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HARE / define 2021/04/01 21:58

M.C.制作話(7回目)と、エイプリルフール。

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話の7回目となります。

 もう7回。まだ7回。人によっては違うでしょうけれど、そろそろ飽きてきた方もいると思います。

 興味の無い方は、引き続き華麗にスルーしてください。

 書いているHAREも、こんなに長くなるとは思っていませんでした。

 なにしろ、1回目からで、テキストの分量が35KB(原稿用紙40枚くらい?)になっています。

 ASMRドラマCDにしたら、60~80分程度の作品が作れる分量です。

 こんなことを書き連ねるくらいならば、素直に新作を作れば良かったと思っても、後の祭りです。

 HAREとしても、この話のネタがなくなったら、次はどうするかまだ決まっていないので、もう少しだけ引きのば……続けようとおもっています。

 とはいえ、あと2、3回で終わりの予定です。

 では、今回も後悔から目を背け、過去を忘れて突き進んでいきましょう。




 ゲーム制作がやっと進みはじめた……そんな状況になり、足りないところは基本的に、Y氏に相談という名の手助けをしてもらっていたとこからですね。

 メンバーはそれぞれ担当に分かれて作業を進めていたのですが、状況はざっとこんな感じでした。

 ゲームの土台となるスクリプトエンジン、吉里吉里については、当時から解説をしてくれるサイトもあって、どうにか動くようになっていきました。

 ゲーム画面ですが、制作するには技術が必要です。知識が必要です。お金も必要です。

 ……ちなみにdefineのスタッフ(※注1)は誰も作れません。

 ここでも、Y氏に泣きつき、作業について教えてもらったり手伝ってもらって事なきを得ます。


 原画の彩色作業も、まともに指示を出せる人間は内部にいませんでした。

 Y氏の力でゴリゴリと作業を進めてもらっていました。

 実は、後で、ここの編成でも大きな問題(※注2)が発生するのですが「とりあえず原画全てが塗ってある状態」になればよいと進めてもらいました。


 BGMやSEも、一部はY氏の知りあいの方に、他はフリーで使用可能なサイトさんにはお世話になりました。足を向けて眠れませんね。


 背景。今でこそ、フリー素材がかなり増えてきています。安く販売しているサイトなどもありますね。

 この漫画の背景、どこかで見たぞ?
 このゲームの背景、知っているぞ?
 このCG集の背景、あそこのやつだよね?

 と、大活躍です。

 ただ、当時はそういうサイトもほとんどなく(※注3)、背景を描ける業界の知りあいもいません。

 いくつかやってくれそうな会社も調べましたが、金額的にも、スケジュール的にも受けてはもらえませんでした。

 ここで毎回のごとく、Y氏にも相談しましたが、さすがにいくら彼であっても無理なことはあります。

 ここクオリティよりも、完成を、ということで写真を撮ったものを加工して使用することになりました。


○ロゴ
 defineのスタッフの一人が、それっぽくでっちあげました。


 背景などは、いくら昔のこととはいえ、もう少し方法はなかったのか? と思わなくもありません。

 ですが、当時はあれ(写真加工)でいっぱいいっぱいです。全力です。

 時間のない中、少しずつゲームが形になっていく。

 これはテンションがあがります。

 プロジェクトがXしそうな勢いで盛り上がり、頭の中では中島み○きさんの歌う、番組のテーマソングが流れます(※注4)。

 けれど、素人が寄せ集まり、ノリだけで進めていた作業です。当然ですが、そんなに甘くはありませんでした。

 残り時間の無さが、ゲームの制作以外にものしかかってきます。

 そのことを、HARE達は知る由もありませんでした。

 ……というか、自分達が知らないことを知らないという状態だったので、問題視さえできなかった、というのが正しいでしょうか。

 一見、どうにか間に合うかもしれないという状況になりつつある制作。

 しかし――。

 ということで、小賢しい感じに引きにして、続きは次回ということに。
 よろしくお願いします。



 それと、今日はエイプリルフールというのに、先ほど気付きまして。

「キモい兄貴の催○術なんかに、妹がかかわるわけない」をゲームにするぜ!

 とか告知を丁寧に作ったら面白いかもと思ったのですが、すでに時間もなく、制作を依頼するような予算も、自分で作る技術もありません。

 今回は、ASMR作成の時に吉先生に作ってもらったキャラデをなどを。





 Twitterのほうでも公開している絵と同じものです。

 ……これで本当に作るなら、制作日記にすれば、ネタがつながりますね。







※注1 当時、作業をしていたのは4名で、その全員がプログラム系です。偏った編成ですね。


※注2 ゲーム制作における彩色作業では、社内にチーフ(グラフィックチーフ、彩色統括者などといわれます)を置くのが普通です。
 グラフィックチーフの主な役割は、色彩設計(最初の色決め)複数の人が塗ったものの調整、全体のクオリティの底上げ、彩色作業の進行管理、内部外部を問わずに仕事の割り振りなどです。
 defineないにそのような技能を持っている人はいませんでした。
 M.C.をお持ちの方は、イベントCGごとに色味が違うというのがお分かりかと思います。
 どうしてか?
 グラフィックチーフがおらず、統括作業をしていないからです。
 言い訳としては、手抜きとかではなく「そういう役割の人が必要」なことを知らなかったためです。
 無知というのは恐ろしいですね。


※注3 HAREの主観です。写真加工系はそれなりにありましたが、画像系はほとんど見かけませんでした。あと、この少し後に増える3D系もですね。


※注4 あの番組が、当時放映されていたのかは知りませんので、あくまで今から振り返った時の感想です。

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HARE / define 2021/03/28 17:36

ASMR新作(2作目)「義理の姉になった彼女(わたし)と、親に内緒で恋人になる方法

 意味深に予告しておいて、やっと情報を出すの? という感じですが、ASMR新作(defineの2作目)の情報です!


義理の姉になった彼女(わたし)と、親に内緒で恋人になる方法 #define https://www.dlsite.com/maniax/announce/=/product_id/RJ322228.html

 となります。

 そして、皆さんが一番、気になるであろう声優様ですが――


 CV: 涼花みなせ 様です(どどんっ


 今回は、涼花さまにお願いすることができました。
 重要情報なので、フォントサイズを大きくしてみました。

 ASMR界隈では、知らない方も少ないでしょう。

 DLサイトさんで名前で検索をかければ、参加本数の多さも含め、その人気がうかがえると思います。

 サンプルボイスは、chobitさんで公開中です。体験版も同じファイルをまとめたものになります。
 よろしくお願いします。


 そして次は――


 パケ絵: 吉飛雄馬 様(ででんっ


 ということで、吉飛雄馬先生です。

 もうだいぶ古い情報ですので、ご存じの方がいらっしゃるかわかりませんが、2015年にdefineの通常のステレオ音声作品(※注1)でも、パッケージをやっていただいてます。

 前作の「キモい兄貴の催○術なんかに、妹(わたし)がかかるわけない」に続き、サークルの音声作品としては、3度目のお願いですね。

 ASMRのパッケージを色々とみた感じ、必要なのは「おっぱい」ではないのか?

 と今回は、おっぱい(二度目)をお願いしました。


 さて、まずは追加でヒロインの紹介などを。


 学校でも人気の、おっとりした性格の優等生。
 “あなた”は彼女の恋人だったのですが、彼女の両親の再婚によって義弟になってしまい――

 ……というような話の展開です。
 詳細は、DL販売サイトさんのほうをご参照ください。


 当然ですが、defineの作品ですので、タイトル通りのお話か? といえば、それだけではありません。

 タイトルに「催○」の文字はありませんが、そこはご安心ください。
 ちゃんと催○術が絡んだ話となっています。好きな方は、そこもご期待ください。


 さて、宣伝はこれくらいでしょうか。


 最近は、同じようにASMRを制作しているサークルさんの発売や、宣伝方法を見てまわっています。

 今はASMR全盛と言えるんじゃないでしょうか?

 大手のDL系のサイトを見ていると、月に数十本は発売されています。

 制作しているサークルさんも、それぞれ特色を打ち出し、差別化をしている感じですし。

 そして、その中でも共通点がいくつかあって「やらなくちゃだめ」ではなく「やって当たり前」のこともありますね。


 ○体験版(重要)
  ファイルとしてもそうですが、サンプルを聞けるようにしておく。

 ○販売して28日間は、値引き期間を設けられるので、値引きする。(超重要)

 の2点ですね。


 あとは、作品説明に絵を多く使っているところが多い気がします。

 文字よりも見やすく、わかりやすいですしね。

 絵描きさんやデザインが出来る人間のいない、define的には、今後の課題ということでしょうか。

 ということで、サンプルボイスはしっかりと公開しました!

 さらに、新作「義理の姉になった彼女(わたし)と、親に内緒で恋人になる方法」は、発売から30%オフをしますよ!

 ……登録の時にやり忘れてしまっていたので、今はまだ30%オフの表示がありませんが、ちゃんと申請しました。近日、反映されるはずです。




 ここからは、告知以外の雑記的なことなどを。

 最近のASMR界隈は、見ていてすごいですね。もりもりサークルが増えて、販売本数も鰻登りです。

 DLサイトさんをみた感じ、ASMR作品の発売本数が2万本を超えているようです。

 この中から「知ってもらう」こと、そして「購入してもらう」ことが、いかに難しいのか、というのを感じますね。

 まだまだ色々とやってみたいこともあるので、続けて制作して行きたいと思います。
 よろしくお願いします!

 実は、すでに3作品目にも着手していたります。

 こちらは5月頭~6月頭くらいに出せたらいいなーくらいの感じですね。

 情報を出せるようになったら、もりもりと告知していくのでよろしくお願いします。

 さて、次回の更新は、タイミング次第ですが、M.C.の開発話+告知というなの宣伝になると思います。







※注1
 ASMRではない作品です。
 当時は、まだASMRはそれほど広がっていなかった(HAREの主観です)頃だと思います。
 こちらも、よろしければ聞いてみていただければと思います。

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HARE / define 2021/03/26 12:00

M.C.制作話(6回目)

//■6回目

 初めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 MC製作話の6回目となります。

 なんか、思っていたより伸びそう……という状況から、さらに回数が増えそうです。

 興味の無い方は華麗にスルーしてください。

 たぶん、今書いている感じだと10回を超えることはないと思います。

 ……ないと思います(二度目)

 さて、前回からの話の続き、HARE達にとっては貴重な業界人の知り合い、Y氏の受難について。

 隣人は関係ありませんよ?(※注1

 Y氏は、defineがM.C.(仮)を制作していた当時は業界歴は2年程度(※注2)だったはずで、本業(?)は、グラフィッカー(彩色)だったはずです。

 StitchがY氏にとっても、二(もしかしたら三かも)本目のディレクション作業だったはずなので、今から考えると、よく付き合ってくれていたと思います。

 それ良いことに、ことあるごと(※注3)にY氏に助けを求めるHARE。

 さっそく、本格的に製作が始動したところで、相談と言う名の助けを求めます。

 ここでちょっと横道にそれます。

 またかよ、という感じですが、またです。

 スタンダードなPC18禁のADVゲームに、最低限必要な素材について解説しましょう。

 ・原画
  言わずとしれた、絵です。ゲームの顔です。
  売り上げに直結するので、もっとも扱いに注意をされる人です。


 ・背景絵(ゲーム)
  立ち絵と呼ばれる絵を表示する時など使用するものですね。実は見ている時間がながいので、全体のクオリティに直結します。
  縁の下の力持ち的な存在でしょう。


 ・シナリオ
  こちらは、ゲームで表示される文章です。

  「日本語なんだから、誰でもかけるだろ?」、「簡単な作業だよな」、「絵が描けないのでシナリオライターになります」等、よく言われることのある仕事です(※注4


 ・プログラム
  ゲームを動かすために必須で、重要な部分です。


 ・BGM・SE
  音楽、効果音などです。物語を彩り、盛り上げる力のあるものです。


 ・ボイス(※注5
  作品に命を吹き込んでくれるものです。

  声優さんの演技次第で、多少の齟齬や矛盾点も綺麗に丸め込んでもらえるという、ライター的には「最終防衛ライン」みたいな存在です(※個人的考えです


 この辺りまでは、誰もが想像するものでしょう。そして、defineのメンバーもここくらいまでは、考えていました。

 ここから先、当時の知識になかったことです。


 ・彩色
  主に原画に色を付ける作業です。

 そうです。絵には色を付ける必要があるのです。
 ちなみに、HAREは、最初「原画」をやる人が色を塗ってくれると思っていました。


 ・ゲーム画面
  ゲームをプレイする時に必要な素材です。スタートボタンとか、テキスト表示ウインドウとか、そういうものです。


 ・ロゴ
  どのようなゲームなのかを端的に表し、原画の邪魔にならないようにしなければいけないという、実際に制作するのは難しいやつです。


 ・HP(ホームページ)などのウエブ用の素材。


 え? そんなの用意するのは、当然でしょう?

 そうですね。当然です。ですが、当時は忘れていたり、知らなかったことだったりします。

 ここまで脱線してきましたが、一応は前フリ……になっていないかもしれませんが、Y氏の受難関わりのあることです。

 原画はStitchを担当していたウチの一人に決定し、おくとぱす氏の作成した指定に基づき、作業に入ってもらうことに。

 当時、原画はデジタルではなく紙に手書きだったので、当然、彩色のための処理が必要(※注6)となります。

 原画が仮宿にしていた部屋に、自宅から電車で数駅分だったHAREは、自転車で(早朝が多かったため)受け取りに行き、その足でY氏に手渡しに行っていました。

 そう、彩色をしてもらう宛てがないので、HAREはY氏に「彩色お願いしますね」と強引に作業を押し込んでいたのでした。

 Y氏はディレクターではありましたが、グラフィッカーとしての技術もあります。

 他社さんのディレクターに、同人ゲームのグラフィッカーをしてもらう。

 Y氏の上司、S氏の許可を得ていたとはいえ、無茶ぶりもよいところです。

 次のゲームの準備などで忙しかったはずのY氏に、こちらの都合で何度も、原画が暮らしている街まで出てきてもらうことになりました。

 原画が1枚あがるたびに、渡すためです。

 恐ろしいことに、当時はスキャンしてデジタル化してメールなどで送付、という手順も踏めずに全て手渡しでした。

 さっそく彩色作業に入ってもらうことになったのですが、ここまで繰り返してきたように、最初から製作スケジュールは破綻しています。

 彩色作業も、開始と同時に破綻しています。

 不可能を可能にする――というと格好いいですが、無知の尻拭いをしてもらうために、Y氏の知りあいまで巻き込み、二人体制でやってもらうことになりました。

 これで、どうにか最低限の体裁は整いました。

 ……そう思っていたのはHAREだけだったかもしれませんが。

 事実、彩色作業間に合わなくなるので、のちに作業は3人体制になります。

 いかに状況がおかしかったのか、よくわかるエピソードですね。

 Y氏には良い迷惑でしたでしょう。

今、自分がシナリオで似たようなことを依頼されたら、迷わずに発売延期を提案するのは間違いありません。

 次回は、当然のように発生する、知識が足りないことによるミスや、素材不足などについて。







※注1 古い漫画に「Y氏の隣人」というのがあって。それをネタにしました。M.C.制作には全く関係がありませんが、面白い作品なので機会があれば、ぜひ。


※注2 確認していないので、違うかもしれませんが、ゲーム制作に慣れている、というほどの時期ではなかったはずです。

※注3 発注方法、資料の作り方など「何をどうすればいいのか」を、かなりの頻度で質問をさせてもらっていました。

※注4 個人的偏見です。とはいえ、全部、HAREが色々な人から言われたことのあるセリフではあります。

※注5 当時は、同人ゲームはボイスがないものも少なくありませんでした。M.C.もついていません。


※注6 紙に描かれた原画を彩色するための準備として、ものすごくざっくりですが、以下の作業が必要です。

 1.スキャナーで紙に書かれた絵を取り込む。
 2.ゴミ(スキャンした時の埃や目立つゴミや、描いたときの汚れなどの除去。
 3.かすれや消えた線の修正や追記。
 4.差分の位置を調整し、1枚の絵に統合しておく。


 ここまでやってから、やっと本来の作業の開始となります。

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HARE / define 2021/03/23 12:00

M.C.制作話(5回目)

//■5回目

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 MC製作話の5回目となります。

 おいおい、新作ASMRの情報開示とかじゃないの? と思ったかた、申し訳ありません。

 もうちょっとだけお待ちください。

 ええ、体験版をどうするか決めていなかったので、いそいで相談中だなんてことはありませんので。



 さて、前置きはさらっとながして、前回の続きといきましょう。

 シナリオまわりは、おくとぱす氏に丸投げ……もとい、かなりの範囲の協力をいただくことで、希望の光(今度は本物です)が、見えてきました。

 次は、それを生かすために必要な土台作りです。

 家を設計、建築の準備を始めてから、土地を探すようなものです。

 順番が逆だよな? などと思われるでしょうが、まさにその通りです。

 当時はまったくそういう手順もわかっていなかったので、そのままやっていましたが、非効率でありえない順序です。

 とはいえ、ゲームを製作するには、パソコン上でゲームを動かす必要があります。これは当たり前ですね。

 そのために必要となるスクリプトエンジン、その最初の候補がだめだったので、次の手を打つ必要がでてきました。

 業界の知りあい(二人だけ)に頼った後なので、自分達で別の何かを用意するしかありません。

 そこでフリー(無料)で使えるツール探しです。調べてみましたが、有名なのは2、3つ(※注1)ほどありました。

 HAREはちょっとだけC言語とアセンブラをやりましたが、まったく才能がなく、さらには自分にはプログラムが向いていないという体験を嫌というほどしていました。
 つまり、スクリプトエンジン探しでは、役立たずです。

 ということで、defineのメンバーの一人が、色々と調べ、実際に軽く弄った上で決定をしました。

 当時、同人系ゲーム制作者は知らないものはいないと言ってもいいくらいに有名な、吉里吉里(きりきり)です。

 ……とはいえ、HAREは知りませんでしたが。

 スクリプトエンジンは決定しました。

 しかし、どういうものなのか、何ができるのか、詳しいことについては、何度も助けてもらっていたディレクターのY氏にも尋ねてみましたが、畑が違う(メインはグラフィッカーでした)ので、詳しくはわかりません。

 しつこいくらいに繰り返していますが、業界にも、それどころか同人を作っている知りあいもいませんでした。

 「とりあえず、ネットで調べていい感じでやるしかないんじゃない?」
 「調べてやってみるわ」

 という無茶ぶりでお任せです。丸投げです。

 そして、やっと他の部分が動き始めたこの頃に、爆速で「M.C.(仮)(※注2)」のたたき台がおくとぱす氏からあがってきました。

 ちなみに、この時点でのHAREの催○術に対しての知識は、

 5円玉を糸につるして、揺らして相手を操ったりするやつ?

 アニメや漫画などで、味方を裏切らせる時にたまに使われる小道具的な何か。

 くらいでしかありませんでした。

 そんな人間が、学生時代から催○術系の小説を書いてきていたおくとぱす氏のプロットを読んでも、意図をうまく拾えるはずもありません。

 前後しますが、この頃に、おくとぱす氏の古くからの友人であり、催○系の小説サイトの草分け的な存在「E=mc2」のざくそん氏(URL:https://www.zaxonmc.com/を紹介(※注3)してもらいました。

 世の中には、こんなに催○術小説があるのか、と驚きながら、端から読みあさり、なんとなく理解したつもりになったHARE。

 そんな状況の中、おくとぱす氏によって基本設定が固まりました。

 なお余談ですが、ヒロインの「真志保(ましほ)」は、北海道の有名な学者の方のお名前を一部、拝借しています。

 この辺りの流れは、後年出る商業作品である「催○遊戯」のヒロインの名前(※注4)にも続いています。

 さて、設定が決まれば、次はゲームのキモとも言える絵(原画)にキャラクターデザインの依頼です。

 もちろん、時間なんてありませんので、なるはや(なるべく早く)でお願いしますね、と依頼することになります。

 依頼する側も、される側も、ほとんど素人だったことがプラス(?)に働きます。

 みんなそれくらいで作ってるんだよ? という言葉を、発注側も受注側も信じ、普通ではありえないくらいのペースで作業を進めることに疑問を抱かなかったからです。

 原画さんにキャラデを進行してもらい、なんだか本当にゲームを作っているような気分(※注5)です。

 もちろん、ライターもサボってはいません。サボる余裕なんてないというべきでしょうか。

 シナリオ作業を、おくとぱす氏とHAREで大きく二つのルートにわける形で、作業を分担することになりました。

 ADVゲームタイプにはよくある。

 共通ルート
  → 個別ルートA
  → 個別ルートB

 という構造ですね。

 その辺りの割り振りなども、さくさくと進めていきます。

 何しろ、知識があり、速度があるライターがいるのですから、何かあれば「よろしくお願いします」、「お任せします」と繰り返していればいいだけです。簡単なものです。

 ……いや、知識のないままに口を挟んでも、効率が落ちるだけですし(言い訳)

 最終的に、おくとぱす氏には、共通とルートBを、HAREがルートAを担当することになりました。

 HAREも、さっそく自分の担当するルートの詳細プロット(※注6)作成作業に入りました。

 ここで、賢明な方は、おくとぱす氏にまるごと任せればよかったんじゃない? と思うでしょう。

 ……今のHAREならば、迷わず同意します。

 しかし、端っことはいえども、ゲーム制作の参加をするためにも文章くらいは書きたい、書くべきだと思っていました。

 この時点で、コミケまでの残り期間、3週間ちょっとくらいだったと思います。

 やっとまともに作業に入ったな、という時点で、もう残り時間は二十数日。

 人間、諦めも肝心だよ? と言いたくなる状況ですね。

 さて次回は、こんな状況で本当にやっていたの? という続きと、何かと頼っていた、唯一と言えるくらいの業界人の知りあいであるY氏の受難についてです。








※注1 当時有名だったのは、高橋氏のNスクリプト、吉里吉里あたりでしょうか。他にもあったかもしれませんが、同人系のゲームは、この二つを使用して、製作しているところが多かったと思います(個人的印象です)

※注2 まだ、この時点ではタイトルが未定でした。

※注3 もしかしたら、時期がちょっと違うかもしれませんが、この辺りだったはずです。

注4 気分ではなく、本当に作っているのですが、絵があるとないとでは、ライターのテンションは全く違います(個人的な感想です)

※注5 鵡川等、北海道の地名です。

※注6 ライターの数だけ、作り方の種類があると思っていいと思います。エクセルに書く人、テキストに書く人など、その人なりにやりやすい方法がありますので。
//■場所・時間:学校(教室)・昼
//■服装
//○真志保:制服
//○主人公:制服
 というようなものや、
//■SE(効果音)
//■場面転換
 などの指定を入れて、文章をさらに細かく記載したものとなります。
 ちなみに、これはHAREと、知り合いのライター主にやっているので、別のところや人は別の「詳細プロット」の作成方法があると思います。

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HARE / define 2021/03/20 16:45

M.C.制作話(4回目)

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話の4回目となります。

 さくっと2、3回で終わらせるつもりでしたが、思ったよりも回数が増えそうです。

 興味のないかたは申し訳ありません。


 さっそく前回の続きから――と、いきたいところですが、ここで新作の宣伝を挟ませていただきます。


 昨日の更新で触れました、ASMRの新作ですが、もう少しお待ちください。

 こちらのことですね(露骨な宣伝)

 それと、私――HAREが、シナリオでお手伝いをさせていただいております、別のASMR作品を作成中のサークル「オトヌキヤ」様が、Ci-enを始めたようです。

 https://ci-en.dlsite.com/creator/7919/article

 こちらも合わせて、よろしくお願いいたします。






 さて、ここからは前回の続きといきましょう。

 この状況で、ゲームを制作するのは無謀じゃないのかなぁ……?

 と、やっと気付いた後、どうやって完成をさせるて行くべきなのかという話からですね。

 ここで素直に諦めていれば、この後のこともなかったでしょう。

 しかし、すでに撤退することを諦めて、前に進むことは決まっています。

 そうなったら、次は「どうにか完成させる」しかありません。

 とはいえ「完成」についても、いくつかの選択肢があります。


 1.制作するゲームの規模を縮小する。
 2.少しでも早く作れるゲームに切り替える。
 3.制作する時に手を抜く。


 あたりでしょうか。

 では、1番のゲームの規模を縮小するからいきましょう。

 制作することを決定した分量は、その当時に可能な最大規模であり、ゲームの体裁を維持する最低限でもありました。
 つまり、削るということは無理な状態です。

 ここで、CG3枚、50KBくらいのお試し版を作り、本編は次の機会に出そうぜ!

 ……みたいなことは思いつきませんでしたし、思いついてもやらなかったでしょう。

 続いて、先に3の選択肢、手を抜くへ行きましょう。

 そもそも、まともに作り方さえ良くわかってない状況で、規模の縮小以外で、手を抜くというのはどうやれば良かったのでしょうか?

 ここまで読んできた方はお分かりだと思いますが、手を抜くにも知識や経験が必要です。
 これはゲームに限らず、なんでもそうですね。

 運転免許を取得したてで公道を初めて走る人と、10年ほど乗っている人の差、と言えばわかりやす……かえってわかりにくいかもしれません。

 ということで、手を抜くは却下です……不可能ともいいます。

 残った最後の選択肢である2番、早く作れるものにする。

 これも3と同様に、ろくに制作方法も知らない人間が、早くってどうやるってんだよ? という感じですよね。

 そもそも「早い」、「遅い」って、どういうことが? どういう部分が? と疑問が浮かぶと思いますが、この時、幸運にもゲームの制作全体を圧縮できそうな方法がありました。

 ここで、3回目にも触れている「執筆速度」の話に戻ります。

 そう――おくとぱす氏の存在です。

 純愛? と首をひねっていたHAREと違い、氏にはこの時点ですでに「得意な分野」がありました。

 氏が情熱を傾ける「催○術もの」であれば、企画・原案・プロット・実際のテキスト作業の160~180K程度など、ちょちょいのちょいです。

 ならば、「催○術もの」にすれば、制作速度はあがるはず!

 ……はい、また根拠のない考えですね。

 しかし、落とし所も明確でない「純愛物」を制作していくよりも良いだろうとということになりました。

 ここで横道にそれますが、ライター(企画者)の作業を大まかに記載しますと。

 ・企画(どんなものをつくるか)
 ・プロット(どんな話にするか)
 ・指定(必要な素材:イベント絵、キャラの立ち絵、背景、BGM、SE(効果音)、などなど)の指定書の作成
 ・テキスト(文章)の執筆

 人によっては、
 ・収録用台本作成
 ・収録立ち会い
 ・スクリプト(※注1)

 なども追加されます。

 閑話休題。

 つまり、企画とプロット(話の流れ)、指定の半分と、テキストの半分を、おくとぱす氏に丸投げしてしまえば「間に合う」可能性が高くなりました。

 ならば、これでいこうと「催○術物の小規模ゲーム」として、おくとぱす氏に作業に入ってもらいました。

 ここで、メインのライターの変更です。おくとぱす氏を中心に、話を作ることになりました。

 テキスト作業についても、二人で手分けすれば、想定量が160KBですので、一人あたり80KBずつになります。

 これは、当時のHAREならば10日~2週間くらい。おくとぱす氏なら3~5日程度です。

 ……比較すると、執筆速度のおかしさが際立ちますが、純然たる事実です。揺るぎ無い現実です。

 これでどうにか、コミケでの頒布に間に合うかもしれない。

 そんな想いから、ほっと一息です。嘘です。まったく油断のできない状態は変わりません。

 知識もなく、不慣れなdefineスタッフは、ここから色々と動きだす必要がありました。

 まずは、ゲームを作るしても、どう作るかを調べることからです。

 ゲームの本体ともなる、スクリプトエンジン(※注2)などは、HAREとおくとぱす氏のデビュー作「Stitch」で使っているものを使用させてもらえればいいかーなどと、のほほんと考えていました。

 ここでさっそく、唯一に近いの業界人の知りあいであり、デビュー作のディレクション(※注3)をしていて、自分達よりも詳しいY氏に相談です。

 先方に相談してもらい、快く使わせていただけるという話になりました――○○万円で。

 今ならば、かなり良心的な値段というのはわかりますが、当時は相場も知りません。その上、第一回で書いてますが「お金がない」状態です。

 残念ながら、予算の都合もあって、他の手法を探す必要がでてきました。

 そうです。この段階で、企画プロットシナリオはどうにかなっても、プログラム側の観点からは「ゲームにする時の基本部分」が決まっていなかったわけですね。

 さて、そこからどうやっていくのか。次回以降で触れたいと思います。





※注1 そのうち、ざっくり説明をすることになると思います。


※注2 パソコン上で、ゲームを動かす土台 くらいに考えていれば、問題ないと思います。


※注3 ゲーム制作で、もっとも作業が多く、割りに合わず、名前も出ないし、出ても見向きもされないのに、責任は重いという、「やりたがる人は能力が足りずにやらかすことが多いので、やりたがらない有能な人に押しつけるしかない」仕事です(※個人的な偏見と感想です。

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