蕎麦枕 2023/10/01 14:00

小説「呪われた女騎士団長は快楽を求める」⑤

【あらすじ】

女でありながらも国の騎士団長を務めるフィオナは、ローディル王子と恋仲の関係にあった。
しかしある日、フィオナは仲間を守るために魔物の放った呪いを代わりに受けてしまう。
その呪いは、快楽を得られないと高熱に悩まされ、最終的に死に至るというものだった。
恋人であるローディルに日々抱かれ、なんとか呪いの高熱を鎮めながら生きているフィオナだったが、団長の座を奪いたい男ゴルドにそのことを勘付かれ……。


●今回の要素
オナニー


本文掲載場所

pixiv : ノクターンノベルズ


【本文】

「それじゃあ、行ってくる……僕の帰りを待っていてね」
 その日の午後、ローディルは海の国へと旅立った。やはりその手は触れられず、互いに瞳を見つめ合うのみだった。
 見送った後、フィオナはローディルが手配してくれていた解呪の儀式を受けた。ローディルが戻るまで毎日正午に受けるようにと言われたが、それだけで最低でも五日間を耐え抜くことができるのかわからなかった。儀式のおかげで一瞬熱は下がっても、すぐにまた上がってしまうのだから。

(ローディル様……早く、早く帰ってきて……!)
 夜、フィオナは自室にて自らを慰めていた。呪われた証である身体中に浮かび上がる黒い文様は、まるでフィオナの身体を縛るように伸びている。
 子宮がある下腹部の文様が日に日に濃くなってきていることは、フィオナも知っていた。だがそれを消す方法は、いまだにわかっていない。
「あっ……あっ、あ、んっ……も、っと……もっと、気持ちいいのをっ……」
 フィオナは愛液でぬるつく秘豆を必死に扱き、乳首を摘まみ上げ、精いっぱいの快楽を自ら生み出していた。しかし一番気持ちよくなりたいところは、何も刺激を得られなくて疼くだけ。
 切ない疼きを抱えながら、フィオナは稲妻の瞬きを見る感覚に陥った。
「はあっ、はあっ……イくっ、ローディル様っ、ローディルっ、さまぁあっ……!」
 愛しい人の名を呼び、自分の指をその人のモノだと思い、触れられている感覚を呼び覚ます。大股を開き、腰をカクつかせながら、もう何度目になるかわからない絶頂を迎えた。
「おっ、ぉおおおっ……ローディル様っ、イくっ、イくっ、んうぅうううっ!」
 強く乳首を引っ張り、背を仰け反らせて潮を吹く。絶頂を繰り返して敏感になった秘豆を何度も擦り、強い快楽を自分に与えても、どこか満足がいかない。これはフィオナにとって、決定的な快楽ではなかった。
 緩やかに感覚が戻ってくると、ベッドに力無く身体を落とし、フィオナはぼんやりと天井を見つめた。
「……ローディル様は……こんな触り方を……しない」
 呪いにかかってから、ローディルの愛情溢れる触れ方では物足りなくなってしまった。
 わかっている。肌を重ねるということは、快楽を貪るような野性的な行為ではなく、心を通い合わせる行為なのだ。
 しかし、フィオナは心の奥底で願っていた。もっと乱暴に、好き勝手に、遠慮せず触れてほしいと。
 だがそんなこと、ローディルに言えるわけがない。言ったとしても、ローディルはそのような無体を働く人ではないのだ。
「どうすれば……」
 愛で呪いが解けるというのなら、もうそうなっていてもおかしくない。だが現状を見るに、呪いというものは相当厄介なもののようだった。
(……身体が、落ち着かない。かえって興奮させてしまったか……)
 その証拠に何度絶頂しても満足せず、むしろ膣奥は疼いて仕方がなかった。何も隠さずに言えば、男根が欲しい。昨日、せっかくローディルと交わったのに満足のいく行為ができなかったのもあったせいか、フィオナの身体は男を求めていた。
(それか、せめて私の指より太い……)

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