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HARE / define 2021/04/05 14:35

M.C.制作話(8回目)

 初めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話も、8回目です。

 今回、書いたことで終わりが見えました。区切りも良いので全10回という形で、M.C.制作話は終わろうと思っています。

 ……終わる、はずです。

 さて、終わった後はどうしようか。今はそんなことも考えています。

 無計画にCi-enを始めたので、色々と後手後手に回っている感じがすごいですね。

 今は、ASMRの新作を制作しているというのに、そちらの宣伝さえもだいぶ疎かですし。

 ゲーム制作の時からずっと言われているように、宣伝ベタなのは変わっていません。

 とはいえ、何をすればいいのか、どうすればいいのか、そのあたりはこれから模索していくしかないでしょう。

 ……真っ暗闇で出口のない洞窟に突っ込むことになりそうですが。

 とりあえず、ASMR


「義理の姉になった彼女(わたし)と、親に内緒で恋人同士になる方法」 

4月9日発売です(宣伝)

 有料プランには、お得なクーポンもありますので、ご一考ください。

 よろしくお願いいたします。

 そして、実はASMRの3作目も制作中です。

 ASMR制作話とかは、興味のある方はいますかね?

 ……話をするにしても、あちらは2、3回で終わってしまいそうですが。

 ということで、毎回、きままに適当にやっている前置きはこれくらいで、M.C.制作話の8回目となります。





 ゲーム制作は順調(?)に進んでいましたが、コミケまでの残り時間も減り、10日くらいしかありません。

 この頃には、ざくそん氏の協力もあって、M.C.を制作していることや、コミケで頒布する、という告知もしていました。

 初めての制作、初めての参加、初めての販売。

 となれば、100本も用意すれば十分だろう。

 たとえ、目についた人達が買ってくれることを期待しても、300本まではいかないはず。

 制作本数は、そんな予想の元に動いていました。

 しかし、ネットなどの反応を見ると、どうやらもうちょっとくらい多くしても、全てが捌けそうだと、手応えがありました。

 となれば、制作数のアップです。

 たくさんの本数の売りさばき、うっはうはの、左うちわだぜと、取らぬ狸の皮算用です。

 まあ、実際に同人をやったことのある方々は、よくわかっていると思います。


 ネットの反応を信じると、痛い目に遭う、ということを。


 しかもdefineは初参加(※注1)です。

 だというのに、なんとなく行けるという感覚のまま、当初予定を上回る頒布本数を用意することになりました。

 数を作ることを決めたまではいいのですが、CD(※注2)の枚数を増やすには、プレス会社に依頼する必要があります。

 そうです。この時点まで、CDのプレスってデータを納品してから数日もあればできるんでしょう?

 ……などと、甘いことを考えていたのです。

 すでに皆さんはお気づきでしょう。

 コミケまで、プレスが間に合うはずもないことを。

 そうです。当時のdefineのスタッフは、誰一人としてCDのプレス生産にかかる時間がどれくらいなのか知りませんでした。

 そんなことを知りもせず、さっそく依頼できそうな会社を探しだして連絡をいれます。

 そして、当然のように全てに断わられます。

 これでは、完成しても、購入を考えてくださっている方々の数分の1(※注3)にしか売れません。

 プレスできないのであれば、手焼き(※注4)をするしかないない、という状況に陥ります。

 1枚作成するに要する時間は○○分、となると○○○枚を作成するとなると――。

 ここで、再びHAREの前に「時間がない」ことの壁が立ち塞がりました。

 さらに「え……?」と思われるかもしれませんが、そもそも、まだこの時点でゲームは完成していません。

 プレスとか、枚数を増やすとかの前に、完成の心配をしろよ、という感じですね。

 原画は完了しました。

 彩色も(統括はしていませんが)完了しました。

 シナリオも、問題というか状況の変化(※注5)はありましたが、終わりが見えていました

 ゲームのほうは、基本動作はできそうです。

 他の素材も揃ってきていました。

 ここまできたら、次の作業は「スクリプト(※注6)」です。

 幸い、defineのスタッフは、そっち系の作業には馴染みがありました。

 やっと、自分達のスキルが十全に役立つ時がきたのです!

 4人がかりで手分けして、サクサクと進めることができます。

 ……何も問題がなければ。

 そして、他作業もあって、結果的に実際に組んでいたのは2名だけとなります。

 ある意味予想通りの展開ですね。

 この時点でスクリプト作業が、予定していた倍の時間がかかることになりました。

 さらには、実際にゲームを組み上げてくると、細かい問題がたくさん出てきます。

「このシーン、服装が合わない」

「この前で服を脱いでいるのに、次のところでまた着ている」

「ここの指定の背景の画像がない」

 そんなものが、ぼろぼろと出てきます。

 時に素材を増やし、時におくとぱす氏に書き直してもらい、どうにか形を整えていきます。

 ギリギリになって、こんなことができるのは、ボイスがなっかった(※注7)からですね。

 しかし、その裏側ではプレスができなかったことで新たに発生した作業が。

 それはどのようなものだったのか、そのあたりは次回に。







※注1 しかも、自サークルの参加ではなく、知り合いのところのみの委託です。


※注2 当時はゲームのメディアは、主にCDでした。だいぶ安くはなっていましたが、50枚で2,3000円~くらいはしていたはずです。


※注3 勝手にこれくらいの人が購入してくれる、と予想していた数の数分の1です。まったく根拠のない数字ですね。


※注4 CDにデータを保存することを「CDに焼く」、1枚ずつCDを手ずから作成することを「手焼き」などと呼称していました(自分の周りだけかもしれません


※注5 実は、シナリオの分量が当初予定を大幅に上回り、倍くらいになっていました。
 当然、増えた分ところでおくとぱす氏は余裕ですが、片方のルートだけ、短くさくっと終わるのは体裁が悪いので、HAREも合わせて加筆していました。
 自分のルートのテキストだけが終わってないという、胃の痛い日々が続いていました。


※注6 スクリプト、正式な意味や、他での使い方は違うかもしれませんが、ゲームにおいては、ここで立ち絵を出す。ここで立ち絵を消す。ここで表情を変える。ここで音楽を流す。というような命令をいれていく作業であると考えてください。


※注7 声がついてしまえば、修正は難しくなります。他作品ですが、とあるライターさんが、渾身の一言、そのセリフをヒロインに言わせるために話を積み上げたのに、収録し忘れ、泣く泣く文章を修正をした、という話もあります。
 また、取り忘れた一言のために○○万円をかけて、収録し直すことになり、ゲームの発売がずれた、という話もあります。

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HARE / define 2021/04/04 10:29

ASMR「義理の姉になった彼女~」発売に伴うクーポンにつきまして。

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HARE / define 2021/04/01 21:58

M.C.制作話(7回目)と、エイプリルフール。

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話の7回目となります。

 もう7回。まだ7回。人によっては違うでしょうけれど、そろそろ飽きてきた方もいると思います。

 興味の無い方は、引き続き華麗にスルーしてください。

 書いているHAREも、こんなに長くなるとは思っていませんでした。

 なにしろ、1回目からで、テキストの分量が35KB(原稿用紙40枚くらい?)になっています。

 ASMRドラマCDにしたら、60~80分程度の作品が作れる分量です。

 こんなことを書き連ねるくらいならば、素直に新作を作れば良かったと思っても、後の祭りです。

 HAREとしても、この話のネタがなくなったら、次はどうするかまだ決まっていないので、もう少しだけ引きのば……続けようとおもっています。

 とはいえ、あと2、3回で終わりの予定です。

 では、今回も後悔から目を背け、過去を忘れて突き進んでいきましょう。




 ゲーム制作がやっと進みはじめた……そんな状況になり、足りないところは基本的に、Y氏に相談という名の手助けをしてもらっていたとこからですね。

 メンバーはそれぞれ担当に分かれて作業を進めていたのですが、状況はざっとこんな感じでした。

 ゲームの土台となるスクリプトエンジン、吉里吉里については、当時から解説をしてくれるサイトもあって、どうにか動くようになっていきました。

 ゲーム画面ですが、制作するには技術が必要です。知識が必要です。お金も必要です。

 ……ちなみにdefineのスタッフ(※注1)は誰も作れません。

 ここでも、Y氏に泣きつき、作業について教えてもらったり手伝ってもらって事なきを得ます。


 原画の彩色作業も、まともに指示を出せる人間は内部にいませんでした。

 Y氏の力でゴリゴリと作業を進めてもらっていました。

 実は、後で、ここの編成でも大きな問題(※注2)が発生するのですが「とりあえず原画全てが塗ってある状態」になればよいと進めてもらいました。


 BGMやSEも、一部はY氏の知りあいの方に、他はフリーで使用可能なサイトさんにはお世話になりました。足を向けて眠れませんね。


 背景。今でこそ、フリー素材がかなり増えてきています。安く販売しているサイトなどもありますね。

 この漫画の背景、どこかで見たぞ?
 このゲームの背景、知っているぞ?
 このCG集の背景、あそこのやつだよね?

 と、大活躍です。

 ただ、当時はそういうサイトもほとんどなく(※注3)、背景を描ける業界の知りあいもいません。

 いくつかやってくれそうな会社も調べましたが、金額的にも、スケジュール的にも受けてはもらえませんでした。

 ここで毎回のごとく、Y氏にも相談しましたが、さすがにいくら彼であっても無理なことはあります。

 ここクオリティよりも、完成を、ということで写真を撮ったものを加工して使用することになりました。


○ロゴ
 defineのスタッフの一人が、それっぽくでっちあげました。


 背景などは、いくら昔のこととはいえ、もう少し方法はなかったのか? と思わなくもありません。

 ですが、当時はあれ(写真加工)でいっぱいいっぱいです。全力です。

 時間のない中、少しずつゲームが形になっていく。

 これはテンションがあがります。

 プロジェクトがXしそうな勢いで盛り上がり、頭の中では中島み○きさんの歌う、番組のテーマソングが流れます(※注4)。

 けれど、素人が寄せ集まり、ノリだけで進めていた作業です。当然ですが、そんなに甘くはありませんでした。

 残り時間の無さが、ゲームの制作以外にものしかかってきます。

 そのことを、HARE達は知る由もありませんでした。

 ……というか、自分達が知らないことを知らないという状態だったので、問題視さえできなかった、というのが正しいでしょうか。

 一見、どうにか間に合うかもしれないという状況になりつつある制作。

 しかし――。

 ということで、小賢しい感じに引きにして、続きは次回ということに。
 よろしくお願いします。



 それと、今日はエイプリルフールというのに、先ほど気付きまして。

「キモい兄貴の催○術なんかに、妹がかかわるわけない」をゲームにするぜ!

 とか告知を丁寧に作ったら面白いかもと思ったのですが、すでに時間もなく、制作を依頼するような予算も、自分で作る技術もありません。

 今回は、ASMR作成の時に吉先生に作ってもらったキャラデをなどを。





 Twitterのほうでも公開している絵と同じものです。

 ……これで本当に作るなら、制作日記にすれば、ネタがつながりますね。







※注1 当時、作業をしていたのは4名で、その全員がプログラム系です。偏った編成ですね。


※注2 ゲーム制作における彩色作業では、社内にチーフ(グラフィックチーフ、彩色統括者などといわれます)を置くのが普通です。
 グラフィックチーフの主な役割は、色彩設計(最初の色決め)複数の人が塗ったものの調整、全体のクオリティの底上げ、彩色作業の進行管理、内部外部を問わずに仕事の割り振りなどです。
 defineないにそのような技能を持っている人はいませんでした。
 M.C.をお持ちの方は、イベントCGごとに色味が違うというのがお分かりかと思います。
 どうしてか?
 グラフィックチーフがおらず、統括作業をしていないからです。
 言い訳としては、手抜きとかではなく「そういう役割の人が必要」なことを知らなかったためです。
 無知というのは恐ろしいですね。


※注3 HAREの主観です。写真加工系はそれなりにありましたが、画像系はほとんど見かけませんでした。あと、この少し後に増える3D系もですね。


※注4 あの番組が、当時放映されていたのかは知りませんので、あくまで今から振り返った時の感想です。

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HARE / define 2021/03/26 12:00

M.C.制作話(6回目)

//■6回目

 初めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 MC製作話の6回目となります。

 なんか、思っていたより伸びそう……という状況から、さらに回数が増えそうです。

 興味の無い方は華麗にスルーしてください。

 たぶん、今書いている感じだと10回を超えることはないと思います。

 ……ないと思います(二度目)

 さて、前回からの話の続き、HARE達にとっては貴重な業界人の知り合い、Y氏の受難について。

 隣人は関係ありませんよ?(※注1

 Y氏は、defineがM.C.(仮)を制作していた当時は業界歴は2年程度(※注2)だったはずで、本業(?)は、グラフィッカー(彩色)だったはずです。

 StitchがY氏にとっても、二(もしかしたら三かも)本目のディレクション作業だったはずなので、今から考えると、よく付き合ってくれていたと思います。

 それ良いことに、ことあるごと(※注3)にY氏に助けを求めるHARE。

 さっそく、本格的に製作が始動したところで、相談と言う名の助けを求めます。

 ここでちょっと横道にそれます。

 またかよ、という感じですが、またです。

 スタンダードなPC18禁のADVゲームに、最低限必要な素材について解説しましょう。

 ・原画
  言わずとしれた、絵です。ゲームの顔です。
  売り上げに直結するので、もっとも扱いに注意をされる人です。


 ・背景絵(ゲーム)
  立ち絵と呼ばれる絵を表示する時など使用するものですね。実は見ている時間がながいので、全体のクオリティに直結します。
  縁の下の力持ち的な存在でしょう。


 ・シナリオ
  こちらは、ゲームで表示される文章です。

  「日本語なんだから、誰でもかけるだろ?」、「簡単な作業だよな」、「絵が描けないのでシナリオライターになります」等、よく言われることのある仕事です(※注4


 ・プログラム
  ゲームを動かすために必須で、重要な部分です。


 ・BGM・SE
  音楽、効果音などです。物語を彩り、盛り上げる力のあるものです。


 ・ボイス(※注5
  作品に命を吹き込んでくれるものです。

  声優さんの演技次第で、多少の齟齬や矛盾点も綺麗に丸め込んでもらえるという、ライター的には「最終防衛ライン」みたいな存在です(※個人的考えです


 この辺りまでは、誰もが想像するものでしょう。そして、defineのメンバーもここくらいまでは、考えていました。

 ここから先、当時の知識になかったことです。


 ・彩色
  主に原画に色を付ける作業です。

 そうです。絵には色を付ける必要があるのです。
 ちなみに、HAREは、最初「原画」をやる人が色を塗ってくれると思っていました。


 ・ゲーム画面
  ゲームをプレイする時に必要な素材です。スタートボタンとか、テキスト表示ウインドウとか、そういうものです。


 ・ロゴ
  どのようなゲームなのかを端的に表し、原画の邪魔にならないようにしなければいけないという、実際に制作するのは難しいやつです。


 ・HP(ホームページ)などのウエブ用の素材。


 え? そんなの用意するのは、当然でしょう?

 そうですね。当然です。ですが、当時は忘れていたり、知らなかったことだったりします。

 ここまで脱線してきましたが、一応は前フリ……になっていないかもしれませんが、Y氏の受難関わりのあることです。

 原画はStitchを担当していたウチの一人に決定し、おくとぱす氏の作成した指定に基づき、作業に入ってもらうことに。

 当時、原画はデジタルではなく紙に手書きだったので、当然、彩色のための処理が必要(※注6)となります。

 原画が仮宿にしていた部屋に、自宅から電車で数駅分だったHAREは、自転車で(早朝が多かったため)受け取りに行き、その足でY氏に手渡しに行っていました。

 そう、彩色をしてもらう宛てがないので、HAREはY氏に「彩色お願いしますね」と強引に作業を押し込んでいたのでした。

 Y氏はディレクターではありましたが、グラフィッカーとしての技術もあります。

 他社さんのディレクターに、同人ゲームのグラフィッカーをしてもらう。

 Y氏の上司、S氏の許可を得ていたとはいえ、無茶ぶりもよいところです。

 次のゲームの準備などで忙しかったはずのY氏に、こちらの都合で何度も、原画が暮らしている街まで出てきてもらうことになりました。

 原画が1枚あがるたびに、渡すためです。

 恐ろしいことに、当時はスキャンしてデジタル化してメールなどで送付、という手順も踏めずに全て手渡しでした。

 さっそく彩色作業に入ってもらうことになったのですが、ここまで繰り返してきたように、最初から製作スケジュールは破綻しています。

 彩色作業も、開始と同時に破綻しています。

 不可能を可能にする――というと格好いいですが、無知の尻拭いをしてもらうために、Y氏の知りあいまで巻き込み、二人体制でやってもらうことになりました。

 これで、どうにか最低限の体裁は整いました。

 ……そう思っていたのはHAREだけだったかもしれませんが。

 事実、彩色作業間に合わなくなるので、のちに作業は3人体制になります。

 いかに状況がおかしかったのか、よくわかるエピソードですね。

 Y氏には良い迷惑でしたでしょう。

今、自分がシナリオで似たようなことを依頼されたら、迷わずに発売延期を提案するのは間違いありません。

 次回は、当然のように発生する、知識が足りないことによるミスや、素材不足などについて。







※注1 古い漫画に「Y氏の隣人」というのがあって。それをネタにしました。M.C.制作には全く関係がありませんが、面白い作品なので機会があれば、ぜひ。


※注2 確認していないので、違うかもしれませんが、ゲーム制作に慣れている、というほどの時期ではなかったはずです。

※注3 発注方法、資料の作り方など「何をどうすればいいのか」を、かなりの頻度で質問をさせてもらっていました。

※注4 個人的偏見です。とはいえ、全部、HAREが色々な人から言われたことのあるセリフではあります。

※注5 当時は、同人ゲームはボイスがないものも少なくありませんでした。M.C.もついていません。


※注6 紙に描かれた原画を彩色するための準備として、ものすごくざっくりですが、以下の作業が必要です。

 1.スキャナーで紙に書かれた絵を取り込む。
 2.ゴミ(スキャンした時の埃や目立つゴミや、描いたときの汚れなどの除去。
 3.かすれや消えた線の修正や追記。
 4.差分の位置を調整し、1枚の絵に統合しておく。


 ここまでやってから、やっと本来の作業の開始となります。

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HARE / define 2021/03/23 12:00

M.C.制作話(5回目)

//■5回目

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 MC製作話の5回目となります。

 おいおい、新作ASMRの情報開示とかじゃないの? と思ったかた、申し訳ありません。

 もうちょっとだけお待ちください。

 ええ、体験版をどうするか決めていなかったので、いそいで相談中だなんてことはありませんので。



 さて、前置きはさらっとながして、前回の続きといきましょう。

 シナリオまわりは、おくとぱす氏に丸投げ……もとい、かなりの範囲の協力をいただくことで、希望の光(今度は本物です)が、見えてきました。

 次は、それを生かすために必要な土台作りです。

 家を設計、建築の準備を始めてから、土地を探すようなものです。

 順番が逆だよな? などと思われるでしょうが、まさにその通りです。

 当時はまったくそういう手順もわかっていなかったので、そのままやっていましたが、非効率でありえない順序です。

 とはいえ、ゲームを製作するには、パソコン上でゲームを動かす必要があります。これは当たり前ですね。

 そのために必要となるスクリプトエンジン、その最初の候補がだめだったので、次の手を打つ必要がでてきました。

 業界の知りあい(二人だけ)に頼った後なので、自分達で別の何かを用意するしかありません。

 そこでフリー(無料)で使えるツール探しです。調べてみましたが、有名なのは2、3つ(※注1)ほどありました。

 HAREはちょっとだけC言語とアセンブラをやりましたが、まったく才能がなく、さらには自分にはプログラムが向いていないという体験を嫌というほどしていました。
 つまり、スクリプトエンジン探しでは、役立たずです。

 ということで、defineのメンバーの一人が、色々と調べ、実際に軽く弄った上で決定をしました。

 当時、同人系ゲーム制作者は知らないものはいないと言ってもいいくらいに有名な、吉里吉里(きりきり)です。

 ……とはいえ、HAREは知りませんでしたが。

 スクリプトエンジンは決定しました。

 しかし、どういうものなのか、何ができるのか、詳しいことについては、何度も助けてもらっていたディレクターのY氏にも尋ねてみましたが、畑が違う(メインはグラフィッカーでした)ので、詳しくはわかりません。

 しつこいくらいに繰り返していますが、業界にも、それどころか同人を作っている知りあいもいませんでした。

 「とりあえず、ネットで調べていい感じでやるしかないんじゃない?」
 「調べてやってみるわ」

 という無茶ぶりでお任せです。丸投げです。

 そして、やっと他の部分が動き始めたこの頃に、爆速で「M.C.(仮)(※注2)」のたたき台がおくとぱす氏からあがってきました。

 ちなみに、この時点でのHAREの催○術に対しての知識は、

 5円玉を糸につるして、揺らして相手を操ったりするやつ?

 アニメや漫画などで、味方を裏切らせる時にたまに使われる小道具的な何か。

 くらいでしかありませんでした。

 そんな人間が、学生時代から催○術系の小説を書いてきていたおくとぱす氏のプロットを読んでも、意図をうまく拾えるはずもありません。

 前後しますが、この頃に、おくとぱす氏の古くからの友人であり、催○系の小説サイトの草分け的な存在「E=mc2」のざくそん氏(URL:https://www.zaxonmc.com/を紹介(※注3)してもらいました。

 世の中には、こんなに催○術小説があるのか、と驚きながら、端から読みあさり、なんとなく理解したつもりになったHARE。

 そんな状況の中、おくとぱす氏によって基本設定が固まりました。

 なお余談ですが、ヒロインの「真志保(ましほ)」は、北海道の有名な学者の方のお名前を一部、拝借しています。

 この辺りの流れは、後年出る商業作品である「催○遊戯」のヒロインの名前(※注4)にも続いています。

 さて、設定が決まれば、次はゲームのキモとも言える絵(原画)にキャラクターデザインの依頼です。

 もちろん、時間なんてありませんので、なるはや(なるべく早く)でお願いしますね、と依頼することになります。

 依頼する側も、される側も、ほとんど素人だったことがプラス(?)に働きます。

 みんなそれくらいで作ってるんだよ? という言葉を、発注側も受注側も信じ、普通ではありえないくらいのペースで作業を進めることに疑問を抱かなかったからです。

 原画さんにキャラデを進行してもらい、なんだか本当にゲームを作っているような気分(※注5)です。

 もちろん、ライターもサボってはいません。サボる余裕なんてないというべきでしょうか。

 シナリオ作業を、おくとぱす氏とHAREで大きく二つのルートにわける形で、作業を分担することになりました。

 ADVゲームタイプにはよくある。

 共通ルート
  → 個別ルートA
  → 個別ルートB

 という構造ですね。

 その辺りの割り振りなども、さくさくと進めていきます。

 何しろ、知識があり、速度があるライターがいるのですから、何かあれば「よろしくお願いします」、「お任せします」と繰り返していればいいだけです。簡単なものです。

 ……いや、知識のないままに口を挟んでも、効率が落ちるだけですし(言い訳)

 最終的に、おくとぱす氏には、共通とルートBを、HAREがルートAを担当することになりました。

 HAREも、さっそく自分の担当するルートの詳細プロット(※注6)作成作業に入りました。

 ここで、賢明な方は、おくとぱす氏にまるごと任せればよかったんじゃない? と思うでしょう。

 ……今のHAREならば、迷わず同意します。

 しかし、端っことはいえども、ゲーム制作の参加をするためにも文章くらいは書きたい、書くべきだと思っていました。

 この時点で、コミケまでの残り期間、3週間ちょっとくらいだったと思います。

 やっとまともに作業に入ったな、という時点で、もう残り時間は二十数日。

 人間、諦めも肝心だよ? と言いたくなる状況ですね。

 さて次回は、こんな状況で本当にやっていたの? という続きと、何かと頼っていた、唯一と言えるくらいの業界人の知りあいであるY氏の受難についてです。








※注1 当時有名だったのは、高橋氏のNスクリプト、吉里吉里あたりでしょうか。他にもあったかもしれませんが、同人系のゲームは、この二つを使用して、製作しているところが多かったと思います(個人的印象です)

※注2 まだ、この時点ではタイトルが未定でした。

※注3 もしかしたら、時期がちょっと違うかもしれませんが、この辺りだったはずです。

注4 気分ではなく、本当に作っているのですが、絵があるとないとでは、ライターのテンションは全く違います(個人的な感想です)

※注5 鵡川等、北海道の地名です。

※注6 ライターの数だけ、作り方の種類があると思っていいと思います。エクセルに書く人、テキストに書く人など、その人なりにやりやすい方法がありますので。
//■場所・時間:学校(教室)・昼
//■服装
//○真志保:制服
//○主人公:制服
 というようなものや、
//■SE(効果音)
//■場面転換
 などの指定を入れて、文章をさらに細かく記載したものとなります。
 ちなみに、これはHAREと、知り合いのライター主にやっているので、別のところや人は別の「詳細プロット」の作成方法があると思います。

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