平家物語 7話の感想
【Amazon.co.jp限定】平家物語 Blu-ray box(「監督・山田尚子、音楽・牛尾憲輔スペシャルインタビュー」視聴コード付)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:高野文子
音楽:牛尾憲輔!
発売日:2022/4/6
販売元:ポニーキャニオン
平家物語
平清盛、死す。
朝廷から武家の時代を切り開き、交易・通貨経済を進め、平氏の世を作り上げた清盛。
この物語も、今までの日本の歴史も、平清盛が居てこそなのですよね。
壊して、変えて、我がものにして、のし上がった巨大な傑物・怪物。
最期の言葉は彼なりに、本当に重盛も徳子も愛していたんだろうなぁ。
最期まで、子供達すら、他人の苦しみも痛みもわからなかったんだ…。
焦がれる熱、欲望と怒りとわがままな愛に満ちた、最期でした。
ぼとりぼとりと落ちる椿の花。
京を朝廷も支配しながらも、じわじわと敵が広がっていく平家。
その怖さに打ちのめされながらも、弟の厳しい言葉にしっかりと応え、謝る維盛。
苦しいからこそ、強く優しく、びわを滅ぶ船から追いやる資盛。
まだ遊美回る子供な、清経と敦盛。
資盛、他人の痛みも分かり、思いやれるほどに、成長したなぁ…。
重盛の子らが優しくて、どんどん好きになって、辛いですよ。
高倉天皇が死に、清盛が死に。
びわを見送る徳子の衣は暗く沈んで、喪服のように見えました。
道具として生きてきて、想いも届かず。
でも、ひとつかみの安らぎは、愛はあったのだと。
やっと自分の生き方を見つけた、掴んだ、
儚く優しく、強く美しい徳子。
「しかしのぉ、お主はすでに無限の泥に絡みとられておるのじゃ…」
それでもなお、平家の破滅の運命は、彼女を離さないで。
徳子が早見沙織さんで良かった。
苦しみの中でも凛とした優しさ美しさを失わず、たった一つの思いを強さに変えて、同じ苦しみの囚人に優しく寄り添う。
泥の中で白く輝く蓮子の花。
『麒麟がくる』でもそうでしたが、滅びの物語は胸が痛い…。
『平家物語』なので最初から分かっていたことですが、いや分かっているから、余計に。
織田信長・明智光秀の物語は新しい時代を切り開く興奮がありましたけど、『平家物語』は平家ののし上がりと武家政権樹立の狭間を切り取った、純粋な滅びの物語なので…
儚く美しく、…辛い!