芽生え5
学校でのおしっこ。
おまたを拭くときに感じる違和感。
「やだ……。湿ってる……」
ショーツを降ろしてクロッチの裏側を見詰めてみると、そこにはシュッとイリアの縦筋が刻まれていて、レモン色のグラデーションが滲んでいた。
それに、目を凝らしてみると透明な粘液が付いているような気がする……?
「なんだろ、これ」
不思議に思ってクロッチに触れてみると、透明な汁はヌルッとしていて指に絡みついてくる。
「朝も似たようなお汁がぱんつに付いてたけど……。なに、これ」
首をかしげてみるも、尿意には敵わなかった。
プシュッ!
和式便器に跨がったままで緩んでいるおまたから、聖水が漏れ出してきてしまう。
「あっ。まだ出てきちゃ、ダメ……っ」
慌ててしゃがみ込むと、
プシュッ、
しゃあああああああああ……。
圧迫された膀胱から勢いよくレモネードが噴き出してきた。
女の子の尿道は、太くて短い。
だから膀胱を押せば簡単に噴き出してきてしまうし、勢いだって男よりも激しく、飛び散ってしまう。
「ふぁ、ふぁあああああああ……」
ジョボボボボボボッ!
プシュウウウウウウウウウ!
勢いよく小水を放ちながら、イリアは陶然としたため息をついていた。
碧眼は潤み、まなじりはトロッと下がっている。
イリアは、放尿の快楽に身体を震わせながら黄金水を放ち続ける。
ビシャビシャと、和式トイレの金隠しに弾けるほどの勢いで、イリアははしたなく尿意を解放していく。
「我慢してから一気に出すのって、凄く気持ちいい……」
ブルルッ!
イリアが快楽に身体を震わせると、プリッとしたミルクプリンのようなお尻の両側にえくぼができあがった。
キュッとおまたが引き締まり、小水の弧がうわずる。
(おしっこを我慢して、おまた汚しちゃうなんて、なんて私は変態なんだろう)
とは思うけど、しかし目覚めてしまった性癖は留めることはできなかった。
シュイイイイイイイイ……。
ぽた、ぽたた……ぽた。
「はふう……。全部出ちゃった……」
ヒククンッ、
名残惜しそうにおまたが痙攣すると、プシッと残尿が噴き出してきた。
一気に出したぶんだけ、快楽のときは早く終わってしまう。
(本当なら、ぱんつを穿いたままおしっこしたいけど……)
いつも学校でトイレに行くたびにそう思うけど、さすがに理性がブレーキをかけてしまう。
替えのショーツもないし、タイツも持ってきていない。
なにしろ学校でおもらし遊びなんかしたら、おしっこで汚してしまったショーツとタイツを隠しようがなかった。
だから、イリアは学校ではおしっこを我慢して放つだけにしている。
(おまた、拭かないと)
気怠げにトイレットペーパーに手を伸ばして取る。
勢いを失った小水は、縦筋を伝って会陰のほうへと垂れてきていた。
「……んっ」
微弱電流が走ったのは、イリアが秘筋を拭いたそのときだった。
「……んううっ! な、なに、この感じ……。おまたが、くすぐったい……痺れる……っ」
おまたを拭くと、なぜかムズムズしてきてしまう。
最近はおしっこを拭くときに、なんか変な感じがする。
おまたを拭いた紙を見てみると、そこにはカスタードクリームのような汚れとともに、おしっこが染みこんでいる。
女性器からは色々な恥ずかしいものが出てきてしまうのだから仕方がない。
少女の身体は、そういう風にできているのだ。
「もう一回拭いたほうがいいかな……」
呟きながら、新しい紙を手に取って、縦筋へと指を食い込ませていく。すると、
――チリリッ!
「んんっっ!」
ムズムズしていたおまたに、なぜか静電気が弾けたかのような痛みが広がっていった。
「おまた、変な感じする……。なんだろう……?」
首をかしげながらティッシュを見つめてみると、そこにはトロッとした透明の粘液がこびりついていた。
朝のショーツに付いていたものと同じだし、いま太股まで降ろされているショーツにもこびりついていた。
と、言うことは。
「このお汁、おまたから出てるんだ。だけど、なんで……?」
その答えを、今のイリアが知るはずもなくて。
「変な病気じゃ、ないよね……」
不安になりながらも、イリアはティッシュを和式トイレの水面へと落とした。
ネバッとした粘液をまとったティッシュは、黄金に染まった水面へと沈んでいく。
イリアはそのティッシュから目を逸らすかのように、トイレの水を流してしまった。
勢いよく水が流れてくると、イリアの穢れとともにティッシュが流されていく。
「なんだったんだろ……。あのネバネバしたの」
だけどここで考えていても仕方がないことだった。
イリアは黒タイツごとショーツを上げると、お腹を冷やさないようにと、しっかりとおへそまで覆い隠す。
……が。
「はうう!」
おまたから走る電流に、イリアはへっぴり腰になってしまった。
ジンワリと、クロッチの裏側が生温かくなる。
恐らく、ネバッとしたものが滲み出してきているのだろう。
(やだ、なんなの? この変な感じ……。おまたが痺れて、勝手に熱くなってきてる……?)
今ここでショーツを降ろして確認することは容易いだろう。
だけど、それは自らの身体の変化を認めてしまうと言うことになる。
もしかしたら、死んでしまうかも知れないほどの、おまたの病気かも知れないのだ。
(なにも変なところ、ないもん……。大丈夫だもん……)
イリアは自分に言い聞かせるようにして、スカートの裾を整える。
そして澄ました顔で個室を出ると、まさかイリアのショーツが黄ばんでいて、しかもクロッチには粘液がベッタリと塗られているだなんて、誰も想像さえもしないに違いなかった。
そもそも――、
イリアがこんな性癖に目覚めたのは、学校での失敗がきっかけだった。
あれは数年前の、夏の日。
プールの授業中のときだった。
お腹を冷やしてしまい、トイレに駆け込んだものの、水着を脱げずに漏らしてしまったことがあった。
そのときにお尻が生温かくなり、包まれているような気がして……それ以来、イリアはおもらしの魅力に取り憑かれている。
イリアは、気づいてしまったのだ。
(おしっこを我慢して、おもらしするのって、気持ちいい……)
プールの授業ででおもらししてしまったときは水着ということもあってシャワーを浴びて隠し通すことができたが、イリアはイケナイ感触を知ってしまった。
それからというもの、お尻を撫で回される感触がやみつきになり、人知れずにショーツを穿いたまま尿意を解放してきた。
(水着よりも、ショーツのほうがペッタリお尻に張り付いてきて気持ちいい……。ブルマでおもらししたときも、あったかくて気持ちよかったな)
イリアはあのときのことを、そして今まで何回もしてきたイケナイ遊びを思いだしながらも教室に帰り席につく。
澄ました顔をして文庫本に視線を降ろすイリアの秘筋は、人知れずに熱く濡れていた。
その染みは、ショーツと黒タイツを滲み出し、スカートのお尻に染みを作るほどだったが……、
イリアはそのことから目を逸らすかのように読書へと意識を沈めていく。
☆
「うーん。やっと今日も一日終わってくれた……っ」
六時限目の授業を終えて、帰りのショートホームルームを終えるころには、イリアのショーツはジットリと湿っていた。
おしっこを我慢してチビってしまったということもあるけど、ネットリとした蜜のような粘液が勝手に滲み出してきている。
身じろぎをすると、お尻にはショーツがペッタリと張りついてきて気持ち悪かった。
おまたもムラムラするし、身じろぎをするとヌルッとする。
もしかしたら、スカートには尻染みができているかも知れない。
(早く帰ろ。ベッドの下のぱんつ、早くお洗濯しないと)
もしもおねしょショーツを母に見つかったら怒られてしまうに決まっていた。
その前になんとしても証拠隠滅しなければ。
幸いなことに、今日の午後は母もメイドもいない日だ。
帰って洗濯機を回せば証拠隠滅は容易いだろう。
(ママに見つかる前にお洗濯しないと、ね)
イリアは教科書をカバンに詰めると席を立つ。
放課後が始まったばかりの教室では女子たちのグループがおしゃべりをしたり、男子たちが走り回ったりしていたが、イリアは澄ました顔で教室を後にした。
だがイリアは気づいていなかった。
澄ました顔をしているイリアのスカートのお尻の部分には、大きなハート型の染みができていると言うことに。
イリアは、まだ知らない。
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