漫画「NARUTO」考察
漫画「NARUTO」考察
連載が終わって数年経ちましたがさすがに読んだ事がない人はいても知らない人はいないと思います。
なので、多少ネタバレありで今更ですが考察してみます。
まずはこの物語の少年編の主役はナルトとサスケだと思います。
そして、ナルトは"承認欲求"サスケは"劣等感"の塊とも言っていい存在だとも思います。
ナルトは里のトップになってみんなに認めて貰う。つまりは承認欲求ですよね。
サスケは家族を皆殺しにした兄へ復讐したい、けれど兄との力不足を痛感している劣等感。
この先も常に他者への劣等感。
成長する主人公ナルトへの劣等感。
とても面白い事にこの承認欲求と劣等感は反対の立ち位置なんです。
勝って認められたいと思う承認欲求に、負けを認めた時に感じる劣等感。
この2人って実は物語中、何度も戦っているようでクライマックスや分岐点にしか戦ってないんですが、
少年編の最終決戦では"劣等感"の塊であるサスケが勝つんです。
しかし、勝ったサスケは凄くつまらなそうな虚無な表情を浮かべるんです。
その後サスケは闇にさらに堕ちるんですが、仮にもここでナルトが勝利してしまった場合に悲劇がおきます。
なぜなら、
勝って承認欲求を満足させるナルト
負けて劣等感をさらに覚えるサスケ。
この立場関係がピッタリ完成してしまうと僕の勝手な想像ですがサスケは無力感に潰されて自殺します。
無意識に劣等感に慣れてしまっていたサスケはきっと負けてまた劣等感を感じるんだとある意味期待していたので、
サスケは勝ったのに勝負後に複雑な顔どころか無表情だったんだと考察します。
その後、NARUTO青年編、本当の最終回のサスケとの決戦付近でもナルトはサスケに"勝つ"でも"認めさせる"でもなく"止める"と言っていたんですよね。
主人公ナルトは青年編あたりから少年時代に連呼していた「火影(里のトップ)になる」という目標をあまり言わなくなりました。
それは承認欲求の虚しさとそれの訣別でもあったりするんですが、
この辺は作中では一切語られないのですが、恐らく作者は理解して描いているんだろうと思います。
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