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2022年 02月の記事 (11)

ぶるがり屋 2022/02/28 00:17

平家物語 7話の感想

平家物語 7話
「清盛、死す」の感想です。


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監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
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発売日:2022/4/6
販売元:ポニーキャニオン

平家物語

 平清盛、死す。
朝廷から武家の時代を切り開き、交易・通貨経済を進め、平氏の世を作り上げた清盛。
この物語も、今までの日本の歴史も、平清盛が居てこそなのですよね。
壊して、変えて、我がものにして、のし上がった巨大な傑物・怪物。

 最期の言葉は彼なりに、本当に重盛も徳子も愛していたんだろうなぁ。
最期まで、子供達すら、他人の苦しみも痛みもわからなかったんだ…。
焦がれる熱、欲望と怒りとわがままな愛に満ちた、最期でした。

 ぼとりぼとりと落ちる椿の花。
京を朝廷も支配しながらも、じわじわと敵が広がっていく平家。
その怖さに打ちのめされながらも、弟の厳しい言葉にしっかりと応え、謝る維盛。
苦しいからこそ、強く優しく、びわを滅ぶ船から追いやる資盛。
まだ遊美回る子供な、清経と敦盛。
 資盛、他人の痛みも分かり、思いやれるほどに、成長したなぁ…。
重盛の子らが優しくて、どんどん好きになって、辛いですよ。

 高倉天皇が死に、清盛が死に。
びわを見送る徳子の衣は暗く沈んで、喪服のように見えました。
 道具として生きてきて、想いも届かず。
でも、ひとつかみの安らぎは、愛はあったのだと。
やっと自分の生き方を見つけた、掴んだ、
儚く優しく、強く美しい徳子。
 「しかしのぉ、お主はすでに無限の泥に絡みとられておるのじゃ…」
それでもなお、平家の破滅の運命は、彼女を離さないで。

 徳子が早見沙織さんで良かった。
苦しみの中でも凛とした優しさ美しさを失わず、たった一つの思いを強さに変えて、同じ苦しみの囚人に優しく寄り添う。
泥の中で白く輝く蓮子の花。

 『麒麟がくる』でもそうでしたが、滅びの物語は胸が痛い…。
『平家物語』なので最初から分かっていたことですが、いや分かっているから、余計に。
織田信長・明智光秀の物語は新しい時代を切り開く興奮がありましたけど、『平家物語』は平家ののし上がりと武家政権樹立の狭間を切り取った、純粋な滅びの物語なので…
儚く美しく、…辛い!

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ぶるがり屋 2022/02/28 00:16

平家物語 6話の感想

平家物語 6話
「都遷り」の感想です。


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平家物語

 遷都、舞台は福原へ。
現代の東京近辺に住む私では想像も出来ませんが、日本の歴史上の長い間、京都と京都以外では隔絶があるらしいですね。
唯一の華やかな世界の中心から、平家に力づくで連れていかれる港。
 その痛みも無茶さも理解する資盛、賢くなったなぁ。

 Σ敦盛ってこの時代人だったの!?
そー言えば平敦盛でしたか、いやー浅学浅学。
曽我兄弟やら吾妻鏡やら、この機に覚えたいです。

平家と清盛。

驕り高ぶりは事実、位ばかりの貴族と僧の世界を変えたのも事実。
牛頭鬼やらガシャドクロやらを希薄で追い返す清盛、やはり稀代の傑物ですね。
 それでも父を継ごうと諫言する維盛は健気で勇ましいし、そこに清盛も次世代の平家として見出したのでしょうけど。
ああ、重盛ですら心蝕まれたのに、もっと優しく臆病で繊細な維盛には…
しかも富士川の戦いで対した時には、兵数的にもう勝てない状況だったのに、未熟で真面目な維盛には、あまりに…
 でも、これが武士、平家の武将としての責任でもあるのですよね。
辛い。

 父を殺した元凶の清盛を前にして、もうびわの憎しみはないのですよね。
宗盛はまー除いて(笑、理想を抱き世界を変える清盛、優しく賢く、笛に舞に芸術を愛する雅な平家の人々を、びわは愛しているのですね。

 天皇家と平家の断絶が決定的になって。
やっと心通じる徳子と高倉天皇。
これは …救いなのか。
悲劇につながる一縷の望みなのか。

 それでももう、時代が許さない。
清盛が振りまいた憎しみは日本中を荒らし回り、溢れる憎しみが、平家の皆を苦しめる。
維盛は舞を捨てて刀を振り回し、資盛は民や兄の苦しみを知り愛した歌を忘れ。
 びわの愛する優しい家が、壊れていく…
うう、辛いよぉ!
誰か維盛を救ってあげてー!

 びわが拾った眉太猫は誰かの生まれ変わりなのかな。
重盛ではなさそうですが、お父さんとか?
びわの救いになれば良いのですが。

ついに登場、源頼朝!

つかみどころがない風貌に杉田智和さんの声。
い〜感じで緩くて、『鎌倉殿の13人』の大泉洋さんと繋がって、笑ってしまいました。
最近の研究で、こんな評価なのかな(笑

 『鎌倉殿の13人』を見た後だと、この繊細で都人な平家では、野蛮な坂東武者に勝てる訳ないと直感で理解できて、これまた辛いですよ。
平実盛の評にも納得しかない(笑


 OPを久しぶりにじっくり見直して。
キャラが分かってた今、仲良く笑い声に満ちた平家と天皇家が、幸せで、それはびわにとっての幸せな光景だったのだと感じて。
また、平重盛に惹かれて回る回る人々との出会い、触れ合い、別れ。
最後はいつもと違う、喧嘩腰でも意地悪な笑顔でも無い、真摯な瞳の資盛と、なのですね。
 "幸せな平家"との別離は、資盛との別れになるのかな。

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ぶるがり屋 2022/02/27 22:53

平家物語 5話の感想

平家物語 5話
「橋合戦」の感想です。


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平家物語

 宗盛ダメだー。
『君主論』で「君主はやっちゃダメ!」なこと一杯やっちゃってるよ!

 重盛が死に、自分が一番だと驕り権力を奪い合い、周りを傷つけていく清盛も後白河法皇も悪しき為政者ですが、自分で考え自分が導き、彼らなりの正義と怒りで政治を行っているのですよね。
だから、良い結果も多く生み出している。
この宗盛は危険と思っても風見鶏、自分はただ私怨を晴らすだけ。
 うん、これはこれは平家滅びますわ(笑

 清盛四男、平知盛、本格登場ですね。
見た目通り武闘派ですが、武家のリーダーとしても一番バランス良さそうでした。
 五男、平重衡は初登場?
武芸にも芸術にも詳しく、重盛の子らとのよく合って。
と思ったら、もしかしてロリショタ好き?
びわの性別をどっちに見たのかなー(笑
とか色々危ぶみましたが、全然まともでした(笑

 平家の血を引く一番下の世代、安徳天皇。
可愛い、可愛い、可愛いからこそ。
意味も分からないほどに幼い即位、三種の神器。
悲劇の運命が、どんどん積み重なっていく…

 望まぬ結婚を受け入れて、恋して、愛されなくて、それでも。
苦しくて苦しくて、にくいのに憎めなくて、許して、許して。
「世界が苦しいだけじゃないって思いたい。」
徳子徳子の幸せが、本当にささやかで、壊れそうで。
 清盛は本当に、これが徳子や安徳天皇の幸せだと思っていそうで、なんともやり切れないですよ。

 以仁王の乱!
『鎌倉殿の13人』と被ってきましたね。
源平合戦、平家の滅びが始まるー
 いくさ絵巻に胸踊りつつも、傷つく人々、人々、人々。
繊細で優しい維盛が、むごたらしさに心壊れていく様が…
ああ、あんな賢く優しい子が、壊れていく……。

 びわが受け継いだ、受け継いでしまった死者を視る目。
重盛の瞳の色を受け継いだと、皆が分かるのは意外でした。
そんな特別な瞳の色だったのか…

 次々に人が死んでいく時代に、滅びの運命と死者を視る目なんてなんて残酷か!
と前回は思いましたが、そうか、死んでしまった、大好きな父や重盛と会えるのですか。
決して幸せとまでは言えませんが、救いに感じました。

 重盛の瞳の力は、重盛は秘密を伝えた者は、誰なのかなと、ふと考えてしまいました。
びわだけなのか、それとも。
 …びわだけだとすると、なんてなんて寂しいことだろう。
どれだけびわの存在が、重盛の安らぎになったことだろう。

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ぶるがり屋 2022/02/27 22:46

鎌倉殿の13人 8話 の感想

鎌倉殿の13人 8話
「いざ、鎌倉」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 今回は時代劇がかった、昔の時代劇っぽい演出やBGMが多かったように感じました。
浅学なので分かりませんが、歴史や能、または以前の大河ドラマで有名なシーンが多かったのかな?

 今回は決戦・富士川の戦いを前に、頼朝と坂東武者の関係と、合流前の源義経と、2つの物語が軸に描かれ。
この物語の全てを暗示するように感じました。
色々な者が、色々な思いが、寄り集まって新しい時代の流れになり、作り、飲み込まれていく。
そんな風に。

坂東武者と源頼朝。

 お互いが必要だけど、ナメられてもいけない相互関係。
政治政略戦略世評に一流 …と色ごとに頑張る頼朝と、
武力兵力資金と戦う理由そのものの坂東武者。

 俺が一番の理解者だと自惚れたりスネたり、武衛と仲間呼びして喜んだり、もう可愛いおじちゃんか!(笑
喧嘩の種ばかり蒔く和田義盛、頭も良いけどとびきり顔が良い畠山重忠、
そして、いつも通り挟まれて走らされて苦労する北条義時(笑

 今回は三浦家が問題ないなら義時のお願いに知恵を出しまくり伊東家だって命がけで守ろうとする三浦義村が格好良く、お兄ちゃん可愛かったです。
懐いて頼ってくる義時が可愛いんだろうなぁ(笑

 ついに平家方を離れた梶原景時。
"降伏"の言葉を嫌ったようでしたが、とても誉れや正々堂々を大事にする性格なのですね。
なるほど、大庭が嫌になり、"天の時を得た"源頼朝に与するのは納得です。
 後々、源義経とソリが合わないのも(笑

 頼朝ー!!
坂東を下に見て触れ合わないのもダメですが、嫁を奪って連れてきて、本妻を一日待たせるわ、下女の姿にさせて本妻とのラブラブ話を聞かせるわー!
身分と体裁以外を考えろ!
 ただ、重忠を先陣して声望集めたり、甲斐武田との同盟やら妻政子との再会をイベントに仕上げたりやら、やっぱり政治家、為政者としては飛び抜けてるのですよね。
演出として見れば、平清盛だけが同レベルで。

 そして頼朝と坂東武者をつなぐ北条家。
頼朝の政治を政子も分かって対応してて偉いのですが、実際の手段はまだ勉強中なのですね。
 時政はなかなか政治は分からないし、やる気も無いし(笑
でも狭くて暗い蔵で帳簿書いてた次男坊が、今や日本を変える大軍勢の中心で、中を取り持ち都の地図を作っている。
苦労ばかりだけど、楽しそうに、やりがい溢れて、才能が花開いて。
嬉しいよなぁ。
 でもだからお父ちゃんもうちょっと頑張って!(笑
今回のりくを見るに、悪い方に頑張りそうなきがするよ!

 実衣ちゃんは… 正直だなぁ。
義時とは違う意味で、純粋だからこその悲劇が待ってそうで、怖くなりました。
義経に恋とか…しないですよね!? しないでね!

 対する、滅びを待つばかりの伊東家。
族滅しかけてもの仕上がりつつある北条家との対比が痛い。
 祐親じっ様が怒る通り、頼朝が坂東武者を下に見ているのも事実ですが、裏切りかけた時政に甲斐武田同盟の名誉を任せたりと、配慮は考えてるのですよね。
いやまぁ、頼朝が殺したいくらい憎いのは分かるよ!(笑
 でも愛娘と言いながら愛する男と分かち、子を殺し、身分低い家人に嫁にやり、また今回も殺そうとする姿には、自分の誇りに家族を巻き込む傲慢と愚かさが醜く見えます。

 江間次郎と八重さんには… 幸せになれなくても、少しでも、報われて欲しい。
「殺せ」と命じられてると思うけど、逃がして労われて欲しい。
細やかな愛が、通じて欲しい。

 頼朝、坂東、北条。
まだ弱い結びつきと、未来の綻びが見えて、笑っちゃうほど面白いけど、胸が痛むほどに怖いなぁ。
今日は、悲劇の前の喜劇。

源九郎義経

 芋をもらって誓った場所は、腰越状の場所ですか。
気分屋で天才肌で、ルールやマナーを飛び越えて最速最適解を当たり前に掴み取る。
可愛くて格好良くて怖くて、不幸な未来が見える。
お見事なキャラ造形でした。
好きになるけど、死ぬのも納得ですわこれ(笑

 この義経にウッヒョーやったーカッコいー!でついてく郎党たちが可愛いやら、だからダメなんだよ!とツッコんだり。
仲良しな地元ヤンキーチームか!(笑

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ぶるがり屋 2022/02/24 03:26

平家物語 4話の感想

平家物語 4話
「無文の沙汰」の感想です。


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監督:山田尚子
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平家物語

 Σうわぁ!
曲に産みの苦悶の叫びが…
今の、そしてこれからの徳子と平家の運命を暗示するかのようで、重苦しくて。

 蜜月だった平家と天皇家の関係がどんどんほころんでいく中。
資盛アホだけど可愛いなぁ(笑
びわは怒って当然だけど、これ資盛がわりと女性として好意的に見てるってことでもあるのかな。
叩かれて当然だけど(笑

 維盛結婚までしてるー!?
子供が成長してるー!?
びわと維盛で恋仲になるかと予想して居たのが外れたのと、思ったより時が流れていて驚きました。
 びわの成長は本当に止まって、しかも何年も止まったままなのですね。

 そして生まれる安徳天皇。
ああ、可愛い、可愛いよ。
徳子もやっと報われたのではないでしょうか。
それでも、だから、びわに未来を願ってしまう気持ちも、滅びの運命も、辛い。

 上手くいっているようで、綻びもじわじわと広がって。
今日も、平家も、人の心も、壊れていって。
滅びの運命を見てしまうびわと、死者の恨みを見てしまう重盛の苦しみと諦観が、辛くて辛くて。
どうなってしまうのか、ハラハラするのに
「私に出来ることと言えば…」でブツ切らないでー!(泣
こんなにCM見る時間が辛いのは初めてですよ!

 そして、重盛の願い、祈り。
もう滅ぶと分かって、それでも父が大好きで、子らを愛していて。
捧げるのは、自分。
切ない、切な過ぎますよ……。
優しくて聡くて真面目でみんな大事で、苦しみ抜いたと分かるからこそ、求める救いが痛々しくて、もう。

 「こんな事しか出来ん。」じゃないよ、びわ。
慰められたよ。
勇ましい武者の棟梁でもありながら、他人の痛みが分かってしまう優しいでもある重盛に。
殺された死者を見る力は、なんと重い力だったのか。
平家の、清盛の、重盛の罪と苦しみを理解して、許さないで、でも一緒に居てくれるびわに、重盛がどれだけ救われたか。

 ああ、目が。
滅びの未来を視る目と、死者を視る目。
この乱世に、平家の滅亡に続く運命の中で、なんて辛い力なんだ…。
 最後の言葉は、「呪うたのか」「貰うたのか」どっちだったのかな。

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