HARE / define 2021/03/23 12:00

M.C.制作話(5回目)

//■5回目

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 MC製作話の5回目となります。

 おいおい、新作ASMRの情報開示とかじゃないの? と思ったかた、申し訳ありません。

 もうちょっとだけお待ちください。

 ええ、体験版をどうするか決めていなかったので、いそいで相談中だなんてことはありませんので。



 さて、前置きはさらっとながして、前回の続きといきましょう。

 シナリオまわりは、おくとぱす氏に丸投げ……もとい、かなりの範囲の協力をいただくことで、希望の光(今度は本物です)が、見えてきました。

 次は、それを生かすために必要な土台作りです。

 家を設計、建築の準備を始めてから、土地を探すようなものです。

 順番が逆だよな? などと思われるでしょうが、まさにその通りです。

 当時はまったくそういう手順もわかっていなかったので、そのままやっていましたが、非効率でありえない順序です。

 とはいえ、ゲームを製作するには、パソコン上でゲームを動かす必要があります。これは当たり前ですね。

 そのために必要となるスクリプトエンジン、その最初の候補がだめだったので、次の手を打つ必要がでてきました。

 業界の知りあい(二人だけ)に頼った後なので、自分達で別の何かを用意するしかありません。

 そこでフリー(無料)で使えるツール探しです。調べてみましたが、有名なのは2、3つ(※注1)ほどありました。

 HAREはちょっとだけC言語とアセンブラをやりましたが、まったく才能がなく、さらには自分にはプログラムが向いていないという体験を嫌というほどしていました。
 つまり、スクリプトエンジン探しでは、役立たずです。

 ということで、defineのメンバーの一人が、色々と調べ、実際に軽く弄った上で決定をしました。

 当時、同人系ゲーム制作者は知らないものはいないと言ってもいいくらいに有名な、吉里吉里(きりきり)です。

 ……とはいえ、HAREは知りませんでしたが。

 スクリプトエンジンは決定しました。

 しかし、どういうものなのか、何ができるのか、詳しいことについては、何度も助けてもらっていたディレクターのY氏にも尋ねてみましたが、畑が違う(メインはグラフィッカーでした)ので、詳しくはわかりません。

 しつこいくらいに繰り返していますが、業界にも、それどころか同人を作っている知りあいもいませんでした。

 「とりあえず、ネットで調べていい感じでやるしかないんじゃない?」
 「調べてやってみるわ」

 という無茶ぶりでお任せです。丸投げです。

 そして、やっと他の部分が動き始めたこの頃に、爆速で「M.C.(仮)(※注2)」のたたき台がおくとぱす氏からあがってきました。

 ちなみに、この時点でのHAREの催○術に対しての知識は、

 5円玉を糸につるして、揺らして相手を操ったりするやつ?

 アニメや漫画などで、味方を裏切らせる時にたまに使われる小道具的な何か。

 くらいでしかありませんでした。

 そんな人間が、学生時代から催○術系の小説を書いてきていたおくとぱす氏のプロットを読んでも、意図をうまく拾えるはずもありません。

 前後しますが、この頃に、おくとぱす氏の古くからの友人であり、催○系の小説サイトの草分け的な存在「E=mc2」のざくそん氏(URL:https://www.zaxonmc.com/を紹介(※注3)してもらいました。

 世の中には、こんなに催○術小説があるのか、と驚きながら、端から読みあさり、なんとなく理解したつもりになったHARE。

 そんな状況の中、おくとぱす氏によって基本設定が固まりました。

 なお余談ですが、ヒロインの「真志保(ましほ)」は、北海道の有名な学者の方のお名前を一部、拝借しています。

 この辺りの流れは、後年出る商業作品である「催○遊戯」のヒロインの名前(※注4)にも続いています。

 さて、設定が決まれば、次はゲームのキモとも言える絵(原画)にキャラクターデザインの依頼です。

 もちろん、時間なんてありませんので、なるはや(なるべく早く)でお願いしますね、と依頼することになります。

 依頼する側も、される側も、ほとんど素人だったことがプラス(?)に働きます。

 みんなそれくらいで作ってるんだよ? という言葉を、発注側も受注側も信じ、普通ではありえないくらいのペースで作業を進めることに疑問を抱かなかったからです。

 原画さんにキャラデを進行してもらい、なんだか本当にゲームを作っているような気分(※注5)です。

 もちろん、ライターもサボってはいません。サボる余裕なんてないというべきでしょうか。

 シナリオ作業を、おくとぱす氏とHAREで大きく二つのルートにわける形で、作業を分担することになりました。

 ADVゲームタイプにはよくある。

 共通ルート
  → 個別ルートA
  → 個別ルートB

 という構造ですね。

 その辺りの割り振りなども、さくさくと進めていきます。

 何しろ、知識があり、速度があるライターがいるのですから、何かあれば「よろしくお願いします」、「お任せします」と繰り返していればいいだけです。簡単なものです。

 ……いや、知識のないままに口を挟んでも、効率が落ちるだけですし(言い訳)

 最終的に、おくとぱす氏には、共通とルートBを、HAREがルートAを担当することになりました。

 HAREも、さっそく自分の担当するルートの詳細プロット(※注6)作成作業に入りました。

 ここで、賢明な方は、おくとぱす氏にまるごと任せればよかったんじゃない? と思うでしょう。

 ……今のHAREならば、迷わず同意します。

 しかし、端っことはいえども、ゲーム制作の参加をするためにも文章くらいは書きたい、書くべきだと思っていました。

 この時点で、コミケまでの残り期間、3週間ちょっとくらいだったと思います。

 やっとまともに作業に入ったな、という時点で、もう残り時間は二十数日。

 人間、諦めも肝心だよ? と言いたくなる状況ですね。

 さて次回は、こんな状況で本当にやっていたの? という続きと、何かと頼っていた、唯一と言えるくらいの業界人の知りあいであるY氏の受難についてです。








※注1 当時有名だったのは、高橋氏のNスクリプト、吉里吉里あたりでしょうか。他にもあったかもしれませんが、同人系のゲームは、この二つを使用して、製作しているところが多かったと思います(個人的印象です)

※注2 まだ、この時点ではタイトルが未定でした。

※注3 もしかしたら、時期がちょっと違うかもしれませんが、この辺りだったはずです。

注4 気分ではなく、本当に作っているのですが、絵があるとないとでは、ライターのテンションは全く違います(個人的な感想です)

※注5 鵡川等、北海道の地名です。

※注6 ライターの数だけ、作り方の種類があると思っていいと思います。エクセルに書く人、テキストに書く人など、その人なりにやりやすい方法がありますので。
//■場所・時間:学校(教室)・昼
//■服装
//○真志保:制服
//○主人公:制服
 というようなものや、
//■SE(効果音)
//■場面転換
 などの指定を入れて、文章をさらに細かく記載したものとなります。
 ちなみに、これはHAREと、知り合いのライター主にやっているので、別のところや人は別の「詳細プロット」の作成方法があると思います。

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