光る君へ 8話 の感想
見逃し配信 光る君へ NHKプラス
【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK
光る君へ
ドラマが重い!濃い!辛い!
面白い!!!!
序盤が終わって、ついに脚本が牙を剥いてきたな、という感覚です。
目まぐるしく動くドラマに、目が離せない!
気になったところ
前回終わって気になってたところがきちんと描かれてストレスなく見られました。
・小麻呂ちゃんどうなった → 無事!
・まひろの誤解どうなった → 誤解したまま、直秀も言わない
・為時一家は右大臣家にとりなした? → とりなさなかった
小麻呂の安否だけはもっと早く教えて欲しかったですけど(笑
無事ならOKです!
お姫様トーク
よく聞いたらすごいセクシーで煽るようなBGMが(笑
封建時代ではよくある話ですが、結婚は政治、恋は別なのが人間らしいですよね。
でもやっぱり濃い溢れる結婚が望ましい訳で。
源雅信・穆子夫婦も嫉妬したり動転するぐらい仲良いですし(笑
「心は己のもの」が、琵琶を弾いたまひろの行動の理由の一つになったのかな。
陰謀渦巻く朝廷
今回「目に見えるもの」だけ描かれましたが、
安倍晴明は「俺の恐ろしさ高く売ったろ!」
藤原兼家・道兼は「狂言で花山天皇に取り入ろう」ですよね……
おっとろしい。
他の貴族も呪詛陰謀してない訳じゃないですが、晴明と兼家の2人だけ陰謀詐術レベルが高いよ!
前に清明が言った、「兼家と交渉するのが楽しい」のも本心っぽいですねこれ(笑
傷をつけたのは道兼当人、藤原の為時から取り入るように勧めたのは兼家でしょう。
道兼は身分が低い、権力に意味ない相手に興味湧かないようでしたし。
そうなると兼家は、為時が優しくてほだされやすいこと、花山天皇がそんな為時を信頼しきっていること、為時・花山天皇が暴力を振るわれる道兼に同情することを理解して勧めたのですよね。
……やっぱり人の心が有って、有る上で権力志向の化け物だ。
藤原兼家一家
兼家の恐ろしさと同時に、同時にずっと政治家としての手腕とバランス感覚は当第一とも描かれているのですよね。
前回の「先例が有れば」も、花山天皇にすり寄ったのではなく、政治として正しいものを選んだように思えます。
兼家の野望は、「俺の"正しい政治"を自由にやるぞ!」なのかなぁ。
だとしたら共感も出来るのですが、他人は致し方なくとも、やっぱり子供たちへの言動が悪辣で眉をひそめてしまいます。
道隆お兄ちゃんは思ったより普通の、兼家パパの手腕は認めるけどついては行かない「良い意味で普通の政治家」のようですね。
道兼に対しても悪辣な利用までは考えてないんじゃないかな。
詮子も怖い政略家ではありますが、憎くても父を愛していたのも事実で、その複雑な思いを表に出しちゃうところが、まだ普通の人ですよ。
息子だけでも幸せに生きられるよう、戦う術を手に入れた、一番よく知る敵から真似た女性。
道兼、道長といい、この恐ろしい朝廷で生き抜く力を手に入れた傑物たちなのですが、
やっぱり兼家パパだけレベル違いの化け物に感じます。
為時パパ、危ない!
妻の仇と知りながら、人としての弱さや子としての不憫さを知ると優しくなっちゃうの、本当に為時パパは政略向いてないですよ……。
父を許したまひろが、朝庭での父を心配するのも納得です。
絶対傷つくし損するし裏切られるじゃないですか!
まひろの復讐
母を殺した道兼に、まひろはなぜ琵琶を弾いたのか、弾くだけで去ったのか。
壮絶な思いがこもった音、爛々ときらめく瞳に、烈しい憎悪が未だ消えていないことを描いた上で。
道長の言葉を信頼し、赤座衛門の「心は己のもの」を抱いたままで、
まひろは、憎しみで生きたくない、笑いやおかしさで物語を紡ぎたい、自由に生きたい、
そう生きようと決心して、母の仇への「憎しみへの決別」の演奏だったように感じました。
それと、愛する父や弟、従者たちとの家族と、ただ健やかに暮らしたい、という思いからなように、
決して問題が無い訳ではありませんが、弟も父と姉を大好きですし、乳母のいとも青ざめるくらいにちやはを愛し、まひろの心痛を心配したのですよね。
暖かな、家族ですよ。
道兼の報い
道兼はこの後も父に言われるままに陰謀を進める訳ですが……
史実と逸話を見るに、最期まで道兼の心が満ち足りる気がしないのですよね。
権力も身分も「父が認めてくれるから」でしょうし。
個人的には、誰かに愛されたと理解し、父を愛し許し、家族を愛し許し、今までの謀略を反省し、真っ当な貴族となろう!
と改心してすぐに病死するのが一番道兼に相応しい報いかなと思ったりします(笑
甘過ぎる為時にほだされて、妻殺害の罪を知って苦しむのも良いですね!
今回も多分、為時に取り入るために痛々しくも人が良い風に接してますしね。
利用して裏切る気満々なのに!
この物語の闇を一番注ぎこまれて飲み込まれている道兼が、どんな報いを得るのか。
とても楽しみです。
※K.Tはキャラとして道兼大好きマンです
直秀の想い
遠国に誘ったのも、道長が身分で女を選ぶ男じゃないと伝えなかったのも、まひろに恋してるんだなぁ、と思えました。
また相手の好意を盗みに利用するのも直秀らしくないなぁ、と感じたり。
そうだとすると、今回盗みに失敗したのは、直秀の個人的な嫉妬心から盗みに入ってしまったから、なように思います。
恐らくは元貴族で、右大臣家に恨みを持ち、その最中にまひろに恋して。
三角関係というには弱いですが、次回、まひろと三郎と直秀は、どんな関係の変化を迎えるのか、とても気になります。
濃厚なドラマ!
「紫式部と藤原道長が恋するの〜〜? 安っぽいなぁ。」
と思ってたのですが、ここまで濃厚に政治権力美術愛憎渦巻くドラマなら納得です。
心が揺さぶられ持って行かれっぱなしで、2人を主軸にしないと物語が持たない気さえします。
いやー、面白いドラマだ。