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2021年 02月の記事 (5)

レモネードオアシス 2021/02/26 13:29

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで5~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます。
今週は確定申告の作業を少しずつ進めてフィーバーしていましたが、来週中には終わってくれたらいいなと思います。

さて、今日は金曜日なので小説を更新する日です。
楽しんでもらえたら嬉しいです。

※この小説は、順調にいけば今年の5月に配信を開始する同人誌の小説です。
また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
なお、めんぼーさんに描いてもらったラフは、無料ブログには載せる予定はありません。


体育の授業中に尿意を催してしまったスバルを、とっさにお姫様抱っこして体育倉庫へと避難してきた大和。
しかしスバルはそこで限界を迎えてしまう!!




目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!


「ちょ……っ、大和、降ろして……っ」

 腕のなかに収まっているスバルか苦しげに身悶えしたのは、体育館から出てすぐ外廊下でのことだった。
 だけどここで降ろしたら、きっとスバルは一歩も動くことができずに失禁してしまうに違いなかった。
 なにしろ、こうしている瞬間にもスバルの両手はギュッとおまたを前抑えしているのだ。

「ここで降ろしたら大変なことになるだろ。せめてトイレまで行かないと」
「でも、このままだと……っ、きみのこと、汚しちゃう……っ。もう、漏れそうなの……あっあああっ」
「ヤバいヤバいヤバい!」

 どうやら危機はすぐそこにまで迫ってきているようだ。
 とっさに周囲を見回す。
 すると視界に飛び込んできたのは、体育倉庫へとつづくドアだった。
 体育館の隣に併設されている倉庫は、ちょっとくらい声を上げても外に聞こえるなんてことはないだろう。たぶん。

「と、とりあえず倉庫に避難するぞっ」
「えっ、倉庫……!?」

 まさかお姫様抱っこされたままで倉庫に連れ込まれることになるとは思ってもいなかったのだろう。スバルはビクリと小さな身体を痙攣させる。
 だけどいまは一瞬でも逡巡している暇はない。
 大和はとっさに体育倉庫へと駆け込んでいた。

        ☆

 体育倉庫の空気は淀んでいた。
 それに薄暗かった。
 バスケットボールが入ったかごや、予備の跳び箱が埃をかぶっている。

「と、とりあえずここなら誰もこないから、安心して漏らしてくれ!」
「ちょっ、いきなりこんなところに連れ込んできたと思ったら安心しておもらししろって、本気!?」

 お姫様抱っこされているスバルは腕のなかで抗議してくる。
 だけどもう抵抗する余力はないのだろう。キュンッ、キュンッ! 華奢な身体を痙攣させるばかりで逃げることはなかった。

「心配しないでくれ。俺ならスバルのおしっこをみてもなんとも思わないから」
「私が恥ずかしいのっ」

 顔を真っ赤にさせているスバルを降ろしてやる。
 スバルは股間を前抑えしている両手を離すこともできずに、その場にしゃがみこんでしまった。
 それはまるで、和式便器に跨がるときのように。
 当然のことながら、ショーツとブルマは降ろすことはできていない。

「も、ももも、もう、漏・れ・る……!」

 すでに放尿する体勢に入っているスバル。
 だけど少女としての最後のプライドなのか、おまたを前抑えしている両手はなかなか離れない。
 むしろ、ギュッとプルマの上から股間に食い込んでいる。

「安心してくれ俺なら気にしないから」
「そんなの嘘っ。すぐにおもらししちゃう女なんて……って、な、なに!? ズボンに変なの入れて……ええっ!?」

 突如、スバルの碧眼が見開かれる。
 そしてある一点を凝視する。
 それは即ち、大和の股間だった。

「な、なに……!? も、もしかして、それは……お、おおお、おちん、ち……!?」

 顔を真っ赤にさせているスバル。
 なにをそんなに狼狽えているのかと思って、大和も我が股間へと視線を向けてみると、そこには。

「あー、これは、その……。スバルをお姫様抱っこしてたんだから仕方がないだろ。スバル、軽いし柔らかいし、それにいい匂いするんだから」
「いい匂いなんかしないもん。お、おしっこ……で、もう、ううっ、おぱんつのなか、温かくなって……っ」
「スバルのおしっこの匂い、ふんわりと甘い匂いがして好きだぞ」
「す、好き……!? そんなこと言われたら……あううっ」

 じゅわわっ。

 股間を前抑えしてしゃがみこんでいるスバル。
 その指の隙間から、黄金水が滲み出してくる。どうやらただでさえ緩いおまたが、更に緩んでしまったようだ。

「きのうの放課後、俺の席でおもらししてただろ? スバルにあんなことされたのに、今日は椅子に座るとき、なんかわからないけどイヤな感じはしなかったんだ。むしろ、なんか知らないけどドキドキしてヤバかったくらいだし」
「うう~、あんなことしちゃったのに……、イヤじゃ、なかったの……?」
「ああ。だからなにも気にすることはないぞ。思う存分おもらししてくれ」
「で、でも……、ここでおもらししたら、お掃除しないとダメだし……っ。汚しちゃうしっ」
「今更そんなこと気にするなよ。スバルのおもらしなら喜んで掃除してやる」
「うう~」

 スバルは顔を真っ赤にさせながら、こちらを睨み付けてきている。
 碧眼は潤み、いまにも泣き出しそうになっていた。
 だけどこのまま硬直状態でいるわけにもいかない。
 こうしている瞬間にも、誰かがこの体育倉庫にやってくるかもしれないのだ。

「それじゃあ、こうしよう。俺は、スバルかおもらししているところをみたい!」
「き、きみは突然なにを言い出すのかな!? あっ、あああ! 急にきみが変なこと言うから、も、ももも、もう……!」

 じゅわっ、じゅわわわわ!

 前抑えしている指の隙間から黄金の奔流が湧き出してきて、ぽたりぽたりと床に広がっていく。
 もう完全におしっこのスイッチが入ってしまっているようだ。

「ダメ、見られてるのに、こんなところで……ああッ」
「ほーら、シャツを捲り上げておかないと、レモン色に染まってしまうぞ」
「うう~っ」

 しゅいいいいいいいいいいいい……。

 シャツを捲りあげるということは、前抑えしているおまたから両手を離さなければならないということをいみする。

「あっ! あっ! ああっ!」

 しゅわわわわわわわわわわわわ……。

 酸欠になった金魚のように口をパクパクさせながらも、スバルはシャツを捲り上げる。
 もうどんなに前抑えしても、どうせ失禁してしまうのだ。
 それにもう取り返しがつかないほどにおもらししてしまっていたのだろう。
 シャツを捲り上げたスバルは、その股間から勢いよくおしっこを噴き出してみせた。

「だ、だめ……っ、見ないでぇ……っ」

 しゅいいいいいいいいいいい……!

 ブルマからくぐもった水音が聞こえてくると、紺色の生地を突き破っておしっこが噴き出してくる。
 その勢いたるや、男のものとは比べものにならないほどだった。

「ふっ、ふぅぅぅ……っ」

 じゅももっ、じゅももももっ、しゅわわわわわわっ。

 ガクッ! ガクンッ!

 スバルが腰を前後にグラインドさせると、そのたびにおしっこが噴き出してきた。
 紺色のブルマから噴き出してくるおしっこは、やや白濁しているようだった。

「そんなに……、見ないで……っ。おしっこ、止まらないんだから……ううっ」

 顔を真っ赤にさせて失禁しているスバルの痴態が、男の情欲をくすぐる。
 ツーンと匂い立つアンモニア臭が、体育倉庫の淀んだ空気に蒸れ返った。

「う、ううう~」

 しゅわわわわわわわわわわわわわ……。

 スバルはおしっこを我慢することを諦めたらしい。
 頬を赤らめながらも、ゆっくりと欲望に素直になって尿道を緩めていく。
 ブルマから滲み出してきたおしっこが、スバルを中心として湖のように広がっていく。

「匂い、嗅がないでくれたら嬉しい、な」

 もわわっ。

 おしっこの湖からアンモニア臭の湯気が立ち上る。
 だがその匂いは、男のものと比べるとやや丸みを帯びていて、ふんわりと甘い香りを帯びているようにも思える。

「スバルのおしっこ、なんかいい匂いがするな」
「うう~、なんか変態さんみたいなこと言ってるし。……あっ、
あああっ」

 スバルは失禁しながらも切なげに身体を震わせる。
 まだまだ膀胱にはおしっこが溜まっているらしくジョボジョボと止めどなく溢れ出してきているというのに。

「どうした? もう終わりそうなのか?」
「ううん。違うの……。その……、やだ……、ちょっと気持ちいい、かも……?」
「お、おう。なんかスバルもずいぶん変態なことを」
「きみがおしっこが好きだなんて言うからいけないんだからねっ。あっ、あああっ、出ちゃう、おしっこ、たくさん出ちゃう……っ」

 しゅいいいいいいいいいいいいいいい……。

「ううっ、おもらしするの、イヤだったのにぃ……、なんか、見られながらするのって、気持ちいい、かも……ふっ、ふうう!」

 ブルルッ!
 プッシャアアアアアア!

 呟き、直後に身体を大きく痙攣させる。
 ブルマから最後の一飛沫が噴き出してくると、スバルのおもらしは唐突に終わった。

「はふぅ……。全部、出ちゃった……」
「全部出せて偉いぞ。それじゃあ俺がパンツとブルマを洗ってくるから脱ぐんだ」
「ちょっ、それは……、恥ずかしいし」
「なにを今さら恥ずかしがることなんてあるんだよ。ぐしょぐしょになってるし、俺がパパッと洗ってきてやる。腰、抜けてるだろ?」
「うう……お見通しだし。でも、きみは、きっと笑う……」
「俺がなにを笑うって?」
「そ、それは……っ」

 スバルは顔を真っ赤にさせながら、躊躇いながらもショーツとブルマを降ろしていく。
 早くしなければ授業が終わってしまうし、迷っている時間もないし。

「そんなに、見つめないで欲しいな」

 もわ……、

 濡れそぼったショーツとブルマを脱ぎ、露わになったのは。
 それは赤ん坊のようにツルツルのぱいぱんだった。
 産毛さえも生えていない恥丘に、シュッとクレヴァスが刻まれていて、おしっこの匂いを漂わせている。

「…………」

 成り行きとはいえ、大和の視線はスバルの股間へと釘付けになっていた。
 こうして女の子の大事な部分を見るのは、振り返って考えてみると初めてだったりする。もちろん母親のはノーカンだ。

「その……、笑わ、ないの?」
「笑う? ああ、すまん。可愛くて見とれてた」
「もうっ、そういう恥ずかしいことは心のなかにしまっておくものなのっ。はいっ、ブルマとショーツ! あんまりジロジロ見ないでよねっ!」
「ぱんつか? それとも股間か?」
「両方!」

 言いながらもスバルはブルマとショーツを両手で突き出してくる。
 そのピンクと白のしましまショーツは、スバルの恥水によって鮮やかなレモン色に染め上げられていた。

「それじゃあ、ちょっと待っててくれよ」

 言い残して、大和は体育倉庫をあとにする。
 体育館のトイレは故障中なので、校舎のトイレへ。
 授業中の廊下は人がいないから助かる。
 だけど手早く済ませなければ。
 もしも誰かにこんなもの――女のもののショーツと、ブルマ――を持っているところなんか見つかったら、とても面倒臭いことになってしまうことに違いない。
 とにかく手早く済ませてしまうことにする。
 だが。

「……なんだ、これ」

 トイレの水道でショーツを洗い始めた大和は首をかしげてしまった。
 おしっこに濡れそぼったショーツに、なにかヌルッとしたものがこびり付いていたのだ。

「鼻水……?」

 いや、これは……。
 もしかしたら、女の子は性的に興奮したときに股間が濡れると聞いたことがある。
 もしたしたら、その体液なのだろうか?
 と、いうことはスバルはおもらしをしながら興奮していたということになる。それも見られながらのおもらしで。

「酸っぱい……、ヨーグルトみたいな、匂い……?」

 未知の感触に、自然と五感が敏感になっている。
 ショーツにこびり付いている粘液は、おしっことは違う酸味を帯びた香りをしているようだった。
 脳に、染みこんでくる危険な香りだ。

「女の子って、こんな風にショーツを汚しちゃうのか……大変だなぁ……って、しみじみ呟いてる場合じゃない。とにかくっ」

 自然と深呼吸していた大和は、込み上げてくる劣情を振り払うかのように首を横に振る。
 いまは、このヌルリとした粘液の正体を確かめている時間はないのだ。
 早くショーツを綺麗さっぱり洗わなければ。

        ☆

「あ、ありがとう……」

 ショーツとブルマを綺麗に洗って体育倉庫に戻ると、スバルはつるんとしたおまたを剥き出しにしたままでずっと待っていたようだ。
 頬を赤らめて洗ったものを受け取ると、大人しく穿いてくれる。

「乾かす時間、なかったから濡れてるけど」
「うん。でもきみが洗ってくれたショーツなんだもん。なんか、温かいような気がする」
「気のせいだと思うぞ」
「こういうのは気持ちが大切なの……って、掃除は私がやるからっ」
「気にするなよ。俺がおもらししてるところ見たいって言ったんだから。おお、いっぱいたくさんできて偉いぞ」
「うう~」

 恥ずかしがるスバルを横目に楽しみながら、トイレから持ってきたモップでおしっこを拭き取っていく。
 さすがになにも手伝わないというのはスバルの気が済まないのか、おしっこが溜まったバケツを持ってくれた。


おもカノ6につづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです!

おかげさまで既刊も細く長く配信することができています。
高評価・感想・レビュー感謝です。

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レモネードオアシス 2021/02/19 11:11

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで4~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます。
おかげさまで今年の手帳を新調し、なにか思い浮かんだらメモをする日々を送っています。

さて、今日は金曜日なので小説を更新する日です。
楽しんでもらえたら嬉しいです。

※この小説は、順調にいけば今年の5月に配信を開始する同人誌の小説です。
また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
なお、めんぼーさんに描いてもらったラフは、無料ブログには載せる予定はありません。


実は匂いフェチなスバルは、大和からもらったタオルの匂いを嗅いでオナニーに耽ることが癖になってしまっている。

その翌日。
スバルは体育の授業中に尿意を催してしまい……!



目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!


「また、優しくしてくれた……っ」

 呟いたのは、トレードマークのツインテールを降ろしたスバル。
 自室のベッドにうつぶせになって、顔を枕にうずめていた。
 スバルはあまりピンク色が好きでもないので、部屋の模様は落ち着いたオフホワイトに木目を活かした学習用の机、本棚にベッドと、シックな感じになっている。

 ときは深夜。
 あとはもう寝るだけなので、ふんわりとした白のパジャマに身を包んでいる。
 だけど、スバルの心拍数は早まるばかりだった。

(うう~、きのうはあんなに恥ずかしいところ見られちゃったのに、今日も酷いところ見られちゃうなんて……!)

 教室でオナニーに耽っているところを見られたのが、ほんの数時間前のことだ。
 思いだしただけで恥ずかしすぎて、耳まで熱くなってしまう。
 それに、熱くなるのは顔だけではなかった。

 じゅわわっ。
 せっかくお風呂に入ったというのに、ショーツの裏側が熱く濡れてしまう感触。

「ぱんつ、また汚しちゃう」

 しかしダメだと分かっていても、一度火がついた女体は熱く燃え上がってしまう。
 スバルは堪らずにワンピースタイプのパジャマの裾を捲り上げ、ショーツのなかへと指先を忍び込ませていく。

「あぁ……。もうヌルヌルになってる……」

 ショーツのなかは、熱い蜜で洪水になっていた。
 しかし指先に感じるのは、つるんとした赤ん坊のような恥丘の感触。
 スバルは、この年になっても産毛さえも生えていない、正真正銘のパンパンだったのだ。

(赤ちゃんみたいにツルツルなのに、おしるは多いなんて……。しかも、すぐにおもらししちゃうし!)

 枕に顔を押しつけながらクレヴァスへと指を食い込ませていく。
 熱くほぐれた蜜壺からは、トロリとした蜜が溢れ出してきている。

(こんな赤ちゃんみたいなおまた……。きみに見られたら、笑われちゃう、かな……)

 切なげに呟きながらも、スバルの股間からはくぐもったクチュクチュと淫靡な音が止まらない。
 ほどなくして。

「くぅぅっ」

 ベッドにうつぶせになっていたスバルが全身を強ばらせると、お尻を大きく突き上げる。
 ムワッとした甘い香りが立ち昇って、スバルはそれっきり弛緩した。

「まだ、まだ足りない……」

 女の子は、一度の絶頂だけでは満足できない。
 男の精液を、最後の一滴まで搾り取るために何回も絶頂するようにできているのだ。

「きみのタオル……はあぁぁ」

 枕元に置いてあった大和のタオルに顔を押しつける。
 もう洗濯して匂いは残っていないけど、このタオルの繊維には、大和の汗が染みこんでいたのだ。
 そう考えただけでスバルの秘筋は更に熱を帯びていく。

「ぁっ、イク……、イク、イク……! イッちゃう……!」

 クチュクチュクチュ。
 タオルの匂いを嗅ぎながら、絶頂期に荒ぶる女体を痙攣させていく。何度も、何度も。
 やがてその痙攣も少しずつ弱々しいものになっていき、

「すー……、すー……」

 うつぶせになって弛緩しきったスバルは絶頂で力尽きたのか安らかな寝息を立て始める。
 スバルが愛用しているピンクのしましまショーツはネットリとした蜜に濡れそぼり、股間からはチーズ系の酸っぱい匂いを漂わせている。

「ん、にゃああ……」

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 その股間からくぐもった水音が聞こえてくると、ショーツからおしっこが止めどなく滲みだしてくる。
 それでも眠りに落ちたスバルは安らかな寝息を立て続け……、ときおり、思いだしたかのようにストロベリープリンのように桃色に色づいたお尻を痙攣させるのだった。
 絶頂期が過ぎて眠りに落ちても、未だ絶頂が続いているのだろう。

        ☆

「うう~……、自己嫌悪」

 翌朝の通学路。
 ややゲッソリとした面持ちで呟いたのはスバルだった。
 きのうはあれから何回もひとりエッチをしてしまった。
 朝になってもまだおまたが赤らんでいて、こうして通学路を歩いているいまになってもショーツのなかでおまたがヒリヒリしているほどだ。

 カバンのなかには大和のタオルがしまわれていたりする。今日は物足りなくて切ない気持ちになってしまったら、匂いを嗅ごうと思って持ってきたのだった。

 ちなみに――。
 これから毎日スバルはこのタオルを持ち歩いて、くんかくんか匂いを嗅ぐことが癖になるけど、スバルはそのことをまだ知らない。

(おもらししてるところを見られちゃったのに……また優しくされてしまうなんて。でも、きっと……)

 通学路を歩いているスバルの頬が、ほんの少しだけ赤らむ。
 思いが至ったのは、コンプレックスの赤ん坊のようにツルツルのおまた。

(私のツルツルのおまた、知られるのは恥ずかしすぎるよ……。赤ちゃんみたいにおもらししちゃうのに、ツルツルのおまたなんて……)

 でも……、とは、頭の片隅で思うのだ。
 もしかしたら、きみならわたしのおまたを見ても笑わないし、受け入れてくれるかもしれない、と。
 そうしたら――。

 じゅわわっ。

(あっ)

 クロッチの裏側が不意に濡れてしまい、スバルは通学路の真ん中で立ち止まってしまう。
 まだ朝なのに。
 それなのに、熱い蜜でショーツを汚してしまうなんて。

 じゅわわわわ……。

(あっ、ダメ……)

 熱い蜜でショーツを汚してしまうと、緩んだおまたから釣られるようにおしっこが漏れ出してくる。
 クロッチの裏側が濡れ外側にまで滲み出してきて、染み一つ無い陶器のような内股を一筋の黄金水が垂れていき――、
 そこでなんとかおもらしは止まってくれる。

(ううっ、おまた、痛い……)

 おしっこを無理に止めたから、ツーンとした痛みが下腹部から発せられる。
 内股を伝い落ちていったおしっこは、靴下に染みこんで消えていた。

(はぁ……教室に行く前におトイレに行かないと)

 スバルは湿ったショーツに憂鬱げなため息をつくと、再び通学路を歩きはじめるのだった。

        ☆

(ブルマなんてこの世から滅べば良いのに)

 体育の授業のたびにスバルはいつもそう思っていた。
 大体こんなショーツのような格好で運動するのもどうかと思うし、なによりも身体のラインがくっきりと浮き上がってしまうではないか。
 それに紺色だから目立たないものの、おもらしをしてしまうとすぐに内股を伝い落ちていくことになる。
 せめてジャージだったらそんなこともないだろうに。

 と、言うわけでときは4時間目の体育の授業中。体育館。
 スバルは気まずそうに内股をすり合わせながら跳び箱の順番を待っていた。
 スバルの前に並んでいる女子たちが、テンポよく跳び箱を跳んでいくと再び列の最後尾へと並んでいく。
 スバルも順番が回ってくると跳び箱へと走っていき、両足で踏み込んで――ジャンプ!

 ジョボボ!

 脚を開いて跳び箱を跳んだ拍子におしっこを噴き出してしまう。
 だけどスバルにとってはこれは想定していたことだからわざわざ驚いているわけにもいかない。
 隣の跳び箱には男子たちも並んでいる。
 だからまさかおしっこをチビってしまったことを悟られるわけにはいかなかった。

 スバルは平然と着地を決めると、女子たちの列の最後尾へと駆けていく。
 しかしスバルの内心は穏やかではなかった。
 その理由は明らかだった。

(せっかくの体育館の授業なのに、なんでよりにもよってトイレが故障中なのよ……! うう~!)

 今日の体育は体育館だから、もしもトイレに行きたくなってもすぐに体育館脇にあるトイレに駆け込むことができる――そう思っていたのに。
 しかし運が悪いこに、よりにもよって希望のよりどころであるトイレは故障して使えない状態だった。

(ヤバい……ヤバいよ……)

 トイレが使えないとわかると込み上げてくるのが尿意というものである。
 授業が終わるまでに、あと何回跳び箱を跳べばいいのだろうか?
 そう考えただけで気が遠くなってしまう。

 じゅもも……。

 緩みきったおまたから、こうしている瞬間にも少しずつおしっこが漏れ出してきている。
 スバルの尿道は、茹ですぎてふやけきったマカロニのようにゆるいのだ。
 どんなに力を入れても、少しずつ、少しずつショーツを汚していってしまう。

        ☆

(おいおいおい……、大丈夫、なのか……?)

 女子の列に並んでいるスバルの姿をチラチラと横目で見ながら冷や汗を流していたのは大和だった。
 男子の列に並んでいるから直接声をかけることはできなかったけど、こうして眺めているだけでもわかる。
 スバルの膀胱が、こうしている瞬間にも少しずつ膨らんでいる様子が。

(あ、スバルの番だ……)

 遠くから見守っているうちに、スバルの順番が回ってくる。
 周りの女子生徒よりもスタイルがよく瑞々しい身体を必死に動かしながら跳び箱へと駆けていき、踏み切り板で両脚を揃えて――

「ああっ!」

 大和は思わず声を上げてしまっていた。
 なにしろ両脚を揃えてジャンプしようとしたスバルが、足をくじいてしまったのか跳び箱を前にしてしゃがみこんでしまったのだ。

『ウォルトンさん……? 大丈夫?』
『スバルッちが怪我した!?』

 跳び箱の順番待ちをしていた女子たちが駆け寄っていくが……、しかし大和にはスバルが足をくじいたのではないことは一目瞭然だった。
 なにしろ、しゃがみこんだスバルの膝はカクカクと切なげに震え、右手は周りから見えないようにギュッとおまたを前抑えしていたのだ。
 それはスバルが決壊間近の合図に他ならなかった。

(マズい、このままだと……!)

 このままだとスバルが失禁するのは火を見るよりも明らかだ。
 スバルがどれくらいおもらしをしやすいのかは、この2日間で十分に理解しているつもりだ。
 きっといままでも、大和や他のクラスメートたちが知らないところで何度もおもらしをしてきたのだろう。
 だから、スバルは周囲と壁を作って接するようになっていたのだ。……たぶん、だけど。

(って、いまはそんなことを考えている場合じゃない!)

 一刻も早くスバルをこの場所から助け出さなければ、クラスメートたちの目の前でおもらししてしまうことになる。
 きっと3日前の大和だったら、面倒臭いことに関わるのは御免だと、誰か他のクラスメートが助けるまで待っていたことだろう。
 だけど大和はもうすでに踏み込んでしまったのだ。
 あの目立たない路地ですばるのおもらしを見てしまったときから。
 それになぜだろうか?
 クラスメートたちの視線が、なぜか自分に集中しているような気がしてならない。
 このシチュエーションでスバルの元へ駆け寄れるのは、大和しかいない、と言わんばかりに。

「ああ、もうどうなっても知らないからなっ」

 どうやら、きのうの短いやりとりのせいで、大和とスバルがお付き合いしているという空気は公認になりつつあるらしい。
 ありがたいことなのか、それとも迷惑なのかはこの際置いておくことにして。
 だけどいまの時代……、お付き合いをするということは結婚するとほぼ同じことを意味する大和たちの年頃にとっては、ここはスバルに手を差し伸べるのは少々勇気がいることかも知れないが――。

「スバル、大丈夫か?」
「えっ……? や、大和……!?」
「なに鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔してるんだよ。足、くじいたんなら保健室に行くぞ」
「あっ、待って……ぅぅっ」

 手を取って立ち上がらせてあげようとするも、小さく呻くスバルはすぐには立ち上がろうとしなかった。いや、立ち上がることができずにいるのだろう。
 かくなる上は。

「びっくりして漏らすなよ」

 耳元で囁きかけ、「えっ?」キョトンとしてみせるスバル。
 しかしその直後には、スバルの身体は宙に浮いていた。
 ……正確には、大和の腕のなかでお姫様抱っこされていたのだけど。
 スバルの身体は思っていた異常に軽すぎて、あっさりと抱き上げることができてしまった。正直なところ、もっと重たいものだと思っていたけど、怒られそうなので黙っておくことにする。

「先生、ちょっと保健室に行ってきまーす」

 気がつけば、クラスメートはおろか体育教師までも大和とスバルを見つめて凍りついていた。
 だけど構うものか。
 スバルをお姫様抱っこした大和は、教師の返事も待たずに体育館をあとにするのだった。


おもカノ5につづく!

楽しんでもらえていたら嬉しいです!


大決壊! 集団食中毒の発売日が3月6日に決まりました。
価格は最近かなり苦しく申し訳ありませんが+300円の1430円を予定しています。

ただし、いつものように30%オフ・50%オフ・無料クーポンを発行する予定ですので、割引される価格も大きくなるかと思います。

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レモネードオアシス 2021/02/12 13:09

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで3~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

今日は金曜日なので小説を更新する日です。

※この小説は、順調にいけば今年の5月に配信を開始する同人誌の小説です。
また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
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おもらししていたスバルを助けたことにより、ほんの少しだけ打ち解けることになった大和。

しかしその日のうちに、学校に体操服を忘れてきてしまったことに気づく。
仕方がないので大和は放課後の教室に向かうことにするのだが……。

そこでスバルの秘め事を目撃してしまい……!?




目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

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☆2章目 紺色ブルマはおもらししても目立たない。



いつも見慣れた登校風景。
 爽やかに晴れ渡った春の青空を見上げながら登校し、いつものように教室の窓際にある自分の席に座る。

(まだ、きてないのか)

 1つ前のスバルの席は、まだ空席だった。
 もしかしたら、きのうあんなことがあったから、今日は学校を休むのかもしれない。

(もしも、そうなったとしたら……、俺の責任になるのか? でも、あの状況で、他にどうしろと……っ)

 ぼんやりと、まだ主がいない1つ前の席をぼんやりと眺めながらそんなことを考えていると。

「おはよ」

 唐突に、すぐ後ろから声をかけられる。
 びっくりして振り向くと、そこにはたったいま登校してきたのだろう、カバンを肩にかけたスバルが立っていた。
 きのうと同じ、金髪のツインテール。
 ちょっと吊り目気味の碧眼は、白猫を彷彿とさせる。
 ただ、その頬はいつもよりもほんの少しだけ桃色に色づいているようにも見えた。

「あ、ああ、おはよ」
「ん」

 たったそれだけの、短いやりとり。
 しかしその短いやりとりだけで、教室中の視線が大和とスバルに集中していた。
 それだけスバルが朝の挨拶をするなんていうことが珍しいことだったのだ。
 朝のショートホームルール前の落ち着かない雰囲気の教室が、シーンと静まりかえる。
 そんな雰囲気もスバルはまったく意に介していないのか、

「きのうはタオル、ありがとう。新しいの買ってきたから。はい」
「お、おう」

 スバルはカバンから紙袋を取り出す。
 差し出された紙袋は、駅前の百貨店のものだった。どうやらきのうはあれから家に帰ったあとに、わざわざタオルう買いに行ったということなのだろう。

「こんなにいいタオルじゃなくても良かったのに」
「私の気が収まらないの。きのうはその……助けてくれて、感謝してるんだから。と、とにかくきのうは、ありがと! タオル返したからねっ」

 白人特有の陶器のような肌を真っ赤にさせながら言うと、スバルは1つ前の席に座って背を向けてしまった。
 それはいつもの光景だったけど――、
 ツインテールにして剥き出しになっているうなじは、鮮やかなピンク色に染まっていた。

『あのプレアデスが喋った……!? しかもあの冴えない高杉に話しかけた、だと!?』
『しかもなんだよタオルって!』

 短いやりとりだったけど、クラスの男子たちの注目を集めるには十分すぎる破壊力を持っていたようだ。
 それだけスバルが自らの意思で口を開くのがレアと言うことでもある。

(ヤバい。これはクラスの男子たちから質問攻めにされるパターンだ。特にあんまり俺が得意じゃないウェーイ系なあんまり頭が良くない男子たちから)

 嫌な予感を察知した大和は、ここはどこかトイレか屋上にでも避難しようか席を立とうと心に決める。
 だけど、その直前。

「そうだ大和。今日の理科の授業、難しい日本語があるから教えて欲しいんだけど、ちょっといいかしら」

 スバルが振り向くと、椅子を寄せて教科書を大和の机で開いて見せたのだ。
 たったそれだけで、大和の席に押しかけようとしていた男子たちが凍りつく。

「ここなんだけど……」
「あ、ああ、ここはだな、ウォルトンさん……」
「……だめ。私のことはスバルって呼ぶって言う約束でしょ?」

 ――人前でもかよ!?
 というツッコミは、グッと飲みこむことに成功する。
 ここでむやみに反論しても、余計に話がこじれるような気がしたからだ。

(あーあ。あとでどうなっても知らないぞ、俺……)

 大和は頬を引き攣らせながらも、スバルとの唐突なお勉強タイムがはじまるのだった。
 結局、その日はずっと落ち着かない雰囲気がクラスに充満していた。
 休み時間ごとにクラスの男子たちが大和を質問攻めにしようとするも、そのたびにスバルが声をかけてくるので、誰も大和とスバルのあいだには入ることかできなかったのだ。

        ☆

「……しまった」

 大和がそのことに気づいたのは、なんとか今日という日を乗り切って、帰宅して30分ほどが経ってからのことだった。

「体操服を持って帰ってきてねぇ……」

 今日と明日は、2日連続して体育があるから、絶対に体操服を忘れてきてはならないというのに、どうやら学校に忘れてきてしまったようだ。
 ちなみに、予備の体操服は買わなければいけないと分かっていながらも買っていない。

「面倒臭いけど、学校に取りに行くか」

 そうしないと、明日の体育の授業は汗臭い体操服で受けることになってしまう。
 大和はもう一度制服に着替えると、靴を引っかけると家を飛び出すのだった。
 学校までは歩いて30分強。
 大丈夫。
 日が暮れる前には帰ってこれることだろう。

        ☆

 大和が異変に気づいたのは、真っ赤な夕陽が射し込んでいる、放課後の教室に踏み込んだ瞬間のことだった。

 むわぁ……。

 教室は鼻に絡みつくような、甘ったるい香りに満たされていたのだ。
 それはまるでミルクキャンディのような。
 誰かが飴を舐めているのか?
 一瞬だけそう思ったけど、放課後の教室には誰もいない。
 ――いや。
 1人だけいた。
 窓際の席に、ぽつんと座っている生徒が。

(……スバル?)

 夕陽に逆光になっていて顔まではよく見えないけど、ツインテールのシルエットは見間違いようがない。
 スバルのものだった。
 なぜかスバルは大和の席に座っていた。
 しかも、華奢な身体を体操服に包んで。

(なにを、している……?)

 教室に一歩踏み込んで、大和はフリーズしてしまう。
 動こうにも、蒸れ返っている甘ったるいミルキーな香りに脳が麻痺している。
 そんな大和に気づいていないのか、スバルは大和の席に座り、何事かに夢中になっているようだった。

(あれは、俺が渡したタオル、か?)

 スバルが手に持っているのは、どうやらきのう大和が渡したタオルのようだった。
 そのタオルに顔を埋めると、スバルは深呼吸してみせる。

「すぅぅぅ……。ああ、いい匂い、だよぉ……。洗濯しちゃったけど……。まだきみの匂いがする……すぅぅ……っ」

 スバルは無意識のうちに、なのだろう。
 紺色のブルマに包まれたお尻を振ると、座っている椅子の座面に擦りつけている。
 その腰つきはどこか淫乱で扇情的だった。

「ううっ、ぱんつ……濡れてきちゃってる……。きみがいつも座っている椅子におまた擦りつけて……ひっ、ひううっ! おまたが……あんん!」

 ガクンッ! ガクンッ!
 スバルの腰が跳ねると、椅子が大きな音を立てて揺れる。
 今のは……、絶頂、なのだろうか?
 しかしスバルはまだ物足りないのか、右手をブルマのなかに入れるとクチュクチュと淫靡な水音が鳴り響く。

「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ」

 嬌声を噛み殺しながらも、スバルは淫靡な秘め事に夢中になっている。
 こうしているうちに、スバルの腰つきは大胆になっていく。
 もはや痙攣といってもいい。
 女の子は一度絶頂しただけでは満足できない……、と言うことなのだろうか?

(でも、なぜ? スバルが? 俺の席で?)

 放課後の教室という、いつも通りの日常が流れているはずの空間で繰り広げられている、あまりにも非日常的な光景を目の当たりにして、大和の視線はスバルに釘付けになっている。
 そのときだった。
 スバルが、ぶるりと切なげに身体を震わせたのは。

「うっ、んん……っ。ダメ……っ、きみの席なのに……っ、あっ、ううっ、も、漏れちゃう……っ」

 ダメ。
 口ではいいながら、しかしスバルの指先は止まらない。
 そして、ついに。

「ごめん……、なさい……っ」

 それはきっと、その場にいない(と思っている)大和への謝罪。
 スバルは、恥ずかしい姿を大和に見られているとも知らずに、全神経を指先と股間に集中させているのだろう。

「うっっっ! くぅぅ!」

 ガクンッ! ガックンッ!
 腰が跳ねるような、大きな痙攣。
 それも、何度も、何度も。

「っ! くっ! くぅぅ~~~っ!」

 歯を食いしばりお尻が跳ね上がりそうな痙攣を繰り返しつづける少女は、それだけで男を誘っているようにもみえる。
 やがて、そのダンスも落ち着いてくると――。

 しゅいいいいいいいいいいいいい……。

 静まりかえった放課後の教室に、くぐもった水音が溢れ出す。
 スバルは、快楽のあまり失禁してしまったみたいだった。
 教室で。
 ブルマに着替えて。
 きのう渡したタオルの匂いを嗅いで。
 高嶺の花の女の子が、自分の席に座ってオナニーに耽って、快楽のあまりにおもらししている。

「ごめんなさい……。ごめんなさい……」

 しゅわわわわわわわわわわ……。

 ショーツとブルマを穿いているというのに、おしっこを出す恥ずかしい音が教室中に響き渡っている。
 それほど夕陽に包まれた教室が静まりかえっているのか、それともスバルのおもらしの音が大きいのか。
 それは初めて女の子のおもらしを見た大和にはわからないことだった。

「はぁ……、はぁ……、はぁ……ああ……っ、きみの席で……おもらししちゃってる……。わたしの匂い、マーキングしちゃってる……ああっ、うっ、ううっ」

 じゅももっ! じゅももももも!

 くぐもった噴射音。
 おしっこが椅子の座面から溢れ出し、ナイアガラの滝のように落ちていく。
 夕陽に照らされてキラキラとおしっこの雫が輝き、細かい雫となって散っていく。
 スバルを中心として、リノリウムの床に大きな湖が広がっていく。
 それでもスバルのおもらしは終わらない。

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 いつまでも、いつまでもおもらしは続き、ツーンとしたアンモニア臭が教室に蒸れ返える。
 男のものとは違って、スバルのおしっこは刺激的な香りがしたけど、どこかふんわりと甘い香りをまとっているようにも思える。

「ああ……ふぅ……っ」

 ブルルッ!
 プッシュウウウウウ!

 それはきっと、最後の一飛沫だったのだろう。
 スバルは体操服に包まれた華奢な身体を大きく震わせると、長い長いおもらしは終わった。
 あとに残ったのは――。

「はぁ……、はぁ……、はぁ……」

 まるで全力疾走してきたかのような、乱れきったスバルの呼吸。
 絶頂に弛緩したスバルは、机に突っ伏して、それっきり動かなくなる。
 ただ、ブルマに入れたままの指先だけは動いているのか、クチュ、クチュチュ、淫靡な水音が聞こえてきていた。

「あぁ……。あなたがイケナイんだから……。こんな私に、優しくしてくれるなんて……」

 クチュクチュ、クチュクチュ。
 しばらくのあいだくぐもった水音が気怠げに続き、しかしその時間も永遠に続くわけではない。

「お掃除しないと」

 机に突っ伏して絶頂の余韻に浸っていたスバルは、突然顔を起こしてみせる。
 それに驚いたのは、教室から立ち去ることをすっかり忘れていた大和だ。

(やばっ! 早く逃げなければっ!)

 あまりにも非現実的な光景を目の当たりにして、ついつい見入ってしまっていた。
 ここは一刻も早く逃げなければ。
 そして今ここで見てしまったことは綺麗さっぱり忘れなければ。
 そのためには、まずは回れ右して廊下に飛び出
 ――キュッ!
 不幸なことに、上履きのゴムが床に擦れて、ごまかしようのない音を立ててしまう。

「!」

 その音に驚いたのはスバルだ。
 勢いよく振り向くと、スバルの驚愕に見開かれた碧眼とバッチリ目が合ってしまう。
 スバルは椅子に座ったままだということも忘れて後ずさりしようとして、

「あっ、あっ、あああっ!」

 ぺたんっ。
 スバルは思っていたよりも柔らかい音を立てて、盛大に尻餅をついてみせた。
 尻餅におしっこの湖に大きな波が立つ。

「お、おいおい、大丈夫か?」

 さすがに見て見ぬ振りもできないので、歩み寄ってスバルの手を引いて立ち上がらせようとする。
 だけどスバルの手をつかんだ、その瞬間。
 ピクンッ、柔らかく、熱いスバルの手が、緊張に硬くなる。
 だけど腰を抜かしてしまっているのか、おしっこの湖に尻餅をついたままのスバルは、小さく、一言、

「あっ、ダメ……っ」

 ダメって、てっきり手を繋いだのがマズかったのだろうか?
 慌てて手を離そうとするけど、しかしスバルのほうから握り返してくる。
 自然と2人は見つめ合い――、
 それからしばらくしてからのことだった。

 しゅいいいいいいいいい……。

 くぐもった水音が、ブルマに覆われた股間から聞こえてくる。
 紺色のブルマが食い込んだ筋から、やや濁ったおしっこが滲み出してきた。

(これが、女の子のおしっこの音、なのか……?)

 目の前で聞くおしっこの音は、男がするときの音よりも大きいし、なんだかとても恥ずかしい音のように思えた。

 しゅわわわわわわわわわわ……。

 やがておしっこが止まる。
 そのころには、スバルの尻餅をついているお尻を中心として、大きな湖ができあがっていた。
 繋いだままになっている手は、いつのまにか汗ばんでいる。
 だけどずっとこのままでいるわけにはいかない。
 スバルの手を引いてあげるけど、スバルは腰を抜かしてしまっているのだろう。

「ちょっ……、待って……っ。まだ、私、立てない……っ」
「それじゃあ……、よっこらせっと」

 スバルの手を引いて、大和の席に座ってもらうことにする。

「俺が掃除しておくから、ちょっとそこで座っててくれ」
「自分でするから大丈夫っ」
「そんなこと言って、腰が抜けてるんだろう? 誰かに見つかったら大変だから、パパッと片付けちまうぞ。とりあえず、俺が掃除してるあいだに制服に着替えておいてくれ。見ないようにするから」
「う、うん……。ごめんな、さい……」

 教室の後ろにある掃除用具入れからモップとバケツを持ってくると、手早く掃除していく。
 なるべくスバルを見ないように。
 スバルは大人しく着替えることにしてくれたようだ。

(無心、無心……)

 心のなかで、何度も唱えながら大和はおしっこの湖を掃除していく。
 しかしこうしていると、視界の外でかすかな衣擦れの音が聞こえてくる。
 こういうときに限って、五感というものが妙に研ぎ澄まされてしまうものだ。
 大和の背後で、なにか小さな布切れから足を引き抜いていく音が、妙に鼓膜に大きく響く。
 どうやらビニル袋を用意してあったようだ。背後から、カサカサとビニルが擦れる音がする。
 おもらしに濡れたブルマとショーツを入れているのだろうか?

(……と、いうことは、スバルはノーパン……!?)

 制服を身につける音は聞こえてくるも、ショーツを足に通していく音は聞こえてこなかったように思われる。
 別に耳を澄ませているわけではないけど、大和の脳内ではスバルの着替えの様子が鮮やかに浮き上がっていた。

「着替え終わった。もう大丈夫」

 背後からスバルの一言。
 振り返ると、いつも通りの……しかしやや頬が赤らんでいるスバルが立っていた。
 結局、ショーツを穿く音は聞こえなかった。
 スバル大事な部分は、スカートのなかで無防備に晒されているということだ。
 大和がそのような邪なことを考えているとも知らずに、

「お掃除、ありがとう」
「お、おう」
「それで……」

 お礼を言った直後、スバルのやや吊り気味な瞳に見つめられて、たじろいでしまう。
 スバルは頬を赤らめると、

「見ちゃった……よね、私の恥ずかしいところ」
「割とバッチリな。でも気にすることないぞ。みんなやってることだと思うし」
「……みんな、きみの椅子でおもらししてるの?」
「いや、それはないと思うけど。でも、驚いたな、そのタオル……昨日俺が渡したやつだよな」
「そ、それは……。はい、そうです……」
「でもなんで俺のタオルの、その、匂いなんかを」
「な、なんでと言われても、困るというか、その……、日本語難しいし」
「それじゃあ英語ではなんて言うんだ?」
「うう~、意地悪……」

 スバルは顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
 どうやらよほど恥ずかしいことだったらしい。俺のタオルの匂いを嗅いで、教室で失禁オナニーに耽っていたことは。

「まぁ、俺は細かいことは気にしないけど。そうそう俺は体操服を取りにきたんだ」

 机の横のフックにかかっていた体操袋を手に取る。
 なかに入っているのは、今日の体育で使った体操服だ。
 その体操袋を見つめたスバルは、ポツリと一言。

「体操服、あったんだ……。そっちにすればよかった」
「えっ?」
「な、なんでもないっ」

 なんだかいま、とても聞き捨てならない一言を聞いたような気がするけど、聞き間違いだろうか?
 スバルはよほど恥ずかしいのかカバンを持つと、顔を真っ赤にさせて教室を出ていこうとする。
 だけど振り返ると、

「その……。お掃除……、おもらし、綺麗にしてくれてありがとう。今日ここであったことは、2人だけの秘密なんだからね!」

 言い終えるや否や、スバルは教室から出ていってしまった。
 あとに残されたのは、大和。
 そして、おしっこのほのかな残り香。

「……帰るか」

 これ以上考えても、なんでスバルがあんなことをしていたのか答えが出るはずがないし。
 大和は体操袋をぶらぶらと提げながら家路につくことにするのだった。


おもカノ4につづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです!

毎年健康診断を受けていた親が末期癌になっていたり、商業では打ち切りされてしまったり、なにかに祟られているんじゃないかというイベントがつづいていますけど、あまり思い詰めないようにがんばっていきたいです。
働かなければ。
健康は大事だぞー。


大決壊!~集団食中毒~の発売日が3月6日に決まりました!
予約してくれるとそのぶんだけランキングなどにも載りやすくなるかと思いますので、応援のお気に入り登録をしてもらえると、とても嬉しいです。

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レモネードオアシス 2021/02/05 13:20

大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで2~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

今日は金曜日なので小説を更新する日です。

※この小説は、順調にいけば今年の5月に配信を開始する同人誌の小説です。
また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
なお、めんぼーさんに描いてもらったラフは、無料ブログには載せる予定はありません。


目次

おもらし彼女が妊娠するまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!



「やっぱり苦手だよなー」

 独り呟いたのは、大和だ。
 頭のなかにいるのは、もちろんスバル。
 今日はあの氷のような碧眼で睨み付けられてしまった。
 たしかにうなじに見とれていたのは悪かったと思うけど、それにしたって睨んでくることはないだろうとは思う。

(嫌なことはさっさと忘れますか)

 心のなかで誓うと、大和は歩調を速めていく。
 帰宅部の大和は、学校が終わるとさっさと家に帰ってゲームをすることにしていた。
 嫌なことがあったら、楽しいことをして忘れるに限る。
 そんなことを考えながら大和が家路を急いでいると。
 ぽつり、
 不意に見つけたのは、地面に落ちた一雫。
 その雫は、点々と足跡のように続いていた。

「なんだ、これ」

 常識的に考えたら、誰かが飲み物をこぼしたのだとか、考えるのが普通なのだろうか。
 だけどそれにしては、不自然すぎる。
 一気にこぼした感じじゃなくて、少しずつ歩きながらこぼしているような、そんな感じだ。
 一体、誰がそんなことを?
 視線を先に進ませていくと、点々と落ちる雫は、影になっている細い路地へと続いているようだった。
 それはささやかな好奇心を刺激するには十分なものだった。

「大丈夫。ちょっと覗くだけだから」

 自分に言い聞かせるように呟く。
 影になっている路地を、少し覗くだけ。
 大丈夫。
 たったそれだけで変わる運命なんて、そうそうあるはずないのだ。
 ちょっとした好奇心で細い路地を覗き込み――、
 しかし、大和はそこで繰り広げられている事態に眉をしかめてしまった。

「……えっ?」

 思わず短い声を上げてしまう。
 なにしろ薄暗くなった路地には、一人の少女が膝をついて背を向けていたのだ。
 艶やかな金髪のツインテール。
 その真っ白なうなじは見間違いようがない。
 いつも教室で自分の席から眺めているスバルの華奢なうなじだった。
 だけど、そんなスバルが、なぜこんなところに?
 しかも膝をついて、動けなくなっているようだ。
 いったい、なんで?

(……んん?)

 大和がその異変に気づいたのは、最初のクエスチョンが浮かんでから数秒後のことだった。
 スバルの足元に、大きな水溜まりが広がっていたのだ。
 ――飲み物でもこぼしたのか?
 一瞬、そう思ったけど、すぐに違うと理解する。
 なにしろ大和の鼻孔を刺激したのは、

 もわ……っ。

 それはごまかしようのない、ツーンとしたアンモニア臭だった。
 ただ、男のものと比べると、角が取れた柔らかい尿臭。
 そして水溜まりは、こうしている瞬間にもじわりじわりと大きくなっているようだった。

 しゅいいいいいいいいいいいい……。

 どこからかくぐもった水音が聞こえてくる。
 その発生源は……、なにを隠そう、スバルの股間だった。
 スカートを穿いたまま、そして更にはショーツを脱ぐこともできていないのだろう。
 くぐもった水音だった。

(お、おもらし……?)

 そのことに気づくまで、更に数秒の時を要した。
 なにしろ、女の子がおしっこをしているところを見るのは初めてのことだったのだ。
 どうしよう。
 ここは見て見ぬ振りをするのが賢いのだろうか。
 そう思って踵を返そうと思うけど、心のなかのささやかな良心が『それは違うだろ』と引き留める。
 迷うこと数秒。

「スバル……、いや、ウォルトン、さん……?」

 小さく呼びかけると、たったそれだけで、ビクンッ、スバルは背筋を気の毒なくらい痙攣させて、身体を縮こまらせた。
 それでもおしっこを止めることができないのだろう。

 しゅわわわわわわわわわわ……。

 気まずすぎる沈黙のなか、間抜けすぎるおしっこが漏れる音だけが響き渡っていた。
 スバルを中心として暗い水たまりが広がっていき、やがて止まった。
 それでも、スバルは身動き一つせずに、小さな背中をこちらに向けたままだった。
 ただ、ツインテールにされて剥き出しになっているうなじが、湯気が出そうなくらいにピンク色に染まっていた。

「あ、あの……、ウォルトン……、さん?」

 沈黙に耐えきれず、もう一度呼びかけてみる。
 返事はない。
 その代わりに、

「ううっ、ぐす……っ」

 かすかな。
 ほんのかすかにすすり泣く声が聞こえてきた。
 どうやら……、というよりも、確実に泣いているようだ。
 こういうとき、どうすればいいのだろうか?
 迷っているはずなのに、口だけは勝手に喋り出していた。

「だ、大丈夫、か……?」

 言葉にしてみて、あまりの迂闊さに取り消したくなる。
 どう見たって大丈夫な状況には見えない。
 その証拠に、スバルはこちらに背を向けたまま泣き続けていた。
 スバルの小さな背中は、言外に『ほおっておいてよ』と、訴えかけてくるようでもある。
 だけど、目の前で困っている人がいるというのにスルーできるほど、大和は器用ではなかった。
 それにいまここでスバルを見て見ぬ振りをしたら、明日学校でどんな顔をして会えばいいのだろう。
 
「ウォルトン……、いや、スバル……、早くしないと誰かくるかもしれない。そ、そうだ。タオルあるから良かったら使ってくれ……って、今日は体育の授業が潰れたから未使用のタオルだぞ、一応。あー、でも洗濯したとはいえ俺が使ったタオルなんか使いたくないということなら無理にとは言わないけど」

 とっさにカバンから取り出す。
 だけど直後には男が持ってるタオルなんか使いたくないだろとおもって引っ込めようとして――、だけどもしもここでタオルを引っ込めたとして、そこからどうすればいいのかと思い当たって、結局のところタオルを差し出したままで大和はフリーズしてしまう。
 そのままでいること、たぶん5秒くらい。
 細く風通しの悪い路地に、気まずすぎる沈黙が尿臭とともに漂う。
 沈黙は、スバルの消え入りそうな声によって終わった。

「使い……たい。きみのタオル、汚いなんて思ってないから」
「えっ?」

 意外すぎる一言だったのと、小さな声だったから聞き取れなかったから、大和は聞き返してしまう。
 だけど返事を待つのは野暮というものだ。

「ん。使うんなら、ほら」
「……でも、きみのタオルを汚してしまう」
「そんなこと言ってられる状況でもないだろ」
「……あり、がと」

 それでもやっぱり恥ずかしいのか、スバルはこちらを振り返らずに気まずそうに後ろ手にタオルを受け取ってくれた。
 それはいつも一つ前の席に座っているスバルと、プリントのやりとりをしているときのように。

「あぁ……スカートまで濡れちゃってる……ううっ」

 タオルを受け取った涙声で呟きながら、スバルはおもらししてしまった恥水を拭っていく。
 幸いなことにタオルは水色だったから、おしっこの色は目立たないはずだ。

(って、あんまりジロジロ見る気は失礼だよな)

 そう思って、回れ右して待つことにする。
 このまま帰ったほうがいいかなと思ったけど、もしも誰かが通りかかっておもらし処理中のスバルを見つけたりなんかしたら大変だ。

(……待ってたほうがいい、か……)

 細い路地の入り口に立ち、スバルが影になるように、さりげなーく立つ。……上手くできているかは甚だ疑問だけど。
 とりあえず、挙動不審にならないようにケータイをポチポチといじっている振りをする。
 こうしてスバルを待つこと数分。

「……ありがと。終わった」

 背後から、控えめな声。
 振り返ってみると、ちょっと離れたところにスバルが立っていた。
 スカートは……、前のほうは両手に鞄を提げているから、濡れているかどうかは分からない。
 それでも太ももは綺麗に拭けたようだ。
 ショーツは……あまり深く考えないほうがいいだろう。

「そっか。大丈夫そうならいいけど」
「うん。きみのおかげで助かった。タオル、新しいの買って返すから」
「気にしなくていいのに」
「私が気にするの」
「……よくわからないけど、わかった。それじゃあ、俺、家はこっちだから」
「あら、きみもなの? 私も同じ方向」

 特にスバルのことを待つつもりもなく歩き出すと、スバルの家も同じ方向にあるらしい。
 てくてくと、スバルが背後から歩いてくる気配がする。
 いつもの席順とは違った、なんだか慣れない関係。

「しばらく後ろついていくから。スカート、前濡れちゃってるし」
「俺は盾代わりかよ」
「ぱんつも冷たいし……」
「穿いたままかよ」
「きみは、私にノーパンで帰れっていうの?」
「た、たしかに……っ」

 後ろについてくるスバルと話しながらも、住宅街の曲がり角を何回か曲がっていく。
 どうやらスバルも家が同じ方向らしく、ついてくる気配はなかなか消えない。

「ホント、きみとは家の方向が同じみたい」
「その割には一度もニヤミスしたことさえもないけどなー」
「それはお互い様よ。大和って、いつも面倒臭そうにして人と関わってないし。周りに誰かいても、今日みたいにボーッとしてるでしょう?」
「あのプリントの一件は……って、大和……いきなり呼び捨てとは。普通、逆だろ。急に距離感を詰めてくるなよ」
「あ……、ごめん。つい……」
「と、言うよりも、俺の名前を知ってるってことに驚きなんだが」
「そ、それは……、私のすぐ後ろの席だしっ。名前くらい覚えてて当然でしょう?」
「ん……、たしかに俺もウォルトンさんのフルネームは知ってるしな。お互い様、か」
「そう、お互い様。あと、そのウォルトンさんっていうのはやめて欲しい。なんか他人行儀みたいな感じするし」
「それじゃあ、なんて呼べばいいんだよ」
「スバルに決まってるじゃないの」
「やっぱり名前呼びなのかよ……わかった。それじゃあスバルさん、これでいいか?」
「だめ。スバルって呼び捨てにして」
「はぁ!?」

 まさかのいきなり名前呼び捨てとはレベルが高すぎないか。
 しかも相手はクラスで浮いている『プレアデス』だ。
 浮いていると言っても、狙っている男子はたくさんいる。
 そんな高嶺の花のような存在を、呼び捨てだなんて。
 思わず振り返ると、そこには顔を真っ赤にしたスバルがぴったりとついてきていた。

「な、なによ……。そんな鳩が豆鉄砲を喰らったみたいな顔をして。そんなに私の名前がおかしいのかしら?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
「そう。それなら決まり! きみは私のことをスバルって呼んで。その代わり、私もきみのことを大和って呼ぶから」

 顔を赤くしながら、そう宣言されてしまうと断ることはできなかった。

「わかったよ……。それじゃあ、スバル……、これでいいか?」
「うん。よろしくね、大和。今日は助けてくれてどうもありがとう。あのまま独りぼっちだったら、私はきっとまだ泣いていたと思うから」
「それは……まぁ、困ったときはお互い様だから」
「意外と優しいところあるんだ。それにここまで付き合ってくれてありがとう。私の家は、ここだから」
「名前の呼び捨てから、自宅まで知ることになろうとは……」

 歩きながら話しているうちに、どうやらスバルの家についていたらしい。
 スバルが住んでいる家は、新興の住宅街が並ぶ区画の一軒家だった。
 周りの一軒家よりも一回り大きくて、どこか異国の風情を漂わせている。

「これはずいぶんと立派な家だな」
「そう? 建てたばかりだからだと思うけど。お父様は貿易商で世界中飛び回ってて、最近ようやく腰を落ち着けたの」
「そういえばスバルはこの春に転入してきたんだよなー」
「うん。だからまだあんまり日本のクラスとか、そういうのに慣れてなくて。だから……」

 スバルは呟くと、恥ずかしそうにこちらを上目遣いしてくる。
 頬を赤くしてはいるものの、潤んだ碧眼はややつり目。
 そんなスバルは、ちょっとだけ改まった感じになると、

「だから……、今日は本当にありがとう。また明日ね!」

 恥ずかしいのか、スバルはくるりと踵を返す。
 明るい金色のツインテールが尻尾のように尾を引くと、ふんわりとしたコンデンスミルクのような甘い香りに、かすかにツンとしたレモネード。
 その残り香が消えるまえに、スバルは家の中へと姿を消していた。

「また明日、か……」

 大和は呟くと、再び家路を急ぐことにする。
 偶然なことに大和の家は、スバルの家から歩いて5分ほどのところにある。
 手が届かないほど遠くにあると思っていたプレアデスは、思っていたよりもずっと近くにあったようだ。


つづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです!

おもカノ3につづく!

大決壊シリーズ配信中☆
イラストは鳴海也さんに描いてもらったぞ!
黒タイツ! おもらし!
CGはフルカラーで6枚描いてもらったぞ!

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レモネードオアシス 2021/02/04 09:54

体験版の先行配信

大決壊! ~集団食中毒~の体験版の審査が通りました。

順調にいけば、2月6日に公開されると思います。



と、いうことで、Ci-enにきてくれている方々には特別に体験版を先行配信したいと思います。
よろしければDLして楽しんでもらえたらと思います。

※ファイル形式はzipです。
 古いPCだったり、スマホなどは解凍ソフトが無いと読めないかもしれません。



DLはこちらから!

大決壊!13~集団食中毒~体験版.zip (29.53MB)

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