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2022年 01月の記事 (2)

柱前堂 2022/01/24 21:42

柱前堂 2022/01/08 19:57

イベントレポ:なにわんGP2021 立志編

なにわんGP2021の当日の様子はイベントレポ:なにわんGP2021当日編に書きましたので、この記事では当日までの準備についてレポートします。
時系列に沿って書くので、本作りの話とありあるでのイベント準備の話が交互に出てきますがご容赦ください。

号砲

2021年10月16日、主催のTOMさんからイベント開催が発表されました。
初報ではオンライン開催であること、12月25、26日の2日間であることが発表されました。

……逆に言えば、他の情報はまだありません。どんな会場なのか、同人誌販売以外の企画、販売形式の詳細……全てが手探りの新イベントです。

でもまあ、本作っといてと言われたので、とりあえず前向きに検討します。
この時点では、「せっかく紙の本ならゲームブックとか、普段しないような二次創作とかしたいかも」と案が出ていました。
普段しないようなことをしているスケジュールではなかったため、後に全てボツになります。

集結

11月1日、開催発表から2週間を経てサークル参加受け付けが始まりました。
この時点では登録フォームで名前とメールアドレスを登録するだけ。

その前日、にりゅーは新刊の案を決定していました。
本を作るとなると、イベント前に印刷・配送の時間が必要になります。それを考えると、「あまり凝ったことをしている時間は既にない」ということに気付き、2万字くらいの普通の小説にしておきましょう、と決断。
この頃3~5000字程度の短編を何度も書いていたため、「4シーンくらいの話を各シーンの短編のつもりで書けばちょうど2万字になるのではないか」などと供述していました。そんな都合よくいくか。

内容については、「チャンピオンがボコボコにされるやつがいいです」と素直な意見が脳内議会を一発通過。人間、素直が一番です。
「互角の競り合いから勝負所で敗れて流れが決定、そこからもう1ラウンド粘ってサンドバッグにされる」
「インターバル嘔吐」
「負け確でも足掻くほど勝ちたい理由」
「ゆるふわガーリーな女性が顔ぐしゃぐしゃにしてド根性見せてくれたら嬉しい」
などと肉付けし、大まかな雰囲気が見えてきました。
ここからさらに詳細を詰めて、キャラクターとプロットを作成してから執筆を始めます。
本文を書き始めたのは11月23日、まだ暢気してますね。

布陣

11月15日、ありあるへの登録受け付けが始まりました。
通販のための各種個人情報のほか、ありある上の店舗や商品の設定もします。いよいよオンラインイベントの準備がサークル側でも始まります。
といってもまだ新刊は未完成。画像が必要な部分は柱前堂のアイコンを仮置きしておきます。作っておいてよかった柱前堂アイコン。小説ばかりの弊サークルでは、適当な画像ってスッと出てきませんからね。

手数料の説明もあったので、予想収支をざっと計算。といっても、本の印刷費がまだ確定していないので雰囲気だけですが。

ありあるはまんだらけ様を通じた通販ですので、作った本を倉庫に送らないといけません。
その集荷作業に1週間程度かかるとのことで、本が完成していなければならない時期が12月半ばと決まります。
これは本自体の完成で、印刷製本にかかる時間がその前に必要です。これも1週間はかかるとすると、原稿は12月頭にはできていないといけない、ということになります。
あと2週間ちょっと。覚悟はしていましたがわりと青くなります。

修羅

イベントに向けて最低限の準備はできたので、ここからはひたすら原稿執筆です。
キャラクターとプロットを固めて、前述の通り11月23日から本文に入ります。期間が短いせいで妙なテンションになって妄想ツイートが捗ります。
他のサークル様も悲鳴を上げていて、ちょっとした文化祭気分。人の悲鳴が聞けるから同人誌即売会はやめられねえよなあ!(普段のイベントはこんなに悲鳴は上がりません)

製本依頼

原稿作成と並行して、印刷製本の依頼を準備します。
今回印刷をお願いしたのは、ちょ古っ都製本工房様です。
文庫サイズも含め、小説を安価に綺麗に製本してくださいます。
小部数でも受け付けていただけてありがたい限りです。

本のサイズ

今回はB5の24ページを予約(多めに予約しましたが、後に20ページに変更)。小説なら文庫サイズのA6にしたい気持ちもありますが、他の本とサイズが違うと挟まったときに他の本を折ってしまわないかという心配もあります。それはさておき、今回は柱前堂直近の本のテンプレを利用してB5に決定。確実な実績を活用して、短い期間内に手戻りが発生する可能性を少しでも避けます。

原稿締め切り

次いで、原稿締め切りと本の納入予定日を予約します。

まずは、ありあるの倉庫へ本を送るスケジュールを確定させないといけません。
ありあるに本を納入するには、集荷システムを依頼するか印刷所から倉庫へ直接発送してもらうか、2通りの方法がアナウンスされていました。
ですが、以下の理由でにりゅーはどちらも難がありました。

  • 集荷に来てもらうと、家族に見られてしまう
  • 印刷所から直送すると、販売前ににりゅーが仕上がりを確認し、見本を確保できない

直送の場合はオンラインならではの問題で、実会場に直送してもらう場合は現地で開封・頒布するのはサークル主自身ですから、イベント開始前に確認・見本確保ができるのです。
そういうわけで、「印刷所から一度にりゅーの元に発送してもらい、見本を確保した上でにりゅーが倉庫に発送する」というステップを踏むことにしました。印刷所からの受け取り、倉庫への発送は近所の宅配ボックスやコンビニ経由で済むため、家族の目を避けられます。
印刷所から送るのも自分で送るのも変わらないだろうと勝手に判断しましたが(ちゃんと聞きなさい)、事後に報告し受け付けていただけました。

ありあるの集荷システムを依頼する場合、15日には本を手元に用意していないといけないとアナウンスがありました。
印刷所から倉庫へ直接発送してもらう場合の必着日はこの時点では曖昧でしたが(ちゃんと聞きなさい)、集荷と同じ15日に発送していれば大丈夫だろうと判断しました(ちゃんと聞きなさい)。
2日余裕を見て、13日に印刷所から手元に着いていれば良さそうです。

納入予定日が決まったら、次は原稿締め切りです。
急ぎの仕事を頼めば割高になるのは世の当然、なるべく納入予定日から余裕のある日程を選びたいものです。まして今回は年末、コミケも控え印刷所も忙しいはずです。とくに割増になっているわけではありませんが。
にりゅーのぼんやりした事前の計算では、納入予定日を13日として、原稿締め切りは5日にしても8日間ある……などと考える大人になってはいけません
サークル活動は趣味なので土日も活動しますが、印刷所は企業。5日から13日では5営業日しかありません。
原稿進捗とにらめっこして、3日提出の6営業日で決定します。

用紙

本文や表紙の紙を選ぶのも同人誌作成の楽しみ。
これまで真っ白な紙を選んできましたが、今回は淡いクリーム色にチャレンジ。本文の黒とのコントラストが低くなるので、目に優しく読みやすいかと思います。

追撃

11月30日に本文を書き上げました。
ここから原稿締め切りの12月3日まで、印刷に向けて形式を揃え、校正推敲を行います。

形式

これは以前のテンプレートを流用するので、最終チェックだけしてとくに問題なく完了。
ざっくりした基準として、以下のことが満たせていれば印刷してもらえると思います。

  • 印刷所指定のファイル形式(今回はPDFをplatexで作成)
  • フォント埋め込み
  • 印刷所に依頼した用紙サイズ
  • 表紙、奥付
  • 印刷所に依頼したページ数
  • ノンブル(ページ番号)
  • 印刷範囲をはみ出さない本文(必要ならトンボ)
  • その他印刷所の指定条件

表紙・奥付をちゃんと作れば、あとの条件はワープロソフトなどでも適切なファイルを作ってくれると思います。フォント埋め込みをちゃんと確認しようと思ったら少し調べないといけないかな?

奥付

大抵の印刷所、同人誌即売会では発行者を明記した奥付を要求されます。
発行日と発行者、連絡先があれば大丈夫でしょう。
注意書きや転売禁止もついでに書くといいです。

この奥付に1ページ必要になります。
印刷製本の都合上、ページ数は2やそのべき乗の倍数になるので、本文作成時に計算に入れておかないと無駄に白紙のページが出たりします。
今回は本の裏表紙、表4に奥付を配置しました。
ただ、その裏側である表3にも印刷できたので、そっちの方がよかったです。表3に印刷できることに気付いたのが入稿作業中で、余計なことをしている場合ではなかったので断念しました。

ルビ付け・校正

PDFにした本文を読み返し、ルビを付けたい単語をリストアップします。
ルビを付けたら、ルビも含めて誤字脱字がないか一文字ずつチェックします。
文の内容に意識がいくと、間違っている文章でも無意識に補完して違和感なく読めてしまうので、文字そのものに集中しなくてはいけません。
最近はやってないですが、読み上げソフトにかけると不自然な日本語は発見しやすそうです。

推敲

校正をしてから推敲に入ります。書き換えたらまた校正しなくてはならないので校正が後の方がよさそうなものですが、ルビ付け校正で本文を読み込んでからの方が推敲するところを考えやすいので、この順序にしています。

書いた文章をどれだけ削れるかが小説家としての腕前、なんて聞きますが、にりゅーはあんまり削れてません。今回はジムでの睦美の背景説明をちょっと短縮したくらいでしょうか。
むしろ試合中の思考のステップが飛んでいるのを補ったり、見せ場なのにあっさり書きすぎたシーンの描写を書き込んだりと書き足すことが多いです。

最終チェック

推敲で書き直したところを中心に再チェックします。
今回、主人公の香純とセコンドの睦美の名前をやたら書き間違えていました。音が似ているせいでしょうか。
香純と睦美でそれぞれ全文検索をかけ、使われ方が間違っていないか確認しました。

雌伏

無事に入稿、印刷発送された本を受け取り(予定より早く12月9日に発送していだけました)、ありあるの倉庫へ発送しました。これで泣いても笑ってもイベント当日に本が出ます。
あとやるべきは、当日までの宣伝です。
小説は表紙を見ただけでどんなジャンルの作品か伝えるのは難しいので、時間をかけてしっかりアピールしないといけません。
とはいえあまり内容に言及しすぎてネタバレに踏み込んでしまっても、わざわざ買ってくれた方に申し訳ない。
加減が難しいですが、自分の作品がどんな人向けなのか、どこが面白いのかを分かっていないと宣伝できないので、この取捨選択も創作の一環かと思います。

今回は pixiv に試し読みを置く、記号的なジャンルをツイート、当ブログでもう少し踏み込んだアピールポイントを書きました。
柱前堂の場合、一番見てもらえるのは pixiv のようです。
Twitter は手軽でRTもしてもらえて便利ですが、誰が見ているか分からないのであまり過激なことは書きにくいです。
その点、当ブログでやや下品な売り文句が出せてよかったです。

文字詰め


本文の抜粋を一枚の画像に詰めるやつ、前回好評だったので今回もやってみました。
今回はパワポ……ではなく、MacOSなので Keynote で作成しました。本の表紙にするわけではないので用紙サイズとか気にする必要ないですしね。
前回は platex と overpic マクロで試行錯誤して作ったので、それに比べれば遥かに楽だろう……と思っていましたが、フォントサイズや色の設定を一文ずつGUIでやらないといけなかったので別の苦労がありました。
本文中からパンチの強い、テーマを表した一文を集め、重要なものから大きく配置します。空いたスペースは長めの描写を詰めましょう。
人物ごとに色を変え、台詞か地の文かでゴシック体と明朝体に分けました。色に関しては、見え方の個人差を考慮できていないので次回は確認したいです。

激突

そんなこんなでイベント当日を迎えます(イベントレポ:なにわんGP2021当日編)。
レポートなのでとくにオチとかないですが、サークル参加すると本番までの長い期間もこんなに苦し楽しいいですよ、ということでひとつ。

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