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2021年 05月の記事 (14)

スコムスscomscroll 2021/05/30 18:00

XCOM同人小説SCOM 本作 3-2 エイミ。救出後

昼過ぎにちょっと眠気が襲ってきそうな午後。
開いたままの医務部のドアから赤いショートカットと白いワイシャツの襟を激しく揺らしながら、緊迫した表情のエマが入ってくる。

エマ:は、博士!! 博士いる? エイミが! エイミがああ!!!

奥の治療室から短い黒スカートと手術用のティシャツの上に白衣を羽織ったヴァレンがひょっこりと頭を出してきた。

ヴァレン:エマちゃん、どうしたの?

夢中で走ってきたせいで巻き上げられしまったスカートの裾を整えながら、エマは苦しい呼吸を頑張って抑え込む。

エマ:エイミが、はあ、研究部に監禁されたかもしれない!

ヴァレンの目が丸く開いて、治療室から慌てて出てくる。

ヴァレン:どういうこと? 落ち着いて説明してごらん。

ヴァレンはエマを椅子に座らせて、自分はその前のデスクにお尻をかけて立つ。
エマは手を胸に当てて深呼吸を数回してから、今日まで起こった出来事を早口ながらもはっきりとした言い方で説明してくれた。
この前、軍曹である2人の男に食堂で絡まれたこと。
任務の後、浄化処置機で治療を受けてから、エイミが酷く落ち込んでいたこと。
エイミの部屋で、以前エイミに絡んできたマーティンという軍曹とエイミが口喧嘩をしていたこと。
最近、男の兵士たちの中でエイミが出てるという変な映像の話が回っていること。
そして、エイミが昼ご飯を食べた後、1人で研究部に向かったことまで。

エマ:研究部って、アタシもそうだけど、一般兵士が普段寄るところじゃないよね! しかも1人でさ! 無線も繋がらないし、心配なんだけど、研究部に聞いてみたら、相手してくれなくてさ!!

ヴァレンがエマの肩に両手を乗せる。

ヴァレン:分かった。そういうことなら、頼れる娘がいるわ。ちょっとまってて。

手に持っていたタブレットにSCOM全員のリストを表示させたヴァレンは、オリビアという名前をタッチすると、白衣の胸ポケットに入っていた小型のインカムを耳にかける。

オリビア:はーい。博士。何の用?

無線の向こうから、だるっとした女の声が返ってきた。

ヴァレン:オリビアちゃん? 久しぶり。実はね…

落ち着いた大人らしい口調でエマから聞いた話をまとめて伝える。
その隣ではエマが流石と言わんばかりの目線でヴァレンを見あげている。
簡潔に説明を終えると、オリビアはしばらく間をおいてから返事を返した。

オリビア:なるほどね。アイツ、ついにやっちゃったのか…キモいヤツだからそのうち事故るって思ってたけど。じゃあ、データ関係のことと、こっちのことは私が何とかするから、博士は私の指示通りに動いてもらえる?

ヴァレン:うん。いいわよ。教えて。

オリビア:本当は私が今すぐにでも部長の実験室に行って蹴飛ばしたいとこだけど、ロックもかかってるし、こいつらの映像を処理しておくにはどの道ちょっと時間かかりそうだから、誰か他に頼れる人を連れてきて。

ヴァレン:エマちゃんと一緒だけど。機械に詳しい娘だわ。

オリビア:エマ? いいね。それと、部長ってあんな変態バカだけど、一応男だから、万が一の時、力で抑えられる人もいた方がいいな。誰かいる?

ヴァレン:それなら、ケイリちゃんも連れて行くわ。

オリビア:おお。大尉か。頼もしい。じゃあ、今から話す通りに入ってきてちょうだい。

ヴァレン:うん。分かった。うんうん。


研究部のコンピュータ室を通って、スライドドアを通ると横に伸びる廊下に7つのドアが並んでいる。
オリビアはすぐ近くにある中央のドアを開いて、後ろについてきた2人の女性に手招きをしてみせる。

オリビア:ここが研究部の管制室。という名の休憩室みたいなとこだけど、今は誰も入って来るなって言ってあるから、気楽にしてていいよ。適当に座って。

オリビアは長デスクの側に置かれた椅子に深く座ると、組んだ足をデスクの上にあげて、背もたれに身を預ける。
彼女のすらりとした長い脚の綺麗な肌を煽る肌色のパンスト。組まれた太ももの間から純白の下着がもろに見えてしまうけど、オリビアは全く気にしていない様子だ。

エイミも近くの椅子に腰を下ろす。
エマは壁際に備わったティーマシンから3人分のお茶を入れる。
2人もオリビアのやんちゃな行動や態度には特に驚かない。

エマ:あのヤンキーが生物学の修士までとって、ここで研究員としてエイリアンを解剖してたなんて、こんなこともあり得るんだね。

エイミ:あはは、でもオリビアって怖そうな印象だったけど、実際に不良な子達とは関わってなかったよ。

オリビアはアゴに手を当てて、相変わらずだるっとした声で話す。

オリビア:高校の勉強がつまんなさすぎて好き勝手にしてただけだよ。私、頭は悪くないからね。エマほどではないけど。

2人分の紅茶をオリビアとエイミの前に置いて、エマは自分の紅茶が入った銀色のティーカップを持ったままゆっくりと座り込む。
オリビアはデスクの上に乗せていた足をさっと下ろして、ティーカップを唇に運んでは少し啜る。

エイミ:ありがとう、エマ。あの…タイソン部長はその後どうなったの?

両手を添えたティーカップに視線を落としたまま、エイミが質問した。

オリビア:あのゲス野郎は独房に入られたわ。ただ、あの中でも研究を続けること自体は許されたらしいから、アイツにとって大した罰じゃないと思うけど。頭狂ってるのは確かだけどね、天才ってことも否定できないんだよな…あ、ゲスな軍曹共はどうなったの?

オリビアは背もたれに寛いで頭は後ろに傾いたまま、目線だけをエイミの方に向ける。

エイミ:それが、ヴァレン博士が上層部に話してみたけど、証拠不十分で有耶無耶にされたって…

エマ :全く。人員不足なのは分かるけど、上層部ってこういうことに甘いんだよね。ムカつく。

エマは紅茶を一口啜ると、イラついた手つきでカシャンと音を立てながらティーカップをソーサーの上に戻す。

オリビア:私もそれはムカつくけど…仕方ないのも事実だからね。エイミ。悔しいだろうけど、元気出してね。後、何かあったら1人で悩まずに相談してよ。私、とりあえずは臨時だけど、部長代理だから、力になれるからね。多分。大体のことは。

エマ:えっ!? オリビアってもうそんな立場なの??

エマも、エイミも、今の話には少し驚いたようだ。

エイミ:そういえば、オリビアっていつからSCOMで働いていたの? SCOMに入る前は何してたの?

オリビア:ここに来たのは1年前くらいかな…その時はまだSCOM自体が出来上がってすぐだったらしいから、私って意外と初期メンバーの内に入るんだよね。

話を止めたオリビアは少し眉間に皺を寄せる。

オリビア:で、その前はアドヴェントの遺伝子研究所で働いてた。末端だったけど。

エイミ:あ、アドヴェントの研究所って、エイリアンの…

紅茶を一口啜ってから、オリビアは相変わらずのだるっとした声で答えてくれる。

オリビア:そう。大学院を出て、入った就職先が人間の遺伝子を研究するエイリアンの研究所だったんだよね…


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スコムスscomscroll 2021/05/30 17:59

XCOM 동인소설 SCOM 本作 3-2 에이미. 구출 후

정오가 지나 살짝 졸음이 쏟아질 것 같은 오후.
열려 있는 의무부 문으로, 빨간 단발 머리와 하얀 와이셔츠의 옷깃을 휘날리며, 긴박한 표정의 에마가 달려 들어 온다.,

에마 : 바, 박사님!! 박사님 있어? 에이미가! 에이마가아아!!

안쪽의 치료실에서 짧은 검정 스커트와 수술용 티셔츠 위에 하얀 가운을 걸친 발렌이 삐죽 고개를 내밀었다.

발렌 : 에마. 무슨 일이야?

정신 없이 뛰어온 탓에 말려 올라간 스커트의 치맛자락을 정돈하면서, 에마는 거친 호흡을 애써 억누른다.

에마 : 에이미가, 하아, 연구부에 감금됐을 지도 몰라!

발렌이 눈을 동그랗게 뜨고, 당황한 걸음걸이로 치료실에서 나왔다.

발렌 : 무슨 일이야? 진정하고, 설명 해 봐.

발렌은 에마를 의자에 앉히고, 스스로는 그 앞의 데스크에 엉덩이를 걸치고 선다.
에마는 손을 가슴에 얹고 심호흡을 수차례 한 뒤에, 오늘까지 일어났던 일들을 빠른 말투로, 하지만 또박또박 설명하기 해 주었다.
이전에, 병장 두 사람이 식당에서 시비를 걸어온 일.
임무가 끝난 뒤, 정화처치기로 치료를 받고나서, 에미가 매우 힘들어 하며 침울해 했던 일.
마틴 이라는 병장과 에이미가 말싸움을 하고 있던 일.
최근, 남자 병사들 사이에 에이미가 나온다는 이상한 영상의 소문이 돌고 있는 일.
그리고, 에이미가 점심을 먹고 나서, 혼자 연구부로 향했던 일까지.

에마 : 연구부라는게, 나도 그렇지만, 일반 병사가 평소 가거나 하는 곳이 아니잖아! 그것도 혼자서! 무선도 연결이 안되고, 걱정되는데, 연구부에 물어보니까, 상대해 주지고 않고 말이야!!

발렌이 에마의 어깨에 양손을 얹는다.

발렌 : 알았어. 그런 일이라면 믿을 만한 아이가 있거든. 잠깐 있어 봐.

손에 들고 있던 태블릿에 SCOM 전 인원의 리스트를 띄운 발렌은, 올리비아 라는 이름을 터치하고, 가운의 가슴 주머니에 있던 소형 인이어 무전기를 귀에 걸친다.

올리비아 : 네에-.박사님. 무슨 일?

무선 반대편에서, 처진 목소리의 여자가 대답했다.

발렌 : 올리비아? 오랜만이야. 실은…

침착하고 어른스러운 말투로, 에메에게서 들은 이야기를 정리해서 전달한다.
그 옆에서, 에마가 존경스러운 눈빛으로 발렌을 올려다 보고 있다.
간결하게 설명을 마치자, 올리비아는 잠시 뜸을 들인 후 대답했다.

올리비아 : 그렇구만. 그 자식. 결국 일을 내 버렸네...기분 나쁜 놈이라서 조만간 사고 칠 거 같다곤 생각했었는데. 그럼, 데이터 관계된 일이랑, 이쪽 일은 내가 어떻게든 해 볼테니까, 박사님은 내 지시대로 움직여줄 수 있겠어?

발렌 : 응. 알았어. 알려줘.

올리비아 : 사실은 지금 당장 내가 부장 실험실에 가서 다 때려부수고 싶지만, 락도 걸려있을거고, 이 영상들 처리하는데에도 시간이 조금 걸릴거니까, 누구 믿을만한 사람 데려오고.

발렌 : 에마하고 같이 갈거야. 기계에 대해서 잘 아는 아이인데.

올리비아 : 에마? 괜찮네. 그리고, 부장이 저런 변태 바보 새끼이긴 해도, 일단은 남자니까, 만에 하나 힘으로 제압할 수 있는 사람도 있으면 좋겠는데. 누군가 있어?

발렌 : 그거라면 케일리도 데려 가야 겠네.

올리비아 : 오오. 대위님은 믿을만 하지. 그럼, 지금부터 말하는 대로 들어와 줘.

발렌 : 응. 알았어. 응. 응.


연구부의 컴퓨터실을 지나서, 슬라이드 도어를 통과하면, 옆으로 길다란 복도에 7개의 문이 늘어서 있다.
올리비아는 바로 가까이 있는 중앙의 문을 열고, 뒤따라오는 두명의 여자에게 들어오라고 손짓한다.

올리비아 : 여기가 연구부의 관제실. 이라곤 해도 휴게실 같은 곳이지만. 지금은 아무도 들어오지 말라고 해 두었으니까, 편하게 있어도 돼. 적당히 앉아.

올리비아는 긴 데스크의 옆에 놓인 의자 깊숙히 앉아서, 꼬은 다리를 데스크 위에 올리고, 등받이에 몸을 기댄다.
그녀의 늘씬하고 긴 다리를 감싼 살색의 팬티스타킹. 꼬은 허벅지 사이로 순백의 속옷이 훤히 보여지지만, 올리비아는 전혀 신경쓰지 않는 모습이다.

에이미도 근처의 의자에 앉는다.
에마는 벽쪽에 마련된 티 머신에서 3인분의 차를 내리고 있다.
둘은 올리비아의 거친 행동이나 태도에는 딱히 놀라지 않는다.

에마 : 그 불량아가 생물학 석사까지 따서, 여기서 에일리언을 해부하는 연구원이 되어 있다니, 이런 일도 있을 수 있구나.

에이미 : 아하하, 그래도 올리비아는 인상이 무서웠지만, 실제로 불량한 애들하고 어울리진 않았었어.

올리비아는 턱을 괴고, 변함없이 처진 목소리로 이야기 한다.

올리비아 : 고등학교 공부가 너무 지루해서 내 맘대로 지냈던 것 뿐이야. 나 머리는 나쁘지 않다고. 에마까지는 아니지만.

두 명분의 홍차를 올리비아와 에이미의 앞에 내려 두고, 에마는 자기 몫의 홍차가 든 은색 티 컵을 든 채 천천히 의자에 앉는다.
올리비아는 데스크에 올렸던 다리를 슬쩍 내리고, 티 컵을 입술로 가져가 조금 홀짝인다.

에이미 : 고마워, 에마. 저기...타이슨 부장은 그 뒤에 어떻게 된거야?

양손으로 쥔 티 컵에 시선을 내린 채로, 에이미가 질문했다.

올리비아 : 그 변태 자식은 독방에 들어갔지. 다만, 그 안에서 연구하는 것 자체는 허락된 것 같으니까, 그 새끼한테 딱히 큰 벌 같지는 않은 것 같지만. 미친 놈인건 확실하지만, 천재인 것도 부정할 수는 없단 말이지...아, 쓰레기 같은 병장 놈들은 어떻게 됐어?

올리비아는 등받이에 몸을 기대고 머리는 뒤로 젖힌 채, 시선만 에이미 쪽을 향한다.

에이미 : 그게, 발렌 박사님이 상층부에 이야기 해 봤지만, 증거 불충분으로 애매하게 넘어갔나 봐…

에마 : 진짜. 인원이 부족한 건 알겠지만, 상층부는 이런일에 너무 무르다니까. 짜증나.

에마는 홍차를 한 입 머금고, 짜증난 손놀림으로 딸칵 소리를 내며 티 컵을 받침대 위에 올려 놓는다.

올리비아 : 나도 그건 짜증 나지만...어쩔 수 없는 것도 사실이니까. 에이미. 분하겠지만, 기운 내. 그리고, 뭔가 있으면 혼자 고민하지 말고 상담하라고. 나, 일단은 임시긴 하지만, 부장 대리니까. 꽤 힘을 쓸 수 있거든. 아마. 웬만한 것들은.

에마 : 엣!? 올리비아 벌써 그런 위치야?

에마도, 에이미도, 지금 이야기에는 놀란 듯 하다.

에이미 : 그러고 보면, 올리비아는 언제부터 SCOM에서 일 한 거야? SCOM에 들어오기 전에는 뭐 했었어?

올리비아 : 여기 온 건 1년 쯤 전이었나...그 때는 아직 SCOM자체가 생긴지 얼마 안 된 때 인 것 같던데. 나 의외로 초기 멤버에 들어간다고.

말을 멈춘 올리비아는 살짝 미간을 찌푸린다.

올리비아 : 그리고, 그 전에는 어드밴트의 유전자 연구소에서 일했었고. 말단이었지만.

에이미 : 어, 어드밴트 연구소라면, 에일리언의…

홍차를 한 모금 마시고, 올리비아는 변함 없는 처진 목소리로 대답해 주었다.

올리비아 : 맞아. 대학원을 나와서, 들어간 곳이 인간의 유전자를 연구하는 에일리언의 연구소 였어…


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スコムスscomscroll 2021/05/25 11:00

「告知」ヘッダーを変えてみました。타이틀 그림을 바꿔 봤습니다.

ヘッダーにしていたのが1年前くらいに描いた物でしたので、
新しく描いてみました。
しかし、前の物がもっとかわいい気がします。

週末の間、完成させてアップしておきたかったんですが、何かじっくり座っていられなかったですね。

新しいヘッダーの全体像

今までヘッダーとして使っていたもの


この絵のポーズは参考にさせていただいた元の作品があります。
どなたかは存じませんが、すごくかっこいい絵でした。

ちなみにとですが、この金髪ショートカットのキャラは、まだプロローグにも、本作にも登場していないです。
もう一個、別のプロローク(設定が大分違うものがありまして、後日公開予定です。)で登場しているキャラでして…


타이틀 그림으로 쓰고 있던 게 1년 전에 그렸던 거라서,
새로 그려 봤습니다.
그런데, 전 그림이 더 귀여운 것 같네요.

주말 동안 완성 시켜서 업로드 하고 싶었는데요, 뭔가 진득히 앉아있을 수가 없었어요.

새 타이틀 그림 전체 모습

이전 타이틀 그림


다른 작품의 포즈를 보고 참고해서 그렸던 그림입니다.
어느 분 작품인지는 모르지만, 정말 멋있는 그림이었어요.

사족입니다만, 이 금발 숏컷 캐릭터는, 아직 프롤로그에도, 본작에도 등장하지 않았습니다.
하나 더 있는, 별도의 프롤로그(설정이 꽤 다른 습작이 있어요. 추후 공개 예정)에 등장하는 캐릭터인데요...

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スコムスscomscroll 2021/05/20 18:00

XCOM同人小説SCOM 本作 3-1 強○実験

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薄い空色のショートカットが肩の上でゆらりと靡く。

いつもの活気がない、不安気味な目をしたエイミが銀色の廊下をとぼとぼと歩いていく。
エイミは正面を向いた顔を動かさず、時々瞳だけを左右に泳がせ周囲を確認している。
近くに誰もいないことを確認すると、エイミは廊下のコーナーを曲がり、閉じたスライドドアの前で立ち止まった。

ふうっと息を吸い込んだエイミは恐る恐るインターホンのボタンを押す。

エイミ:遊撃隊のエイミ一等兵です。タイソン部長にお話がありまして。

????:タイソン部長に? ちょっと待ってってくださーい。

スピーカーからだるっとした若い女性の声が返ってきて、しばらく待たされる。

????:入っててくださーい。

'研究部'と書かれた文字看板の下のドアがスルルンとスライドして、ようやくエイミは真っ白な広い部屋に踏み入ることができた。
そして、スライドドアがすかさず動いて閉ざされる。
息を整えてはみるものの、エイミの表情からは緊張感が隠しきれない。

SCOMの非戦闘部署は3つある。
指揮部の重役でもあるヴァレン博士が担当する医務部。
以前、エマがクイズで出してきた謎の女子高生が部長を務める技術部。
そして、ここ、タイソン部長が率いる研究部。

末端の兵士でも普段出入りすることが多い医務部と、変わり者らしい女子高生部長をもつ技術部は基本、開放的で、ドアのロックをかけておくことは滅多にない。むしろ開けっ放しを上から注意されるのが日常的だ。
しかし、研究部だけは機密事項が多く、指揮部の重役や大尉ほどの上位階級じゃないと出入りに制約がかかる。
エイミみたいな一等兵では、任務がらみの指示でもない限り、縁のないところだ。

エイミが踏み入った真っ白で広い部屋の中には誰もいない。
ゴオオと低い作動音を響かせる訳の分からないコンピュータのような機械が何列もずらりと並んでいるだけだった。
部屋の奥にはもう一枚のスライドドアがあり、エイミはそこをじっと見つめる。
すぐ近くで見ないと気付かれはしないだろうが、彼女の唇はピクピクと微かに震えていた。

エイミの視線が止まっていた奥のスライドドアがギーンと動く。
向こうから出てきたのはクールな印象で30代半ばくらいの男性。
すらりとした長身だけど、ボタンを閉じていない白衣の胸元から、引き締まった筋肉質の体が見て取れる。
ただし、決定的に目が引かれるところは一本の毛もない禿げた頭であった。
それに加えて、焦点を失った死んだ魚の目が、美形でダンディな顔立ちを台無しにしている。

タイソン:研究部長のタイソンだ。君は…

エイミ:はい。一等兵のエイ…

タイソン:遊撃隊所属、一等兵のエイミ・アオイズミ。ここに来たのは、この前の任務と関係があるんだね。

抑揚がなく単調な彼の声は、一昔前の人工音声のようで、聞き心地が良くない。

エイミ:あ、はい。あの任務中に私がされたことは…

またもやエイミの話は途中で遮られる。

タイソン:あ。彼らは任務を的確に遂行し、君も無事に帰還した。君にも礼を言おう。君から提供してもらったエイリアンの分泌物を複製して、回復剤の製造が間に合ったのだ。

彼は焦点のない目でエイミの顔を見つめる。
今話した内容以外に何かあるのかと、聞き返すようだ。
曇った表情で俯いたエイミは右拳を高く持ち上げると、隣にある機械の上面をドカンと叩いた。

タイソン:お、おい!!何をするんだ!

コンピュータらしい機械の上面がボコっと大きく凹んでしまったけど、作動が止まった様子ではない。が、抑揚のある、慌てた口調のタイソン部長の反応を見たエイミは、曇った表情のまま口元だけがピクッと上がる。

エイミ:なあんだ。機械のことは心配してくれるんじゃないですか。それから、人の話は最後まで聞いてもらえませんか ?

怒りのこもった相当な大声だったが、これに関しての彼はまたしも反応が薄い。

タイソン:分かってる内容なのに話の最後まで待つのは時間の無…

ドカン。エイミは左の機械の上面にも拳の痕を残した。
これもまた、上部の金属面がぐしゃっと潰れたけど、作動は止まっていない様子だ。

タイソン:わ、分かった! 君の話は最後まで聞こう。今からは話の途中で割り込まないと約束する。

エイミは握った拳を元に戻す。

エイミ:マーティン軍曹が録画した動画。貴方が持ってるんですよね。それ、今すぐ消してください。

はっきりした声を出せてはいるけど、彼女の顔はいつの間にか赤く上気して、心の動揺が見え見えだ。
タイソンはそんなエイミの変化を見逃さず、冷静を取り戻していた。

タイソン:その動画が私にあるという推測は正しい。でも、消すメリットがない。

推測なんかではない。任務を終えて、ウィル軍曹に担がれていた時、コンテナーを背負ったマーティン軍曹は後ろについてきながら、ああだこうだと自分の計画をベラベラと喋っていたのだ。
この動画でタイソン部長を脅して報酬を倍にしてたかってやろうだとか。
自分はできないから、動画をばらまく役はタイソンにやらせるとか。
彼の中では、陵○で壊れたエイミはどうせ何もできないだろうと、決めつけていたようだった。

エイミ:ど、どういうことですか! あ、あんな破廉恥な動画を…は、犯罪ですよ! 規律違反なんです! あなたが彼らに指示を出してることは分かってます!

しばらく静寂が流れた後、タイソンが口を開ける。

タイソン:そうだ。そして私はその犯罪行為の依頼主である。君の要請に応じて動画を消しても私にはメリットがないと言っているんだ。

エイミ:はあ?

タイソン:マーティン軍曹は、彼の指示があった場合、私のアクセス権限を使って男兵士たちに動画を転送するようにと言ってきたんだ。彼の指示に従わなければ、私が依頼したことをバラすと脅しながらね。しかし、その動画は彼の犯罪行為の証拠にはなりえるけど、私が関わっているという証拠にはならない。つまり、ただ私が持っていさえすれば、マーティン軍曹が下手な真似をすることもなく、君にも被害は発生しないという事だ。

平坦な口調がいかにも堂々とした彼の態度に、エイミはムッと頭の上まで血が昇る。
もう一度振り上がった右の拳が、すでに潰れている機械の上にまた叩き落とされると、今度こそ中に収まっているコンピュータの作動音が消える。

タイソン:き、貴様!! なんて無茶を…

顎から耳の端まで真っ赤に染まったエイミは、キリッとした目つきでタイソンを睨む。

エイミ:貴方の都合なんか私には関係ないことです。とりあえず今すぐ消してもらいますから。

タイソンはエイミの話に耳を傾けるふりもせず、ただただ壊れたコンピュータばかりを見ている。

タイソン:君、どう責任を取るつもりだ!データはサーバーに残ってるが、並列処理速度が相当落ちてしまうぞ。我々が行ってる研究はどれも兵士の命に関わる大事な物だ!

エイミ:むうつ...

タイソンの抗議に、エイミは話がつまってしまった。
少し戸惑ったようだが、覚悟を決めた表情で唇を噛み縛り、左の拳を持ち上げる。

エイミ:そもそも…アンタが回復剤の原料を間違えて売り飛ばしてなければ、こんなことにはなってないでしょうが!

高く持ち上げられた拳がその軌道を下へ切り換えようとした瞬間、タイソンは取り乱した声でエイミを止めようとする。

タイソン:な、何でその事を君が知っている? あいつらは…

エイミはタイソンを冷たい目線で睨み付けながら、持ち上げていた左拳をスッと戻す。

エイミ:研究部の責任者であるタイソン部長が、実は闇市場で取引をしていて、その上、兵士の命に関わる回復剤の原料を間違えて売り飛ばしてしまった。その原料であるエイリアンの分泌物を手に入れるために下級の女性兵をわざと危険に晒した。これがバレたら、貴方にとって大問題じゃないんですか?

タイソン:何を言っている! 証拠もない話が通じると思うか!

ふうっと深いため息をついた後、エイミは話を続ける。

エイミ:とても残念ですが証拠はないです。当時の私は無線を録音するような余裕はなかったんですから。なので、引き続き、この左のコンピュータもぶっ壊しておきます。

エイミの左拳が再びすごい勢いで上に持ち上げられ、振り下ろされる瞬間…

タイソン:ま、待て!! 分かった。動画は消す。消しておこう。

拳が頭の上で止まったまま、エイミはタイソンに疑わしいと言わんばかりの視線を向ける。

エイミ:マーティン軍曹が持っている分も消せますよね? 貴方なら個人の端末にもアクセスできますから。

タイソン:特別な理由がない限り、普段は許されないけど、いいだろう。マーティン軍曹が持ってる分も消しておく。約束しよう。ただし、条件がある。

エイミは持ち上げたままの左拳にぎゅっと力を入れて握りしめる。

エイミ:はあ?何で私が貴方の条件に乗らないといけないんですか?

さらに怒りの増した声で聞き返されたタイソンの額に冷や汗がツルッと、禿げた頭から垂れ落ちる。

タイソン:い、いや、済まない。私の言い方が間違ってた。私からのお願いだ。君を怒らせた私が悪いのだが、コンピュータが2機も壊れたせいで、今研究中の課題のシミュレーションがだいぶ遅れてしまう。回復剤の改良を行う大事な研究なんだ。それで、君の体をスキャンして、サンプルをとりたい。

エイミ:サンプル? 私のですか? 変なこと考えてるんじゃないですよね?

エイミの目つきは依然として冷たく鋭いままだが、やっと握った拳を太ももの側に戻す。

タイソン:コンピュータが壊れた分、演算が遅れてしまうが、君からサンプルをとってソースを追加することで演算の遅れを相殺できる。この研究が遅れることで、戦場で救えたはずの命が落とされる可能性もあるだろう。これは私の失態を償おうと死力を尽くした研究だ。どうかお願いする。

エイミ:え、えっ…

ぺこっと90度で腰を曲げて頭を下げるタイソンにエイミは一歩後ずさる。

タイソン:君の体は短い期間で2回もエイリアンとの性行為を経験している。そういうサンプルは貴重なのだ。そもそも2回もエイリアンと性行為を経験した女性兵が今までいなかったので、君が初めてではあるが…

素の肌色に戻っていたエイミの顔がまた真っ赤に染まる。

エイミ:余計な情報はいいです。分かりました。研究のためなら協力します。

タイソン:礼をいう。奥の研究室に案内しよう。

タイソンは禿げた頭でペコリと会釈するとエイミの前に立って、奥のスライドドアから中へと歩いていく。


大きい透明ガラスで半分に分けられた研究室。
廊下側の半分はコンピュータや機械が並んだ制御室といったところ。
そしてガラスの内側は机や病床やスタンドなどが入った、いかにも実験室みたいな空間である。

タイソン:そこの立ち型のスタンドの前に立ってくれ。スキャンは十数秒くらいで終わるけど、手首と足首はスタンドに固定される。

エイミ:知ってます。ここでいいんですよね?

浄化処置機でエイリアンの分泌物を除去し治療された後や、それでなくても月に1、2回は定期検診みたいな感覚で、みんな全身スキャンを行なっている。
もちろん、ここ、研究部ではなく、医務部でやっている事ではあるが、人が立っている姿をした立ち型スタンドとそれを囲む透明カプセル。全く同じものなのだ。

エイミがスタンドの前に立ち、背中を当てると、手首と足首のところが自動で変形し、身体が固定される。すると、上に開いていた透明な蓋が降りてきてカチンと閉じる。
その後、下の台座から光の横線が一本現れて、ゆっくりと上昇していく。
でも、何か今までと比べて光の上昇が倍以上に遅い、と思いながらエイミは指先をカタカタと動かしていた。
光はようやくエイミの顔の高さまで上昇し、その眩しさに目を瞑る。
瞑っていた目を開いた先には、モニターを見ながら驚くタイソン部長の姿があった。

タイソン:なるほど…1回目と比べて2回目の細胞変形はまた違う形態に形成されるケースもあるのか…ふうむ…これは通常のスキャンでは分かりにくいな…

エイミ:あの、スキャン終わったんですよね。

エイミは手を動かして、ガチャガチャと音を立てる。いつもはスキャンが終わると、手首と足首の拘束が自動で解除されるのだが、今回はそうならない。

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スコムスscomscroll 2021/05/20 18:00

XCOM 동인소설 SCOM 本作 3-1 강제 실험

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옅은 하늘색의 단발 머리가 어깨 위에서 찰랑 흔들린다.

언제나의 활기가 없이, 불안해 보이는 눈으로 에이미가 은색의 복도를 터벅 터벅 걸어가고 있다.
에이미는 정면을 향한 얼굴은 그대로 둔 채, 때때로 눈동자만을 좌우로 움직여서 주위를 확인해 간다.
근처에 아무도 없는 것을 확인 한 뒤, 에이미는 복도의 코너를 돌아, 닫혀있는 슬라이드 도어의 앞에 멈춘다.

흐읍 하고 숨을 들이마신 에이미가, 조심 조심 인터폰의 버튼을 누른다.

에이미 : 유격대의 에이미 일등병입니다. 타이슨 부장님께 드릴 말씀이 있는데요.

???? : 타이슨 부장?? 잠깐만 기다려 봐요.

스피커에서는 귀찮아 하는 것 같은 느릿한 젋은 여성의 목소리가 흘러나오고, 잠시 기다린다.

???? : 들어오세요.

‘연구부’라고 쓰여진 글자 간판 아래의 문이 스르륵 하며 슬라이드 되고, 드디어 에이미는 새하얗고 넓은 방에 발을 들인다.
그리고, 슬라이드 도어가 곧바로 작동해 닫힌다.
숨을 골라 보지만, 에이미의 표정에서 긴장감이 숨겨지지 않는다.

SCOM의 비전투 부서는 세 곳.
지휘부의 중역이기도 한 발렌 박사가 담당하는 의무부.
이전에, 에마가 퀴즈로 냈었던 수수께끼의 여고생이 부장을 맡고 있는 기술부.
그리고, 여기, 타이슨 부장이 통솔하는 연구부.

말단의 병사라도 평소 출입이 잦은 의무부와, 괴짜 같은 여고생 부장이 있는 기술부는, 기본적으로 개방적이라서, 문을 잠가 놓거나 하는 일은 거의 없다. 오히려 문을 열어 둔채로 있다가 상부에서 주의를 받는 게 일상이다.
그러나, 연구부만은 기밀 사항이 많아서, 지휘부의 중역이나 대위 정도의 상위 계급이 아니면 출입에 제한이 걸린다.
에이미같은 일등병은, 임무에 관련된 지시가 있거나 하지 않으면, 인연이 없는 곳이다.

에이미가 들어온 새하얗고 넓은 방 안에는 아무도 없다.
고오오 하는 낮은 작동음만을 울리는 뭔지 모를 컴퓨터같은 기계들이 몇줄이나 주욱 늘어서 있을 뿐이다.
방 안 쪽에는 슬라이드 도어가 하나 더 있는데, 에이미는 그곳을 계속 쳐다보고 있다.
바로 가까이서 보지 않으면 눈치 채기 어렵겠지만, 그녀의 입술은 파르르 희미하게 떨리고 있었다.

에이미의 시선이 멈춰있는 안쪽의 슬라이드 도어가 기이잉 하며 움직인다.
안쪽에서 나타난 사람은, 쿨한 인상의 30대 중반 쯤 되어 보이는 남성.
길쭉한 장신이지만, 버튼을 잠그지 않은 하얀 가운의 가슴팍에서, 단단한 근육질의 몸임을 알 수 있다.
다만, 결정적으로 시선을 잡아 끄는 것은, 머리카락 한 올 없는 매끈한 대머리였다.
거기에 더해서, 초점 없는 죽은 물고기 같은 눈이, 수려하고 댄디한 생김새를 망쳐버리고 있다.

타이슨 : 연구부장 타이슨이다. 너는…

에이미 : 네. 일등병 에이…

타이슨 : 유격대 소속. 일등병 에이미 아오이즈미. 여기에 온 건, 전의 임무와 관계가 있겠군.

억양이 없이 단조로운 그의 목소리는, 한참 전의 인공 음성 같이, 어딘가 듣기에 불편하다.

에이미 : 아, 네. 그 임무중에 제가 겪은 일에…

또다시 에이미의 말을 중간에 끊고 들어온다.

타이슨 : 아. 그 들은 임무를 정확히 수행했고, 너도 무사히 귀환했다. 너에게도 고마움을 표해야 하겠군. 네게서 제공받은 에일리언의 분비물을 복제해서, 회복제의 제조가 늦어지지 않았으니까.

그는 초점 없는 눈으로 에이미의 얼굴을 쳐다본다.
지금 말한 내용 외에 뭐가 더 있는지? 라고 되 묻는 듯 하다.
어두운 표정으로 고개를 떨군 에이미는 오른쪽 주먹을 높이 치켜 들고선, 옆에 있는 기계의 윗면을 쾅하고 두들긴다.

타이슨 : 엇, 뭐, 뭐하는 거야!!

컴퓨터 인 듯한 기계의 윗면이 크게 움푹 들어가 버렸지만, 작동이 멈추지는 않은 것 같다. 그러나, 억양이 있는, 당황한 말투의 타이슨 부장의 반응을 본 에이미는, 어두운 표정인 채로 입꼬리만을 살짝 들어 올린다.

에이미 : 뭐예요. 기계에 대해선 걱정도 할 줄 아시네요. 그리고, 사람 말 좀 끝까지 들어줄 수 없어요?

화가 잔뜩 섞여 상당히 큰 소리로 말 했지만, 여기에 대해선 또 반응이 그리 없다.

타이슨 : 다 아는 내용을 끝까지 듣는건 시간 낭…

쾅. 에이미는 왼쪽의 기계 윗면에도 주먹 자국을 남겼다.
이번에도, 위쪽의 금속면이 콰직하며 찌그러졌지만, 동작은 멈추지 않은 듯 하다.

타이슨 : 아, 알았어! 네 얘기는 끝까지 들어 줄게. 지금 부터 말하는 중에 끊는 일은 없도록 하겠다.

에이미는 쥐고 있던 주먹을 풀었다.

에이미 : 마틴 병장이 녹화한 영상. 당신이 가지고 있는거죠? 그거, 지금 당장 지워주세요.

또박 또박 분명한 목소리를 내고 있지만, 그녀의 얼굴은 어느틈엔가 빨갛게 상기되어서, 동요한 속 마음이 드러나고 있다.
타이슨은 에이미의 그런 변화를 놓치지 않고, 냉정함을 되찾았다.

타이슨 : 그 영상이 나에게 있을 거라는 추측은 맞았다. 그런데, 그걸 지울 메리트가 없군.

추측같은게 아니다. 임무를 매고, 윌 병장에게 들쳐 메여 돌아올 때, 컨테이너를 짊어 지고 뒤에서 따라오던 마틴 병장은, 이러쿵 저러쿵 자신의 계획을 떠들어 댔다.
이 영상으로 타이슨 부장을 협박해서 보수를 2배로 불려 받겠다느니.
나는 할 줄 모르니까, 영상을 퍼뜨리는 건 타이슨에게 시킨다느니.
마틴 병장은, 능욕으로 망가진 에이미가 아무것도 못 할 거라, 이미 판단해 버린 듯 했다.

에이미 : 뭐, 뭐라는 거예요! 그, 그런 파렴치한 영상을...버, 범죄라구요! 규율 위반이에요! 당신이 그 들에게 지시를 내렸다는 것도 알고 있다구요!

잠시 정적이 흐른 뒤, 타이슨이 입을 연다.

타이슨 : 그래. 내가 그 범죄행위의 의뢰자야. 네 요청에 따라서 영상을 지워도, 나에게는 아무런 이득이 없단 말이다.

에이미 : 네에?

타이슨 : 마틴 병장은, 그기 지시를 내리면, 내 엑세스 권한을 이용해서 남자 병사들에게 영상을 퍼뜨리라고 했지. 그의 지시를 따르지 않으면, 내가 그 일을 의뢰했다는 사실을 알리겠다고 협박하면서 말이지. 그런데, 그 영상은 그의 범죄행위에 대한 증거가 될 수는 있지만, 내가 관여 했다는 증거는 되지 못 해. 즉, 그냥 내가 가지고만 있으면, 마틴 병장이 허튼 짓을 할 수도 없고, 너에게도 피해는 발생하지 않는다는 거다.

평탄한 어조로 당당하게 말하는 그의 태도에, 에이미는 머리 끝까지 화가 치밀어 오른다.
한 번 더 치켜 든 오른 주먹이, 이미 찌그러져있는 기계 위로 다시 내리쳐 지자, 이번에야 말로 안에 들어있던 컴퓨터의 작동음이 꺼졌다.

타이슨 : 네, 네이놈!! 무슨 짓이야…

턱 부터 귀 끝까지 새빨개진 에이미가, 날카로운 눈초리로 타이슨 부장을 노려본다.

에이미 : 당신 사정이 어떻든 간에 나랑은 상관 없어요. 어쨌든, 지금 당장 지우세요.

타이슨은 에이미의 이야기에 귀를 기울이는 척도 없이, 그저 부서진 컴퓨터만을 보고 있다.

타이슨 : 너, 어떻게 책임 지려고 하는거야! 데이터는 서버에 남아있지만, 병렬처리속도가 상당히 떨어져 버린다고. 우리가 진행하고 있는 연구는 모두 병사들의 생명과 연관되는 중요한 것들이란 말이다!

에이미 : 으읏…

타이슨의 항의에, 에이미는 말문이 막혔다.
살짝 당황한 듯 했지만, 각오를 다진 표정으로 입술을 깨물고, 왼쪽 주먹을 들어 올린다.

에이미 : 애시 당초...당신이 회복제의 원료를 실수로 팔아 넘기지만 았았으면, 이런 일은 없었을거 잖아요!

높이 들어올린 주먹이 방향을 아래로 향하려는 순간, 타이슨은 당황한 목소리로 에이미를 멈추려 한다.

타이슨 : 왜, 왜 네가 그 일을 알고 있는거지? 그 놈들…

에이미는 차가운 눈을 타이슨 부장을 노려보면서, 들어 올렸던 왼 주먹을 슬쩍 내린다.

에이미 : 연구부의 책임자인 타이슨 부장님이, 사실은 암시장에서 거래를 하고 있었고, 거기에다 병사들의 생명과 연관된 회복제의 원료를 실수로 팔아 넘겨 버렸다. 그 원료인 에일리언의 분비물을 구하기 위해서 하위 계급의 여성 병사를 일부러 위험에 빠트렸다. 이 사실이 알려지면, 당신에겐 큰 문제 아닌가요?

타이슨 : 뭐라는 건가! 증거도 없는 말이 통할거라 생각하나?!

후우 하며 깊은 한숨을 내쉰 후, 에이미가 말을 잇는다.

에이미 : 정말 유감스럽지만, 증거는 없어요. 당시에는 무선을 녹음한다거나 할 수 있는 여유가 없었으니까요. 그러니, 계속해서, 이 왼쪽의 컴퓨터도 부셔 놓도록 하죠.

에이미의 왼 주먹이 다시 한번 무서운 기세로 들어 올려져서, 내리쳐 지려는 순간…

타이슨 : 기, 기다려!! 알았다. 영상은 지울게. 지우도록 할게.

주먹을 머리 위에서 멈춘 채로, 에이미는 타이슨 부장을 의심에 가득찬 눈으로 쳐다본다.

에이미 : 마틴 병장님이 가진 것도 지울 수 있죠? 당신이라면 개인 단말에도 엑세스 할 수 있으니까요.

타이슨 : 특별한 이유가 없는 한, 평소에는 해선 안되긴 하지만, 알겠다. 마틴 병장이 가지고 있는 영상도 지워 두지. 약속 하겠다. 다만, 조건이 있어.

에이미는 들어 올린 채로 있는 왼 주먹에 꾸욱하고 힘을 준다.

에이미 : 참나..왜 내가 당신 조건을 받아 들여야 하죠?

더욱 화가 치밀어 오른 목소리로 되묻자, 타이슨 부장의 이마에 식은 땀이 주르륵, 벗겨진 머리에서부터 흘러 내려온다.

타이슨 : 아, 아니, 미안해. 내가 말을 실수 했어. 부탁이다. 너를 화나게 한 건 내 잘못이지만, 컴퓨터가 2대나 부서져 버려서, 지금 연구중인 과제들의 시뮬레이션이 꽤 늦어질거야. 회복제의 개량을 위한 중요한 연구거든. 그래서, 너의 몸을 스캔해서 샘플을 구하고 싶어.

에이미 : 샘플?? 저를요? 이상한 생각 하는거 아니죠?

에이미의 눈빛은 여전히 차갑고 날카롭지만, 들어 올리고 있던 주먹을 이제서야 허벅지 옆으로 내려 놓는다.

타이슨 : 컴퓨터가 부서진 만큼 연산도 느려져 버리지만, 네 샘플을 소스로 추가해서 연산의 지연을 상쇄시킬 수 있어. 이 연구가 늦어지면, 전장에서 구할 수 있었던 목숨이 날아가버릴 가능성도 있겠지. 이건 내 과오에 대해 보상하기 위해서 전력을 다했던 연구다. 제발 부탁한다.

에이미 : 으, 읏…

꾸벅 90도로 허리를 굽혀 고개를 숙인 타이슨 부장을 보고, 에이미가 한발 뒤로 물러선다.

타이슨 : 네 몸은, 짧은 기간동안 두번이나 에일리언과 성행위를 경험했다. 그런 샘플은 매우 귀중하거든. 애초에 두번이나 에일리언과 성행위를 경험한 여성 병사가 지금까지 없었으니까, 네가 처음이긴 하지만…

원래의 피부색으로 돌아와있던 에이미의 얼굴이 다시 새빨갛게 물든다.

에이미 : 쓸데없는 정보는 됐어요. 알았으니까. 연구를 위해서라면 협력할게요.

타이슨 : 감사를 표하지. 안쪽의 연구실로 안내하겠네.

타이슨은 벗겨진 대머리로 끄덕 인사하곤, 에이미의 앞에 서서, 슬라이드 도어 안 쪽으로 걸어 들어 간다.


큰 투명 유리로 반반씩 나뉘어진 연구실.
복도 쪽 반은 컴퓨터나 기계가 즐비한 제어실같은 곳.
그리고 유리 안 쪽은 책상이나 병상, 스탠드들이 들어있는, 누가 봐도 실험실 같은 공간이다.

타이슨 : 거기 입식 스탠드 앞에 서 봐. 스캔은 십 몇초 정도만 끝나지만, 손목과 발목은 스탠드에 고정해야 하니까.

에이미 : 알고 있어요. 여기 서면 되죠?

정화처치기로 에일리언의 분비물을 제거하고 치료받을 후나, 그게 아니어도 한 달에 한 두번은 정기검진 같은 느낌으로, 모두 전신 스캔을 받게 된다.
물론, 여기 연구부가 아니라, 의무부에서 하고 있는 일이긴 하지만, 사람이 서 있는 모습을 한 입식 스탠드와, 그것을 둘러 싼 투명 캡슐. 완전히 똑같은 물건이다.

에이미가 스탠드 앞에 서서, 등을 대자, 손목과 발목 위치가 자동으로 변형되어, 몸이 고정된다. 그러자, 위쪽으로 열려있던 투명한 뚜껑이 내려와서 철컥 하며 닫힌다.
그 후에, 아래 받침대에서부터 한줄기 빛이 수명으로 나타나, 천천히 상승해 간다.
하지만, 뭔가 지금까지랑 비교해서 빛이 상승하는 게 두 배 이상 느려. 라고 생각하며 에이미는 손가락을 까딱까딱 움직이고 있다.
빛이 드디어 에이미의 머리 위치까지 올라오자, 그 눈부심에 눈을 감는다.
감았던 눈을 뜨자 그 앞에는, 모니터를 보면서 놀란 타이슨 부장의 모습이 있었다.

타이슨 : 과연...첫번째와 비교해서 두번째는 세포 변형도 조금 다른 형태로 형성되는 케이스가 있는 거였군...흐음...이건 일반 스캔으로는 알아보기 힘든데…

에이미 : 저기, 스캔 끝난거죠?

에이미는 손을 움직여서, 철컥 철컥 소리를 낸다. 원래 스캔이 끝나면 손목, 발목의 구속구가 자동으로 해제되는데, 이번은 그러지 않는다.

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