妖怪あんかけ 2020/04/15 06:10

雑談:抱き枕の「目」の話

最近イラストの世界では瞳の中を細かく描くのが
どんどん凄くなっています(リアルの意味ではなく)

私も抱き枕製作で瞳の反射にこだわったりして、例えば以前、瞳に男の影を描いたことがあります。

さて私が抱き枕を制作する時注意してたのは
他の絵と違い、抱き枕は文字通り抱きしめるわけですから。
目を数センチまで接近させても壊れない精密さを描くことでした。

服だったら縫製の糸や刺繍の糸。背景の畳も。
対して、キャラは細かく書きすぎると逆に想像の余地がなくなったり
リアルになりすぎて、アニメキャラのイメージからおかしくなってしまいます。

アイテムや服のリアルと緻密に。キャラは想像の余地をもたせて、そのバランスを取ることに苦心しました。

そこで瞳なのですが、瞳の反射で本当なら、部屋や明かりが映っているはずです。
しかしそれを描いてしまうと、当然ユーザーとは違う部屋の情景になって矛盾、齟齬が出てしまいます。
しかし、目の前には必ずユーザーがいて瞳を覗き込んでるはずなのです。
ですので、瞳に映るライトや部屋はぼかし、しかしそこに瞳を覗き込む人物の影を描いたというわけです。


pixivで発表し、そのことを記しました。
ところが「そこに(仮に自分でも)誰かがいると冷めてしまうからやめてほしい」いうコメントがありました。

私はハッと気が付き(なるほど魔法が解けるのか)と納得し削除しました。

というのは、描いた時は、私としては(あなたが目の前にいる)というメッセージのつもりで、感情移入できるだろうと描いたのです。

ところが、逆にユーザーは(そこに誰か)を意識すると
二次元に感情移入していたのが、現実に引き戻されるきっかけになってしまう
というわけですね。

あたかも〈鏡を見ると魔法が解ける〉寓話のように、です。

すぐに削除し、販売版か2版目で鏡を外すことができ、そのコメントには助かりましたね。

瞳には何を描くかで様々な意味をもたせることができ、逆に思ってもいない意味ができてしまうこともあり、これからも追求し続けなければならない、面白いテーマと言えましょう。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索