妖怪あんかけ 2018/11/10 18:27

淫妖の潜む街 その1.05

こんにちはピクルスです! 冬コミ通りました! 
こちらの「淫妖の潜む街」(仮題)初稿を2日ほどで考えましたので、こちらを軸に
絵を制作したり、話を盛り付けたりしつつ制作したいと思います。


★現在バージョン1.14が最新です 下記リンクでご覧ください。
〘淫妖の潜む街 その1.141〙
https://ci-en.jp/creator/657/article/29705

下記(この記事)は旧バーションで、バックアップとして旧バージョンを残しているものになります


淫妖の潜む街 (淫妖を狩るモノ 1.05)(仮題)

<プロローグ  ~文芸部・高円寺優香~>

紙をよりしろにする召還聖戦士レベル85は、術者ごと魔王の魔法で焼かれた
「あー終わったーもうおしまいだー」
高円寺優香は机に突っ伏した。
昨日から頑張って11時間もの間攻略していたネットゲーム。

バッドエンドの悲しげな音楽と長いスタッフロールが流れている。

そのスタッフロールの一人ひとりが、沢山のプレイヤーが奮闘して散った聖戦士達の名前だ。
それらが皆ロストして永遠に帰ってこない。こないのだ。優香のキャラクターもその中にいるのを確認した。
負けたのだ。完敗だ。

そしてこれまで我が身を召喚してくれていたパートナーの術士が死亡しただけでなく王国の術士が全て全滅した。
これではゲームにもログインできない可能性さえある。

「え~嘘、そんなのってないよ~私の2年5ヶ月の青春返せ~」
悔しくて足をバタバタさせていると、スタッフロールが終わった後エピローグが流れているのに気が付き、優香はマウスをクリックした。

「え~っと何々?」 
<「聖なる軍団」が最終決戦で大敗北を喫しついに守護者を失った王都に魔王軍がなだれ込んだ。
王都は滅び、魔王は旧王都の人の民から無数の生け贄を用意してゲートを開こうとしていた。魔王が人間を襲うのはこのゲートを開くための贄をかき集めるためだった。
聖戦士たちは新たに開いたゲートの先で、魔王軍を迎え撃つ!
再び悲劇が起きないために!
最期まで戦い抜いた聖戦士全員に魔法の杖を贈ろう! 
この杖を鍵にして新章に挑戦できるぞ! ご希望の方は住所氏名を云々>

「おー新章ですか! よかった~よかったよ~」
優香はメガネを上にずらして潤んだ瞳を寝巻きの袖で拭う。
脱力して呆然としたあとの新章! 憎い事をシてくれると優香は
一瞬だが絶望を味あわせてくれたゲーム会社を呪いつつくるくる回って感謝の舞を捧げた。



――次の日。
早くもキャンペーン特典の伸縮できるボールペンが送られてきた
<このステッキがあれば魔物も一撃だ! 肌身離すな>
と書いてある。

銀色の金属メッキがしてあるだけの真っ直ぐな10センチ程度の金属の棒。
両方の先端が黒く、片方がボールペンで、もう片方には先端に穴がある。
穴がある方を引くとカチャカチャと40センチ程度に伸びる。
先生が授業で使うあれだ。

「いやいやいや……何この安物のボールペンは。何このスイッチ?
 あ、ペンライトね
……LEDで先端が青白く光ってる。
 魔法の杖ねぇ……せめて材質は木にするとか、ルーンを掘るとか……
心配だな。これでポシャって1年で終わるとかやめてくださいよ」

優香は十字架を持つように両手でペンを持ち天に祈った。
「どうか我々聖戦士が久遠に水の星を守護できますことを……

 ゲーム会社様が潰れませんように……
 スタッフ様が倒れませんように……  
 ……せめて2年」



<フリー・ピクルスプラン>へ続く

これまでの記事【リンク】

フォロワー以上限定無料

新作ラフイラストを配信します

無料

【 ピクルス付きハンバーガープラン 】プラン以上限定 支援額:500円

このバックナンバーを購入すると、このプランの2018/11に投稿された限定特典を閲覧できます。 バックナンバーとは?

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索