こんにちは、蕎麦枕です。
あまりにも何も更新できていないので、今細々と書いているお話の進捗を流します。
ここ最近、ネットニュースを見ていてもつらいニュースが多いので、低価格で何か少しでも気を紛らわせられるようなことはできないかと、短く読めるお話を、と意識して書いております。
散々ここでは言っている通り、色々手を付けているものがありすぎて何も完成していないのですが……。
一つ、来月あたりに配信で出したいなあと思っているお話があります。
テーマは「鬼×巫女」
"さくっと読めるお話"を意識しておりますので、二人ともネームレス(名無し)です。
全年齢の一部分をさっくりと乗せて、フォロワー様限定でえっちな部分も載せます。
よければ拝読頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
【本文】
ある時代、あるところ。一人の巫女が旅をしていました。
巫女は幼少期、親を亡くしているところを師としている巫女に拾われ、見習い巫女となりました。
自分が師に救われたように「誰かを救えるようになりたい」と、この見習い巫女は修行と称して一人で旅をしていました。
旅の途中、巫女はある村に立ち寄りました。
一晩泊めさせてほしいと頼み込んだ巫女に、村の長は条件を一つ提示してきました。
「村のはずれの洞窟に、鬼が住んでいるのだ。あいつをどうにか巫女様の術で追い払うか、殺してしまうかできないだろうか」
鬼の存在があれば、行商人が立ち寄ることも無い。村の外へ狩りに行くことも恐ろしい。このままでは村が飢えていってしまうので、どうにかできないだろうかという相談でした。
巫女は考えます。この旅は神聖な術を教えてもらうための修行も兼ねているので、村の長が期待しているような術は、巫女は何も使えません。
しかし、目の前には困っている村の人。そして巫女の目標は、誰かを救える人になること。
ここでやらねば己の志に反すると考え、巫女は頷きました。
「わかりました、やってみましょう」
どこまでできるかはわからない。だが、やるだけやってみる。
そう心に決め、巫女は鬼が住むという村はずれの洞窟までやってきました。
鬼が住んでいるというくらいですから、どんなに恐ろしいところかと思っていましたが、いざ来てみるとどうでしょう。何の変哲もない、ただの洞窟が口を開けて暗闇へ手招いているだけです。
入り口近くには燃やすための割られた木が置いてあったり、よく見れば食べたであろう動物を供養するための墓も立ててあります。
なんとも奇妙です。あまりにも普通の生活を営んでいる空気感がありすぎて、人間が住んでいると言われても疑うことは難しそうでした。
洞窟を覗いてどう行くべきかと悩んでいると、巫女の背後から声がします。
「おい、俺の寝床で何をしている」
振り向くと、そこにはおおよそ普通の人間より大きく、凛々しい顔つきながら筋骨隆々で逞しい男が立っておりました。
ただ違うのは、肌が赤みがかっていることと、二本の立派な角が頭に生えていること。それだけです。
「あなたが村を困らせている鬼ですか」
巫女は鬼に怯みながらも尋ねました。鬼は不機嫌な様子で答えます。
「困らせてねえ。俺は一人で静かにここで暮らしてる。何も迷惑はかけちゃいねえ」
しかし、と巫女は続けます。
「あなたの存在があるから、村の人は狩りにも行けず、商売もできないと」
「はん、違うね。狩りがへたくそなのと、商売もへたくそなのさ。大昔は俺が全部やっていたんだ」
なにやら村の長と聞いていた話が違うようです。
巫女が首を傾げていると、ぽつり、と二人の頭に水が滴り落ちました。
「ちっ、降ってきやがったか。おいお前、入れ。濡れたくないだろ」
鬼は洞窟の中へ、と巫女を呼びます。巫女は少し迷いましたが、このまま何もせずに村に戻ることも出来ず、雨に濡れたままでいることもできないので、一先ず鬼に従って洞窟に入ることにしました。
――続きは本編で。
えっちシーンの進捗はフォロワー様限定で載せております。