かっているのですね。
今両神で問題になるのは、どう勝つかではなく、落とし所。
どう戦って死ぬか、豊臣一家を滅ぼすか、生き延びさせるか。
諸説あるようですが、私は後藤又兵衛生存説を見るのは初めてで、ちょっと驚きました(笑
同僚でもなく同じ主家持ちでもなく、同志なのですね。
ホッとする面々が微笑ましいです。
その中で、豊臣秀頼はただ一人の人間としての、自分のせいで死地を戦ったものへの感情を露わにするのですね。
英雄ではないけれど、天下の主ではないけれど、主人を失って放浪した武士たちには、決して捨てられない、愛すべき主人だなぁ。
この流れ、真田信繁と豊臣秀頼の薩摩に落ち延び説は流石に無さそうですね。
淀君が降伏や逃亡を選ばないのは徳川家康への憎悪ではなく、もう諦めてしまっているからなような、そんな感覚です。
道具にされ、家は焼かれ、求めてきた男たちはみな野望まみれで死に絶えて。
今思えば豊臣秀吉に愛があったと呟く様に、明智光秀が、千利休が、死の前に見たような、諦観と、我欲と脂ぎった野望の消えた涼やかで冷静な視点が見えます。
古田重嗣が託された策は、そのままではなく江戸への逃避行になるとは。
徳川家のお膝元に逃げるのは危険としか思えませんが、はてさて。
最終的に隠遁ではなく、家康に伺いをたてる腹づもりなのかな…?
織部の策が生きるのかも気になりますが、 重嗣が岩佐又兵衛と出会うのかどうか。
気になって仕方ありません!