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スコムスscomscroll 2021/06/15 23:20

モッド塗れのスカイリムに転送された聖戦士はレベル1になった。(6)

ホワイトランから東の方向へ少し離れた警備塔。
報告で聞いた通り、巨大なドラゴンが上空を旋回していて、半分壊れた塔から警備兵達が弓を射って反撃を試みている。
しかし、凄まじい勢いで降りかかってくる炎のブレスから身を守るため、逃げ回りながらの矢が当たるはずもなく。

私は警備隊長のイリレスさんについて、警備塔から少し離れた横長の岩の後ろで待機する。ホワイトランからの援軍が揃ったところで…

「えっ、援軍ってたったの5人…?」

純粋な疑問を口にしただけだったけれど、そんな私を皆んなが「何がおかしい?」と言わんばかりの目で見つめてきたので、言葉を濁した。

「さあ、私にも倒せるかどうかは分からん。何しろドラゴンなんて初めて目にするからな。でもこの剣で、ホワイトランを守ってみせよう!」

「うおおおお!!」

イリレスさんには申し訳ないけれど、そこまで説得力のある演説とは思わなかった。そもそも、それが大事なところではない。
とりあえず、私も領主様から授かったエンチャントソードを掲げて彼女らの後を追う。

ドラゴンのブレスに苦しまれながらの応射ではあったが、これだけの数で一斉射撃すれば、警備兵達が放つ矢は時々ドラゴンの懐に命中する。
その度、ドラゴンは空中で少しふらつき、またすぐ姿勢を整えて旋回するけれど、こちらからダメージを与えられない訳ではなさそうだ。

そして、蓄積されたダメージが効いたのか、ドラゴンは塔の近くに着地する。コウモリの羽を数千倍に伸ばしたような大きい翼が地面の近くで羽ばたくと、ものすごい砂埃が立った。

私の攻撃はどうせ大したダメージを与えられないだろう。
このエンチャントソードの魔法攻撃に頼ってみるしかない。
魔力はフルチャージされていることだし…
宮殿魔法師のファレンガーさん曰く、この剣は充填された魔力を雷に変えて攻撃に上乗せすることができるらしい。
ふと、先ほど宮殿のホールで私が晒した痴態を思い出し顔が赤く燃えてきた。

イリレスさんの後ろについて、私が多少安全な所から1人考え込んでいる間、何人かの警備兵が武器を弓から剣に取り替えて、突進していく。

「貴様!! 仲間の仇を!!」

彼らが飛び出した塔の出口から。黒焦げになった警備兵の死体が見える。ブレスが直に当たったのだろう。可哀想に。

「お前ら!! 危ない! 退がれ!!」

イリレスさんが後ろで叫んだ。

「「「ヨル」」」

大地を振動させるような轟音がドラゴンの口から出され、その言葉の響きは炎の風に変わり、広範囲なブレスとなって警備兵達を襲う。
数秒もたたないうちに、ドラゴンの前へ飛び出した警備兵達は全身が黒焦げになり、軽い衝突音とともに地面を転がる。

「くそっ! 馬鹿どもが!! 迂闊に接近するな! 弓でやつの体力を削るんだ!」

私の瞬発力でも、剣が届く距離からあのブレスを避けることは多分できないだろう。遠距離から確実にダメージを与えるにはあの必殺技しかない。

「プロヴィデンスサンダー!!」

崩れた塔の壁から身を乗り出し、私は掲げた剣をドラゴンの方へ振り向ける。
元々この技は、剣を敵に刺したまま空中へ飛ばし、神様の力で呼び出した雷を当てるように使う。壮大な威力と比例して結構な精神力を消耗するので、そう何度も繰り出せる技ではない。
この前、ダンジョンの中でイラついたあまり、コソ泥に繰り出そうとしたときは、発動する寸前に相手がダンジョンのモンスター達に倒されたので、この技の威力も通常攻撃のようにけた落ちしているかも知れないけれど。

この剣の魔力に乗せて発動させれば私の攻撃力に関係なく威力を発揮できる。と、思った。
大丈夫。これは神託を受けた聖戦士としての直感だ。

パススっ!!

小鳥が鳴く様な甲高い破裂音とともに、青白い光線が私の剣から放たれ、着地していたドラゴンに直撃する。

「「「くぉぉぉぉ!! 貴様は…」」」

ドラゴンは苦しそうに身を捩らせながら、人間の言葉を発し、私の方向を睨んできた。

「すごい!! 確実にダメージが入っている!! これなら倒せるはずだ!! 撃ち続け!!」

イリレスさんがそう叫びながら、何人かの警備兵を連れてドラゴンの前に突撃する。
電撃のショックが残っているうちに、駆けつけたイリレスさん達はドラゴンの頭や腕、脚を剣で切り込む。
ドラゴンは苦しそうに叫び、地面を蹴り飛び立とうとした。

「ソフィさん! 撃って!! 貴方の攻撃は単一対象の魔法だ! 私達には構わなくていい!!」

「え、えっ、はい!!」

剣身にはまっている緑色の宝石の輝きが少し渋くなっている。しかし、本来なら激しく消耗されたはずの私自身の精神力には何の変化もなかった。
エンチャントというのは素晴らしい。こんな大技を一切の負担なしで繰り返せるなんて。
と感心しながら、二発目の電撃を飛ばす。

「プロヴィデンスサンダー!!」

強烈な青白い光線がまたもやドラゴンに直撃する。
地面を蹴ろうとした足が痺れたのか、跪くように体勢を崩して轟音を叫ぶ。

後方に残った警備兵達は腕を休ませることなく、弓を引き続ける。
ドラゴンは巨大である分、狙いやすい標的なのは確かだが、周りはイリレスさんや数人の警備兵が取り囲んでいる。
彼らは仲間達を正確に避けて、ドラゴンの懐や、翼だけを正確に狙い打つ。見事な腕前だ。

私も電撃攻撃が周りに影響を与えないことを認識してからは、迷うことなく必殺技を繰り返す。
3回目、4回目、5回目、6回目…
初めて経験する大技の連発。疲れることもない便利さに技の発動が楽しく感じるくらいだ。

どんどん出血量が増え、ドラゴンの動作が鈍くなっていく様子が見てとれる。
もうすぐで倒れそうなのだが、最後の悪あがきなのか、ドラゴンはぐるっと身を回転させ、丸太のような長くて太いしっぽを振り回そうとした。

「そうはさせません! プロヴィデンスサンダー!!…あれ?!」

今になって、私は剣身の宝石が輝いていないことに気づく。
あ、これは、まずいん…じゃないでしょうか。

「うわあああっ!!」

「くわわあっ!!」

イリレスさんや、警備兵達が、振り回されたしっぽに打たれ十数メーターもとばされる姿が見えた次の瞬間。
台風の様な風圧で、後方にいた警備達と一緒に、私も飛ばされて地面に転び落ちる。

気を失っていたようだ。


仰向けのまま目をゆっくり開くと、私の目の上には、巨大なドラゴンの顎が浮いていた。

「くうっ…な、なに…」

周りに誰か起き上がったような人気はない。皆んな気絶したのかな。
もしかすると死んでしまったんじゃないでしょうね…

「ひいいっ!!!」

鋭い何かに股を握られたような感覚。
視線を向けると、ドラゴンの手から生えた長く鋭い爪で、私のアーマーが破られ、股間が丸出しにされている。

「キャアア!! 何のつもりなのよ! ど、ドラゴンが…やめて!!」


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スコムスscomscroll 2021/05/20 18:00

XCOM同人小説SCOM 本作 3-1 強○実験

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薄い空色のショートカットが肩の上でゆらりと靡く。

いつもの活気がない、不安気味な目をしたエイミが銀色の廊下をとぼとぼと歩いていく。
エイミは正面を向いた顔を動かさず、時々瞳だけを左右に泳がせ周囲を確認している。
近くに誰もいないことを確認すると、エイミは廊下のコーナーを曲がり、閉じたスライドドアの前で立ち止まった。

ふうっと息を吸い込んだエイミは恐る恐るインターホンのボタンを押す。

エイミ:遊撃隊のエイミ一等兵です。タイソン部長にお話がありまして。

????:タイソン部長に? ちょっと待ってってくださーい。

スピーカーからだるっとした若い女性の声が返ってきて、しばらく待たされる。

????:入っててくださーい。

'研究部'と書かれた文字看板の下のドアがスルルンとスライドして、ようやくエイミは真っ白な広い部屋に踏み入ることができた。
そして、スライドドアがすかさず動いて閉ざされる。
息を整えてはみるものの、エイミの表情からは緊張感が隠しきれない。

SCOMの非戦闘部署は3つある。
指揮部の重役でもあるヴァレン博士が担当する医務部。
以前、エマがクイズで出してきた謎の女子高生が部長を務める技術部。
そして、ここ、タイソン部長が率いる研究部。

末端の兵士でも普段出入りすることが多い医務部と、変わり者らしい女子高生部長をもつ技術部は基本、開放的で、ドアのロックをかけておくことは滅多にない。むしろ開けっ放しを上から注意されるのが日常的だ。
しかし、研究部だけは機密事項が多く、指揮部の重役や大尉ほどの上位階級じゃないと出入りに制約がかかる。
エイミみたいな一等兵では、任務がらみの指示でもない限り、縁のないところだ。

エイミが踏み入った真っ白で広い部屋の中には誰もいない。
ゴオオと低い作動音を響かせる訳の分からないコンピュータのような機械が何列もずらりと並んでいるだけだった。
部屋の奥にはもう一枚のスライドドアがあり、エイミはそこをじっと見つめる。
すぐ近くで見ないと気付かれはしないだろうが、彼女の唇はピクピクと微かに震えていた。

エイミの視線が止まっていた奥のスライドドアがギーンと動く。
向こうから出てきたのはクールな印象で30代半ばくらいの男性。
すらりとした長身だけど、ボタンを閉じていない白衣の胸元から、引き締まった筋肉質の体が見て取れる。
ただし、決定的に目が引かれるところは一本の毛もない禿げた頭であった。
それに加えて、焦点を失った死んだ魚の目が、美形でダンディな顔立ちを台無しにしている。

タイソン:研究部長のタイソンだ。君は…

エイミ:はい。一等兵のエイ…

タイソン:遊撃隊所属、一等兵のエイミ・アオイズミ。ここに来たのは、この前の任務と関係があるんだね。

抑揚がなく単調な彼の声は、一昔前の人工音声のようで、聞き心地が良くない。

エイミ:あ、はい。あの任務中に私がされたことは…

またもやエイミの話は途中で遮られる。

タイソン:あ。彼らは任務を的確に遂行し、君も無事に帰還した。君にも礼を言おう。君から提供してもらったエイリアンの分泌物を複製して、回復剤の製造が間に合ったのだ。

彼は焦点のない目でエイミの顔を見つめる。
今話した内容以外に何かあるのかと、聞き返すようだ。
曇った表情で俯いたエイミは右拳を高く持ち上げると、隣にある機械の上面をドカンと叩いた。

タイソン:お、おい!!何をするんだ!

コンピュータらしい機械の上面がボコっと大きく凹んでしまったけど、作動が止まった様子ではない。が、抑揚のある、慌てた口調のタイソン部長の反応を見たエイミは、曇った表情のまま口元だけがピクッと上がる。

エイミ:なあんだ。機械のことは心配してくれるんじゃないですか。それから、人の話は最後まで聞いてもらえませんか ?

怒りのこもった相当な大声だったが、これに関しての彼はまたしも反応が薄い。

タイソン:分かってる内容なのに話の最後まで待つのは時間の無…

ドカン。エイミは左の機械の上面にも拳の痕を残した。
これもまた、上部の金属面がぐしゃっと潰れたけど、作動は止まっていない様子だ。

タイソン:わ、分かった! 君の話は最後まで聞こう。今からは話の途中で割り込まないと約束する。

エイミは握った拳を元に戻す。

エイミ:マーティン軍曹が録画した動画。貴方が持ってるんですよね。それ、今すぐ消してください。

はっきりした声を出せてはいるけど、彼女の顔はいつの間にか赤く上気して、心の動揺が見え見えだ。
タイソンはそんなエイミの変化を見逃さず、冷静を取り戻していた。

タイソン:その動画が私にあるという推測は正しい。でも、消すメリットがない。

推測なんかではない。任務を終えて、ウィル軍曹に担がれていた時、コンテナーを背負ったマーティン軍曹は後ろについてきながら、ああだこうだと自分の計画をベラベラと喋っていたのだ。
この動画でタイソン部長を脅して報酬を倍にしてたかってやろうだとか。
自分はできないから、動画をばらまく役はタイソンにやらせるとか。
彼の中では、陵○で壊れたエイミはどうせ何もできないだろうと、決めつけていたようだった。

エイミ:ど、どういうことですか! あ、あんな破廉恥な動画を…は、犯罪ですよ! 規律違反なんです! あなたが彼らに指示を出してることは分かってます!

しばらく静寂が流れた後、タイソンが口を開ける。

タイソン:そうだ。そして私はその犯罪行為の依頼主である。君の要請に応じて動画を消しても私にはメリットがないと言っているんだ。

エイミ:はあ?

タイソン:マーティン軍曹は、彼の指示があった場合、私のアクセス権限を使って男兵士たちに動画を転送するようにと言ってきたんだ。彼の指示に従わなければ、私が依頼したことをバラすと脅しながらね。しかし、その動画は彼の犯罪行為の証拠にはなりえるけど、私が関わっているという証拠にはならない。つまり、ただ私が持っていさえすれば、マーティン軍曹が下手な真似をすることもなく、君にも被害は発生しないという事だ。

平坦な口調がいかにも堂々とした彼の態度に、エイミはムッと頭の上まで血が昇る。
もう一度振り上がった右の拳が、すでに潰れている機械の上にまた叩き落とされると、今度こそ中に収まっているコンピュータの作動音が消える。

タイソン:き、貴様!! なんて無茶を…

顎から耳の端まで真っ赤に染まったエイミは、キリッとした目つきでタイソンを睨む。

エイミ:貴方の都合なんか私には関係ないことです。とりあえず今すぐ消してもらいますから。

タイソンはエイミの話に耳を傾けるふりもせず、ただただ壊れたコンピュータばかりを見ている。

タイソン:君、どう責任を取るつもりだ!データはサーバーに残ってるが、並列処理速度が相当落ちてしまうぞ。我々が行ってる研究はどれも兵士の命に関わる大事な物だ!

エイミ:むうつ...

タイソンの抗議に、エイミは話がつまってしまった。
少し戸惑ったようだが、覚悟を決めた表情で唇を噛み縛り、左の拳を持ち上げる。

エイミ:そもそも…アンタが回復剤の原料を間違えて売り飛ばしてなければ、こんなことにはなってないでしょうが!

高く持ち上げられた拳がその軌道を下へ切り換えようとした瞬間、タイソンは取り乱した声でエイミを止めようとする。

タイソン:な、何でその事を君が知っている? あいつらは…

エイミはタイソンを冷たい目線で睨み付けながら、持ち上げていた左拳をスッと戻す。

エイミ:研究部の責任者であるタイソン部長が、実は闇市場で取引をしていて、その上、兵士の命に関わる回復剤の原料を間違えて売り飛ばしてしまった。その原料であるエイリアンの分泌物を手に入れるために下級の女性兵をわざと危険に晒した。これがバレたら、貴方にとって大問題じゃないんですか?

タイソン:何を言っている! 証拠もない話が通じると思うか!

ふうっと深いため息をついた後、エイミは話を続ける。

エイミ:とても残念ですが証拠はないです。当時の私は無線を録音するような余裕はなかったんですから。なので、引き続き、この左のコンピュータもぶっ壊しておきます。

エイミの左拳が再びすごい勢いで上に持ち上げられ、振り下ろされる瞬間…

タイソン:ま、待て!! 分かった。動画は消す。消しておこう。

拳が頭の上で止まったまま、エイミはタイソンに疑わしいと言わんばかりの視線を向ける。

エイミ:マーティン軍曹が持っている分も消せますよね? 貴方なら個人の端末にもアクセスできますから。

タイソン:特別な理由がない限り、普段は許されないけど、いいだろう。マーティン軍曹が持ってる分も消しておく。約束しよう。ただし、条件がある。

エイミは持ち上げたままの左拳にぎゅっと力を入れて握りしめる。

エイミ:はあ?何で私が貴方の条件に乗らないといけないんですか?

さらに怒りの増した声で聞き返されたタイソンの額に冷や汗がツルッと、禿げた頭から垂れ落ちる。

タイソン:い、いや、済まない。私の言い方が間違ってた。私からのお願いだ。君を怒らせた私が悪いのだが、コンピュータが2機も壊れたせいで、今研究中の課題のシミュレーションがだいぶ遅れてしまう。回復剤の改良を行う大事な研究なんだ。それで、君の体をスキャンして、サンプルをとりたい。

エイミ:サンプル? 私のですか? 変なこと考えてるんじゃないですよね?

エイミの目つきは依然として冷たく鋭いままだが、やっと握った拳を太ももの側に戻す。

タイソン:コンピュータが壊れた分、演算が遅れてしまうが、君からサンプルをとってソースを追加することで演算の遅れを相殺できる。この研究が遅れることで、戦場で救えたはずの命が落とされる可能性もあるだろう。これは私の失態を償おうと死力を尽くした研究だ。どうかお願いする。

エイミ:え、えっ…

ぺこっと90度で腰を曲げて頭を下げるタイソンにエイミは一歩後ずさる。

タイソン:君の体は短い期間で2回もエイリアンとの性行為を経験している。そういうサンプルは貴重なのだ。そもそも2回もエイリアンと性行為を経験した女性兵が今までいなかったので、君が初めてではあるが…

素の肌色に戻っていたエイミの顔がまた真っ赤に染まる。

エイミ:余計な情報はいいです。分かりました。研究のためなら協力します。

タイソン:礼をいう。奥の研究室に案内しよう。

タイソンは禿げた頭でペコリと会釈するとエイミの前に立って、奥のスライドドアから中へと歩いていく。


大きい透明ガラスで半分に分けられた研究室。
廊下側の半分はコンピュータや機械が並んだ制御室といったところ。
そしてガラスの内側は机や病床やスタンドなどが入った、いかにも実験室みたいな空間である。

タイソン:そこの立ち型のスタンドの前に立ってくれ。スキャンは十数秒くらいで終わるけど、手首と足首はスタンドに固定される。

エイミ:知ってます。ここでいいんですよね?

浄化処置機でエイリアンの分泌物を除去し治療された後や、それでなくても月に1、2回は定期検診みたいな感覚で、みんな全身スキャンを行なっている。
もちろん、ここ、研究部ではなく、医務部でやっている事ではあるが、人が立っている姿をした立ち型スタンドとそれを囲む透明カプセル。全く同じものなのだ。

エイミがスタンドの前に立ち、背中を当てると、手首と足首のところが自動で変形し、身体が固定される。すると、上に開いていた透明な蓋が降りてきてカチンと閉じる。
その後、下の台座から光の横線が一本現れて、ゆっくりと上昇していく。
でも、何か今までと比べて光の上昇が倍以上に遅い、と思いながらエイミは指先をカタカタと動かしていた。
光はようやくエイミの顔の高さまで上昇し、その眩しさに目を瞑る。
瞑っていた目を開いた先には、モニターを見ながら驚くタイソン部長の姿があった。

タイソン:なるほど…1回目と比べて2回目の細胞変形はまた違う形態に形成されるケースもあるのか…ふうむ…これは通常のスキャンでは分かりにくいな…

エイミ:あの、スキャン終わったんですよね。

エイミは手を動かして、ガチャガチャと音を立てる。いつもはスキャンが終わると、手首と足首の拘束が自動で解除されるのだが、今回はそうならない。

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スコムスscomscroll 2021/05/20 18:00

XCOM 동인소설 SCOM 本作 3-1 강제 실험

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옅은 하늘색의 단발 머리가 어깨 위에서 찰랑 흔들린다.

언제나의 활기가 없이, 불안해 보이는 눈으로 에이미가 은색의 복도를 터벅 터벅 걸어가고 있다.
에이미는 정면을 향한 얼굴은 그대로 둔 채, 때때로 눈동자만을 좌우로 움직여서 주위를 확인해 간다.
근처에 아무도 없는 것을 확인 한 뒤, 에이미는 복도의 코너를 돌아, 닫혀있는 슬라이드 도어의 앞에 멈춘다.

흐읍 하고 숨을 들이마신 에이미가, 조심 조심 인터폰의 버튼을 누른다.

에이미 : 유격대의 에이미 일등병입니다. 타이슨 부장님께 드릴 말씀이 있는데요.

???? : 타이슨 부장?? 잠깐만 기다려 봐요.

스피커에서는 귀찮아 하는 것 같은 느릿한 젋은 여성의 목소리가 흘러나오고, 잠시 기다린다.

???? : 들어오세요.

‘연구부’라고 쓰여진 글자 간판 아래의 문이 스르륵 하며 슬라이드 되고, 드디어 에이미는 새하얗고 넓은 방에 발을 들인다.
그리고, 슬라이드 도어가 곧바로 작동해 닫힌다.
숨을 골라 보지만, 에이미의 표정에서 긴장감이 숨겨지지 않는다.

SCOM의 비전투 부서는 세 곳.
지휘부의 중역이기도 한 발렌 박사가 담당하는 의무부.
이전에, 에마가 퀴즈로 냈었던 수수께끼의 여고생이 부장을 맡고 있는 기술부.
그리고, 여기, 타이슨 부장이 통솔하는 연구부.

말단의 병사라도 평소 출입이 잦은 의무부와, 괴짜 같은 여고생 부장이 있는 기술부는, 기본적으로 개방적이라서, 문을 잠가 놓거나 하는 일은 거의 없다. 오히려 문을 열어 둔채로 있다가 상부에서 주의를 받는 게 일상이다.
그러나, 연구부만은 기밀 사항이 많아서, 지휘부의 중역이나 대위 정도의 상위 계급이 아니면 출입에 제한이 걸린다.
에이미같은 일등병은, 임무에 관련된 지시가 있거나 하지 않으면, 인연이 없는 곳이다.

에이미가 들어온 새하얗고 넓은 방 안에는 아무도 없다.
고오오 하는 낮은 작동음만을 울리는 뭔지 모를 컴퓨터같은 기계들이 몇줄이나 주욱 늘어서 있을 뿐이다.
방 안 쪽에는 슬라이드 도어가 하나 더 있는데, 에이미는 그곳을 계속 쳐다보고 있다.
바로 가까이서 보지 않으면 눈치 채기 어렵겠지만, 그녀의 입술은 파르르 희미하게 떨리고 있었다.

에이미의 시선이 멈춰있는 안쪽의 슬라이드 도어가 기이잉 하며 움직인다.
안쪽에서 나타난 사람은, 쿨한 인상의 30대 중반 쯤 되어 보이는 남성.
길쭉한 장신이지만, 버튼을 잠그지 않은 하얀 가운의 가슴팍에서, 단단한 근육질의 몸임을 알 수 있다.
다만, 결정적으로 시선을 잡아 끄는 것은, 머리카락 한 올 없는 매끈한 대머리였다.
거기에 더해서, 초점 없는 죽은 물고기 같은 눈이, 수려하고 댄디한 생김새를 망쳐버리고 있다.

타이슨 : 연구부장 타이슨이다. 너는…

에이미 : 네. 일등병 에이…

타이슨 : 유격대 소속. 일등병 에이미 아오이즈미. 여기에 온 건, 전의 임무와 관계가 있겠군.

억양이 없이 단조로운 그의 목소리는, 한참 전의 인공 음성 같이, 어딘가 듣기에 불편하다.

에이미 : 아, 네. 그 임무중에 제가 겪은 일에…

또다시 에이미의 말을 중간에 끊고 들어온다.

타이슨 : 아. 그 들은 임무를 정확히 수행했고, 너도 무사히 귀환했다. 너에게도 고마움을 표해야 하겠군. 네게서 제공받은 에일리언의 분비물을 복제해서, 회복제의 제조가 늦어지지 않았으니까.

그는 초점 없는 눈으로 에이미의 얼굴을 쳐다본다.
지금 말한 내용 외에 뭐가 더 있는지? 라고 되 묻는 듯 하다.
어두운 표정으로 고개를 떨군 에이미는 오른쪽 주먹을 높이 치켜 들고선, 옆에 있는 기계의 윗면을 쾅하고 두들긴다.

타이슨 : 엇, 뭐, 뭐하는 거야!!

컴퓨터 인 듯한 기계의 윗면이 크게 움푹 들어가 버렸지만, 작동이 멈추지는 않은 것 같다. 그러나, 억양이 있는, 당황한 말투의 타이슨 부장의 반응을 본 에이미는, 어두운 표정인 채로 입꼬리만을 살짝 들어 올린다.

에이미 : 뭐예요. 기계에 대해선 걱정도 할 줄 아시네요. 그리고, 사람 말 좀 끝까지 들어줄 수 없어요?

화가 잔뜩 섞여 상당히 큰 소리로 말 했지만, 여기에 대해선 또 반응이 그리 없다.

타이슨 : 다 아는 내용을 끝까지 듣는건 시간 낭…

쾅. 에이미는 왼쪽의 기계 윗면에도 주먹 자국을 남겼다.
이번에도, 위쪽의 금속면이 콰직하며 찌그러졌지만, 동작은 멈추지 않은 듯 하다.

타이슨 : 아, 알았어! 네 얘기는 끝까지 들어 줄게. 지금 부터 말하는 중에 끊는 일은 없도록 하겠다.

에이미는 쥐고 있던 주먹을 풀었다.

에이미 : 마틴 병장이 녹화한 영상. 당신이 가지고 있는거죠? 그거, 지금 당장 지워주세요.

또박 또박 분명한 목소리를 내고 있지만, 그녀의 얼굴은 어느틈엔가 빨갛게 상기되어서, 동요한 속 마음이 드러나고 있다.
타이슨은 에이미의 그런 변화를 놓치지 않고, 냉정함을 되찾았다.

타이슨 : 그 영상이 나에게 있을 거라는 추측은 맞았다. 그런데, 그걸 지울 메리트가 없군.

추측같은게 아니다. 임무를 매고, 윌 병장에게 들쳐 메여 돌아올 때, 컨테이너를 짊어 지고 뒤에서 따라오던 마틴 병장은, 이러쿵 저러쿵 자신의 계획을 떠들어 댔다.
이 영상으로 타이슨 부장을 협박해서 보수를 2배로 불려 받겠다느니.
나는 할 줄 모르니까, 영상을 퍼뜨리는 건 타이슨에게 시킨다느니.
마틴 병장은, 능욕으로 망가진 에이미가 아무것도 못 할 거라, 이미 판단해 버린 듯 했다.

에이미 : 뭐, 뭐라는 거예요! 그, 그런 파렴치한 영상을...버, 범죄라구요! 규율 위반이에요! 당신이 그 들에게 지시를 내렸다는 것도 알고 있다구요!

잠시 정적이 흐른 뒤, 타이슨이 입을 연다.

타이슨 : 그래. 내가 그 범죄행위의 의뢰자야. 네 요청에 따라서 영상을 지워도, 나에게는 아무런 이득이 없단 말이다.

에이미 : 네에?

타이슨 : 마틴 병장은, 그기 지시를 내리면, 내 엑세스 권한을 이용해서 남자 병사들에게 영상을 퍼뜨리라고 했지. 그의 지시를 따르지 않으면, 내가 그 일을 의뢰했다는 사실을 알리겠다고 협박하면서 말이지. 그런데, 그 영상은 그의 범죄행위에 대한 증거가 될 수는 있지만, 내가 관여 했다는 증거는 되지 못 해. 즉, 그냥 내가 가지고만 있으면, 마틴 병장이 허튼 짓을 할 수도 없고, 너에게도 피해는 발생하지 않는다는 거다.

평탄한 어조로 당당하게 말하는 그의 태도에, 에이미는 머리 끝까지 화가 치밀어 오른다.
한 번 더 치켜 든 오른 주먹이, 이미 찌그러져있는 기계 위로 다시 내리쳐 지자, 이번에야 말로 안에 들어있던 컴퓨터의 작동음이 꺼졌다.

타이슨 : 네, 네이놈!! 무슨 짓이야…

턱 부터 귀 끝까지 새빨개진 에이미가, 날카로운 눈초리로 타이슨 부장을 노려본다.

에이미 : 당신 사정이 어떻든 간에 나랑은 상관 없어요. 어쨌든, 지금 당장 지우세요.

타이슨은 에이미의 이야기에 귀를 기울이는 척도 없이, 그저 부서진 컴퓨터만을 보고 있다.

타이슨 : 너, 어떻게 책임 지려고 하는거야! 데이터는 서버에 남아있지만, 병렬처리속도가 상당히 떨어져 버린다고. 우리가 진행하고 있는 연구는 모두 병사들의 생명과 연관되는 중요한 것들이란 말이다!

에이미 : 으읏…

타이슨의 항의에, 에이미는 말문이 막혔다.
살짝 당황한 듯 했지만, 각오를 다진 표정으로 입술을 깨물고, 왼쪽 주먹을 들어 올린다.

에이미 : 애시 당초...당신이 회복제의 원료를 실수로 팔아 넘기지만 았았으면, 이런 일은 없었을거 잖아요!

높이 들어올린 주먹이 방향을 아래로 향하려는 순간, 타이슨은 당황한 목소리로 에이미를 멈추려 한다.

타이슨 : 왜, 왜 네가 그 일을 알고 있는거지? 그 놈들…

에이미는 차가운 눈을 타이슨 부장을 노려보면서, 들어 올렸던 왼 주먹을 슬쩍 내린다.

에이미 : 연구부의 책임자인 타이슨 부장님이, 사실은 암시장에서 거래를 하고 있었고, 거기에다 병사들의 생명과 연관된 회복제의 원료를 실수로 팔아 넘겨 버렸다. 그 원료인 에일리언의 분비물을 구하기 위해서 하위 계급의 여성 병사를 일부러 위험에 빠트렸다. 이 사실이 알려지면, 당신에겐 큰 문제 아닌가요?

타이슨 : 뭐라는 건가! 증거도 없는 말이 통할거라 생각하나?!

후우 하며 깊은 한숨을 내쉰 후, 에이미가 말을 잇는다.

에이미 : 정말 유감스럽지만, 증거는 없어요. 당시에는 무선을 녹음한다거나 할 수 있는 여유가 없었으니까요. 그러니, 계속해서, 이 왼쪽의 컴퓨터도 부셔 놓도록 하죠.

에이미의 왼 주먹이 다시 한번 무서운 기세로 들어 올려져서, 내리쳐 지려는 순간…

타이슨 : 기, 기다려!! 알았다. 영상은 지울게. 지우도록 할게.

주먹을 머리 위에서 멈춘 채로, 에이미는 타이슨 부장을 의심에 가득찬 눈으로 쳐다본다.

에이미 : 마틴 병장님이 가진 것도 지울 수 있죠? 당신이라면 개인 단말에도 엑세스 할 수 있으니까요.

타이슨 : 특별한 이유가 없는 한, 평소에는 해선 안되긴 하지만, 알겠다. 마틴 병장이 가지고 있는 영상도 지워 두지. 약속 하겠다. 다만, 조건이 있어.

에이미는 들어 올린 채로 있는 왼 주먹에 꾸욱하고 힘을 준다.

에이미 : 참나..왜 내가 당신 조건을 받아 들여야 하죠?

더욱 화가 치밀어 오른 목소리로 되묻자, 타이슨 부장의 이마에 식은 땀이 주르륵, 벗겨진 머리에서부터 흘러 내려온다.

타이슨 : 아, 아니, 미안해. 내가 말을 실수 했어. 부탁이다. 너를 화나게 한 건 내 잘못이지만, 컴퓨터가 2대나 부서져 버려서, 지금 연구중인 과제들의 시뮬레이션이 꽤 늦어질거야. 회복제의 개량을 위한 중요한 연구거든. 그래서, 너의 몸을 스캔해서 샘플을 구하고 싶어.

에이미 : 샘플?? 저를요? 이상한 생각 하는거 아니죠?

에이미의 눈빛은 여전히 차갑고 날카롭지만, 들어 올리고 있던 주먹을 이제서야 허벅지 옆으로 내려 놓는다.

타이슨 : 컴퓨터가 부서진 만큼 연산도 느려져 버리지만, 네 샘플을 소스로 추가해서 연산의 지연을 상쇄시킬 수 있어. 이 연구가 늦어지면, 전장에서 구할 수 있었던 목숨이 날아가버릴 가능성도 있겠지. 이건 내 과오에 대해 보상하기 위해서 전력을 다했던 연구다. 제발 부탁한다.

에이미 : 으, 읏…

꾸벅 90도로 허리를 굽혀 고개를 숙인 타이슨 부장을 보고, 에이미가 한발 뒤로 물러선다.

타이슨 : 네 몸은, 짧은 기간동안 두번이나 에일리언과 성행위를 경험했다. 그런 샘플은 매우 귀중하거든. 애초에 두번이나 에일리언과 성행위를 경험한 여성 병사가 지금까지 없었으니까, 네가 처음이긴 하지만…

원래의 피부색으로 돌아와있던 에이미의 얼굴이 다시 새빨갛게 물든다.

에이미 : 쓸데없는 정보는 됐어요. 알았으니까. 연구를 위해서라면 협력할게요.

타이슨 : 감사를 표하지. 안쪽의 연구실로 안내하겠네.

타이슨은 벗겨진 대머리로 끄덕 인사하곤, 에이미의 앞에 서서, 슬라이드 도어 안 쪽으로 걸어 들어 간다.


큰 투명 유리로 반반씩 나뉘어진 연구실.
복도 쪽 반은 컴퓨터나 기계가 즐비한 제어실같은 곳.
그리고 유리 안 쪽은 책상이나 병상, 스탠드들이 들어있는, 누가 봐도 실험실 같은 공간이다.

타이슨 : 거기 입식 스탠드 앞에 서 봐. 스캔은 십 몇초 정도만 끝나지만, 손목과 발목은 스탠드에 고정해야 하니까.

에이미 : 알고 있어요. 여기 서면 되죠?

정화처치기로 에일리언의 분비물을 제거하고 치료받을 후나, 그게 아니어도 한 달에 한 두번은 정기검진 같은 느낌으로, 모두 전신 스캔을 받게 된다.
물론, 여기 연구부가 아니라, 의무부에서 하고 있는 일이긴 하지만, 사람이 서 있는 모습을 한 입식 스탠드와, 그것을 둘러 싼 투명 캡슐. 완전히 똑같은 물건이다.

에이미가 스탠드 앞에 서서, 등을 대자, 손목과 발목 위치가 자동으로 변형되어, 몸이 고정된다. 그러자, 위쪽으로 열려있던 투명한 뚜껑이 내려와서 철컥 하며 닫힌다.
그 후에, 아래 받침대에서부터 한줄기 빛이 수명으로 나타나, 천천히 상승해 간다.
하지만, 뭔가 지금까지랑 비교해서 빛이 상승하는 게 두 배 이상 느려. 라고 생각하며 에이미는 손가락을 까딱까딱 움직이고 있다.
빛이 드디어 에이미의 머리 위치까지 올라오자, 그 눈부심에 눈을 감는다.
감았던 눈을 뜨자 그 앞에는, 모니터를 보면서 놀란 타이슨 부장의 모습이 있었다.

타이슨 : 과연...첫번째와 비교해서 두번째는 세포 변형도 조금 다른 형태로 형성되는 케이스가 있는 거였군...흐음...이건 일반 스캔으로는 알아보기 힘든데…

에이미 : 저기, 스캔 끝난거죠?

에이미는 손을 움직여서, 철컥 철컥 소리를 낸다. 원래 스캔이 끝나면 손목, 발목의 구속구가 자동으로 해제되는데, 이번은 그러지 않는다.

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