投稿記事

今俊郎の記事 (6)

作品紹介「真昼に踊る犯罪者」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回はソフトハウスキャラの4作目「真昼に踊る犯罪者」です。
こちらは「全力支援プラン」のプレゼント作品にもなります。
くわしくは「全力支援プラン」の記事をご確認ください。


2001年4月20日に『海賊王冠』を発売したソフトハウスキャラが、その半年後となる10月26日にリリースした第4弾作品。それが『真昼に踊る犯罪者』だ。この作品が発表された当初は、過去3作とは趣を異にする、そのスタイリッシュなタイトルも注目された。しかもジャンルは「大都会犯罪シミュレーション」。これまでのソフトハウスキャラの作風とは、がらりと変わったというイメージ。当時は「新ブランドは3本リリースすることで定着する」ということが言われていたが、その3本目を経て、新たな方向性を打ち出してくるチャレンジャブルな作品、という印象があったのは間違いない。
とはいえ、結果的には、2005年に発売された、ソフトハウスキャラファンにも人気の高い『ダンシング・クレイジーズ』に繋がっていくわけだから、様々なジャンルの作品をリリースしてきた初期ソフトハウスキャラの展開は、一つの正解だったと言えるだろう。

話を『真昼に踊る犯罪者』に戻す。
この作品は、現代日本の加来山府にある都市を舞台としている。昼は健全な経済都市でありながら、夜には陰謀渦巻く混沌都市。そこで「何でも屋」を営む主人公たちが、持ち込まれた様々な依頼を解決していく。その依頼は合法的なものはもちろん、強盗や誘拐などの犯罪行為まで含まれる──というストーリー。まさに「大都会犯罪SLG」と呼ぶにふさわしい設定だ。

主人公は、その「何でも屋」を営む山県一義。彼と、彼の3人の部下が、数々の依頼をこなしていくわけだが、とにかくその3人の部下がすごい。都会に出てきた忍の奥平鈴、妖としての特殊能力を駆使した情報収集に秀でた葵宮子、そして「殺し屋界のプリンセス」とも呼ばれたほどの凄腕を誇るアーティ・ブルックリン。この3人の美少女たちを駆使して、数々の事件と犯罪行為を成功させていくのだ。

とはいえ、そこはソフトハウスキャラのSLG。この4人だけで事件のすべてが解決できるわけではない。そこで一義は多数登場する協力者を駆使して、よりミッションを容易にクリアできるようにしていくことになる。このあたりは、まさにソフトハウスキャラらしさというところだろう。
このように、依頼を受けて解決する中で発生する重要依頼をクリアすることでシナリオを進めていく、というのが『真昼に踊る犯罪者』の主な流れである。舞台は現代であるから当然現代的なミッションやストーリーがメインなのだが、「何でも屋」に忍や妖がいることから、ファンタジー的な展開もあり、なかなかにバリエーション豊かなミッションが揃っているのだ。

そんなミッションをクリアするSLGパートの進行は、さほど難しくない。しかしながら、単に依頼を受けて、支援者を集めればクリアできるというものではないあたりが、ソフトハウスキャラらしいいやらしさ。ミッションの攻略難易度を下げるためには「何でも屋」や協力者を訓練しなければならないし、ゲームを円滑に進めるために必要な資金を調達するためのアルバイトパートもある。

さらにメインのキャラクターはもちろん、支援者たちにもそれぞれに得意な技術が設定されているから、どのミッションに度のキャラを配置するかでクリアの難易度は当然変わってくるわけだ。
こんな風にプレイヤーの攻略スタイルやこだわりに応じて、様々な遊び方ができるというのも、まさにソフトハウスキャラ作品といったところ。依頼をクリアするために町を徘徊して罠を仕掛けるとか、「どんだけやりこみマニアを楽しませてくれるんだよ!」と嬉しい悲鳴を上げそうになる。ちなみに依頼の総数は999件で、さらに依頼によっては複数回持ち込まれるものもあるという。正直、アタマオカシイと言いたくなる数である。

エッチシーンに関しては、ストーリーを進めていくことで、順次オープンしていく形になっている。ただ、ストーリーを進めるためにはクリアした依頼数、日数、所持金などなど、様々な要素が関係してくる。
ヒロインとのエンディングについては、ミッションのリーダーとしてクリアした依頼の数に関係するので、「このヒロインのエンディングが見たい!」となれば、そのヒロインを集中的にリーダーに指名したくなるところ。ところが先にも書いた通り、ヒロインに設定された得意ジャンルというのがあるので、そこの兼ね合いに頭を悩ませることになる。
正直「なんでもいいからエロシーンを見せろ!」というゲームではないのだ。このあたり、いかにも2001年のエロSLGって感じだなあと、今回原稿を書きながら改めて思ってしまった。とにかくいえることはひとつ──がんばれ、だ。

そんな『真昼に踊る犯罪者』にも、ソフトハウスキャラならではのお遊びだって盛り込まれている。
登場ヒロインの鈴と宮子は『葵屋まっしぐら』と関係があるし、ゲームの中に葵屋も登場する(探すのは簡単ではないが)。さらにこの後に発売された『ダンシング・クレイジーズ』との関連もあるので、そこを探してみるのも面白いだろう。
ゲームとしてみれば、この作品でソフトハウスキャラは初めてヒロインボイスと主題歌を採用しているというのも、大きな転換点。山春日霧姫役で出演された羽賀ゆいさんは、プララジ第8回から第10回にゲスト出演していただけているので、ぜひそちらを聴きなおしていただきたい。

ということで、ソフトハウスキャラのラインナップの中でも、初期の大きなマイルストーンでもある『真昼に踊る犯罪者』。現在は店頭で探すことは難しくなってきているが、機会があればぜひともプレイしてほしい1本であるのは、まちがいない。


プララジの「羽賀ゆい」様出演回は こちらになります。
第8回 第9回 第10回
これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
ご意見、ご感想はラジオまでお寄せください。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

作品紹介「海賊王冠」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回はソフトハウスキャラの3作目「海賊王冠」です。
こちらは「全力支援プラン」のプレゼント作品にもなります。
くわしくは「全力支援プラン」の記事をご確認ください。


21世紀が幕を開けた2001年。美少女ゲーム業界は、様々な名作を世に送り出していた。『鬼作』『Piaキャロットへようこそ!!3』『大悪司』『君が望む永遠』などなど。まさにきら星のごとき名作たちが、この年に発売されたのだ。
そんな2001年4月20日にソフトハウスキャラが発売したのが『海賊王冠』。ブランド3作目として発売された本作は、カードをメインに据え、商船襲っていく、まさにタイトル通りに海賊をテーマにしたカードSLGであった。
実はこの頃、美少女ゲーム業界には「3作目が大事」という言葉があった。そろそろブランドの知名度もついてきて認知度も上がっている時期が、だいたい3作目の発売時期。その3作目できっちりとファンに受け入れられれば、そのブランドは長く続いていく……というものだ。
ソフトハウスキャラは2019年でデビュー19年。なるほど、そういうタイトルだったのだなあ、と改めて考えてしまう。


舞台は、ふたつの軍事大国ダルモアとルシアン、海洋生物ラスキーノ、そして海賊達が覇を競う大海。海賊船長である主人公は、女の子の部下に囲まれながら、周囲の船を襲い、快楽的な生活を続けていた。そんな活動に目を付けた軍事大国ダルモアとルシアンは、それぞれ海賊の撲滅、または海賊を海軍に取り入れようと動き始めた。同じ時、ラスキーノの姫が人類の壊滅を狙い、船舶の無差別攻撃を始めた。主人公はその動きを利用し、他の海賊と結託しながら、多額の財宝と幾多の女性を奪おうと動き始めるのだった……という物語だ。


ゲームはアドベンチャー・パートとSLGパートを繰り返して進んでいく。
SLGパートでは、海域を移動して商船を捜索し、見つけた商船相手に交渉したり戦闘を仕掛けたりするわけだが、タイトルが『海賊王冠』なわけだから、基本的には襲いかかって海賊行為を繰り返すことになる。この時、狙うべき商船が動いているというのが、発売当初に話題になったのを覚えている長いファンもいるだろう。こういう細かいところに遊び心を仕込んでくるソフトハウスキャラらしさというのは、ブランドスタートからの伝統ともいえるものだ。
こうして手に入れた財宝を売り払って、さらに海賊船を強くして、新たな獲物を探して海に出る。わかりやすく言えばそういうゲームだが、カードプレイが基本になるということで、その組み合わせ次第で戦闘が有利になったり不利になったりする。戦闘でもさらに様々な戦闘方法のカードを投入することで有利に進めることになるのだが、これにも相性のようなものがあるため、戦術的な読みなども重要になってくる。

基本ルールは簡単なのだが奥が深い──まさに「ハマってしまうゲームの典型」みたいな『海賊王冠』。しかも戦闘時のカードの組み合わせは、当時の人気攻略サイトをもってしても解析しきれなかったという。特殊な組み合わせなどもあり、繰り返しプレイ作品ではないのだが、「やりこまないと、気が済まない」という人にはある意味うってつけのゲームなのだ。
当初は行ける海域も少ないが、海賊行為を繰り返すことで行動範囲も広がっていくところなどは、まさに「海賊の成り上がり伝説」を楽しんでいるような気持ちになれる。
アイテムカードの種類も豊富で、これらを全部集めるのはかなり難しいというのも、実に遊べるゲームといった感じで心を騒がせてくれる。


もちろんおまけ要素が充実しているのも、この時期のソフトハウスキャラらしさ。クイズやヒントコーナー、ストッロゲーム、開発者の一言などが用意されている。そしてこれはおまけコーナーとは違うのだが、ゲームに実装されている「つり」。これはいまだに攻略方法がわからないばかりか、どういう効果があるかも不明。一応、時間をかけて粘れば見返りがあるとのことだが、当時頑張った人はどれくらいいるのだろう。つりに興じていると戦闘が起こったりもするらしいあたり、なんとも不思議なモードである。


そして、海賊もののお約束として、ターゲットにした船には女の子が乗っていることもある。かわいい女の子が乗った船が海賊に襲われたらどうなるか。考えるまでもないね。
もちろん物語に大きくかかわってくるヒロインたちも充実。主人公の参謀役で、悪事にだけ頭の働くロゼルゥに、兄探しに出てすぐに主人公に捕まりヤられてしまう雪崩は、共に主人公アイスの海賊団「ブラック・ベルベット」の構成員。さらに軍事大国の深窓の姫・桃花、軍事大国に敵対する国の最小の娘・クルーネ、ライバル海賊のキルン、海に暮らす人魚族の王女・琥鬼、そして海に浮かぶ交通の要衝のホワイトオーク島の市長であるロレーヌ。舞台が広いだけに、なかなかにバラエティー豊かなラインナップとなっている。

(左から、ロゼルゥ、雪崩、トト、ココ、モモ、桃花、クルーネ、キルン、琥鬼、ロレーヌ)

そんな魅力的なヒロインたちを描いている原画家は、メインにSHIGATAKE、サブに人丸と佐々木珠流という布陣。メインのSHIGATAKEは、ソフトハウスキャラ作品の原画家として唯一の仕事が、この『海賊王冠』。さらに人丸は、その後、ザウスで『永遠のアセリア』や『聖なるかな』の原画を手掛けることになる。

そんな『海賊王冠』だが、実は本作にもボイスは入っていない。というか、この作品までソフトハウスキャラはボイスを実装していないのだ。この年の秋に発売された『真昼に踊る犯罪者』からはボイス実装ということで、その意味でも、ソフトハウスキャラのひとつの区切りとなる作品だったのではないだろうか。
多種多様なカードを駆使して、大海原を駆け巡っての海賊行為。ボードゲームの楽しさをPCゲームならではの手軽さで処理し、遊びやすい1本として提供してくれる。前作『うえはぁす ~お姫様は今日も危険でした~』からも伝わってきたソフトハウスキャラのゲーム作りの魅力は。多種多様の美少女ゲームが許されていたこの時期だからこそなしえたことかもしれない。とはいえ、この時期のソフトが好きというファンも少なくない。機会があれば、ぜひプレイしてほしいゲームだ。


これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
ご意見、ご感想はラジオまでお寄せください。


この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

作品紹介「うえはぁす」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回はソフトハウスキャラの2作目「うえはぁす」です。
これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
ご意見、ご感想はラジオまでお寄せください。



2000年2月に『葵屋まっしぐら』でデビューしたソフトハウスキャラ。「旅館経営ADV」という当時でも珍しいジャンルとゲーム性は話題になったとはいえ、当時は美少女ゲーム最盛期。今より数多くのタイトルが発売され、人気大手ブランドも多数という状況では、「デビュー作から大ヒット!」というわけにはいかなかった。ソフトハウスキャラファンの中でも、「『葵屋まっしぐら』から買い続けている」という人は少数派だろう。
その『葵屋まっしぐら』でデビューしたソフトハウスキャラの第2弾作品が、2000年9月22日に発売された『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』。ソフトハウスキャラにとっては、この作品で初めてSLGとジャンルに銘打ったタイトルでもある。

舞台は欧州にあるゴースティアル王国。主人公のエリオットは、つい先日、会社をクビになったところ。実はゴースティアル王国では、国の認める会社で一定期間働くと永住権を獲得できるのだが、エリオットはもう少しで永住権を獲得できるというときにクビになってしまったのだ。
社宅も追い出され、今や愛車を自宅代わりに生活することになったエリオット。そんな彼が、ある日パンクを修理していると、ひとりの女性がマルヒローに乗せて行ってほしいと頼んでくる。まるで結婚式から抜け出してきたかのようなドレス姿の女性を見て、「面倒ごとはごめん」と断るエリオットだったが、銃で脅され、結局乗せて行くことになる。
実は彼女はゴースティアル王国の第1王女クリスだった。結婚相手が40歳を越える大臣であることを理由に逃げ出してきたとを知ったエリオットは、彼女と正式に契約し、永住権の取得と就職の斡旋を条件に、彼女の希望する場所に彼女を送ることとなる。

というわけで、『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』のテーマは逃走劇。プレイヤーは主人公エリオットとなり、クリスを捕まえるべく追ってくる警察車両から逃れて、移動カードや妨害カードを駆使し、さらには愛車「ストーン」を改造しながら、ゴールへたどり着くことが目的となる。
このゲームパートがゲームのメインとなるわけだが、町や村を道路で結んだマップ上でカードプレイを繰り広げるあたり、かなりアナログなボードゲームの香りが強い。当時の美少女ゲームに慣れたファンからすれば「これをPCゲームでやる?」という印象を受けた人も少なかったようだが、逆にボードゲームのムーヴメントが来ている2018年に出したらウケるんじゃないかなあ。お手軽なボードゲームという雰囲気ながら、手持ちのカードの使い方によって展開が変化していく、戦術性の高いシステムなのだ。

ストーリーは全部で7話。ストーリーが進んでいくにつれて、マップ上の移動できる範囲が変わっていく。
ゲームシステムを見ればカードを駆使して最短距離でゴールすればよさそうなものではあるけど、そうすると見ることのできないイベントがあったりするのが困りもの。なにせメインヒロインであるクリス姫とのルートを進めようとするなら「クリスの余計な知識」を収集しなければいけないわけなのだが、これがどう見ても「ただの寄り道じゃねーか!」って代物ばかりなのだ。そういうものを集めないとメインヒロインとのストーリーが進まず、エッチシーンも見られないというあたり、ゲームであることにこだわるソフトハウスキャラらしさでもあるのだが……。それ以外にも、最短距離を進むだけでは開かないイベントあり、隠しシナリオあり、さらには特定条件下で町や村に立ち寄った時だけ発生するイベントなどもある。中にはヒロイン以外とのエッチシーンなどもあったりするので、とにかく全部のイベントをクリアするには、なんだかんだとやりこまなければならない。一見簡単なシステムだけどやり込み要素満載。まさにソフトハウスキャラのゲームじゃないか!と、プレイしてもらえば納得することだろう。

そんな『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』のヒロインはゴースティアル王国第1王女のクリスと、第2王女リゼット。
クリスは自分の結婚式から逃げ出してくるように、我がままで傍若無人、そして世間知らずの女の子。逃走中もとにかくエリオットを振り回しまくるわけだが、自分の非を認め、反省もするなど、素直なところもあったりするから手に負えない。お姫様好きにはたまらないヒロインだ。
リゼットはクリストは違って、聡明で活発な王女と周囲に名を響かせているのだが、他人のためには一切動かないという性格が災いして、周囲に問題を発生させるというトラブルメーカー。そもそもクリスが逃走した理由である「結婚相手が40歳を越える大臣」というのも、本当は「結婚相手が40歳を越える大臣“の甥”」という大事なところを伝えなかったからというのが原因なのだ。それでも憎めないかわいらしさというのは、何とも罪作りである。
その他にもサブキャラが登場するが、そのサブキャラとのエッチシーンがあるのは前述のとおり。ぜひぜひ全キャラとのエッチを楽しんでほしい。

(左から、ガソリンスタンドの店員、アリエル・桜小路、リゼット姫、クリス姫、セイフ王妃、改造屋の店員)

そして、ファンにはたまらない最大のお遊び要素として、マップの中の隠しマスとして、「葵屋」が設定されている。2作品目にして前作の舞台を盛り込んでしまっているわけだが、これが予想以上に好評を博したこともあり、その後のソフトハウスキャラ作品の過去作ゲストという流れが作られたわけだから、ブランド歴史にとっては非常に重要なポイントだったといえるかもしれない。
そしてもうひとつ。このゲームはゲームシステムの関係で、SLGパートでマップのスクロールやユニットのアニメーションなどが頻繁に行なわれるわけだが、今から18年前のPC環境で、これらをユーザーのストレスなく行なうというのは、なかなかに大変なことだったのではないだろうか。もちろん遊んでいる側からすればさほど重要ではないことなのだが、ボードゲームがメインである以上、そこをスムーズに遊んでもらうことは何より大事なこと。そういう部分へのこだわりが、その後のソフトハウスキャラ作品のゲーム性への高評価に繋がっていったのではないだろうか。

現在販売されていない『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』。プレイ経験のないファンには、初期のソフトハウスキャラ作品を体験する機会として、ぜひプレイしてほしい1本。なんとCi-enの「全力支援プラン」(#1)継続3か月のファンに、このソフトをプレゼントすることになった。ぜひぜひこの機会にゲットして遊びつくしてほしいタイトルだ。

(#1・JORI:「全力支援プラン」の詳細はこちら
また、「全力支援プラン」でのプレゼントは手作業で順番に行っております。コードの発行まではもうしばらくお待ち下さい。)


この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

作品紹介「葵屋まっしぐら」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回はソフトハウスキャラの処女作「葵屋まっしぐら」です。
これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
ご意見、ご感想はラジオまでお寄せください。


11月30日発売の『悪魔聖女 ~デーモンガール・ステップ~』が28タイトル目となるソフトハウスキャラだが、その第1弾作品こそが、2000年2月25日に発売された『葵屋まっしぐら』だ。


2000年という時期は、今よりも多様な美少女ゲームソフトが発売されていた時期だが、それでもゲーム性に強くフォーカスしたタイトルというのは少なくなっていった時代。そんな中、デビュー作から「旅館経営AVG」をリリースするというのは、なかなかの強者的な発想と、当時業界内でも思われていた……ソフトハウスキャラ的には作りたい作品を作っただけなのだろうけど(笑)。

そんな『葵屋まっしぐら』の舞台は、奥山村の歴史ある温泉旅館「葵屋」。主人公・葵恭介は高校卒業後に両親から、施設の老朽化とライバルの旅館の台頭で、経営は悪化の一途をたどっていた実家の「葵屋」を継ぐことになる。そんな葵屋を、恭介は幼なじみで仲居頭の霞と共に立て直そうとするのだけれど、様々な出来事が重なって……さてさて恭介は葵屋を立て直すことができるのだろうか、というもの。
設定はぶっちゃけベタなものであるが、だからこそプレイヤーは世界観に入り込みやすく、ゲームプレイ──つまりは葵屋の立て直しに没頭できるものになっている。


経営AVGでもある『葵屋まっしぐら』だが、ゲームシステム自体はそれほど煩雑ではない。4月第1週から翌年の3月第4週までの1年間がゲーム期間で、その間、毎週9つのコマンドの中から一つを選択して、ゲームを進めていく。
このコマンドは「商売繁盛」や「葵屋向上」といった経営状況を高めていくものだけでなく、ヒロインたちとのストーリーを進めていったり、「季節遊戯」といった宿の評判は落ちるが、ヒロインとの仲を深める物まで用意されている。
これらのコマンドを駆使しながら、女の子と仲良くなりつつ、なんだかんだと降りかかるトラブルを解決しながら葵屋の経営を盛り立てていくことになる。



もちろん美少女ゲームだけに、ヒロインと仲良くなるルートも設定されている。攻略ヒロインは6人。それぞれコマンドを選択することでストーリーが進むのは先に紹介したとおりだが、ルートの中にも選択肢が存在しており、これによって物語が展開する。


メインヒロインの蓮川霞は主人公の幼なじみの仲居頭。素直で真面目、お客の前では頼もしい仲居だが、主人公の前では別の顔を見せるというギャップ萌えヒロインでもある。
その他、幼いころからの知り合いだが商売敵「逢坂総本家」の跡取りでもある逢坂静香。村長代理であり、葵屋に資金援助も行なっている奥山綾葉。普段は葵屋の仲居だが、実は村周辺の妖怪をまとめ役であるお宮。奥山村の遺跡発掘に情熱を燃やす茨木焔。地元の神社の巫女で、村一番のトラブルメーカーの月池小姫といった、いずれ劣らぬ個性派ヒロインが並んでいる。


(左から
「茨木 焔」「奥山 綾葉」「蓮川 霞」「月池 小姫」「逢坂 静香」「お宮」)

エッチシーンは比較的オーソドックスなものが多く、特殊な性癖に偏っていない分、安心して楽しめるだろう。もちろん女の子に脇目もふらず葵屋の立て直しに邁進しても構わないが、さすがにそんなファンはいないだろうなあと思う次第である。


さて、『葵屋まっしぐら』といえば、シナリオ・内藤騎之介、原画・佐々木珠流コンビの第1作でもある。特に内藤騎之介ワールドの原点ともいえる作品で、その後のソフトハウスキャラ作品にも旅館・葵屋はたびたび登場するし……大きな声では言えないのだが、キャラクターも他の作品に何らかの関りがあるらしい、とのこと。(#1)まあ、この辺りの事情についてはファンのほうが詳しかったりすると思うが、もしもこれからプレイするのであれば、ちょっと気にしてもらうと面白いかもしれない。

そんな『葵屋まっしぐら』だが、現在では入手が困難になっている。いるのだが、ソフトハウスキャラファンクラブのみなさんには朗報がある。なんと新設される「全力支援プラン」(#2)に登録すると、『葵屋まっしぐら』がDLプレゼントされるというではないか! このコース、継続すると、続々と旧作タイトルがプレゼントされるようだが、その第1弾が『葵屋まっしぐら』というのは、最近の作品でソフトハウスキャラを知ったファンには嬉しい試み。ぜひぜひゲットして、ソフトハウスキャラの第一歩となった『葵屋まっしぐら』をプレイしていただきたいと思う。


(#1・JORI:この後の作品で葵屋温泉は何らかの形で登場することが多いですね。その他はネコミミ、ツノ、ドジな忍者などを気にかけてもらえれば・・・)
(#2・JORI:「全力支援プラン」は近日公開予定です。詳細はもうしばらくお待ち下さい。)


この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

作品紹介「ダンシング・クレイジーズ」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回は9月にダウンロード配信がスタートした『ダンシング・クレイジーズ』です。
これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
ご意見、ご感想はラジオまでお寄せください。


2000年にデビューしてから18年間、様々なタイプのゲームをリリースしてきたソフトハウスキャラ。それぞれに魅力のあるゲームだからこそ、ファンひとりひとりの「お気に入りの1本」という作品があるだろう。
そんな中でも、ソフトハウスキャラの代表作ともいえる『巣作りドラゴン』に並んでファンの指示の高い作品のひとつとして、『ダンシング・クレイジーズ』の名前を上げるファンは少なくないだろう。


『ダンシング・クレイジーズ』は2005年9月30日に発売された、ソフトハウスキャラ10本目となる作品。2001年に発売された『真昼に踊る犯罪者』(こちらも人気作なので、もしもプレイしていない人がいたらぜひ遊んでほしい)と同じ世界を舞台にしたSLGタイトルである。
その舞台となるのは現代日本の加来山府。溺愛するひとり娘と暮らす平凡なサラリーマン・伊奈瀬晶には裏の顔があった。元殺し屋で、今は非合法の賞金稼ぎ。そんな彼が求めているのは平和で平凡な毎日なのだが、なぜか彼の前にはトラブルが立て続けにやってきて……というストーリーだ。


ゲームとしての流れはさほど複雑なものはない。基本は情報を集めて賞金首を捕まえること。ゲームを進めていくと、より高難易度のミッションが出てくるわけだが、それをクリアするためにたくさんの支援者と契約して仲間を増やしていくことになる。もちろん支援者を訓練して強化することも大事。そしていざ戦闘!となるわけだが、ここで重要になってくるのが陣形だ。様々な陣形が用意されている中、相手に合わせて最適な陣形を選んで戦闘に突入するわけだが、ここをないがしろにすると戦闘結果まで左右されてしまうというもの。さらに賞金を株式投資で資金を増やして装備を買い整えたりと、かなり遊びごたえのあるゲームになっている。
なお、この株式投資ミニゲームにはソフトハウスキャラの過去作品に登場してきた会社や、当時実際に取引のあった会社も登場するので、ぜひ探してみてほしい。
もちろんゲーム展開は波乱万丈。こちらが賞金首を狩るだけでなく、時には賞金首が逆襲してきたり、さらには主人公が昔属していた組織が動き出したりと、かなりハードボイルドな展開も楽しめる。

さらにはソフトハウスキャラらしく、全イベントを回収するためには周回プレイが必要なだけでなく、特定の条件を満たして周回をすることでしか、開放されないイベントもある。特に出題者(クエスチョン)が登場する周回ではかなりハードなシナリオが用意されているので、遊びつくすのにはかなり腰を据えてプレイする必要がある1本だ。もちろんラスボスまで周回プレイなしでたどり着くこともできるが、正直その状態で勝利することはかなり難しいと言わざるを得ない。このあたりもやり込みにこだわるソフトハウスキャラらしいと言えるだろう。


登場する女性キャラも豊富。攻略ヒロインはリンテール、女王蜂、刃、秋村美雪の4人だが、それ以外にも魅力的な女性キャラが敵にも見方にも登場する。
エッチシーンに関しては作品イメージもあって、拘束プレイや後背位など、ハードなシチュエーションなものが多い。ゲーム攻略を満喫しながらエロも楽しめる。そのあたりはソフトハウスキャラのファンを裏切らない構成になっていると言えるだろう。
さらに本作に多数収録された番外編シナリオの中では、攻略ヒロイン以外の女性キャラのエッチシーンも収録。こうしたおまけも、『ダンシング・クレイジーズ』の人気の隠れた要素かもしれない。
キャラクターと言えば、『真昼に踊る犯罪者』のヒロインはもちろん、『うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜』から主人公のエリオットとヒロインのクリス姫も『ダンシング・クレイジーズ』には登場する。しかもクリス姫は本編になかったキャラボイスつきと、当時もソフトハウスキャラのファンの中で話題になっていた。



さらにこのゲームの隠れたおすすめポイントはゲーム以外の部分にも存在する。例えば主題歌の「DEATH RATE OF LOVE~死の薔薇の為に」を歌っているのは、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』、『アイドルマスター』『ラブ・ライブ!』など、数々のアニメ作品の主題歌に参加している畑亜貴さんなのだ。これはぜひとも聴いておいてほしい。
さらにソフトハウスキャラ作品としては唯一ED曲が入っているあたり、ゲームソング好きにもうれしい1本と言えるだろう。

そんな『ダンシング・クレイジーズ』が、2018年9月からDLsiteでダウンロード配信がスタート。店頭で買えなくなって忸怩たる思いをしていたファンには、これ以上の朗報はないだろう。パッケージ版に収録されていたおまけムービーもちゃんと入っているので、未プレイという人は、ぜひぜひこの機会に『ダンシング・クレイジーズ』をプレイしてみてほしい。



ダウンロード配信はこちらからどうぞ。


この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2

月別アーカイブ

記事を検索