レモネードオアシス 2022/04/16 10:57

芽生え4

おむつにおねしょをしてしまったイリアの目覚め。

おむつのなかに穿いていたぱんつはベッドの下に隠しておく。



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「んん……。もう、朝、なんだ」

 イリアは寝ぼけ眼を擦りながら目を覚ました。
 だがすぐにハッとなると、右手でお尻を撫で回す。

「あぁ……。こんなに出ちゃったんだ」

 イリアが充てている紙おむつは、寝ているあいだに何度もおもらしをしてしまったのだろう。
 モコモコに膨らんでいて、スライムのようなプルプルとした手触りになっていた。
 時間が経ったおしっこはやや茶色く変色しておむつの外側にまで浮き上がってきている。

 だけど、シーツには一滴のおしっこも漏れ出してきていないようだ。
 身体を起こしてシーツを撫でてみても、サラッとしている。
 もしもショーツで寝ていたら、イリアのお尻を中心として大きな世界地図ができあがっていたことだろう。
 紙おむつは、イリアの失敗のすべてを受け止めてくれたのだ。

「おむつのなか、蒸れ蒸れだよ……」

 本来ならばおしっこをしてもサラッとしているはずの紙おむつだが……、しかしおむつの中におもらしショーツを穿いているから、おまたもお尻もジトジトの梅雨模様だった。

「ぱんつ、どうなってるんだろ」

 興味本位のままに、おむつのテープを剥がして開いてみると、

 むわぁ……っ。

 一晩中蒸らされていたアンモニア臭が立ち昇って、イリアの頬を生温かい湯気が撫で回していった。
 濃縮されたアンモニア臭はツーンとした刺激的な香りになっていて、涙が出てきそうなほどだ。

「ううっ、凄い……。私のおしっこ、こんな臭いになるなんて。それに色もこんなになってる……」

 一晩中おしっこで蒸らされていたショーツは、イリアの体温に発酵が進み、濃厚なレモン色を通り越し、茶色く変色している。
 クロッチの外側にまで茶色い染みが浮き上がり、白かったはずのネコさんショーツは茶色いまだら模様ができあがっている。
 そんな濡れそぼったショーツが、イリアのおまたやお尻にペッタリと貼りつき、ヒクヒクとおまたの痙攣を浮き上がられていた。

「ずっと穿いてたいけど……。学校に穿いていくわけにもいかないし、ね……」

 イリアは名残惜しそうにショーツを降ろして行くと、やや赤らんだパイパンが露わになった。
 ヒクヒクと痙攣し、割れ目からはショッキングピンクの花びらが顔を覗かせている。

「あれ、なんだろ、これ」

 異変に気づいたのは、ショーツを降ろしきった時のことだった。
 茶色く染まっているクロッチの裏側……、そこにヌルッとした粘液が貼りついていたのだ。

「ヌルッとしてる……。なぁに? これは」

 匂いを嗅いでみると、おしっこ臭い。当たり前のことだけど。
 そのヌルッとした粘液は、お尻のほうにまで広がっているみたいだった。

「おしっこ、じゃないよね……。次の日はまだ先だし……」

 そもそも、この粘液がおまたから出たのか?
 それともお尻から出たのか?
 それさえもイリアには分からないことだった。

 なにしろ、まだオナニーという行為も言葉もイリアは知らないのだ。
 こうしておもらし遊びをして、そのショーツを一晩中穿いているのも、ただいけないことをしているというドキドキ感を味わっているだけだったりする。
 それに濡れたショーツの感触も嫌いじゃなかったし。

「ここで悩んでてもしょうがない、か。帰ってきたら考えればいいよね」

 おむつはゴミ箱に捨てておく。
 こうしておけば、メイドがゴミとして出してくれるはずだ。

「おぱんつは、どうしよう?」

 このまま穿いていくわけにもいかないし、それに洗濯に出したら母やメイドの目に止まって怒られてしまうに違いなかった。
 白かったネコさんショーツは、今や茶色いまだら模様なのだ。こんなところを誰かに見られるわけにはいかない。

「ベッドの下に隠しとこ。えいっ」

 ベッドの手に届かないところに放り込む。
 これならちょっとやそっと、ほうきを伸ばしても見つからないはずだ。

「帰ってきてからじっくり考えるんだから。それまでどうか見つかりませんように……っ」

 ベッドの下にお祈りすると、イリアは朝の身支度に取りかかる。
 まずはタンスの一番上の段を開ける。
 そこにはくしゅくしゅに丸められたふかふかのショーツが綺麗に詰め込まれていた。
 どのショーツも、イリアが愛用しているネコさんショーツだ。
 だけど、元々白かったけど、何度もおもらし遊びをしているうちに、クロッチの裏側が微かに黄ばんできてしまっている。

「よく見ないとわからないから大丈夫だしっ」

 タンスの中から一枚のショーツを取り出して広げてみる。
 ふかふかのコットンショーツの内側は微かに黄ばんでいたけど、クロッチの外側にまでは染み出してきていないようだ。
 これなら体育の着替えのときもごまかせるだろう。

「ショーツを穿いて、よいしょっと。ブラもつけないとおっぱい痛いもんね」

 白人系の血を受け継いでいるイリアは同じ年頃の女の子よりもおっぱいの発育がよかった。
 それでも膨らみ始めたおっぱいはやや硬くて張りがある。
 それにピンクの乳首はレーズンみたいに固くなって、触ったり押したりすると痛かった。
 だから最近はブラを充てることにしていた。
 母親からそろそろブラを充てなさいと言われたときは恥ずかしかったし、それに煩わしいと思ったものだ。

 それでもイリアがブラを充てているのは、デザインが可愛らしかったからだ。
 シンプルな白に小さなひらひらが付いていて、右のおっぱいの部分にネコの刺繍のワンポイントが入っている。

「今日もネコさんショーツとブラのおそろいっと。元気に行かないと、ねっ」

 下着をつけたイリアは制服を着ていく。
 白のブラウスに、シックな紺のブレザー。
 そしてスカートはワインレッドのヒダスカート。
 それに最近は秋めいてきたので黒タイツも穿くことにしている。
 落ち着きすぎてる雰囲気だけど、胸元に赤のリボンをつけるとちょうどいいバランスになってくれる。

「あとはツインテールでいつものイリアちゃんの完成~」

 ブロンドをツインテールに結い上げて、大きな鏡の前でくるりと一回転のスカート回し。
 スカートが広がり、ツインテールが流れ星のように尾を引いた。

「今日も一日頑張っていこう!」

 イリアは呟くと、部屋を出て行く。
 身支度してメイドたちと挨拶して朝ご飯を食べて……、朝の時間は慌ただしく流れていき、イリアはいつものように登校していくのだった。

 それでもイリアの秘筋はまだ知らぬ官能の炎に燻っていて――。
 自慰という行為も、言葉さえも知らぬ少女は、無自覚のうちに性へと目覚めようとしていた。

        ☆

イリアはいつものように登校する。
 だが白人系の血を色濃く受け継いでいるイリアは、日本人とは肌の色も、髪の色も、そして瞳の色も違う。
 教室ではあまりにも浮いた存在だった。

 虐げられているわけではないけど、イリアはどこか近づきがたい雰囲気というか、ミステリアスというか、高嶺の花といった存在になっていた。

(ついこの前は一緒に遊んでた男の子も、急によそよそしくなるし……。別にいいけど)

 一時期はなんでなのか不思議に思っていたけど、それが大人の階段を一段ずつ登っているんだということでイリアは納得するようにしていた。
 イリアの席は、教室の窓側の、一番後ろの席だった。
 春に生まれたから、出席番号順で席を決めると大体この位置になる。
 教室の端っこが、イリアのいつものお約束の席だった。

(目立たなくて好きな席だけど、最近急に寒くなってきたから隙間風でお腹冷えちゃいそう)

 そんなことを考えながら席について、今日使う教科書を机に詰めてから文庫本を開く。
 こうしてぼんやりと朝の慌ただしい時間を読書して過ごす……、これがイリアの日常だった。

        ☆

(やだ、寒い……。おトイレ、おしっこしたいかも)
 黒タイツに包まれている両脚をもじもじと擦り合わせると、

 ジュワリ……、

 クロッチの裏側が微かに生温かくなる。
 時は三時限目の授業を終えた休み時間。
 イリアは尿意を催し、更には一時間ほど我慢していた。

 いくら黒タイツを穿いているとはいえ、秋の隙間風は少女の腰を冷やしていく。
 尿意を催してしまうのは当然のことだった。
 ただでさえ、女の子の膀胱は子宮に押されるようになっていて小さいのだ。
 それだけトイレに行く回数も増えてしまう。

(おトイレ、行っておいたほうがいいよね)

 イリアは文庫本をパタリと閉じると席を立つ。
 廊下に出ると、ひんやりとした秋風が内股を撫でていった。

(タイツ穿いてるのにこんなに寒いなんて。そろそろブルマの時期、かなぁ)

 学校では体育の授業で穿くことになっているけど、タイツの下にブルマを穿くとお尻が温かくなって好きだった。
 たぶん、みんなやってることだと思うけど。
 冷たい秋風にツンとした不機嫌そうな表情を浮かべて、イリアは女子トイレへに立った。

 女子トイレには誰もいないようだ。個室へと続くドアは、全部開け放たれている。
 ピンクのタイルに包まれた女の園は、ツンとしたアンモニア臭と、少女の匂いが絡み合った複雑な香りに満たされている。
 イリアは、女子トイレの一番奥の個室へと入ると、ドアを閉めた。

 目の前には、ちょこんとある和式のトイレ。
 その光景を目にして無意識のうちに安心してしまったのか、

 ジョッ――。

(あっ、ちょっと、まだダメ……っ)
 慌てておまたに力を入れるも、

 じゅわわ……。

 ショーツの裏側が、ほんの少しだけ生温かくなった。
 イリアはいつものようにちびってしまったのだ。

(やだ……。おまた、痒くなっちゃう)

 ぼんやりとそんなことを考えながら、イリアは和式のトイレに跨がった。

「はぁ……。誰もいないし、思い切りだしても大丈夫、だよね」

 女性器というのは、排泄するときに鋭い音が立ってしまうし、それに尿道が短いから力を入れたら遠くに飛んで、更には飛び散ってしまう。
 だから女子トイレには音姫があるのだが……、残念ながら、イリアが通っている学校には音姫はなかった。
 なので、おしっこをするときにはケータイを持ち込んでする女子もいる。

 だけどイリアは、誰もいないときは思いっきりおしっこをすることにしていた。
 そのほうが早く終わるし、なによりも我慢していた尿意を一気に放ったほうが気持ちいいからだ。

「ぱんつとタイツを下ろしてっと」

 スカートのなかに手を入れて、ショーツとタイツの両側に指をかける。
 ショーツをタイツごと降ろすと、

 もわ……っ。

 露わになったのは赤ん坊のようにおしっこ臭い、つるつるのおまただった。


芽生え5につづく!


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