【習作R18小説】悪魔は力を貸した人間と男女の仲になる
こんにちは、蕎麦枕です。
習作エッチ小説、四本目です。今月はこれで習作おしまいです。
とにかく完成させることを目標に書いたものです。推敲僅かにしかしてませんので、御見苦しければ申し訳ない。
今回は本文3,500文字ちょっとの極短編です。冒頭のみ下記に出しまして、以下本文は無料フォロワー様から見れるようにしてあります。
※こちらの作品はムーンライトノベルス様とpixivで重複投稿しております。
【あらすじ】
女悪魔であるリネアは、契約を結んだ男ジルが死ぬまで傍にいることになっていた。
ジルの目的が全て遂行された後、リネアは訊ねる。これからどうするのかと。
すると、ジルは「お前と子作りがしたい」などと言い出し……。
若干コメディ感のある人間×悪魔のイチャイチャ話です。
以下本文です。
ジル・アークフィオンは、人間の中で元々高い地位にいた男だった。しかし、周りの人間によってその地位や家族を奪われ、辺境の地に追いやられることになる。
最早生きる意味などない。そうして死ぬ間際のジルに近寄ったのは、悪魔であるリネアだった。どうせ死ぬのなら、力を貸すから面白いことをしてみろと、リネアはジルに持ち掛けた。リネアにとってはただの暇つぶしと思っての提案だったが、それがジルの転換期となる。
リネアは、悪魔の中ではあまり強いものではなかったが、ジルの復讐に力を貸すには十分すぎる力を持っていた。その力を以て、ジルは己の復讐を終わらせることができたのだ。
全てを終わらせた証である業火を見つめながら、リネアはジルに訊ねる。
「さて、これであんたの望みは叶ったわけだ。これからどうする?」
死ぬか、生き続けるか。リネアにとってはどちらでもよかった。力を貸す契約を交わした時点で、ジルの命が尽きるまで傍にいることは確定していたからだ。
リネアにとっては所詮暇つぶし。だがジルに情がわいていないと言えば、それは嘘になる。しかし人間の世界に何も残っていないジルに生き続けろというのも、酷なことであるのはわかっていた。
どのような答えであろうと、ジルが死ぬまで傍にいる契約であるのは変わらない。リネアは、炎の揺らめきを見つめ続けるジルの横顔を見る。
しばらく何も言わないジルだったが、やがて眼を伏せ、静かに答えた。
「そうだな。俺はもう疲れた」
それならば、その後に続く言葉は決まっているのだろう。リネアは少し残念に思いながらも、フ、と微笑んで頷いた。
「ああ、そうだろうな。ゆっくり休めばいい。あんたはよくやったよ」
「もちろんそのつもりだ」
ここまであっという間だった。なかなかいい暇つぶしができた、と最後の言葉を伝えようと、リネアはジルに向き直る。
しかし、リネアの言葉は、同じく向き直ったジルの言葉によって潰されてしまう。
「そして休み終わったら、お前と子作りがしたい」
一瞬、何が起きたのかリネアにはわからなかった。どう考えても多くの人間や木、その他諸々を含んで燃え盛る業火を背に聞く台詞ではない。
何も言えずにいると、ジルはそれをイエスと捉えたのか、業火を一瞥してから歩き出した。
「休む場所を見つけないとな……人里から離れた場所が良い。お前もそう思うだろ? リネア。……おい、リネア?」
やはり聞き間違いだっただろうか。とりあえず、今すぐ死ぬ様子ではなさそうだと、リネアはジルを追いかける。
しかし、それが聞き間違いではなかったとリネアが知るのは、それなりにすぐのことである。
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