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BL小説の記事 (58)

鶯命丹 2022/10/17 23:11

お兄様襲来!

以前書いた
「美少年吸血鬼に愛玩用兼食用の豚として飼育されることになったおっさんの話」の続きもの。

前作の販売場所は下記にて販売中

BOOTH→ https://mt-pikarya.booth.pm/items/3951973
とらのあな→ https://ec.toranoana.jp/joshi_rd/digi/item/042000041063
DLsite→ https://www.dlsite.com/bl/dlaf/=/t/s/link/work/aid/dYqdsfyugLoeia/id/RJ409445.html
pictSPACE→ https://pictspace.net/oumeitanpicsp1



あらすじ
咲夜のお兄様、トラブルメーカー寿夜(ひさや)が登場し、ふたりの仲をひっかきまわしたりわいわいしたり、えっちなパーティーに巻き込まれたり、囚われの子豚ちゃんになったりする話(の予定)です。

こちらは簡易版。
冒頭、寿夜の登場シーンあたり。
簡易版をいくつか支援者様限定公開し、完成版を本にして出す予定です。

前作の本の中に出したオリジナル設定とかありますが、大した設定でもないので、こちらだけでも問題なく読めるかと思います。


お兄ちゃん襲来!
 ある日の朝、厚司と咲夜が連れ立って食堂に行くと、ひとりの若い男が座って食事をしていた。
 厚司がその人物を訝しげに見ているあいまに、咲夜が驚いた声を上げる。
「お兄様! いつ帰ってらっしゃったんですか?」
「お兄様?」
 咲夜が珍しく目を見開き、慌てたように小走りで食事中の若い男に近づいた。
 釣られて目を開き、咲夜と、テーブルに着く青年を見比べる厚司は、確かに似てるなとひとり心中で頷いた。
 すっと涼し気な切れ長の目に、鼻立ち整った顔、青いほどの色白の肌は潤って、艶やかな黒髪を短く切り揃えている。
 端的に言えば、だいぶ美男子である。
 まだまだ子供の容姿で、まあるい頬と顎を持った咲夜が、青年期になれば目の前にいる青年のようにしゅっとスマートな輪郭になり、甘いマスクの男になるのか。と厚司はまじまじと青年を見た。
「門真は知ってたの?!」
 青年に給仕していた門真に問い詰める咲夜。
 いつもは表情を崩さない余裕の執事が眉を下げて困ったような表情をする。
「朝、屋敷の周りをひと回りする際に、玄関に座り込んでいらっしゃいました」
「もう! 来るなら来るって早めに連絡ください!」
「わかったわかったごめんてば。咲夜は相変わらずおこりんぼだなぁ」
 キャンキャンと吠えるように怒る咲夜に、暖簾に腕押し風なゆるい兄貴。
 門真の様子も、常よりも慌てるような困ってるような印象に、厚司は興味津々と三人を見ていた。

 一歩引いて周囲を見てる厚司に気付いた青年が、目を輝かせてテーブルを立つ。
「ねぇねぇ咲夜。この子はどうしたの? 新しい子?」
 犬猫でも触るつもりなのか無遠慮に近づき手を伸ばしてくる青年の手を、咲夜が掴んで止める。
「僕の子豚だから。勝手に触らないで」と咲夜は眼光鋭く兄を睨み付ける。
 しかし兄である青年は咲夜の眼光など意にも介さずへらへらと笑って言った。
「ええー! いいじゃないちょっと撫でるくらい! ねぇ君名前は? いつからここにいるの? 俺はね、寿夜(ひさや)って言うの。咲夜のお兄ちゃんだよ〜」
 あいだに立つ咲夜を無視して捲し立てる寿夜。圧倒された厚司は「厚司、です……どうも、弟さんにはいつもお世話になっております……」と辿々しく頭を下げた。
「ちょっと、子豚ちゃん。余計なこと言わなくていいの!」
 下から睨みつけられ、むぐ、と口を閉じる厚司。
「子豚ちゃんて呼ばれてるの? かわいい〜! 俺も子豚ちゃんて呼んでいい?」
「ダメです」
「咲夜に聞いてないよ〜! 良いよね子豚ちゃん。ねぇつるつるの頭かわいいね。触ってもいい?」
「ダメです」
「だから〜、咲夜には聞いてないでしょ〜! ね、良いよね子豚ちゃん」
「ダメです! 子豚ちゃんも、お兄様には近づかないようにしてね!」
「あ〜ひどいんだ〜! 咲夜そんないじめっ子だったかなぁ? しばらく会わないうちにやさぐれた?」
 キャンキャン喚く兄弟に押されて、厚司は視線を彷徨わせる。控えていた門真と目が合うも、逸されてしまった。
「あ、あー……仕事が始まりますので、これで、失礼します」
 厚司は踵を返し、頭を下げつつ、食堂から早足で逃げた。
 背後からはいまだに兄弟の騒ぐ声がする。
「朝飯、食いそびれたな……まぁ、あの喧騒の中に戻るなら一食くらい抜いたほうがましだな」
 厚司はぐるぅと呻く腹を支えて、ため息交じりに呟いた。

 
 喧騒の食堂を出て、厚司は中庭へと出る。
 今日の仕事は花を植えることだ。土を掘り返して、新しい花の球根を植えていく。
 ここに来てからすっかり庭師の仕事が板についてきた厚司は、スコップ片手に土いじりに精を出す。
 花壇の土にしゃがみ込み、黙々と作業を進める厚司の背後から、長い腕が首に巻きつき、背中にぐっと重みがかかる。
「うぉぉっ!」
 バランスを崩し膝をつく厚司。戸惑いのうちに、ざくり、と首の皮膚を噛み破られた。
「ぁぐっ! う、ぐっなに……」
 痛みにうめきながら、厚司は自分を捕らえる腕を掴む。
 腕の長さが、背にもたれかかる重さが、咲夜のものとは違う。
「あ、んたっ……っつ、咲夜のっ、ゔっ!」
 寿夜はふふ、と吐息で笑い、噛み付いた傷口からぢゅっぢゅぅっと血を啜り上げた。
 傷口に空気が触れる疼き、舌でくじかれる痛みに呻く厚司が、必死に寿夜を引き剥がそうともがく。
 しかし、寿夜の細い腕はびくともせず、厚司の身体を抱え込んでいる。
「ぅ……ゔゔっ、ぐっ……んっ、あ゛、あ、あぁっ」
 痛みに呻いていた声が、徐々に甘さを帯びる。
 身体の力が抜け、ぞわぞわとした快感が肌を粟立たせた。
 痛みの裏側から、快感がじくじくと全身を蝕み、厚司は力なく土に手をついた。
 弱った獲物をいたぶるように、寿夜の腕が不埒に厚司の身体を這い回っていく。
「や、ぅ……ぅぅっあ、やめろっんんっ!」
 ぢゅーぢゅーと血を吸われながらその身をまさぐられ、力の入らない厚司に、さらに体重をかけ覆いかぶさる寿夜。
「あっ! やだっ! いやだっ離せっ」
 ちゅぷっずりゅうっ
 滑った音をたてて、長い牙が抜けていく。
「んひ、ぃぃんっ」
 吸血鬼が、吸血のために獲物に注入する淫毒が、長い牙を抜く痛みをすら快楽として厚司を責める。
「びくびく震えて、子豚ちゃんかわいい〜! 大丈夫だよぉ。優しくするから」
 寿夜の舌が傷口をゆっくりと舐める。
「ゔ、んっ……あっ、うぅ」
 強い淫毒に侵された、厚司の身体が敏感に震えた。
 無遠慮に身体を撫で回す手に、傷口をくじる舌に、目の前に火花が散るほどの快感を拾ってしまう。
「あぐっゔ、やめ、ろっ……」
 厚司は太い腕をぐっと伸ばして体を反転させ、寿夜を自身の身体の上から転げ落とす。
「ありゃ! 逃げられちゃった。そんなへろへろでどこ行くの? 子豚ちゃん」
 寿夜はころりと転げ落ちた。
 楽しそうに笑いを含んだ声が厚司の背後から囁く。
「今から咲夜を探すより、俺とした方が楽になるよ? 子豚ちゃんのうずうずした身体いっぱいよしよしして気持ちよくしてあげるよ?」
 耳元で囁かれる声は甘く厚司を誘惑する。
 霞む視界を向ければ、美しい青年が蠱惑的に微笑んでいた。
 艶やかな黒髪、切長の瞳。色っぽい薄い唇にはありかなしかの微笑みを浮かべている。
 美しい男の顔が近づき、吐息のかかる距離で止まる。
「大丈夫、咲夜にはバレないよ……んぶっ!」
 厚司は土がついたままの手で寿夜の顔を覆うと、押し退けるようにふらふらと立ち上がった。
「っ……アンタじゃ……嫌だ」
 しかめっ面で呟いた厚司は、ふらつく足取りでゆっくりと歩き出す。
「わぁ、フラれちゃった」
 言葉の割には楽しげに、寿夜は厚司を見送った。

「なんで、こんな……広いんだよっ……くそっ、ぅ」
 厚司は館の中をこんなに恨めしく思ったことはなかった。
 以前咲夜から「お預け」を食らった時よりも、身体が疼いている。
 一歩歩くごとに歩行の振動すら、腹の奥にじんじんと響いて、数歩ごとに止まってしまう。
「はぁ、はぁ……ゔっ、ぐ」
 壁に肩をつけ、もたれていたところに背後から声がかかる。
「あれ、子豚ちゃん。どうしたの?」
 厚司は反射的に振り返って声の主を見た。その途端、耐えていたものが決壊し、顔をくしゃくしゃにして喘ぐ。
「ゔ、あ゛あ゛っ! さ、さくやぁっ」
 厚司は腕を伸ばし、咲夜の細い身体に取りすがる。それを軽く受け止めて咲夜は目を見開いた。
「どうしたの一体? こんなヘロヘロのとろとろで……ああ! お兄様にやられたのね! だから近づいたらダメって言ったのに!」
「ちが、ああっ! ちが、ううっん、ぁっ俺じゃないっ向こうがっあっ!」
 倒れ込む厚司を抱き上げ、咲夜はぷりぷりと怒りだした。
 厚司は必死に弁明するも、抱き合う温もり、衣擦れにすら敏感に反応してしまい、まともに言葉が紡げない。
「もうっ! 話はベッドで聞くから。ほら子豚ちゃん、ちゃんと捕まって。手足でぎゅぅってしがみつくの得意でしょ」
 怒りを含んだ冷たい物言いに胸が痛むが、それもすぐに快感に散ってしまう。
 厚司は必死に太い腕で咲夜の華奢な首に縋りつき、脚を浮かせて細く頼りない腰に絡める。
 咲夜は倍以上もある厚司の身体を軽々と抱きかかえ、歩き出した。
「ん゛ぉっ! おっ、お、おん゛っ! ま、って! 待ってくれっあ゛っもっと、ゆっくりぃっ」
 咲夜が歩くたび、淫毒ですっかり勃ち上がった厚司の陰茎が腹のあいだで擦れ、びりびりと甘く痺れる快感を与える。
「ゆっくりしてたら余計辛いでしょ。我慢して」
 ピシャリと叱られて厚司は黙った。
「……行くよ。ちゃんと捕まっててね」
「あ゛っ! ああっ、あ、あ、あ、ああっさ、さくやぁ゛っ! 擦れるっ、ちんぽ擦れてっ気持ちいいっあ゛あ゛っ」
「うんうん、気持ちいいね。腰へこへこしてるもんね。部屋に着く前にでちゃうかな?」
「あ゛っゔぅっ出るっ出るっ腰へこ止まんねぇっぁ゛え゛っえ゛っ出るっゔゔっぐ、っ」
 正面から抱きかかえられ、挟まれる陰茎をへこへこと擦り付け厚司は絶頂した。
「もうイッちゃったの? やっぱりお兄様の毒は強いなぁ……ほら、子豚ちゃんお部屋着いたよ。今からたくさん中に入った毒を抜かないとだからね。いっぱい頑張ってね」
「が、んばるって……」
 射精後もいまだふわふわとした悦楽の中にいる厚司が、ぼんやりと問い返す。
「もっともっとたくさん射精しないとダメだってこと!」
 



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鶯命丹 2022/09/28 20:30

男の娘とらぶらぶえっちするむちむち巨漢の話

可愛い男の娘「ゆの」ちゃんとお付き合いしてる身体は大きいし顔も怖い(緊張しい)けどおとなしいタイプのむちむち太め巨漢、翔太くんが仲良くらぶらぶえっちする話です。
ずっと前から書き途中で止まっていたものを無理矢理完成させてみました。

※ハート喘ぎ注意

初めて♡喘ぎ書いてみたんですけどかわいい~~♡着くだけでかわいさがマシマシになる~~♡って思いました。♡つけるタイミングとか全然わからなくて、ちょっと難しかったけど楽しかったです。
相変わらず地の文固いからちょっと違和感あるかもしれません。
気になる方は閲覧注意です。
内容は無い。えっちしてるだけなので頭空っぽにして読んでください。
ゆのちゃんはショタじゃないです。17~20歳くらいのイメージ。
翔太くんは27~8歳くらい。
表紙は表紙メーカー様より



以下本文抜粋(全文5400文字)
「ごめんね翔太くん……ゆの、もうこんなになっちゃった……」
 ゆのはスカートの裾をじわじわとまくり上げて、その下に隠された秘部を横たわる翔太に見せつけた。
 華奢な肩にかかるセーラー服、その下のほっそりとした腰に履いたプリーツスカート。その中に隠されている繊細なレースの下着から透ける硬くそそり立つ、ゆのの、勃ちあがった男根。
 翔太はレースからはみ出ている赤い亀頭に釘付けになって、ごくりと喉を上下した。
「ゆ、ゆのちゃん……ゆのちゃん舐めたいっ……俺、ゆのちゃんのちんぽ舐めたい……」
 はっ、はっ、と犬のように浅い呼吸をこぼしながら翔太は大きい裸の背中を丸めて、ゆののスカートの中に頭を突っ込んだ。
 鼠蹊部や太ももの柔らかさに顔を埋める。深呼吸をすると生臭い男のにおいが翔太の肺を満たす。
「はぁっ♡はぁっ♡ゆのちゃん! お願いっ……お願いしますっ」
 滑稽なほど浅ましく懇願する翔太の頭を、ゆのはスカート越しに撫でて「いいよ」と囁く。
 じゅぶっくちゅっじゅぼっ
 ゆのの声に、待てから解放された犬のごとく、翔太は勃起ちんぽにしゃぶりついた。いやらしい水音が、スカートの中からひっきりなしに漏れている。
「あっ♡あんっ♡翔太くんてばぁ……そんな、あ、あぁ♡犬みたいにっ……あっすごぉ……きもちぃぃっ♡」
 ゆのの甘く掠れた嬌声に、翔太は更に深く激しく、肉棒を咥え込む。
 喉の奥や頬肉を締め付けて、じゅぼっじゅぼっじゅぼっとはしたない水音を立て頭を激しく動かした。
「ゆのひゃっ♡ゆのちゃんの勃起ちんぽっうま♡うまいよっ♡ああっ♡ずっと食べてたいっ♡」
 低く、興奮した声で翔太が言った。
 太く硬く育った肉幹に、舌を蛇のように絡ませて入念に舐める。カリ首に舌先を這わせるとゆのの太ももが細かく震えた。
「あっ♡あぁっ♡だめっ♡翔太くんのおしゃぶり大好き♡あんっあひ♡もう、もう出ちゃうっ♡♡あっあっあぁぁっ♡」
 ゆのは、ほっそりとした両の指で、スカートの中の翔太の頭を鷲掴む。サイドに結んだ長い髪をふるふると振り乱しながら、腰を翔太に押しつけるようにカクカクと振り立てて絶頂した。
「っぶ、ん゛ん゛♡……」
 口の中に弾けた精液の勢いに一瞬唸った翔太だが、こぼす事なくゴクッゴクッと喉を鳴らして嚥下していった。
 飲み込んだ後も、ペロペロと未練がましく男根をしゃぶる翔太に、ゆのは笑いながら話しかける。
「ねぇ~ぇ、翔太くんは、いつまでゆののおちんぽしゃぶってるの? 次は翔太くんの番でしょ? 早く雄尻出して」
 そう言われて翔太はちゅぽっと音を立ててゆのの男根から口を離す。おずおずといった様子で、ゆののスカートから顔を出すと仰向けに寝転がった。
 そうして一糸まとわぬ腹を無防備にゆのへと晒し、自身の太い膝裏を持ちあげる。ゆっくりと脚を開いてプラグの入った尻穴をゆのに曝け出す。



完成版は支援者様限定公開

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本文5400文字・♡喘ぎあり

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鶯命丹 2022/09/25 13:43

淫魔ショタ×ガチムチおっさん本一部公開

淫魔ショタ×おっさん | 鶯宿 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/9136994
シリーズの「淫魔ショタに会社のトイレでめちゃくちゃに犯される話」の続きです。

pictsquareで開催される
一次創作小説web展示即売会 [ .txt ] (2022年10月30日(日)0:00〜23:00)で「淫魔ショタ×ガチムチおっさん」のまとめ本を出します。
https://pictsquare.net/dixg126lqftja8m7udl49pdxr08ujgem

pixivで公開中の話と、今回のこの話の完成版、もしできたらヴィーニャと契約者の話も入れて一冊にしたいと思ってます。
♡喘ぎバージョンも作ろうかな~?と考えているのですが、需要と余裕があるかな?
データ販売の予定なので場所も取りません!イベントで買ってすぐ読める!
よろしければご利用ください。

表紙は表紙メーカー様より


以下本文(無料公開は途中まで)全文7800文字
※小スカおもらし注意



 腹の疼きに耐えながらなんとか自宅アパートのドアの前までたどり着いた。
「っふぅぅ……や、やっと着いた……」
 遠慮なく腹の奥にだされたラーイの精液が、移動のたびにどろ、どろと健介の腹の中を垂れ落ちてくる。
 その感触に、精液にすら犯されているようで、健介の身体は熱く火照り、脳内はラーイが与えてくれるどぎつい快楽の記憶にぐずぐずに支配されていた。

「おかえり」
 ドアを開けたら玄関に立っているラーイがいた。
 その姿の麗しいこと。
「ああ……ラーイッ」
 揺れる金の三つ編みに宝石の様なキラキラとした瞳を細めて笑む彼の姿を見た途端、健介は辛抱できずに持っていたカバンを放り熱い息を吐いた。
 健介は早鐘を打つ心臓に急かされ玄関のたたきに膝をつくと、成長期前の未成熟なラーイの細腰にしがみついた。
「はっはぁっ……ラーイッんっああぁっラーイッ」
 まとう薄布を捲り上げて、健介はラーイの下腹部に顔を埋めると犬のような浅ましい呼吸を繰り返す。
「どうしたの健介? 興奮してる?」
 わざとらしく問うラーイは、優しく健介のワックスで固めた髪を撫でた。
 哀れに縋る男を優しく微笑み撫でる天使……そんな絵画のような仕草であるのに、天使の股間にはバキバキに勃起したちんぽがそそり立っている。
「ああラーイの匂い、勃起ちんぽ……はっ、はぁったまんねぇっん、あぁ」
 健介はうっとりと発情した顔でラーイの勃起ちんぽに頬擦りをして、自分の顔に我慢汁を塗りたくっている。
「あーあーそんなに汁まみれになって……可愛いんだから」
 ラーイが目を細め、健介の後頭部を小さな手のひらで軽く押すと、その意味を正しく理解した健介は、大きく口を開けてラーイの勃起ちんぽを飲み込んだ。
「ふっぅぅっ、んっはぁ……は、ああっんくっ」
 ちゅぽっちゅぽっ
 いやらしい水音を立てて、健介は美味そうにラーイの勃起ちんぽをしゃぶる。
「健介ほら、僕のちんぽにちゃんとただいまって言って?」
 ちゅぶっちゅぽっねろぉ
 亀頭を唇で咥え、血管の浮いた幹に舌を絡ませながら、健介はラーイを見上げて「はっあ、はぁ、ららいまっ」と巨根を頬張ったまま挨拶をする。
「あははっ必死だね。そんなにお腹空いてたかなぁ。さっきもあげたのにねぇ」
 綺麗に撫で付けた髪をくしゃくしゃに梳かしながら、ラーイは健介の好きなように勃起ちんぽしゃぶらせてやった。
 当の健介は、髪が乱れるのも構わず、ラーイの細い腰を抱きしめ薄い背中を舐めまわしながら夢中で勃起ちんぽをしゃぶっている。
「んぶ、はぁっん゛ん゛っああ~らぁいっはぁっはんぅっ」
 唇をすぼめ、舌を絡ませ、ボコッボコッとちんぽを口の中から出し入れして、頬肉を膨らませたり、凹ませたりしている。
「こんなえっちな顔晒したまま帰ってきたの? どこかで寄り道ちんぽしてきちゃったんじゃない?」
 ラーイは鈴が鳴るような澄んだ笑い声を含みながら、健介をからかう。
「ん゛ん゛っ! しぃ、してないっはあぁ、ラーイのがいいっ。いいから、まっすぐ帰ってきたっ」
「そうだったね。健介は美少年にめちゃくちゃに犯されたい変態だったもんね」
「そうっ!そうだっ俺のこと、早くめちゃくちゃにしてくれ」
 玄関ドアに手を着いてがに股に膝を曲げて巨尻を向け、ちんぽを欲しがる淫乱な雌。自分にささげられたいやらしい淫穴に麗しい顔を近づけ、ラーイはふふっと吐息を零し笑う。
 玄関でくぽくぽといやらしくうねる尻穴から精液垂らしてねだる健介に「トイレで出して来なかったんだ? 垂らさない様に尻穴締めて帰ってきたのえっちだねぇ。いいよいいよご褒美にはめてあげるっ」ラーイは固く反り返った褒美を与えた。
「んぉお゛お゛~~ご、褒美きたっあっあ゛あ゛っはっあっいいっ気持ちいいっご褒美ぃ、いいっ」
「嬉しい? ご褒美?」
 深々と刺さったラーイの勃起ちんぽに、健介は唇をだらしなく弛ませて、腰をくねらせる。気持ちの好いところへ当たるようにぐちゅっぐちゅと卑猥な音を立てて尻を振っていた。
「嬉しいっうっゔっゔぅっ! はっあぁっはぁっあ゛あ゛っ! あっあっあ゛っぐっ」
 ガタ、ガタ
 健介の痴態に、縋られた玄関ドアがガタガタと揺れた。
「ほらほら健介。そんなにドアにぴったりくっつくと、外に健介のえっちな吠え声聞こえちゃうよ」
 夢中になって肉棒を味わう健介を、ラーイは目を細めて見下ろしている。
「あん゛っ! ん゛っん゛ん゛っゔぅ〜っ」
 言われて気づいたのか、健介は弛んでいた唇を噛み締め、どろどろの太い声を飲み込んだ。鼻の穴を広げて荒い息を吐いている。
「声我慢してる? 今日は我慢してばっかりだね。可哀想だからたくさん突いてあげるっ」
 外に声が漏れるのは嫌なのに、ベッドまで待てなかった健介の卑しさが愛おしかった。ラーイは喜色に美しい顔を綻ばせながら、健介の鍛えられたまあるい尻を掴み、自慢の肉棒を振るってやった。
「ん゛ん゛ん゛っ! んぉ゛っそごっそこお゛っおおぉ〜ッおん゛っお゛ぅっおぐっおぐっゔぐぅっ!」
「そうだよぉ。健介は、奥ごちゅごちゅされるの大好きだもんねぇ。いいでしょ〜? 抜こうとするたびに健介の雄尻、肉襞がぎゅぅぅって絡みついてきて、雄尻のフチがめくれあがってるの、とっても可愛いよ」
 ラーイは細い指を口に含み濡らすと、めくれ上がった肉淵をゆっくりと撫で上げた。
「お゛っおっごぉっん、ん゛お゛ぉおおぉ゛~~っ」
 健介の野太い吠え声が玄関に響く。がくりと垂れた首が、真っ赤に染まり汗ばんで光っている。ラーイはうまそうな首を見つめながら、めくれきゅうきゅうと甘える肉淵を揉み摩る。
 うねうねといやらしくうねる肉筒を勃起ちんぽで粟立ててやると「おん゛っお゛っンン゛」と蕩けた声を上げて悦んでいる。
「ごちゅっごちゅって勢いよく突き上げるとビクビクッて襞が震えて締まるの。はやくおちんちんでメスイキしたいって甘えてるんだよね。健介の可愛い媚び媚び雄まんこいっぱい気持ちよくしてあげるからね」
「ひっひぃっいいんっい゛い゛っい゛い゛っすき、しゅぎぃ、じゅぎっラーイッおちんぽ、じゅぎぃっい、い、ぃぃいッ」
「だよねぇ雄尻のナカ全部で僕のおちんちんに甘えて、媚びてるもんねぇ。大好きなショタのおちんちんで雄まんこぐちゅぐちゅにされて気持ちいいよね」
「おっお゛っぉぉお゛〜〜きもちいぃぃっ雄まんこきもちいい、いい、ひぃいっひぐっでうっでるっもうでるっいぐっおぐっお゛ぐっもっどぎでぐれぇっおぐぅぅぅっ」
 健介が真っ赤な首を巡らせて、ラーイを見た。
 潤んだ瞳は淫靡にとろけ、もう気持ちいいことしか考えられない雌の目をしている。その瞳に煽られるようにラーイは形の良い唇をにやりと耳まで裂いて笑った。
「いいよいいよっ奥たくさん突き上げて、あげるっほらっほらっここっここでしょ? 奥のつまってるところ、どちゅっどちゅっておちんちんで殴られるがいいんだよねぇっ」
「ひぎ、ぃいっいいっ! そこっそごぉ゛っお゛っお゛っお゛お゛ぉぉ〜ッ」
 どちゅぅっ!
 ひときわ深く、強くラーイは勃起ちんぽを突き刺すと、健介が背を反らし腰を震わせて吠えた。ラーイはそのしなる背に手を置いてそのまま激しく抽送し始めた。雌に絶頂を与えるための腰ふりだった。
「アッハ! じゅぼっじゅぼって奥のキツいところにおちんちんハマっちゃった! あは! 凄い締め付けっあっあっあっ絞られちゃうっおちんちん気持ちいいっ健介のナカにまた種付けするっ精子いっぱい出ちゃうっ嬉しいよね?」
「ゔっゔっゔれじっい゛ぃ゛っひっひ、ひいぃ~~ッひぐっゔゔっぉ、お゛お゛〜〜い゛ぃ゛ぐゔぅっ」
 腰をへこへこと揺らし、ぎゅうぎゅうと肉淵と腸壁を収縮させ、健介はイッた。
 ばたっぼたっ
 ぶるんぶるんと揺れるだけだった健介の勃起ちんぽからだらしなく精液が垂れ落ちた。
「ああ〜玄関汚しちゃって……そんなに気持ち良かった? ここ、ここだよね? ここ大好きだよね? 奥の奥、きゅってキツくなってるとこに、亀頭はめ込んでじゅこっじゅこってカリ首引っ掛けると、雄尻ぜーんぶきゅんきゅん締め付けて甘えてくるの、とっても可愛いよ」
「あ゛あ゛ぁ゛っラーイッまて、まっでっそこっそこ゛良すぎるっゔぅ、い゛っだがら゛っい゛っだからま゛っでっでるっでるっそこっそこごちゅごちゅされすぎてっでぢゃゔがらっ……あ゛あ゛あ゛っ」
「出ちゃうの? いいよっいっぱい出してい~~っぱい気持ちよくなっていいよっ」
 

続きは支援者様限定公開

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鶯命丹 2022/09/21 00:41

【改訂版】村人A、魔王の心臓を手に入れる 後編

こちらは支援者様先行公開作品となってます。

村人A、魔王の心臓を手に入れるの後編

後編は改訂版もなにも、できてなかったんですけどね!

10月にはpixivのコンテストに一般公開で出す予定です。





 
  次の日の朝、ロアは自身の朝勃ちちんぽに頬ずりしてるケルエスの重みで目が覚めた。
「ちょっ! ちょっとぉ! ダメですっこんな明るいうちからっ!」
 朝から赤面し、急いでベッドを抜け出すロアにケルエスが不満げに唇を尖らせた。
「もったいないだろ? せっかくの朝勃ちだぞ? 魔力が溜まってるんだから勃つんだぞ? そう時間はかからん。小僧の童貞ちんぽなど秒で片付く」
 ぶつぶつと文句を言うケルエスにロアは真っ赤な顔で叫ぶ。
「もう童貞じゃないです! 秒は言い過ぎひどい! もっと保つもん……昨日はちゃんと保ったもん……」
 涙目になりながら床に落ちたパジャマを纏い、頬を膨らませるロアがケルエスを睨む。
 そんなロアの視線を面白がって、ケルエスは髭の生えた顎を摩りながらにやにやと笑った。
「確かに。昨日は随分楽しめたなぁ」
 ケルエスの好色な笑みに、昨夜の情事を思い出したロアは、耳やら首やらをゆでたように赤くして俯いてしまった。
 そこに、コンコンッとドアを叩く音がする。
「お早うございます」
 返事をする前にドアが開かれ、パウルが入室して来た。
「おや、今日は逃げられてしまったんですね」
 平坦な口調で言うパウルにケルエスがいかつい肩をすくめた。
「明るいうちはダメらしい。折角溜まった魔力がもったいないよな」
「よ、夜にすれば、いいでしょう? もう朝で明るくて恥ずかしいじゃないですか!」
 赤面して言い返すロアの言葉にパウルはしみじみ頷いた。
 「そうですね。今日は長のところへ行きますから、楽しみは夜に取っておくのがいいでしょう。お二人とも早く支度をしてください」

 
 朝食を済ませると、屋敷の玄関から外へと出るように促されたロアは、そこで巨大なドラゴンの姿を見て息をのんだ。
「ド、ラゴン……?! ドラゴンで移動するんですか!」
「そうです。グルオウグ族は巨大ですからね。馬に引かせると普通より多く必要になるのでもっぱら馬よりも力の強いドラゴンですね」
「なんだ、小僧。ドラゴンを見るのは初めてか?」
 驚愕するロアをからかうように目を細めてケルエスが見下ろす。
「はい! 初めてこんな近くからドラゴンを見ました! すごい……大きい」
 素直に頷き、感嘆するロア。
「ふふん、それならドラゴンに触らせてやってもいいぞ。さあ、来い」
 ロアの反応に得意になったケルエスが、おもちゃを自慢する子どものように無邪気にロアの手を取った。
「え、え、ちょっとっ心の準備が……」
 手を引かれるままにドラゴンの足元まで来れば、更に迫力が増す。
「おいっ腰が引けてるぞ情けない奴め! 1号! こいつはロアだ。余の心臓だからな、喰うなよ」
 ビビるロアの手を逃がさないように握ったまま、ケルエスはドラゴンの首元をパンパンと叩くと、ドラゴンは甘えるように鼻っ面をケルエスの胸に擦り付けた。
 馬の甘える仕草と似通ったものを感じたロアは、恐怖心を少し和らげ、ふたりの交流を見上げていた。
「触ってみるか?」
 にやりと口角を上げたケルエスに、ロアは恐る恐る頷く。
 そっと手を伸ばすと、それに気づいたドラゴンは鼻っ面をケルエスから離してすっとロアの手に鼻を近づけた。
 猫のようにロアの指先の匂いを嗅いでいる。
 スンッスンッと吸う鼻息と、流れる空気は猫とは比べ物にならなかったが。
 やがて気が済んだのかスンスンと匂いを嗅ぐ音が止んだ。それを見計らってロアは手を更に近づけて、ドラゴンの鼻っ面を撫でた。
「あっ! 凄い、うろこ……ゴツゴツしてる」
 初めて触れたドラゴンの鼻先はゴツゴツしたロアの手ほどの大きさのうろこに覆われていた。うろこの下に脈打つ柔らかい肉の感触を感じてロアは顔を綻ばせた。
「すごい! ドラゴンてこんな感じなんだ……うわ!」
 ドラゴンは、さっきケルエスにしていたように、ロアの胸に擦り寄って来た。しかし、体格の違うロアではドラゴンの甘えてる仕草もタックルのように強力だ。
 擦り寄られる衝撃でよろけたロアの背を、ケルエスの大きな手が支えた。
「はっはっは! 貧弱だな小僧」
 大口を開けて笑うケルエスに、ロアはむくれて地団駄を踏む。
「貧弱じゃないです! ドラゴンが大きいからちょっとよろけただけです!」
「どうだかなぁ〜。余が支えてやらねばそのままぺたんと尻餅を着いていたのではないか? んん?」
 にやにやとからかうケルエスの顔を、ロアは悔しそうに見上げ、そしてそのあと直ぐに吹き出した。
「たしかにそうかも! 尻餅だけじゃなくてころころ転がってたかもしれない。あー、びっくりしたぁ」
 笑うロアに、ドラゴンの鼻っ面が再び押しつけられる。しかし今度はぐっと足を踏ん張り、背をケルエスが支え、なんとか無事に鼻っ面を受け止めた。
「ドラゴンてこんな風に甘えるんですね。馬みたいで可愛い」
 頭上から首にかけて生える背びれを優しく撫でてやると、ぐるぐるぐるぐると低く喉が震えている。
 ドラゴンの顔を見下ろすと、うっとりと心地良さそうに瞼を閉じている。
「今度は猫みたい」
 笑いを含んだ声で呟くロアに「角の根本を掻いてやると喜ぶぞ」とケルエスは自身の太い指先で、ドラゴンの頭上にある二本の角の片方をカリカリと掻いて見せた。
 するとドラゴンはそちらに頭を傾けて、ケルエスの指に擦り寄るように押し付けていく。
 もっともっととねだる姿に胸をときめかせ、ロアは早速ケルエスを真似た。
 反対の角の根本をカリカリと掻いてやる。
 ぐるぐるぐるぐる
 低い震動音を鳴らしてドラゴンが今度はロアの方へ頭を傾けすり寄ってきた。
「うわわ! 可愛い〜……可愛いですっドラゴン!」
 ねだられるままに角の根本を掻いてやりながら、ロアはキラキラとした目でケルエスを見上げる
「そうだろう! 余のドラゴンだからな」
 その目に満足したケルエスは得意げに深く頷いた。
「ほらほらお二方! そろそろ行きますよ」
 さっさと車内に乗り込んだパウルが急かす。
「はぁい」
「わかった」
 二人の声は重なってパウルへと応じた。

 
 一度車内から降りて、ドアを開けてくれるパウルに促され、車内に入ると広い思ってたよりずっと広い室内だった。
 進行方向に向く席へ腰掛けると、そのとなりにケルエスが座る。最後に乗り込んだパウルは向かいに座って「今から現在のグルオウグ族の長、タウ様のところへ行きます。ようやく見つかった心臓ですからね。タウ様も心配されてましたよ」と告げた。
 パウルの言葉にケルエスはふぅと呆れたように息を吐く。
「あのジジイは心配症だからな」
「ケルエス様が楽観的過ぎるんですよ」
 二人の会話に交互に首をめぐらせているとガタンッと車内が揺れ、その後滑らかに車が動き出した。
「うわ!」
 動いている車窓を覗いていると突然身体に上から圧力がかかる。
 背もたれにぎゅっと押し付けられる感覚にロアは目を白黒させた。
「うわ! すごい! 飛んでる?!」
 車窓を見ると、既に地面が遥か下に。目を見開くロアの眼前を数羽の鳥がさっと横切った。
「鳥だ! 見ましたか?! 今鳥がさーって!」
 興奮したロアが車内に視線を戻すと、二人は愉快そうに目を細めロアを見ていた。
「あ……うぅ、すみませんはしゃいで……」
 ふと冷静になって考えれば、普段から乗っている二人には何も珍しい光景ではないだろうに、ひとり子どものようにはしゃいで、ロアはもう一度椅子に座り直し顔を俯かせた。
「気にしなくても良いんですよ。ケルエス様なんて初めて乗った際にははしゃぎ過ぎて車がぐわんぐわん揺れましてね。落下した御者にこっぴどく叱られたんですよ。ねぇ」
 同意を得るようにパウルはケルエスを見たが、ケルエスは心外そうに口を尖らせている。
「ちょっと動いただけだったのに、ものすごい勢いで怒るからなぁあいつは」
 パウルが微笑みながらとりなしてくれたが、聞かされたエピソードが物騒すぎる。
「ええっ御者の人は無事だったんですか?」
「龍車の御者は大抵有翼で飛べる者が多いですから。今も元気でやってますよ。ねぇ」
 パウルは、背後の御者との連絡窓をコツコツと叩くと、同じようにコツコツと、ノック音が返ってきた。
「あ、今日の御者さんが、その時の……」
 空飛ぶ車から落下した御者が無事と知り、ロアはホッと胸を撫で下ろした。
 
 車窓に流れる景色を楽しんでいるうちに、車がゆっくりと下降し始めたのを体感し、ロアは車内を振り返る。
「着いたんですか?」
「ええ。着きました」
 パウルがゆっくりと頷く。
 その言葉を聞いて、ロアはもぞもぞと胸や腰をさする。着慣れない上質な布で作った服は、今更ながらロアを落ち着かない気持ちにさせる。
 そわそわと動くロアを横目で見て、ケルエスがからかうように小突く。
「そう緊張するな! せっかくの衣装が台無しだぞ」
「ううっ……緊張しますよ……長って偉いヒトですよね? そんなヒトに会うなんて」
 小突かれて傾げたロアはそれでも着ている服を落ち着かなげに撫でまわしている。小動物のようにもぞもぞソワソワと動くロアを見下ろして、ケルエスがふむと呟く。
「たしかに……服が窮屈だな」
 ケルエスも普段身に付けない、装飾過多な服装をしている。それを引っ張ってもぞつくケルエスにパウルが鋭く言い放つ。
「ちょっと! 脱がないでくださいよ」
「脱がん。終わるまでは」
 ケルエスが、不貞腐れたように背もたれに背を預けた瞬間、ガタンッと小さな衝撃が下から起こり、続いてガタガタッと車輪が地面を走る振動が来る。
「着きましたね。くれぐれも脱がないでくださいよ」
「わかったわかった。早く終わらせてこんな窮屈な服はとっとと脱ぐぞ。なあ小僧」
「僕、そういう意味で落ち着かなかったわけでは」
 同意を求められたロアは微苦笑を浮かべた。


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鶯命丹 2022/09/20 20:22

【改訂版】村人A、魔王の心臓を手に入れる 前編

前に公開した「村人A、魔王の心臓を手に入れる」の加筆修正版です。
前編。後編も後で上げます。

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