TS俺が女の子のレッスン!?7
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♠♥ブルマでおもらしっ。
「はい、おもらしライナー。お守り代わりに、ぱんつのなかに入れておいて」
「な、なんだよこのゴツいのは……」
「おもらししても大丈夫になるお守り」
翌朝。
司の部屋にやってきた晶が差し出してきたのは、分厚い紙でできた物体だった。
長さ30センチほどある。
「紙の吸水ライナー。200ccまで吸える。きのうのうちに必要そうだったから買っておいた」
「そ、それは……すまぬ。そうだ、お金渡さないと」
「大丈夫。あなたのお父さんとお母さんから海外送金してもらったから」
「お、おう」
どうやら司が入院して精密検査を受けているあいだに、色々と話が進んでいるらしかった。
だけどいま問題なのは。
「ど、どうやってこんなものを装備しろと?」
「まずはぱんつを降ろして」
「あ、ああ」
「そのライナーをクロッチの上に置く」
「お、おう」
「ぱんつを穿く」
「む、むぅ」
ライナーを置いたショーツを穿き、しかし司は顔をしかめてしまう。
30センチほどある分厚い紙のライナーをおまたに充てているのだ。
違和感がないと言ったら嘘になる。
むしろ違和感の塊がショーツのなかに鎮座していた。
「股ぐらが……っ、ごわごわするぞぉ……っ」
「女子が股ぐらなんて言わないの」
「お、おまたが閉じれないんだがっ」
「サイズは夜用だから、最初は違和感があるかもしれない。だけどそのうち慣れると思うから」
おまたどころか、お尻のほうまでごわごわしている。
それでもおもらししても大丈夫になると言うのならば、入れておいたほうが安心なのだろう。
「女の子は、ぱんつのなかにこんなものをフル装備してても平然としてないといけないと言うことか……うぉぉっ」
司はスカートの裾を整えると、晶に手を引かれて通学路に出るのだった。
☆
「もっと背筋を正して歩かないと。うちの学校、スカート短いんだから」
「はい」
「あんまりへっぴり腰になってると、スカートからぱんつはみ出てるわよ」
「はい」
朝の通学路。
司は晶とともに女子の制服を着て、登校することになっていた。
ただでさえ生まれて初めてのスカートに、司の挙動は壊れたロボットのようになっている。
男のころにはなにも感じなかったそよ風が牙を剥く。
「うう……。なんだか視線を感じる……っ」
「無理もないでしょ。司ったら見かけだけは金髪碧眼の美少女になってるんだもの」
「仕方ないだろ、勝手になってたんだから」
女の子になって初めての登校。
金髪碧眼の美少女になっているから、いやでも目立っているのだろう。
通学路を歩いていると、同じ制服を着ている男子たちの視線がチクチクと刺さるのを感じる。
主に、Fカップに膨らんでいるおっぱいと、ミニスカートで剥き出しになっている太ももに。
「俺は男だぞ。男の胸なんて見てもなにも楽しいことはないぞ……っ」
「なに言ってるのよ。女子ならドーンと男子たちの視線を受け止めてやりなさい」
「そんなこと言っても、このスカート、短すぎて装甲が……っ」
「スカートに装甲を求めない」
スカートの裾をギュッと抑えるも、春のそよ風はイタズラっぽく太ももを撫で回していく。
少しでも早くこの場を立ち去りたくて早歩きしようとするけど、隣を歩いている晶から、
「女の子なんだから、しっかり脚を閉じて歩くこと」
「はい」
「あんまり大股で歩くと、ぱんつが見えるから気をつけて」
「はい」
「下駄箱で上履きに履きかえるときも、ぱんちらポイントだから気をつけるように」
「はい」
晶から女子としてのレッスンを叩き込まれながら、司は登校していくことになる。
それでも、晶が一緒にいてくれるからこそ、登校することができているのかもしれなかった。
もしも司一人だったら、絶対に家に籠もっていたに違いない。
「……ありがとな。付き合ってくれて」
「なに言ってるのよ。当然のことをしてるだけ」
無表情で呟く晶だけど、そのほっぺたは少しだけ桃色に染まっているようにも見えた。
幼なじみだからこそわかる、ほんのかすかな違いだけど。
「ほら、もうすぐ下駄箱。ぱんつが見えないように気をつけて」
「ま、任せてくれ」
二人して並んで登校し、校門をくぐって下駄箱にまでやってきていた。
ここまでくると、昇降口にいる男子たちの視線の集中砲火を受けているような気になっていた。
当の男子たちは、チラ見をしているつもりなのだろうけど……。
男子のチラ見は、女子にとってのガン見。
そのことを嫌でも実感できてしまう。
「ぱんつが見えないように、見えないように……っ」
ショーツのなかには30センチもある紙ナプキンが入っているのだ。絶対に見られるわけにはいかない。
ローファーを脱いで、ショーツが見えないように屈んでローファーを拾い上げて下駄箱に。
それから上履きに履きかえる。
たったそれだけの動作に、司は精も根も尽き果てそうなほどに消耗していた。
……すぐ隣では晶が、平然と上履きへと履きかえている。
女子、恐るべし。
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この作品は同人誌『TS俺が女の子のレッスン!?』に掲載されているものです。
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