麒麟がくる 19話の感想
麒麟がくる 19話「信長を暗殺せよ」の感想ですよー。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29
麒麟がくる
再会。
明智十兵衛光秀が人に教えるのが上手く、寺社に信頼されるのは、このドラマを見ていれば納得です。
配下でもないのに朝倉義景に命じられるのも。
間違いがあって死んでも懐痛まない人材ですが、京・幕府に近く、誠心誠意仕事を果たしてくれるだろうという信頼。
今まで色々なメンド臭いミッションを課されてきた光秀ですが、今回一番褒美が少ないのでは(笑
義景から録もらうのも出世するのも無いでしょうし。
とはいえ光秀としても、恩ある細川藤孝や京都の縁ある人々と会えるのは求めていた大事な機会だったでしょう。
後半で描かれた事ですが、「大きな国を作る」方法を考えるにはこれ以上ない機会。
三英傑が来る前の、三好長慶政権時の京都というのは初めて見る気がします。
(この物語初期は室町政府・政権と考えて)
将軍がいなくとも、幕府でなくとも変わらない国。
でも、どこか歪で欠けた国。
再会する旧来の友たちと十兵衛の嬉しそうなこと!
諸将たちの立場が変わりながらも、遠くにいて、かつ愚直で公明正大な人徳のおかげで、光秀との距離が昔のままなのが感慨深いなぁ。
中でも細川藤孝の満面の笑顔が眩しいです。
でも、あのキラキラ輝いていた足利義輝将軍の目に輝きは無く。
松永久秀の「戦のない国」も、どこか遠くで。
そんな変わってしまった旧友たちの変化や移ろいへの、光秀の視線の鋭いのですよね。
その成長が嬉しくも切なかったです。
織田信長も、自分の言うことを色眼鏡なしで見ておべっかなしに答えてくれる光秀をお気に入りになってきましたね(笑
決めたとばかりに帰るステップの軽やかさが可愛いですよ。
怖くて愛嬌たっぷりな信長に惹かれてしまいます。
光秀も、そうなのかな。
斎藤高政/義龍一推しの私には、望外の別れでした。
もう光秀が高政と会うことは無いと思っていたので、余計に。
一国を治める貫禄が出て、どこか父・道三に似て。
家族を殺し、父を殺し、愛憎交じりに抱きしめられ、父と同じ立場になって。
嫉妬と憎悪の憑き物が落ちたのですね…
でも、争い袂を分かった、その仇敵の別れではなく。
ぞんざいで率直な問いと、素直な弱音の答え。
莫逆の友、そして認め合った男同士らしい再会と、最後の別れでした。
「大きな国を作る」が目標だと言葉にして。
光秀にとって、主君斎藤道三からの願いだけでなく、旧友高政との約束にもなった気がします。
息子龍興と光秀が出会う時が有るのかなー。
家族を殺して国を治める力を手に入れた義龍と信長の孤独。
国追われて録もなく、子を得てはしゃぐ十兵衛の清々しさ。
そして肩を並べた戦いから11年、
麒麟がくる世を願ってから9年。
理想も権力を遠い足利一党。
権力を手に入れ治世に奮闘する松永久秀。
理想に燃えた若者たちは年を取り、大人になって。
誰にも、何処にも大義はおぼろげで、道半ばで。
今回出てきた英雄たちの見る先は少しづつ違うけど、少しづつ同じなのですよね。
その先を、十兵衛は「大きな国」と呼んで、目指すと決めて。
この国の歴史という大河の、様々な支流が合わさった諸々がいっぺんに来たような回で…
楽しい!切ない!! 胸が痛い!!!
他にも途中からずっと『あんなに一緒だったのに』が流れたり、身軽になって大望を抱くも方法が分からない光秀に坂本龍馬を見たりと、感情が揺さぶられまくりでした。
このドラマ、面白い。