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麒麟がくるの記事 (44)

ぶるがり屋 2020/05/26 01:24

麒麟がくる 19話の感想

麒麟がくる 19話「信長を暗殺せよ」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 再会。
明智十兵衛光秀が人に教えるのが上手く、寺社に信頼されるのは、このドラマを見ていれば納得です。
配下でもないのに朝倉義景に命じられるのも。
 間違いがあって死んでも懐痛まない人材ですが、京・幕府に近く、誠心誠意仕事を果たしてくれるだろうという信頼。
 今まで色々なメンド臭いミッションを課されてきた光秀ですが、今回一番褒美が少ないのでは(笑
義景から録もらうのも出世するのも無いでしょうし。

 とはいえ光秀としても、恩ある細川藤孝や京都の縁ある人々と会えるのは求めていた大事な機会だったでしょう。
後半で描かれた事ですが、「大きな国を作る」方法を考えるにはこれ以上ない機会。

 三英傑が来る前の、三好長慶政権時の京都というのは初めて見る気がします。
(この物語初期は室町政府・政権と考えて)
将軍がいなくとも、幕府でなくとも変わらない国。
でも、どこか歪で欠けた国。

 再会する旧来の友たちと十兵衛の嬉しそうなこと!
諸将たちの立場が変わりながらも、遠くにいて、かつ愚直で公明正大な人徳のおかげで、光秀との距離が昔のままなのが感慨深いなぁ。
中でも細川藤孝の満面の笑顔が眩しいです。

 でも、あのキラキラ輝いていた足利義輝将軍の目に輝きは無く。
松永久秀の「戦のない国」も、どこか遠くで。
そんな変わってしまった旧友たちの変化や移ろいへの、光秀の視線の鋭いのですよね。
その成長が嬉しくも切なかったです。

 織田信長も、自分の言うことを色眼鏡なしで見ておべっかなしに答えてくれる光秀をお気に入りになってきましたね(笑
決めたとばかりに帰るステップの軽やかさが可愛いですよ。
怖くて愛嬌たっぷりな信長に惹かれてしまいます。
光秀も、そうなのかな。

 斎藤高政/義龍一推しの私には、望外の別れでした。
もう光秀が高政と会うことは無いと思っていたので、余計に。
 一国を治める貫禄が出て、どこか父・道三に似て。
家族を殺し、父を殺し、愛憎交じりに抱きしめられ、父と同じ立場になって。
嫉妬と憎悪の憑き物が落ちたのですね…
 でも、争い袂を分かった、その仇敵の別れではなく。
ぞんざいで率直な問いと、素直な弱音の答え。
莫逆の友、そして認め合った男同士らしい再会と、最後の別れでした。

 「大きな国を作る」が目標だと言葉にして。
光秀にとって、主君斎藤道三からの願いだけでなく、旧友高政との約束にもなった気がします。
 息子龍興と光秀が出会う時が有るのかなー。

 家族を殺して国を治める力を手に入れた義龍と信長の孤独。
国追われて録もなく、子を得てはしゃぐ十兵衛の清々しさ。
そして肩を並べた戦いから11年、
麒麟がくる世を願ってから9年。
理想も権力を遠い足利一党。
権力を手に入れ治世に奮闘する松永久秀。
理想に燃えた若者たちは年を取り、大人になって。
誰にも、何処にも大義はおぼろげで、道半ばで。

 今回出てきた英雄たちの見る先は少しづつ違うけど、少しづつ同じなのですよね。
その先を、十兵衛は「大きな国」と呼んで、目指すと決めて。
 この国の歴史という大河の、様々な支流が合わさった諸々がいっぺんに来たような回で…
楽しい!切ない!! 胸が痛い!!!

 他にも途中からずっと『あんなに一緒だったのに』が流れたり、身軽になって大望を抱くも方法が分からない光秀に坂本龍馬を見たりと、感情が揺さぶられまくりでした。
このドラマ、面白い。

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ぶるがり屋 2020/05/17 22:09

麒麟がくる 18話の感想

麒麟がくる 18話「越前へ」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 国を追われて。
良かった、お駒ちゃんも菊丸も一緒に無事に、明智一党と落ち延びた〜。
伊呂波太夫有能!
流石に下調べもない状態では菊丸一人では無理だったのですね。

 朝倉義景に対しへり下らず嘘もつかず、無心もしない辺りが、良くも悪くもこの物語の主人公明智光秀、愛すべき十兵衛ですよ。
そうでなかったら戦いで斎藤高政につき、道三の死後も高政に付き従いましたよね。
力なく曲げたり、迷うことはあっても。
正道に、誇りに、貫き通す。
 全てを失っても、失ったからこそ父の行き方を強く背負い、誇りを持った生き方と、戦いの無い世を目指す。
そんな生き方を、自分で決めた日なのかもしれません。

 青くまばゆい誇りに、その不甲斐なさに苦しむ内心も含めて、周りの皆が付き従って居るのも微笑ましく。
牧母上様はもちろん、煕子様が甲斐甲斐しくて、笑顔いっぱいで、良いなぁ。
有名な逸話通り、髪売るとばかり思ってましたが(笑

 まだお駒ちゃんの物語的な立ち位置がつかめてませんが、少なくとも今回の明智一党への様々な助けは、本当に救いになったと思います。
逃避行の補助、伊呂波太夫との口利き、一番心痛の重い牧母上様への誇りの再燃、煕子の怪我とこれからの行き方への導き。
多分光秀にとっても、自分たちを思う他人が居ることは大きな助けになったと。

 お駒ちゃんにとっても、本人でないとしても命の恩人との再会、恩ある明智家への恩返し、恋した人の妻が素晴らしい人だ知れたことは大きな救いになったのではないかな。
 これで一区切りついて。
…菊丸の精一杯の思いは、少しは通じたのかな。

 細川藤孝の愛ある書状!
他にも光秀を応援する他者がいる、という大きな助け。
でも、史実を知って居ると、この文の重さがまた格別です。
これからもどんどん仲良くなって親戚になるのに…(涙

 朝倉義景、飄々としてつかみどころがなく、羽振りが良くて小物らしくて。
まだ人物として底は見えませんが、明智光秀とはソリが合わないことだけは間違いないかな(笑

 光秀の去った美濃と尾張は、高政の戦略が進み。
高政推しとしては有能そうでちょっと小躍りしちゃいまいたが(笑
そこから始まる織田家中物語の重く凄まじいこと…!
 やっと腹を割って言葉を交わし、心を交わした時は、殺さねばならぬ時。
織田信長は、秩序を知らぬではなく、人の心が分からぬでなく。
感情が大きくて、かつ道理と結びついてないまぜで。
振り幅が0と1、選択肢が生かすか殺すかしか内容な、そんな熱量を感じます。
怖くて、悲しくて。

 ふと見渡すと、今回の明智家落ち延びと織田家家中騒動、全部帰蝶プロデュースなのですね。
特に織田信勝暗殺は、信長が分かっていても出来なかったことを、信長自身が決断すべき、しなければいけない状況に仕立て上げた。
恐ろしい子…!(美内先生リスペクト)
こんなに怖い内助の功、初めてです(笑


 私の推し、斎藤高政の話になりますが、前回今回で「正道をお為ごかしに、感情で父兄弟を殺した」と描かれた高政。
自分で手を下さず自らの罪だと正視しなかった分、ただでさえウェットなのにより引きずりますよね。
この歪みから息子、斎藤龍興を溺愛してアホの子になってしまうのかなーとか妄想。
 もう明智光秀が斎藤高政=義龍と会うことは無いでしょうから、息子龍興と光秀が出会う時が有ればですが、楽しみでなりません。

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ぶるがり屋 2020/05/11 23:48

麒麟がくる 17話の感想

麒麟がくる 17話「長良川の対決」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 斎藤道三、最後の舞台。
格好良かった…
黒と赤、川を渡る雄大な行軍姿、兵士と刃と旗が立ち並ぶ戦場に一人きらめく立ち姿。
走り、唸り叫び、槍を振るい、切り結び、死に、倒れた姿まで。

 命を賭してかけた罠は"邪魔"程度ではあるのですが、道三の誇りと生き様を否定した高政への、「お前の偽物の誇りを砕いてやる」という、同等の敵と認め命をかけた、意趣返しなのやも。
高政もあんなに呆然として泣いたのに、すぐ立ち直って道三の策を説明できるあたり、
本当に親子だよ君たち…!(涙

 「誰も高政を抱きしめなかった」と以前感想を書きましたが、父として、道三が高政を抱きしめました。
憎しみと、怒りと、呪いを込めて。
あの眼差しは、子への愛も間違いなくあったと思うのですが…確信はなく。

 「この蝮の子」と、高政の涙は、瞳に貯めても流せなかった涙は。
真正面から子と認められた喜びは、無いのだろうなぁ。
愛していて、愛して欲しくて、憎くて。
結局父を自分の手で殺さなかった、殺せなかった高政の一生は。
ここから始まったのか、終わったのか。

 道三側につくと、高政には従わないと、明智の里を捨てると、決めた明智光秀。
どの選択も誇りと痛みに溢れていて。

 「後から行く」という光安おじ様を泣いて抱きしめる光秀。
死ぬつもりだと、あの場にいる3人全員分かっているからの、涙なのでしょう。
憎らしくも、大きな誇りと背中を見せた斎藤道三。
頼りなくも、小さな幸せと約束を守ろうと全てを背負ってくれた光安おじ。
 ああ、光秀は
父親代わりをこの日のうちに2人も失うのか。

 未来が見えない、痛みばかりの選択の連続でしたが、愛と感謝ばかりの明智の里と、「強い武家の女の鑑」を初めて下ろせた牧ママの涙、その苦しみをそっと包み込んだ伝吾の笑顔、どれもが私の心を打ちました。

 でも、こんなに暖かな感動で満ち溢れているのに。
どれも光秀最期の悲劇に重なって…
史実が怖い!

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ぶるがり屋 2020/05/03 22:45

麒麟がくる 16話の感想

麒麟がくる 16話「大きな国」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 前回で気になっていた孫四郎の家督争いは、そのまま帰蝶の後押しでしたか。
多分、孫四郎も帰蝶も、殺し殺される覚悟は無かったのでしょう。
高政も、国を割り父と殺しあうとまでは覚悟が無かった。
ああ、でもそれは。
帰蝶も、孫四郎も、高政も、傷つけた方は分からなくても、それは決して許せない傷だった。

 愛鳥を解き放つ光安おじ様の姿に、背筋が凍りました。
戦うのだ、戦って死ぬ気なのだと。
戦も、国替えも、家督相続も、誇りを捨てて踊ることも、全部分かって、だからこそ。
いつでもくしゃっと笑って飄々と受け流してきた光安の、ぐしゃぐしゃな泣き顔が痛々しくて胸が痛かったです。

 誰に命じられずとも、割れ揺れる美濃を、光秀が駆けずり回っても。
戦はやめよう、国衆同士での殺し合いは嫌だと、誰もが分かる名分を語っても。
もう、殺すか殺されるか、道はない者たちばかりで。

 闇の中、迷い悔やむ日々を語る老いた姿、
闇を背負いながら、憎しみにカッと燃立つ猛々しい姿、
光秀の背中越しから、託された夢を、大きな国の未来を託す輝く姿を。
瞬きすら惜しい、斎藤道三・本木雅弘さんの名演でした。
格好良い…!

 何も出来なかった、誰も止められなかった、戦う正しさも見出せない明智光秀が、それでも決断したのは。
算段でなく、忠義でなく、
ただ道三を見殺しにできない、それだけなように感じました。
腹を決めた光秀の、憎しみでも、野望でも無い、天を射抜くような眼光が素晴らしい。

 斎藤高政は憎しみに囚われていて嘘つきなのは否定出来ませんが、国衆に操られるだけでなく、憎しみのまま周りを害するでなく、堅実でかつ予想以上に新しい政治を進めていて驚きました。
小国を治めるに十分以上な器なように思えます。
ただ、大きな国を作るにも、命を賭けて戦うにも、足りないのも事実なのですよね。

 竹千代様から松平元信=徳川家康が、成長しちゃったけどそれでも可愛い!
愛嬌もあって、守りたくなる可愛さです。
 菊丸が自分の家の忍びなのは分かっていそうですね。
将棋からさらに薬も学び、順調に家康に育ってますね〜。
将来が楽しみ!

 信長の「比喩が分からない」のは、見た通り叙情的な感性が無いのか、それとも帰蝶に違う視点も有ると指し示したのか。
直接的に説明されないと他人の気持ちは理解しない、あたりかな?

 国替え、大きな国、命を賭して主君を止めるか共に進むか、
そして、大事な人たちから託される想い。
多くのことが、光秀の未来を指し示すようでした。
 多くの者の願いを背に、麒麟がくる国のために、再び大きな決断しなければいけない時。
光秀の、敵は誰か。

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ぶるがり屋 2020/04/27 01:53

麒麟がくる 15話の感想

麒麟がくる 15話「道三、わが父に非ず」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 暗殺!謀殺!! 騙し討ち!!!
織田彦五郎信友の、尾張美濃(もしかしたら駿河も)をかけた謀略の顛末。
暴力と計略、名分と下克上、戦国時代が嫌という程凝縮された回でした。
失敗した側も成功した側も、家を守り国を平らかにする、と言う意味では間違ってはいないのがまたなんとも。
 あえて言うなら、嫡子を取り逃がした彦五郎と、殺し合う覚悟もなく家督を奪おうとした孫四郎の失敗と言うべきか-。

 結果として尾張は守護斯波家もろとも織田信長の支配下となり、美濃は家督争いの種を討ち取り斎藤高政の支配が進むも、先代斎藤道三との争いは決定的に。
 …そしてこの後の史実まで知っていると、正しい道筋などなく、その日その日を選び生き残れば良いのだと、道三の言が正しかったように思えます。
ショッギョムッジョ!

 斯波義銀を迎え入れる織田信長の本心とかけ離れた笑顔と語りの奥に見える本当の笑顔もですが、
帰蝶の「打(討)ちに行けば良いのです」が痺れる!
いやもー怖くて笑っちゃいました。
ちょっと目の前の信光おじ様毒殺する気に思えるくらい(笑

 対して、美濃は。
情が深いからこそ家督を譲り、情が深いからこそ高政と相争う道三が、悲しい。
 黒に赤で彩られた道三の、
愛息子2人を殺され、高政の窓下に歩み寄る倒れこむような足取りが凄まじく。
 面に影が張り付いた高政の、
弟を殺すと決めた冷たい目と、殺した後の人の心が壊れたような暗い暗い目が、辛い。

 道三の金と武力で心を圧する術を操るのが帰蝶。
愛情表現が下手で、それなのに情が濃くて抗えない性を引き継いだのが高政なのかな。

 高政と道三はもう幸せになれないと、絶望を持って確信しましたが、
帰蝶と信長は楽しそうなんだよなぁ(笑
そう言う意味でも、やっぱり生き残るのは信長&帰蝶なのでしょう。

 ただ、孫四郎が言うように帰蝶が反高政工作をするシーン自体は無いのですよね。
普通にやってたで良いのかなー。
次回で描写されることを期待しています。

 Σあ!光秀のこと書くの忘れてた!
基本は黙し、言うべき時は嫌われても言うようになり、武家一族の棟梁として成長を感じました。
今や小せがれではなく、明智の家を背負ってますからね…
高政ともかなりズケズケと、道三にも深いところまで話していたのに。
美濃斎藤家の安寧に失敗したのは、高政の誠実さを信じていたからかな…


 他、美濃国衆と駒ちゃんSIDE、この時代の雑感を少し。

 頑固一徹のイメージだった稲葉良通の優しく心を掴み取る巧言令色ぶりと、
風見鶏で人が好いイメージだった光安おじ様の暗殺を読み取った知恵者ぶりに、
戦国時代を生き残る国衆の強かさを感じました。

 最近、駒ちゃんSIDEの意味が見出せず、あんまり面白く感じないなー。
光秀の居ない知らない、高政や帰蝶視点も描いている訳ですし。
 木下藤吉郎がそろそろ織田家家中に。
駒ちゃんに教えてもらっていた四書五経を冒頭に光秀も読んでいました、で合ってるかな?
精神を学んで良き政治に生かそうとする光秀と、広い視点と学を武器に自分の出世に生かそうとする藤吉郎の対比を感じます。


 戦国時代の終結へ向けて、信長・秀吉・家康三英雄の前世代、このドラマの冒頭前くらいから一国以上の領地を束ねる武将が増えますが、何が転換の理由なのだろうかと考えます。
織田信秀〜信長もそうですし、武田信玄、毛利元就、長宗我部元親などなど。
 鉄砲は後半からですし、輸送や商業、軍事的に何かブレイクスルーが有ったのか。
それとも私が浅学なだけで、何度もこんな時期は有ったのか。
戦国時代の長さから朝廷と幕府、そして守護・守護代・本家の力が弱まり、新しい力、傑物たちが世に出る、出ざるを得ない時代になったからなのか。
 他の方々の知見も聞きたいです。

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