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2021年 03月の記事 (5)

レモネードオアシス 2021/03/26 11:00

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで8~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

今日は金曜日なので小説を更新する日です。
スバルから告白を受けたけど返事をすることができずに1週間。
しかし2人は以前と同じようにゆったりとした日々を過ごしていた。
だけどこのままの関係を続けるわけにもいかない。

大和は、意を決して、スバルの換えのショーツを用意すると――。


※この小説は、順調にいけば今年の5月→4月末のGW前に配信を開始する同人誌の小説です。

また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
なお、めんぼーさんに描いてもらったラフは、無料ブログには載せる予定はありません。


登校中におもらし!




目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!




●4章目 初体験は保健室で

 全校朝会でのうんちおもらし事件から一週間の時が流れていた。
 幸いなことに、あのとき全校朝会で、まさかスバルがうんちをおもらししているだなんて思っている生徒はいないらしく、実に平穏な日常が流れていた。

 ちなみに、スバルにはまだ返事をしていない。
 大和はそれも無理もないことだと言い聞かせているうちに、一週間があっという間に過ぎ去っていた。
 いまの時代、告白を受けるということは、イコール結婚を意味していると言っても過言ではないのだ。
 特に、大和やスバルくらいの年頃だと。

(スバルとお付き合い……できるのか? 俺が)

 朝の通学路を歩きながら、大和はこの一週間と同じことを自問自答している。
 すぐにおもらししてしまうスバルとお付き合いということになると、覚悟が必要かもしれない。
 そう思ってかばんには3日ほど前から換えのショーツをこっそりと忍ばせているのだった。柄はスバルのお気に入りのピンクと白のしましまにしておいた。

「おはよ」
「ああ、おはよ」

 スバルの家の前にまで差し掛かると、やはりというかスバルが待っていてくれた。
 あの日以来、スバルとは一緒に登校することにしていた。
 スバルが待っていてくれるから、大和も自然とスバルの姿を探すようになっていた。
 いつものように短い挨拶を交わすと、隣り合って歩きはじめる。
 
「いつも待っててくれなくてもいいのに」
「きみを近くに感じていたいから」

 スバルは頬を赤らめながら指を絡ませてくる。
 クールビューティな見かけによらず、内気なアプローチ。
 その内気さが本当のスバルの性格なのかもしれなかった。
 だけど、今日のスバルは手を繋ぐだけでは気がすまないようだ。

「んー……」
「どうした、朝から難しそうな顔をして」
「……いいかな」
「お、おおう?」

 大和はついつい疑問形になってしまう。
 なにしろスバルが大胆なことに腕を組んできたのだ。
 だが、こうしているとスバルの柔らかい感触が二の腕に感じられてしまうのは、一応伝えておいたほうがいいのだろうか。

「……当たってるぞ」
「ん。こうすると、なんか安心できるから。きみは……嫌なのかな?」
「いや、嫌な気分はしない」
「よかった。それじゃあ、学校まで」

 周りには二人と同じ制服を着ている生徒たちもたくさんいる。
 だけどなぜか照れや恥ずかしさは感じなかった。
 こういう関係になるまでに、スバルのいろいろな恥ずかしい姿を見てきたからかもしれない。

(俺も、このまえは全校朝会のときに一肌脱いだしなー)

 その甲斐もあって、スバルがうんちをおもらししたということは隠し通すこともできたから、結果オーライだ。
 これからもスバルが困ったことがあったら、どんなことがあっても助けてあげよう――。
 腕を組んでいるスバルにさえもわからないように、心のなかでこっそりと誓う。
 こうしてしばらく2人きりの世界を味わいながら歩いていると。
 不意に、そいつは忍び寄ってきた。

 ぶるるっ。

 腕を組んで歩いているスバルの身体が、切なげに震えたのだ。
 これは、も・し・か・し・て……?

「お、おい、いまの前兆は、もしかして」
「う、うう~……」

 スバルは頬を赤らめて、視線を下に落としている。
 この仕草は間違いない。
 尿意がこみ上げてきてしまったのだ。

「スバル……、もしかして、漏れそう、なのか……?」
「う、うん……。ちょっと、ピンチ、かも……っ」
「学校まで保ちそう?」
「むりぃ……」
「そ、そうか」

 どうやら危機はすぐそこにまで迫ってきているようだ。
 スバルの尿道の緩さを舐めてはいけない。

「どこか、どこかトイレは……!?」

 とっさに周囲を見回すも、そこはいつも通りの通学路。
 公園はおろか、公衆トイレさえもないのは知っている。だけど、せめて身を隠せそうなところは……!

「スバル、こっちだ」
「えっ?」

 スバルを連れて大和がやってきたのは……、
 通学路と沿うように流れている川にかかっている、橋の下だった。
 そこは陰になっていて、入り込んでしまえば死角になっている……はずだ。

「あっ、あああ!」

 そのことをスバルも本能的に察知してしまっていたのだろう。
 橋の陰に入った瞬間、煮込みすぎてふやけきったマカロニのような尿道が緩み、その場にしゃがみこむと、

 プッシャアアアアアアアアア!

 ショーツを穿いていないのではないか?
 そう思えてしまうほどの勢いで、おしっこが噴き出してきた。
 しゃがみこんだことによって、スバルの膀胱が圧迫されてしまったのだろう。
 おしっこの勢いたるや、クロッチを突き抜けて1メートル先のコンクリートの床に飛沫を散らすほどだった。

「はぅぅ……っ。ううぅ! いやなのに……っ、見られながらおしっこするなんて……っ」

 しゅわわわわわわわわわわわわわ!

 口では言いながらも、おしっこの勢いはとどまるところを知らない。
 男のものとは比べものにならないほどのおしっこが、ショーツを貫いて噴出していてきた。

「ううぅぅっ、止まらない、止まらないよぉ……っ」

 しゅいいいいいいいいいいいい……。

 女の子にはちんちんなんてついていないから、ただでさえ尿道が短い。
 さらに言えば、男よりも尿道が太いし、おしっこを我慢するための尿道括約筋も弱いのだろう。きっと。
 だからすぐにおしっこを漏らしてしまうし、テレビのコマーシャルでも尿漏れ関連の商品がたくさん放送されている……のだと思う。

(女の子って、大変なんだなぁ……)

 しゅいいいいいいいいいい……。

 ショーツを脱ぐことさえもできずにしゃがみこんでおもらししているスバルを見下ろしながら、大和はそんなことを考えていた。
 せめて通行人に見つからないように陰になるようにして立つことにしておく。

「はぁぁぁぁぁぁ……」

 しゅわわわわわわ……。

 やがて、派手な水飛沫の音も控えめになり、終わる。
 橋の下の陰になっている空間には、ツーンとしたアンモニア臭が蒸れ返っている。

「ううぅ……。出ちゃった……。全部、出ちゃった……」

 スバルは自ら作り出した大きな水溜まりを見つめ、涙声で呟く。
 どうやらおしっこは全部出し切ることができたようだ。

「ちゃんとおしっこできて偉いぞ」
「な、なにも偉くない……っ。我慢できないなんて……っ」
「そういうことは……俺にカバーさせてくれ。ほら、ちゃんと用意してきたから」
「えっ?」

 大和が颯爽とカバンから取り出したのは、1枚の布切れ。
 それはスバルが愛用しているピンクと白のしましまショーツ。

「サイズは……この前の保健室のときと同じサイズを選んどいたから。色は……これで大丈夫だったか?」
「私に……ぱんつ?」
「ああ。なにかあったら渡そうと思って。余計なお世話だったら受け取らなくても良いんだが……」
「ううん。大切に、する……ありが、とう……」

 スバルはしゃがみこんだままでショーツを受け取ってくれる。
 それとおまたを拭くためのハンドタオルと、汚してしまったショーツを入れるためのビニル袋も渡す。

「誰かこないか見てるから、パパッと着替えてくれ」
「うん……ありがと」

 よろめきながらも立ち上がったスバルは、スカートを汚さないように捲り上げ――一瞬だけ見えてしまったのは、ピンクと白のしましまショーツだった。どうやらデザインに間違いはなかったらしい。

(女の子って、大変なんだなぁ……)

 橋の下に誰かが入ってこないようにと、通行人に目を光らせる。
 けれど、誰もスバルと大和に気づく者はいなかった。
 こうして待つこと5分ほど。
 たった5分だというのに、同じ制服を着た生徒たちは嘘のようにいなくなっていた。
 どうやら、スバルのおもらしを見つめているうちに意外なくらいに時間が経っていたらしい。

(今日は遅刻でいいか)

 そんなことを考えながらも、大和は覚悟を決める。
 一週間前に受けたスバルの告白を、このまま返事待ちにするのも酷というものだ。
 大和が人知れずに覚悟を決めて、更に5分ほど待っていると。

「綺麗にできた。ありがと」
「気にするなって。歩けそうか?」
「うん。平気そう」
「そっか。それじゃあ、行くか、学校」
「うん」

 大和が歩き出すと、スバルも並んで歩き出す。
 だけど腕を組んでくるということはなかった。微妙な距離感。
 もしかして、おもらししてしまったことを気にしているのだろうか?

「……手、繋いでもいいか?」
「……でも」
「俺が繋ぎたいと思ってる。スバルはいやなのか?」
「いやじゃ……ないけど」
「それじゃあ我慢する必要ないよな」

 スバルの華奢な指先に、指を絡めるように繋ぐ。
 最初は遠慮がちだったスバルだけど、大和に躊躇がないことを悟ると、キュッと手を握り返してくれた。
 すぐに小さな手のひらは熱くなってくる。

(切り出すなら、いま、だろうなぁ)

 通学路には2人の他には誰もいないし。
 よし。
 そうと決めたら。

「あー……、あんまり返事を先延ばしにするのも悪いし、な」

 たったその一言で、ピクンッ、スバルの身体が電流に貫かれたかのように痙攣して、表情が硬く強ばる。
 ――いや、そんなに緊張されると、こっちまで緊張するんだが。
 だけどいまの時代、告白すると言うことは結構な覚悟を必要とすることなのだ。
 特に、スバルと大和くらいの年頃の男女には。
 少子高齢化対策で国から潤沢な補助金や住居も支給されるから、すぐに結婚を連想してしまう。
 それでも。

「俺は……、スバルがいい。スバルとなら……一緒にやっていけるような気がするから。だから、これからもずっと隣にいて欲しい」

 手を繋いで歩いている少女に、ゆっくりと告白していく。
 だけどスバルは不意に立ち止まる。
 なにか変なことを言ってしまっただろうか?
 スバルの表情を伺うと……、大和は慌ててしまった。
 なにしろ、スバルが言葉を発することなく、碧眼から大粒の涙をこぼしていたのだ。

「ちょっ、おいおい、泣くことないだろ!?」
「だって……、だってぇ……っ、こんなにすぐおもらししちゃう私なんて、絶対に嫌われてると思ったんだもん……っ」
「なんで俺がスバルを嫌いにならないといけないんだよ。そりゃあ、急に漏らされたらびっくりするけど」
「私のこと……嫌いじゃないの?」
「ああ。だからなくなって」
「うん。でもこれはうれし涙だから、しばらく止まらないと思う」
「それじゃ、ゆっくり行くか。どうせもう遅刻だし」
「うん……」

 小さく頷くスバルの手は、溶けそうなくらい熱くなっていた。
 大和はそんな小さな手を取って、遅刻確定の誰もいない通学路を2人きりで歩き出した。


おもカノ9につづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです。

大決壊!~集団食中毒~のレビューを書いて下さりありがとうございます!
とっても嬉しいです!
1日に何回もアクセスして読み返してはがんばってます。

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レモネードオアシス 2021/03/19 13:45

新作・おもカノの表紙を公開!

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

今週は小説の更新は1回お休みし、次回作の同人誌の表紙を公開したいと思います!

イラストはめんぼーさん(pixiv)に書いてもらったぞ!


金髪ツインテール女子のスバルをとっても可愛らしく描いてもらっていますので、じっくりと堪能してもらえたらと思います。


※クリックorタップすると大きくなります。


発表できるのは4月末のゴールデンウィーク前には……と考えています。
去年からちょっとバタバタしているので、順調にいくかはちょっと不透明ですけど。
がんばります。

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レモネードオアシス 2021/03/13 18:02

大決壊!~おもらしカノジョか妊娠するまで7~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

ごめんなさい。昨日が金曜日だと言うことをど忘れしていました。
なので今週は土曜日に更新です。
今回はスバルの大おもらしシーンです。
楽しんでもらえたら嬉しいです!

※この小説は、順調にいけば今年の5月→4月末のGW前に配信を開始する同人誌の小説です。

また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
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全校朝会で大決壊!



目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!



「駄、目、ぇ……!」

 メキリ、メキメキ……ッ!

 一週間分の排泄物が直腸に押しよせてくる。
 どんなに凌ごうと思っても、無慈悲に腸内の圧力が高まっていく。
 そして、ついに。

 もこり。

「ぁっ」

 ついに固いものが肛門から顔を出し、ショーツが盛り上がる。
 キュッと脚を閉じても、もう一度出てしまったものが戻ってくれることはない。
 もう、漏らすしかないのだ。
 ここで。
 全校生徒がいる、この体育館で。

(そんなの……、ダメ……ッ)

 とっさにお尻に力を入れる。
 その甲斐あって、
 ぶちり。
 直腸を貫いていた固いものが括約筋によって千切られる。
 だがそれは、悲劇が次なるステップに進んだに過ぎない。
 まだ、危機は去ってはいないのだ。

 もわ……。

 千切られた排泄物が、ショーツのなかから消えてくれるわけではない。
 むしろ、おならよりも醜悪な茶色い香りを撒き散らしはじめる。
 一週間ものあいだ、少女の体内で腐敗していたものの香り……、それは決して人には嗅がれてはいけない、禁忌でもある。
 本来ならば個室で人知れずに排泄されるものが、ショーツのなかに存在するというタブー。
 もう、なにもかもが手遅れ――。

(イヤ……、これ、以上はぁ……っ)

 めりめりめりっ、みちっ、みちみちみち!

 どんなにお尻に力を入れても、一度拡張された少女の校門は為す術なく茶色い欲望に屈してしまう。
 もりもりと歪にショーツが膨らんでいくと、茶色いものが少しずつ形を変えていく。

「ぉっ、ぉぉぉ……っ、ぉごっ」

 ミチ、ミチミチ……ッ。
  もりもりもりっ!

 獣のように低く、はしたない声が勝手に喉から漏れ出してくる。
 歪に盛り上がっていくショーツに、スバルの意識は真っ白になって、いまにも気絶しそうになっている。
 このままでは、スカートから溢れ出してくるのも時間の問題だ。

(ううっ、スカート、汚しちゃう……っ)

 人間、パニックなると普段では思いつかないような行動をとってしまうことがある。
 いまのスバルがまさにそうだった。

(スカート、汚したら、ダメ……っ)

 震える指先でスカートの裾をつかむ。
 そしてゆっくりとお尻が見えるように捲り上げていき――、
 そのとき、フッとそよ風が太股のあいだを撫でていった。……ような、気がした。
 だけど追い詰められたスバルにとっては、その些細な刺激で充分だった。

 もりもりもりもり!
  もこっ、もこもこっ、もこっ!

 女の子のうんちは、太く、硬い。
 それでもショーツのなかで形を変えていくと、やがて歪なボーリング玉のように固まっていく。

(ああ……っ、もう、ぱんつ、重たくなってる……。うそ……、こんなの、うそ……。夢なら、醒めて、お願い……。お願い、します……ううっ)

 もこもこもこ……もりっ。

 だがどんなに祈ったところで、拡張された肛門は閉じてはくれない。むしろ硬質便によって更に拡張されていった。
 最初に異変に気づいたのは、スバルのすぐ後ろにいる生徒……大和だった。
 出席番号順で並ぶと、教室の席順と同じく大和がすぐ後ろにくることになるのだった。

「ちょっ……っ、スバル、いきなりスカート捲り上げて……って、もしかして、これは……!?」

 すぐ後ろで慌てふためく大和の声。
 小声だから周りの生徒たちには聞こえていないのがせめてもの救いだろうか?
 だけどスバルにとっては大和1人に気づかれてしまえばそれでお終いだった。

(大和に気づかれてしまうなんて……。なんでスカートを捲りあげてしまったのだろう)

 後悔してももう遅い。
 それに気づかれるのは時間の問題だったのだ。
 歪に膨らんだショーツから、耐えがたい腐敗臭が漂いだす。
『ねえ、なんか臭くない……』
『ホントだ……。誰か、おならしたの……?』
『いや、これは……もしかして』

 周りにいる生徒たちが、ついに茶色い匂いに気づいたのだろう。
 ザワザワと落ち着かない雰囲気が、スバルを中心として広がっていく。
 もう、バレるのを待つより他ない。

 めりめりめりっ、
 ぷすっ、ぷすす……っ。

肛門の機能が崩壊し、腸内で一週間眠りについていた硬質便が溢れ出してくる。
 しましまショーツが歪に膨張し、その表面は岩肌のようにゴツゴツしていた。
 とっさに捲り上げていたスカートを下ろすも、もはや膨張したショーツを覆い隠すことはできない。
 スカートの裾から、モリモリと盛り上がったショーツがはみ出してきてしまっている。

(ああ……。終わった……。うんち、おもらししちゃうなんて……。大和にも、全校生徒にも、恥ずかしいところ、見られちゃうなんて……っ)

 もりもりもり!
 みちみちみちみちみち!

 絶望感にショーツがもっさりと重たくなっていき、ショーツの前のほうにまでうんちが押しよせてきて――。
 そのときだった。

「歩けそうか?」
「え……っ?」

 耳元で囁きかけてきたのは、すぐ後ろにいる大和。
 すぐ近くで囁きかけられたので、ビクッとしてしまう。だけどなにを言われたのかとっさに理解すると、スバルは小さく頷いていた。

「俺がなんとかするから、スバルは俺についてきてくれ」
「…………うん……っ」

 小さく頷くと、その直後だった。

「あー、先生、ちょっと腹の調子が悪いので、トイレに行ってきてもいいでしょうか」

 なんと、大和はなんの躊躇いもなく声を張り上げていたのだ。
 その声たるや、ステージで退屈な話を永遠と続けている校長の声よりも大きいほどだった。
 話を中断させられた校長の話が途切れ、体育館はシーンと静まりかえる。
 うんちの匂いに気づいていた生徒たちでさえも黙り込んでいた。
 その沈黙をオッケーと受け取ったのか大和は、

「それじゃあ、スバル。保健室にも寄りたいからついてきてくれ」
「え、でも……っ」
「いいだろ?」
「……う、うん……」

 大和が身体を寄せてきて、スバルのお尻の輪郭が隠れるように立ち回ってくれる。
 でも、このままだと体育館に漂っている茶色い香りは、大和が放ったということになってしまう。
 それだけは。
 事実、周りの男子たちは、

『大和が屁をこいでたのか~』
『くせーぞー』

 だなんて冷やかしはじめていた。
 まさか、この醜悪な香りの根源が、スバルのスカートに隠されているとは知らずに。

「だめ。大和が誤解されたままなんて……っ」
「俺のことは誰がなんと思おうと構わないから。それよりも、早くここを離れないと大変なことになる。まだ屁をこいたくらいで済んでるけど……」

 大和に肩を貸されては、抵抗することなどできるはずがなかった。
 ただでさえうんちで重たくなっているお尻だというのに、腰が抜けそうになってしまう。
 そこを大和に支えられると、ゆっくりとだけど歩きはじめることができた。

        ☆

「ごめん、もう……むりぃ……っ」

 スバルが真の限界を迎えてしまったのは、体育館から出て、トイレへと向かう途中の廊下でのことだった。
 全校朝会で静まりかえった廊下に気が抜けてしまったとでもいうのだろうか?

 もりもりもりもり!
 ぶふぉっ! むりむりむり!

 大量のうんちをショーツのなかに放ってしまう。
 もうショーツはパンパンに膨らんでいて、これ以上漏らすと足口から溢れ出してきてしまうに違いなかった。
 そうなったら、肩を貸してくれている大和を汚してしまう。
 それなら……。

「遠慮するなって。まずはトイレ、だよな」
「でも、このままだときみのことを汚してしまう」
「俺は全然気にしてないぞ」
「私が気にするのっ」
「放課後の教室で、人の席に座ってエッチなことをされるよりは、心の準備ができていいと思うけどな」
「うう~」

 そう言われてしまうとスバルはなにも言い返せなくなってしまう。
 何回も恥ずかしい姿を見られたというのに、それなのに優しくしてくれるだなんて。

 その後。
 大和に肩を貸してもらったスバルは女子トイレに辿り着くと、個室の中で後片付けをして事なきを得ることができたのだった。
 だけどさすがにショーツはもう履くことができないからビニル袋に包んでトイレのゴミ箱に捨てることにした。

「おまた、スースーする……」
「保健室にぱんつもらいに行くか」

 大和に手を引かれて歩き出す。
 ちゃんと手を洗ったつもりだけど、まさかなんの躊躇いもなく手を繋いでくれるだなんて。

(ああ、もう保健室に着いてしまった……)

 保健室についたということは、この手を離さなければいけないということだ。
 もっと手を繋いでいたいのに。

「えーっと、ぱんつは……あった、あった」

 幸いなことに保健室には誰もいなかった。
 大和はさっそく棚を物色すると、未使用のショーツを見つけ出してくれる。
 女子が失敗してしまったときのために用意してある、飾り気のないショーツだ。
 ショーツを受け取ると、ベッドを囲う白いカーテンの陰に隠れてショーツを穿く。うんちをおもらししているところを見られたけど、やっぱりショーツを穿いているところを見られるのは恥ずかしいような気がしたのだ。
 ショーツを穿くと、ホッと一息。

「その……、ありがと」

 新しいショーツを穿いて、カーテンの陰から出る。
 大和は背中を向けて待っていてくれた。

「体調、大丈夫か? まだ無理そうならこのまま保健室で休んでいったほうがいいと思うけど」
「大丈夫、だと思う」
「そっか、それじゃあ……。これから体育館に戻って校長の話を聞くのは怠いよなー」
「それは……そうかも」
「それじゃあ、このままゆっくりしていくか」
「……うん」

 どちらともなくベッドの縁に腰掛ける。
 こうして、ただ手を繋いで、お互いの体温を感じ合ってどれくらいの時間が経っただろうか?
 このときになって、保健室で立った2人きりだということを実感するけど、不思議なことに緊張するということはなかった。
 それに沈黙が気まずく感じるということもなかった。

「ね、ねえ……」
「ん?」
「改めて……になっちゃうけど、さっきはありがとう」
「気にするなって。俺が好きでやったことなんだから」
「うん……でも、感謝してもしきれないくらいなんだから」

 それから再びの沈黙。
 ずっとこうして隣り合って寄り添っていたい。
 そう思って保健室の時計を見上げると、あと1分でチャイムが鳴ろうとしているところだった。

「ね、ねえ……、頼りにしても、いいのかな」
「さあな。だけど、スバルがピンチになったら頼りにしてくれてもいいと思うぞ」
「うん……。ありがと」

 それから、長い長い30秒が過ぎる。
 このままあと30秒待てば、何事もなくチャイムが鳴って日常に戻る。
 だけど、その前に。

「もしも……、きみが良かったら、だけど……、きみと、恋人同士みたいなこと、してみたい。その先も……、できたら、私、受け止めたい」

 言葉にしているあいだにも、頬が熱くなるのを感じる。
 それでもスバルは続けた。

「こんなに汚い女は嫌だって言うなら……、その、諦める、から。……ううん、やっぱり、諦められないかも」

 チャイムが鳴って休み時間がはじまるまであと10秒。
 スバルはベッドの縁から立ち上がると、

「返事は……すぐじゃなくても平気だから。待ってる……。いつまでも」


おもカノ8につづく!


楽しんでもらえたら嬉しいです!


大決壊シリーズの最新作!
おかげさまで少しずつ皆様に読んでもらっていることができているようです。
派手に売れるジャンルではないのでこれからも細く長くがんばっていきたい。
高評価もありがとうございます。
励みになっています。

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レモネードオアシス 2021/03/05 13:28

大決壊!~集団食中毒~のクーポンを発行します。

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

おかげさまで明日から、今年初めての同人誌を配信することができます。


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マニアック過ぎる作品はなかなか難しいものです……。
その代わりと言ってはなんですが、割引率も多くなっています。

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    クーポン発行後 30日間
  • 割引対象:
    どれか1作品のみ
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    50%
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レモネードオアシス 2021/03/05 12:41

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで6~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

なんとか確定申告を終えることができました。今年はもうテンキーを叩くことはないでしょう。

さて、今日は金曜日なので小説を更新する日です。
楽しんでもらえたら嬉しいです!

※この小説は、順調にいけば今年の5月に配信を開始する同人誌の小説です。
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体育館でのおもらし事件を乗り越えて、ほんの少しだけ仲が良くなった二人。
そんなスバルの大腸は、一週間ぶりの眠りから覚醒しようとしていた……!!



目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!


☆3章目 全校朝会でうんちおもらし事件

 ……と、いう体育館での事件が昨日の出来事。
 だけど大和とスバルが2人きりの体育倉庫でドキドキ体験をしても、日常というのはいつも通りに流れているのだった。

(スバルの、あそこ、ツルツルだったなー)

 朝の通学路。
 晴れ渡った青空を見上げながら、大和はそんなことを考えていた。
 初めて見た女性器は、赤ん坊のようにつるつるで、しかもおしっこ臭かった。
 それなのに、えっちな粘液に濡れていただなんて。
 あまりにもその光景は思春期の男子の脳裏に鮮烈に焼き付いていて、ゆうべは夢に出てきたほどだ。

(ヤバい。どんな顔してスバルと会えばいいんだよ)

 きのうは勢いとはいえ、スバルのおもらししている姿がみたいだなんて言ってしまった。
 もしかしたら変態だと認定されて、睨まれて口さえも聞いてくれないかもしれない。
 そんなことを考えながら登校していると、大和の心のなかは晴れ渡った青空とは逆に暗澹たる黒雲に覆われていくのだった。

「おはよ」
「ああ、おはよ」

 一体どんな顔をしてスバルと会えばいいのかと俯きながら考え事をしていると、不意に挨拶をされたので反射的に返事をしていた。
 しかしその声の主にびっくりして顔を上げる。
 そこには隣を歩きはじめているスバルの姿があった。

「ス、スバル!?」
「なによ、そんなに驚いて。朝の通学路で私と会うことが、そんなに意外だったかしら」
「い、いや、そんなことは……、ある」
「ちょっとでもきみと早く会いたいなって思って」
「お、おう」

 スバルのたったその一言で、さっきまで悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきてしまう。

「教室に行けばどうせ会えるのに」
「きみと同じ光景を見たいと思ったの。そうだ、大和」
「なんだよ。なんかイヤな予感がするんだが」
「そんなに警戒しないの。失礼しちゃうんだから」

 上目遣いでプリプリと怒ってみせるスバル。
 ついこの前まで無表情のクールビューティーの印象が強すぎるので、ドキリとしてしまう。
 どうしよう。
 ここで怒った顔も可愛いなとか言ったら、絶対に更に怒られてしまうから黙っておくことにする。

「手、繋いでもいい、かな?」
「えっ?」

 朝の通学路で会っただけでも不意打ち気味だったというのに、いま、聞き間違いでなかったら、手を繋ぎたいと言わなかった、か?

「手、手……を、どうしたいって?」
「もう、そういう恥ずかしいことは聞き返さないで欲しいな」

 頬を赤らめているスバルの頬に朝日が重なって、目が眩んでしまいそうだった。
 もちろん返事は。
 恥ずかしいから言葉にはせずに、その代わりに。

「んっ、ありがと」
「俺も繋ぎたいと思ってたんだ。偶然だな」

 スバルの手は、思っていたよりも小さくて、指は細かった。
 少しでも力の入れ方を間違えば、壊れてしまうほどに。
 軽く、触れるように繋いでみると、華奢な指が絡みついてくる。
 たったそれだけで満たされていくような気がした。

        ☆

「今日は全校朝会か……」

 難しい顔をして呟いたのは登校してきて机にカバンを置いたスバルだ。
 朝一番、いきなりのため息。
 黒板には大きくこれから全校集会だから体育館に集合することと書かれてあったのだ。

 大和と手を繋いでドキドキ登校することができたというのに、これから全校朝会というだけで気分が重たくなってしまう。
 授業が潰れると喜ぶ生徒もいるけど、スバルは全校朝会があまり好きではなかった。

(校長先生の話、長いし……)

 それに、ずっと立って聞いていなければならないし。
 退屈なだけならともかく、疲れてしまうのは勘弁して欲しいところだ。それにお話の内容もそんなに楽しいわけでもないし。

(おトイレにも行かないし、ね)

 スバルは憂鬱げなため息をつくと、教室を出てトイレに急ぐ。
 全校朝会のときは立ちっぱなしで、しかもトイレに行くことができない。
 だからいつもスバルはあらかじめトイレを済ませておくことにしていた。
「ふう……。おしっこ、出しておかないと」

 女子トイレの個室に入れば、そこはスバルだけの世界だ。
 スカートのなかに手を入れてショーツを降ろすと、洋式の便座に腰掛ける。

「あっ、ああぁ……」

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 スバルが頬を緩ませておまたの力を抜いていくと、躊躇いがちなおしっこの音が鳴り響く。
 女性器というのは、おしっこを我慢するにはあまりにも不都合な形をしているし、なんの躊躇いもないおしっこを放てば、恥ずかしい音が鳴る形になっている。
 
(やだ。まだ朝なのに、ショーツが汚れてしまっている……)

 おしっこを放ちながら、ショーツの裏側を検分する。
 ピンクと白のしましまショーツのクロッチの裏側は、いままで何回もおもらしをしてしまったせいで黄ばんでいる。

(匂い、酸っぱい……)

 クロッチには、シュッと1本の縦筋が刻まれていた。
 その縦筋に沿って、ヌルリとした体液が染みこみ、なんとも言えない匂いを漂わせていた。

(きみと手を繋いだから)

 きっと男子はドキドキしたらおちんちんが立つだけで済むのだろうけど、女の子はおまたが熱くなるとジュワッと濡れてしまうのだ。
 だけど、まだ朝だというのにこんなにいやらしい匂いを漂わせてしまうだなんて。

(でも、穿かないと)

 今日は換えのショーツは用意してきてない。
 この汚してしまったショーツで過ごさないといけないのだ。
 ……まさか、ノーパンで全校朝会に出るわけにもいかないし。

 しゅわわわわわわわわわわ……。
 ぶるるっ!

 スバルはおしっこを最後の一滴まで出し切ると、切なげに身体を震わせる。
 赤ん坊のようにツルツルのおまたは、おしっこに濡れているから、トイレットペーパーで軽く拭ってあげる。
 だけどおしっこの匂いが完全にとれるわけではない。
 それでも、

「……んっ」

 スバルは立ち上がるとショーツを穿く。
 こうやって女の子のショーツは少しずつ黄ばみ、汚れていくのだ。
 もうすでに濡れているショーツの裏側が気持ち悪いけど、女の子は少しくらいショーツを汚しても平然としていないといけない。

(全校朝会、イヤだなぁ……)

 スバルは小さなため息をつくと、体育館へと急ぐのだった。

        ☆

(絶対に失敗できないし……っ)

 全校朝会。
 それはスバルにとって、プレッシャーとの戦いだった。
 全校朝会というからには、もちろんこの体育館には全校生徒が集合する。
 もしも。
 もしも、だ。
 この朝会でおもらしなんかしてしまったら、全校生徒にその失態を知られてしまうことになる。
 だから、絶対に失敗なんてできない。

(すぐ後ろにはきみが立ってるし!)

 全校朝会はクラスごとに出席番号順に並ぶことになるから、すぐ後ろには大和が立っている。
 こういうときは男女別々の列に並ぶのが普通だろうけど、昨今の少子化対策や男女平等の一環らしい。

(きみがすぐ後ろにいるのに失敗できない……! 絶対に失敗できないし……!)

 退屈な教頭先生の話を聞き流しながら、心のなかで何回も念じる。
 大丈夫。
 しっかりとトイレに行っておいたからおもらししてしまうということはない……、はずだ。
 そう、思っていたのに……。

(えっ、うそ……)

 スバルは自らの体調の変化に、戸惑わざるをえなかった。
 なにしろ、下腹部に込み上げてきたのは、ごまかしようのない。

 ぎゅるるっ。

(こ、こんなときに……!)

 おもらしに気を取られるあまりに、すっかり忘れていた。
 このお腹には、茶色い不浄のものが、ミッチリと詰まっていたことを。
 その量たるや……、最後に出てきてくれたのは、一週間も昔のことだった。

(うっ、ダメ……ッ)

 ぎゅるるるるっ。

 一度こみ上げてくると、出してスッキリするまで襲いかかってくるのが便意というものだ。
 その苦しみから逃れる術は、人類であれば逃げることはできない。

(なんでよりによって集会のときに……! ううっ、一週間ぶりなのに……!)

 ぎゅるるっ。
 ごぽっ、ごぽぽっ!

「あっ、ああ!」

 スバルは思わず小さく呻いてしまう。
 直腸が急速に膨張する感覚。
 かと思ったら、耐えがたい腹痛に襲われる。

(あぁ……っ、だ、め、え……っ)

 ぷすっ、ぷすす……っ。

 ――あっ、終わった。
 スバルの意識が、フッと遠のく。
 膨張した直腸から、『不浄』が漏れ出してしまう。
 ショーツのなかに固いものが溢れ出し、モリッとお尻の輪郭が膨らんでいき――。

「……えっ?」

 そこでスバルは飛びかけた意識をたぐり寄せる。
 うんちをおもらししてしまった……、そう思ったけど、どうやらそれは勘違いだったようだ。
 漏れ出してしまったのは、固体ではなく、気体……だったようだ。
 だけど、おならをしてしまったという事実には変わりない。

 もわわ……。

 茶色い腐敗臭が、スカートの裾から溢れ出してくると、周囲に漂っていってしまう。
 一週間ものあいだ腸内で発酵されていた臭気たるや、男のものとは比べものにならないほどの悪臭になっている。

『おい……、お前、屁ぇこいただろ』
『俺じゃねえよ。んなこと言って、お前じゃねえか?』
『違えよ。俺の屁はこんなに臭くねえって』

 まさかスバルの腸内から放出されたものだとは知らずに、周囲にいる男子たちが冷やかしあう。
 火がついたみたいに頬が熱くなる。
 きっと、ほっぺたも、首筋も赤くなっているに違いなかった。
 だけど、いまのスバルにはそのことを気にしている余裕さえも残されてはいなかった。
 なぜならば。

(い、や、ぁぁぁ……っ)

 ぎゅるるるる!
 ごぽっ、ごぽぽっ!

 一週間ぶりの沈黙から目覚めた大腸が、大蛇のように蠢動をはじめたのだ。
 大腸とは、排泄物の水分を吸収するための器官だ。
 そこで一週間も眠っていた『もの』はカチカチに固まっている。

「うっ、うううっ!」

 めき、めきめきめき。

 お尻に力を入れても、直腸が固いものによってこじ開けられていく感覚。
 どんなに力を入れても、少しずつ、少しずつ……。

(ああっ、こんなときに……なんで!? なんでよ!)

 めりめりめり……めきり。

 なんでこんなことになってしまったのだろうか?
 いくら自問自答しても、正解なんてわかるはずがない。
 こんな事態にならないために、いつもヨーグルトを食べたりしていたのに。
 だけどおしっこが近くなってしまうのが嫌だったから、あまり水分は摂ってこなかった。
 そのせいでうんちがカチカチになって、溜め込むことになっていたのかもしれない。
 だけど、いまさら後悔しても遅い。
 こうしている瞬間にも、

 メリメリメリ、メリメリ……!

「うっ、ぅぅぅ!」

 どんなにお尻に力を入れても、直腸が少しずつ、だが確実に拡張されていく。
 こうなってしまうと、もはや少女の貧弱な括約筋ではどうすることもできなくなる。
 もう、楽になるしかないのだ。


おもカノ7につづく!


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