大学の友人のタケトは、よく俺んちに宿泊。
勉強に研究に忙しく、気がつけば終電を逃しているのだとか。
で、夜中、大学近くに住む俺のアパートに「一泊の慈悲を!」と泣きつくのだが、べつに不平はない。
宿泊代として朝飯を用意してくれたり、学食を奢ってくれるし。
ただ、タケトは勉学、俺はバイトに忙殺され、すれちがいになるのが寂しい。
入学したころは、馬鹿騒ぎばかりしていたのが。
そのことを友人に愚痴ったら「俺にいい案がある」と枕をとりだした。
表の面に「YES」裏の面に「NO」と書かれたのだ。
「これをタケトが寝るところに置いておけ。
そしたら、どれだけ疲れていても『なんじゃこりゃ!』ってツッコむだろうし、二人して笑えるだろうよ」
お互い気をつかい、なんとなく羽目を外せなかったに、この枕がいいきっかけになるかも。
胸を弾ませて、早速その夜、枕を置いたところ。
あいにくタケトはなかなか訪れず。
あきらめて熟睡したら、にわかに腹に衝撃を受けて目を見開いた。
俺に馬乗りになるタケトを認識する間もなく、突きつけられる枕の「YES」。
すぐに枕を放って「俺の思いに気づいていたのか」と股間に固いのを押しつけてくる。
なんと、俺に好意があったらしいタケトは真に受けたらしい。
慌てて「いや、その・・・!」と否定しようとするも情熱的な口づけで塞がれ、下半身を立派な息子で擦られて。
日日バイト三昧だし、タケトがよく泊まりにくるから、彼女がいないどろか、ろくに自慰もしていない。
かなりのご無沙汰とあり、またタケトの獣のような欲情ぶりに当てられて、快感に酔いしれ「ふう、ううん、んんんん!」と早々に射精。
余韻に浸ってぼうっとすると、濡れたズボンと下着を脱がして尻の奥に指をインするタケト。
「それはいかん!」と止めようとすれば「俺はお前が好きだ」と真顔で告白。
「お前も俺が好きなんだろ?」
熱っぽく濡れた瞳でまっすぐ見つめられて、鼓動が乱れてやまず。
ふと例の枕が思い浮かび、目を伏せつつ「イエス・・・」と呟く。
返事を聞くや否や、さらに勢いづいて愛撫を畳みかけ、拡張に専念して「くうああ!そこ、だめ、だめってええ!」とまた射精させて。
いよいよご自慢の息子を押しつけたなら「好きだ・・・シンジ」とあらためて思いを吐露。
その言葉に涎を垂らしたほど陶酔したし、突かれるたびに「シンジ!好きだ!シンジ・・・!」と恋焦がれるように呼ばれてはたまらず。
「やああ、好き、いわれるの、よすぎ、よすぎて、こわああ!も、もお、分かったからあ、好き、いわれるとお、俺え・・・!」
限界を突破するような快感が突きあげて「あふううう!」と空イキ。
バイト疲れの上での激しい運動に目が回ったものを「まだだ!」と元気満点のタケトの息子は暴れまくり。
「俺のお前への思いはこんなもんじゃ!
どれだけ好きか、思い知ってくれ!」
そのあとずっと腰を強打され、体内に射精されつづけ、朝日がのぼるころ「もお、らめええ!」と潮を吹いたことで、やっと終了。
冗談のつもりが、タケトを本気にさせた枕はなんとも忌まわしいもの。
「お前のせいで」と恨みながら、今も捨てられずにいる。
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