リクエスト作品 『淫靡な洞窟のその奥で』 マリアベル『胸凌○』本番なし
「くヒィイイっ!?」
室内に、女性の甲高い悲鳴が響いていた。
けれどそれは、苦痛ではない。
……快楽に甘く溶けた嬌声だ。
その証拠に、甲高い悲鳴が途切れた後は荒い呼吸が繰り返され、その吐息は今にも火が点いてしまいそうなほど熱いもの。
もしこの声を聞いたものが居たら、これが『勇者』と呼ばれる存在だとは誰も思わないだろう。
まるで盛った犬猫のように激しく、しかも少しの間も我慢できていない。
これならまだ娼館に勤める娼婦のほうが人間らしい嬌声を上げるのではないだろうか。
そう考えてしまいそうなほど発情した嬌声を上げながら、声の主――黒髪の女勇者、マリアベルは額から流れる汗で美貌を濡らして、すぐ目の前に在る姿見の鏡に映る自分の表情を見てしまう。
そこには快楽で真っ赤に染まった……先代の勇者である父に劣らぬ勇者であるために繕っていた凛とした美貌とは真逆の、快楽に蕩けた女の貌が映っていた。
(ち、がう……ちがう、こんなのちがう……)
「ぅ、ぁぁ……」
さくらは言葉にして否定したかったが、数時間の凌○によって喉が枯れ、声を出す事すら辛い状態だ。
しかも、彼女を襲うスライムはすでに弱点である『核』を失い、死に体の状態……のはずなのに。
勇者の体液を吸って延命するソレは、すでに数時間もの時間を生き続けている。
けれど、勇者の体液を元に粘液を増やす事も出来ないのだろう。
その質量は彼女を襲った時のまま、服に浸透し、上半身を覆う程度。
スライムが浸透した服は拘束具のようにマリアベルの肢体を締め付け、そして残った粘液では少女のように貧相な胸を覆う程度でしかない。
……そのはずなのに。
「ふぁぁ……も、やめ……おっぱいばっかりぃ……っ」
(いったい、いったい何時までっ、こんなっ)
マリアベルがそう思うのも無理はなかった。
彼女がスライムの有無を確認するために入った物置小屋で不意を突かれてから、すでに数時間。
スライムはマリアベルの胸だけを嬲り続けているのだ。
本人はそれほど敏感とは思っていなかった可愛らしい貧乳だが、けれど数時間もずっと嬲られ続けては嫌でも意識してしまう。
しかもスライムには取り込んだ人間たちの知識があり、その一つ――マリアベルは知らない、胸の側面にある性感帯を開発されてしまった。
スペンス乳腺と呼ばれるその場所は、この数時間でマリアベルにとって最悪の弱点へと変貌してしまっている。
服に浸透した粘液の所為で脇を絞める事も出来ないまま、快楽にとても弱くなった胸を覆うスライムが動き出すと、マリアベルは無力な少女のように眉を「ハ」の字へと変え不安そうな表情になった。
「もうやめて――おねがい、もう……」
無駄だと分かっていても、弱気な声が口から漏れてしまう。
そして――スライムが動き出した。
ゆっくりと、ねっとりと。
その粘液をマリアベルの胸へ浸透させるように……薄汚れた黒に近い灰色の粘液の舌で、僅かなふくらみしかないマリアベルの胸が勝手に動く。
粘液が揉んでいるのだ。
スライムはその変幻自在な粘液でマリアベルの薄い胸を包み、その全体を刺激してくる。
「ぅぁあ……ふ、ぅ、ぁぁ……っ」
(だ、めぇ。声、出ちゃう……とめられない、っ)
少しも我慢することが出来ずに、マリアベルの可憐な唇から娼婦のような快楽に蕩けた声が漏れる。
それだけでも恥ずかしいのに、マリアベルの下半身は胸を揉まれただけでガクガクと痙攣してしまう。
あまりの気持ち良さで簡単に浅い絶頂へと至り、頭の中が真っ白になってしまいそうだ。
すぐに大きな絶頂で意識を浚われてしまいそうになるが、それだけは嫌だった。
必死に意識を繋ぎ止め、数少ない自由に動かせる場所……拳を強く握って、手の平に爪を喰い込ませる痛みで意識を保つ。
……それでも限界があり、マリアベルは徐々に自分が追い詰められていることを自覚する。
「は、あっ、はひ……や、やめ……てっ!」
(止まらない……止まって、くれなぃ……っ)
必死に制止の声を漏らすが、当然だがスライムは止まらない。
粘液の下で薄い胸が形を変えていくのが見える。
まるで人間の手に揉まれるように五つの窪みを作りながらギュッと握られたかと思えば、まるで子供がおもちゃで遊ぶように小指の先ほどくらいある太さの乳首だけが激しく左右に弾かれる。
時には乳輪ごと乳首を揉みしだき、時には見ているほうも痛みを感じてしまいそうなほど激しく揉みしだかれ――そして。
「ふぁあああ!? それだめっ、そこだめぇえ!?」
服に拘束されて少しも動けないまま、けれど口からは切羽詰まった悲鳴が漏れた。
胸を覆うスライムがその側面――薄い胸の横にあるスペンス乳腺を刺激し始めたのだ。
粘液越しにも分かるほど乳肉の側面が窪み、その綺麗な形を整えるように円を描きながら刺激するだけ。
気持ち良さよりも脇の近くを刺激されるくすぐったさの方が強そうだが、けれどマリアベルは違う。
必死に我慢しようと強張っていた美貌から強張りが抜け、快楽一色の表情へと変わっていく。
腰の震えが大きくなる。
情けない前後運動を披露しながら、マリアベルのすらりとした肢体が強張り、徐々にその動きが激しくなっていく。
我慢できなかったのか最後に激しく震えると、握り締めていた拳から力が抜けた。
「はっ、はひ……っ、はあ――――と、とまっ……」
明らかに絶頂したというのに粘液が浸透した服に支えられて倒れる事も許されず、それに……スライムは止まらない。
マリアベルが嫌がる、この数時間で開発されたスペンス乳腺は彼女の薄い胸の中で最大の性感帯となってしまっている。
少し刺激されただけでも腰が震え、服の拘束が無かったらすでに床へ尻餅をついてさらなる情けない姿を晒していただろう。
それほどまでに敏感な場所だと、マリアベルは知らなかった。
自分の胸にこんな弱点があるなど想像もしていなかった。
しかも、スライムはそこを重点的に責めれば簡単に女勇者を絶頂させる事だと気付き、少しでも彼女が抵抗しようとすればすぐにスペンス乳腺を刺激するようになる。
学習したのだ。
マリアベルを無力化する方法を。
女を快楽で無力化するなど、数時間前のマリアベルなら嫌悪感と共にスライムを微塵に斬り刻んでいたかもしれない。
けれど今は。
「はぁぁ……やめ、もうそこは……っ。やめ、てぇっ」
(また、また胸がっ。私のおっぱいが、変にされちゃうっ)
変になる。
正にその表現の通りだ。
マリアベルは、自分の胸が溶けて消えてしまうのではと思ってしまうほどの気持ち良さに襲われている。
強弱の有る責めで刺激され続けた胸はもう全体が異常なほど敏感で、乳首も、乳輪も、スペンス乳腺だって刺激された瞬間に浅い絶頂に全身が震えてしまう。
胸全体の感度が増し、まるで自分の胸が無くなってしまったような感じだった。
それに加えて、スライムの手管。
人間には二本の腕と十本の指しかないけれど、スライムの粘液はその常識すら超えてくる。
五本指に見立てた粘液が胸を揉みながら、別の二本でも乳輪を揉み、追加の日本で乳首を扱き、大きな塊のような粘液でスペンス乳腺を刺激する。
時には十本前後の異なる指による刺激で薄い胸全体を刺激されると、偶に王都で利用していたマッサージを思い出してしまう。
人体の急所を的確に刺激して肉体の疲労を癒し、凝りや張りを和らげる効果がある施術だ。
けれどスライムの行為は胸に限定され、しかも人が行う施術よりもずっと複雑で、繊細で、力強く……なにより、性感にのみ特化している。
そんな刺激を与えられると、マリアベルは胸の感度がさらに上がったような気がして、また腰をガクガクと震わせてしまった。
それどころか履いたままの黒いズボンの股間部分の色が濃くなってしまう。
すでに何度も、何十回も絶頂したことでショーツの吸水力は限界を超え、絶頂の際に潮を噴けばそのままズボンを濡らしてしまう状態だ。
まるでお漏らしをしてしまったようにズボンの内股部分を濡らしてしまった事実を、恥ずかしいと思う余裕も無い。
物置部屋にあった姿見に美貌を快楽に蕩けさせ、小刻みな痙攣を止められず、ズボンを濡らすという情けない姿を映しながら、それでもマリアベルは少しでも嬌声を堪えようと歯を食い縛る。
「はひぃ、ひぃ……ま、まけなぃ……こんな、ことでぇ……」
(お姉様、カーラ……)
脳裏に最愛の姉と親しい友人の顔を思い出し、絶対に生きて帰るのだと意識を強く持つ。
そうする事で快楽に屈しようのとする精神を奮い立たせると、マリアベルは涙に濡れた瞳の奥に意識を取り戻し、必死になって四肢に力を籠めた。
まだ逃げる気力は失われていない。
――――が。
「ふぐぅうう!?」
歯を食い縛っていたことで、なんとも間抜けとしか言いようのない声が漏れた。
鏡の中で、マリアベルの乳首が乱暴に引っ張られ、捏ね回され、そして激しく前後に扱かれたのだ。
突然の強い刺激。
しかも痛みと快楽がない交ぜになった「痛気持ちいい」刺激で目の前が真っ白になり、次の瞬間にはまたズボンのシミが広がっていく。
潮を噴いただけではない。
胸だけとはいえ、数時間の刺激で敏感になっていた性感帯での絶頂により下半身から力が抜けてしまったのだ。
それによって膣穴だけでなく尿道まで緩み、溜まっていたおしっこが漏れだしてしまった。
量はそれほどでもなかったが、けれどおしっこはおしっこだ。
物置小屋に濃いアンモニア臭が広がり、マリアベルの鼻孔にも届くほど。
下半身が生暖かい粘液を感じ、自分が漏らしてしまったことを嫌でも自覚させられる。
そのまま溢れたおしっこは両脚とズボンを濡らしながら足元まで垂れ、ブーツの中へと流れ込んでいく。
手と同じく、粘液の拘束から逃れていた足をブーツの中で動かせば、気持ち悪い水の感触が溜まっていくのが分かった。
「う、ぁぁ……」
(私、何てことを……)
勇者でありながら、成人している女性でありながら、二十を超えた年齢だというのに漏らしてしまった屈辱を思いながら、けれど思考の大半は一瞬だけ乱暴にされた乳首へと向いてしまう。
引っ張られ、扱かれ、捏ねられた乳首。
ほんの一瞬の刺激だったけれど、その刺激はまだ残っていて乳首がジンジンと痺れている。
その余韻だけでマリアベルは小さな痙攣を繰り返し――そして。
「ぁ、え……」
引っ張られたことで僅かに伸びた乳首の先端に、刺激があった。
マリアベルはまた乳首を刺激されるのだと思い、動揺しながらも覚悟を硬くする。
(も、もう我慢する……絶対、次は……っ)
それでもマリアベルには光明があった。
様々な刺激を与えられ、全部を経験したと思う。
ならば、後は我慢するだけだと。耐えるだけだと。
相手は『核』を失ったスライム。
いずれ死ぬ相手なのだから、それまで耐えれば自分は勝つのだ。
結末が分かっているのなら、その時まで我慢すればいい。
しかし。
「あ゛っ――え、えっ!?」
しかし、次にスライムが与えてきた刺激は、これまでとは全く異なるものだった。
胸の先端……今まで意識したことも無かった場所。
母親にならなければ、一生意識しないかもしれない場所。
乳首の先端にある乳腺……その僅かな隙間に、スライムの粘液が侵入してきたのだ。
乳首は粘液に包まれたまま、上下左右に動かされる。
動機が早くなり、乳首の感度が増し、どうしても意識がそこへ集中してしまう。
マリアベルの胸を包み込んでいる粘液が乳首を扱き始めると、ゾクゾクと背筋が震え、乳首はもっとイジメてくれと叫ぶように感度を増していく。
乳房全体に粘液が絡みつき、少し動くだけでニチャニチャと粘り気のある音を立てながら、胸全体を撫でられる。
薄い胸を少しでも強調するように粘液が触手状になって根元を締め付けると、マリアベルの可愛らしい貧相な胸が僅かに前へと突き出した。
そうして、強調された乳首。
いつもより僅かに大きくなったように見える胸に支えられた、ツンと勃起した乳首。
その先端にある窪み。
乳腺から……体内に何かが入ってくる。
「んぅ……あ、はぁ……」
けれど、嫌悪感より先に快楽を覚えてしまった女勇者は唇から艶やかな声を漏らし、その刺激へ感じ入るような熱い吐息を零してしまう。
一瞬だけ未知の快感に瞳が揺れ、ぼう、と姿見に映った自分の顔を見てしまった。
そこには快楽に負けた女の貌があり――それに気付くと、「ちがう」と小さく声に出して否定し、瞳に僅かだが理性の光が戻った。
「あ、ぁ……なに、して……私の身体に、なにを……」
マリアベルは疑問を言葉にするが、返事はない。
乳腺の入り口に入った粘液が少しずつ、けれど止まることなくマリアベルの胸の奥まで侵入してくるのが、感触で分かった。
見えないのに、身体の中に何か異物が入り込んでくる。
それなのに……と、マリアベルは怯えた。
自分の胎内にスライムの粘液が入り込んでくる……恐怖心を覚えなければいけないのに、そんな事よりも気持ちが良い。
気持ち悪いはずなのに、痛みが全くない。
その粘液は液体であることを生かして乳腺を通り、女勇者の乳房を内側から犯そうとしている。
「あぁっ! だめ、おねがいだめ……それは、それだけは……っ」
(やだ……なにこれ、なにこれ!? 怖い……助けて、お姉様、お母様ッ)
マリアベルは未知の刺激に怯えていた。
今まで性感帯だと認識していなかった胸を揉まれただけで絶頂させられる。
それも異常だが、けれどまだ常識の範囲だ。
けれどこれは違う。
胸を犯される。
揉まれるとかではなく、乳腺の中を侵されている。
「いや、いやぁっ!!」
恐怖心に負けたマリアベルは、身体を揺すって胸から粘液を振り落とそうとした。
けれど無理だ。
今までだって不可能だったことを、この場でいきなり達成することなど絶対に無理である。
「ひぃい!? やだ、やだぁ!? なかっ、胸の中でっ、おっぱいの中で何か――」
(う、動いてる!? おっぱいの中で、スライムが動いてる!?)
マリアベルはそう感じた。
粘液が奥へ進むたびに続々と形容しがたい感覚が襲ってくる。
それは胸全体へと浸透していき、今でも怖いほど敏感だと思っていた胸が、さらに敏感になっていくのが分かる。
乳肉の表面だけではない。
内側からも変えられていく――それはもう、興奮や快楽では隠しようのない、恐怖だ。
「いやぁあああ!? 止まって、動かないで!? 私の中に入ってこないでぇええっ!?」
マリアベルは泣きながら叫んだ。
勇者としての対面などどこにもない。
犯される女の、恐怖に歪んだ声。
(どうなっているの!? なんなの、なんなのよこれ!?)
恐怖に犯された頭で、マリアベルが自問する。
当然だが、いくら勇者として優れた能力を持っていても、マリアベルには乳肉の中を透視する能力などない。
今行われている行為の全部は乳肉の内側で行われており、ただ粘液が胸全体に広がっていくという事しか分からない。
それが――異常なのだ。
「やだ、やだ!? なにこれ――私の中に入ってこないでっ!!」
マリアベルは叫んだけれど、スライムは止まらない。
まだまだ彼女の薄い胸の中へと粘液を侵入させていくと、ついには男の手で簡単に覆い隠せる程度しかなかった女勇者の胸が、僅かに膨らみ始めた。
肌が張り、胸が膨らみ、その圧迫感に苦しくなってくる。
けれど、そんなものよりもずっと、ずっと……気持ちが良い。
乳首やスペンス乳腺、表面からの刺激で敏感になっていた乳房は内側からの刺激にもしっかりと快感を覚えるようになっており、マリアベルは『乳房の中を犯される』という異常な状況でも気持ち良くなってしまう。
しかも胸の中の粘液たちはゾワゾワと蠢き出し、その刺激でマリアベルのすらりとした美肢体がビクンと跳ねた。
粘液は乳腺全体へ広がるように枝分かれを起こして、胸全体へと広がっていくのだ。
「あっ、あっ、あっ!?」
(う、動いてる!? 胸の中でっ!? 胸の中がっ!?)
今まで侵入されるだけだった乳房の刺激が、今度は満遍なく乳房全体へと生き渡る。
乳腺の全部を丹念に刺激されると、それこそ言葉に出来ない、常識ではありえない、まるで乳腺の全部を丹念に開かれていくようだ。
心臓まで届きそうなほどの激しい刺激にマリアベルは目を見開き―――。
「ふぁあああっ!!」
――絶叫した。
その拍子に流れていた汗や涎、鼻水まで噴き出し、その美貌を穢してしまう。
けれど、それで終わりではないのだ。
「ひぃいい!? なにこれ、なにこれぇええええ!?」
粘液は乳腺の侵略を完全に終了する。
可能な範囲でマリアベルの薄い胸全体へと生き渡ると、その乳房はもうマリアベルのモノではなくなってしまう。
快楽によってスライムに支配され、マリアベルにはもう抵抗できない。
なにせ相手は自分の体内に存在し、攻撃する手段が無いのだ。
「ぁ、ぁ……」
けれど、そんなことを考える余裕も無くマリアベルが声を震わせる。
胸への侵入だけでこんなにも気持ちいいのだ。
これが本格的に動き出したらどうなるか――それを考えるだけで恐ろしい。
マリアベルはスライムを刺激したくない一心で何とか身体の震えを止めようとするが、けれどそんなことは無意味だ。
スライムにとって大切な母体に快楽を与え、子を宿しやすくするというのは本能であり使命である。
――だから、胸全体に行き渡ると、スライムは数秒の後に蠢動を開始した。
胸が内側から圧迫され、脳天まで貫くほどの衝撃にマリアベルが全身を痙攣させる。
「ひっ!? おっ、おっ、ぉぉおおほぉおおおおっ!?」
瞬間、女勇者は激しく全身を痙攣させ、ズボンの股間部分が僅かに持ち上がる勢いで潮を噴いた。
股間からシャーという水音が聞こえるほどの激しさだ。
マリアベルは何が起きたのか分からないまま目を見開き、天を仰ぎ見、けれど視界には何も映らない。
自分の状況を考える余裕など無く、全身を拘束されて動けない今のマリアベルには一方的に与えられる刺激を受け止める以外に選択肢がないのだ。
「やっ、やめっ!? これはっ、これだけはっ!?」
体内から犯されるような刺激に、マリアベルが堪らず制止の声を上げる。
けれど、言葉を理解しないスライムは止まらない。
そのまま乳腺全体に広がった粘液を修道させるだけでなく、今度は乳首から侵入している粘液を引き抜き始めた。
乳首を刺激されるどころか、まるで性器のように乳腺の入り口が凌○されるような感覚だ。
胸を引っ張り抜かれるような刺激に、マリアベルは可能な範囲で背を仰け反らせると、その薄い胸を差し出すように胸を前へと突き出した。
「ひぃいいいいっ!? ひゃめっ!? ぬけっ、ぬけるぅうう!?」
(こんなっ、こんなぁあああ!?)
頭の中が真っ白になっていく。
胸から何かが飛び出していくのだ。
乳首を扱かれるだけでも絶頂してしまうほど気持ち良かったのに、そんなものなど比べ物にならないほど気持ちいい。
頭の中が真っ白になって、乳首の先が爆発したように気持ち良くて、何も考えられなくなってマリアベルはただただ胸からの刺激を受け入れて身体を痙攣させるだけ。
我慢など最初から無理だった。
未知の刺激に翻弄される女勇者は我慢どころか抵抗の声すら上げる事が出来ず、ただただ懇願することしかできなくなる。
「あひぃい!? 出ていって、出てい――ぁあああっ!? また入ってぇえええ!?」
乳首近辺の粘液が外に出ると、また新しい粘液が侵入し始めた。
本当に、文字通り乳首が性器に作り変えられてしまったようだった。
侵入してくるのは糸のように細い粘液なのに、けれどそこから与えられる刺激は脳を焼き尽くしてしまいそうなほど気持ちいい。
マリアベルは胸からの刺激だけで何度も絶頂し、耐えられなくなると潮かおしっこを噴き、何度も何度も絶頂させられる。
触れられても居ない陰部からはとめどなく愛液を溢れさせ、ズボンの下では何もされていない黒色のショーツが濡れて張り付き、気持ち悪い。
けれど、そんな事などもう考える事も出来なかった。
「くぁあああっ!? ほぉおっ!? また出てぇええ!? はいってぇぇっ?!」
翻弄される。
少し力を籠めれば簡単に千切れてしまいそうな糸のように細い粘液に、スライムを殺し尽くそうとしていた女勇者が翻弄されている。
その情けない姿を姿見に映したまま、黒髪の女勇者はまた絶頂した。
胸――乳首だけの刺激で絶頂し、全身を痙攣させ、足元に愛液とおしっこの水溜りを作りながら、それでも乳首への刺激は止まらない。
「ひぐぅうう!? やめぇええ!? 遊ぶなっ、わたしのむねで遊ぶなぁアアアッ!!!!」
マリアベルが叫ぶけれど、スライムは止まらない。
それどころか、それを抵抗ととったのか、ただ単に彼女が言う通りに遊び感覚なのか。
胸内部への凌○に加え、今度はその表面からも刺激される。
つまり、乳腺に広がった粘液を蠢動させながら、今度は力強く胸を揉み始めたのだ。
「ほおぉおお!? だめええええっ!?」
(むねっ、おっぱいっ!? わたしのおっぱいがへんになる、こわれるっ!?)
マリアベルは本気でそう思った。
内と外からの刺激で、今までが限界だと思っていた胸の感度が更に上昇したようだった。
胸が溶け、無くなり、その全部が『気持ちいいもの』に変わってしまったようにも感じる。
胸を揉まれるたびに外圧と内圧によって感度が際限なく上昇し、乳首を捏ねられながら粘液の意図を引き抜かれると数倍の快感となって脳を焼く。
いくら勇者として肉体的に優れているマリアベルでも、性感を中心とした感覚ばかりは鍛えようがない。
どれだけ強靭な精神力を持っていようと、限界はあるのだ。
休みなく、延々と快楽を与えられては、いずれその限界は訪れる。
凌○が始まってこれまで、休みなく絶頂に晒されていたマリアベルも例外ではなく――。
「……あえ……っ」
数十回目の絶頂の後、突然その意識を失った。
脳が快楽に耐えられず、気絶したのだ。
糸が切れたようにその美貌がカクンと落ち、美しい黒色の前髪がその美貌の一部を隠す。
――が。
「ぁ……おっ……ぉっ……」
その下から聞こえるのは、気絶してもやむことのない刺激に反応する低い声。
マリアベルは気絶したまま胸を揉まれ、乳腺を刺激され、そして。
「ぉ゛っ……」
数秒の後、低い嬌声と共に身体が大きく痙攣した。
気絶していても肉体の反応は顕著で、絶頂する事も出来る。
だから。
「ぉっ……ぁ、ぉ……っ」
数分間、マリアベルは自分でも知らないうちに胸を更に敏感にされてしまう。
まるでパン生地を捏ねるように揉まれると、粘液の侵入で僅かに膨らみを増した胸が肌を包み込む粘液の下で乱暴に歪んでいく。
乳首は先ほどよりもわずかに膨らみ、ぷっくりと太くなった様子は小さな豆のよう。
その乳首を捏ね回し、乳腺を凌○し、スペンス乳腺を刺激してあげれば……。
「ぁ゛っ、ぉ……っ」
また絶頂。
勇者とは思えない、快楽に弱い身体……いや、胸へと作り変えられていく。
激しく、乱暴に。
けれどスライムからしたら丁寧に、丁寧に、慎重に。どこまでも優しく。
大切な母体を開発しているのだ。
「ぁ……」
そして数分の後、マリアベルは意識を取り戻し――。
「ぃ゛っ!? ぃいぃひいいい!?」
突然感じた快感に絶頂してしまう。
それはもう気持ちいいという限界を超えていて、痛いほどだ。
頭が痛い。脳が痛い。
まるで頭の中を針で何度も刺されているような刺激――だというのに。
「ひぎぃいい!? なっ、なんっ!? はひぃいいい!?」
頭が痛いのに、身体が絶頂している。
気持ちいいのに痛い。
気絶から意識を取り戻したばかりで混乱しているマリアベルはその原因を理解する暇も無く、痛いのに絶頂してしまう。
身体が激しく痙攣したまま止まらなくなり、腰から下の感覚が消えうせる。
腰が抜けたのだ。
けれど倒れない。
服に浸透して肢体を拘束している粘液が、倒れる事を許さない。
マリアベルは断ったまま腰を抜かし、全身から力が抜け、ただただ意識が胸にだけ集中する。
「はひぃいい!? こんなっ、なんれぇええ!?」
(わたっ、しっ。絶頂してる!? なんれっ、なにがぁぁああ!?)
気絶するほど気持ち良かった刺激が、今はただただ苦しい。
絶頂のし過ぎで心臓の動きが激しくなり、このままでは壊れてしまいそうだった。
「ぉぉおおぉお!? ひぐぅうう!? どまっでぇええっ、どめでぇえええ!?」
(死ぬ――このままじゃ死んじゃう!?)
何度も何度も乳腺を前後する動きで乳首を嬲り、胸の内側から震えて刺激される快感に、マリアベルは確かな生命の危機を感じた。
このままでは絶頂のし過ぎで死んでしまうと、本気で思った。
それほどまでに強く激しい絶頂。
頭が真っ白になって、叫び過ぎて喉が痛くなり、呼吸すら満足にできなくなっていく。
絶頂しただけで酸欠になりながら、徐々に身体から力が抜けていく。
絶頂による体力の消耗という、最悪の死が脳裏をよぎるのは当然の結末なのかもしれない。
……けれど彼女は死なない。
マリアベルは勇者の娘であり、その力を受け継いだ存在だ。
この程度の刺激では死ぬことが出来ず、女神の力が彼女を生かそうとする。
――だから、死ねないのだ。
「あおぉおっ!!」
獣のような嬌声を上げながら、マリアベルが自慢の黒髪を振り乱して絶頂した。
けれど、まだまだスライムは止まらない。
尽きかけている生命をマリアベルの体液で補充しながら、その体液を得るためにもマリアベルを絶頂させなければならないのだ。
だから。
「ひぎいいいい!? ひぃいいっ、はひぃいいい!?」
ついには言葉を発する余裕も無くなったマリアベルが、また絶頂した。
水音が響くほど乳腺の入り口、乳首の先端を嬲る粘液の刺激でマリアベルの乳首はこれまでにないほど固く勃起し、大きく膨らんでしまっている。
その乳首を揉みしだかれながら粘液が乳腺の内部で蠢けば、記憶が途切れ途切れになるほどの激しい絶頂に襲われてしまう。
マリアベルが願う『スライムの死』でこの凌○は終わらない。
(おっぱいっ、おっぱぃばっかりぃいっ!?!?)
……助けが来る数日後まで、黒髪の女勇者は『胸だけ』を犯され続けることになるのだった……。