はじまりと世界観

『ある日、私達の当たり前は奪われた・・・』


幾千年もの昔。高度な文明を有した人類は、
永遠とも呼べる繁栄を謳歌していた。

しかし、突如として現れた魔王により、その繁栄は脅かされる。
人々が魔王に苦しめられる中、一人の勇者が神器の力を使い、魔王を滅ぼした。

だが、魔物たちとの死闘の末に文明は崩壊し、
魔物たちの血が大地に流れ出すと、大地は腐敗していった。
大地の腐敗の勢いは収まらず、人間が生きることのできる地は、徐々に失われた。

そして、ついに人が唯一生きることの赦された地は、
トラバリー王国という小さな王国領のみとなった。

トラバリー王国は王家の結界により、
大地の汚染から守られ、この結界がある限り、トラバリー王国は人々への安住を約束していた。


それから数千年の時を経た現在。
かつて倒された筈の「魔王」と名乗る謎の少女が現れ、
突如、王家の結界を破壊する。

更に魔王は、魔物の大軍を引き連れ、たった一夜にしてトラバリー王城を陥落させた。
以後、王国軍は魔王の軍門へ下ることとなり、魔王による圧政の時代が幕を開けた。


多くの人々は、魔王の圧政に耐え切れず、魔王の支配に抵抗し、反乱を起こした。
しかし魔王は反乱軍の拠点となる街のトイレに魔物を放ち、人々からトイレを奪った。

トイレを奪われた人々は、街中へ排泄物をまき散らした。
その結果、街は排泄物により汚染され、人間の生存できる環境ではなくなった。

やがて人々は、トイレを奪われる恐怖から、魔王に抵抗することを止めた。


これが、後のトラバリー史に語り継がれる、トイレ暗黒時代の始まりであった。

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物語の舞台は、トラバリー王国と呼ばれる小さな王国です。
トラバリー王国はいくつかの地方によって分けられており、
それぞれの地方へ赴くには、汽車を使わねばなりません。

ええまあ、汽車なんで速度はそれなりで、一駅移動するのも結構時間掛かりますし、
トイレも一個しか無いので取り合いになるし・・・
汽車に乗る前にトイレを済ませておくのは、もはやマナーみたいなもんです。

※ちゃんとトイレ行っておかないと、こうなる。

とまあ、余談はさておき・・・
トラバリー王国の地方は主に以下の四つに分けられます。
一つ目は、海に面した漁港の町を中心とした『エントリア』
二つ目は、城下町や商業都市などが集まり、国の中心部となる『セカンダリア』
三つ目は、鉱山部を取り囲み、この国唯一のおむつ工場を有する『ファクタール』
四つ目は、雪に覆われた霊山の『スノーツリー』


トラバリー王国には、基本的に人間が暮らしています。
逆にトラバリー王国の外は、汚れた大地が広がっているため、人は住むことができません。

代わりに、王国の外の世界には、獣の姿をした人々・・・
『獣人』と呼ばれる種族が暮らしています。

彼ら獣人は人間とは逆に、汚れた大地でのみ生きることができ、
人間の住む清浄な大地では生きることができません。


余談ですが、人間が汚れた大地に立ち入った場合、すぐに死に至るワケではなく、
ある程度の期間であれば何事も無く戻ってくることができるようです。
一方、獣人が人間の住む清浄な大地を訪れた場合、すぐに死が訪れるといいます。
なんとか外の世界へ戻れても、一度清浄な大地に足を踏み入れた獣人は、
長くは生きられないとも言い伝えられています。

まあ、あくまで言い伝えであって、
それを実際に確かめた人など今は居やしませんが。


物語の中で訪れる獣人の住処としては、トラバリー王国の西の外れにある、
『アンダーク』と呼ばれる森があります。
ここには、数千年前に勇者が魔王を倒すのに使った、
伝説の神器が眠る遺跡があるそうです。


数千年前に倒された筈の魔王、穢れていく大地、
そして奪われたトイレ・・・。

一体、この国で何が起きようとしているのでしょうか・・・。

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