有栖川アンジェ。 ~おねしょ。紙おむつに~2
金髪碧眼のおむつ少女のアンジェ。
今夜も当然のように紙おむつをあてて眠りにつく……。
そんな夜のこと。
アンジェが眠りに入って一時間ほどが経った。
少女が一人で使うにはあまりにも広いキングサイズのベッドで、アンジェは分厚いおむつにお尻を覆われ、両足はがに股に開いて寝ていた。
布団は、既に蹴飛ばされていた。
おむつを充てて布団をかぶっていると、どうしても蒸れてきてしまう。
だからアンジェは布団を蹴飛ばしてしまうことが多かった。
そんなアンジェが、ブルルッ、出し抜けに身体を大きく震わせると、
「んっ」
しゅいいいいいいいいいい……。
なんの躊躇いもなくおしっこを放ったではないか。
トイレトレーニングを受けたことがないアンジェは、赤ん坊並みにゆるゆるな尿道なのだ。
寝ているときは、赤ん坊と同じように、完全に緩みきっている。
「……ちぃ……出る……むにゃむにゃ」
しょわわわわわわわ……。
なんの躊躇いもなく放たれるおねしょを受けて、厚手の紙おむつはモコモコに膨らんでいく。
水色のおしっこサインが浮き上がり、股間のところが鮮やかなレモン色に染め上げられると、お尻のほうへと浸食していった。
「お尻……あったかぁい……」
ブルルッ。
アンジェは大きく一度痙攣すると、プシュッ、尿道からおしっこが放たれて、おねしょは終わった。
レモン色に染め上げられた紙おむつを晒しながら、アンジェは深い眠りへと落ちていく。
……が。
その一時間後。
アンジェの身体が再び、ブルルッ。大きく震えたではないか。
「ちぃ……出る……ん」
しゅいいいいいいいい……。
おむつから聞こえてくる、くぐもった水音に、紙おむつがモコモコと膨らんでいく。
ジャスミンティーや、ハーブティーをたくさん飲んだ少女の身体で濾過された聖水が溢れ出してくる。
しかしどんなにハーブティーをたくさん飲んでも、少女の聖水は恥ずかしいアンモニア臭をまとっていた。
「お尻……あったかぁい……気持ちいーよー……」
少女の縦筋から噴き出してくるおしっこは、会陰を伝ってお尻をイタズラっぽく撫で回していく。
ツーンとした、かぐわしきアンモニア臭が漂ってきた。
「はぁ……全部……出たぁ……」
ブルルッ!
アンジェは身体を大きく震わせると、おねしょは一旦の終わりを告げる。
……だが。
それからまた数時間後。
「ちぃ……でるぅ……」
しゅいいいいいいいいいい。
時間が経って冷え切った紙おむつが、再び暖かくなっていく。
アンジェのおしっこを大量に吸収した紙おむつは、最初よりも何倍も分厚くなっている。
そんな冷たい紙おむつに腰を包まれているのだ。
おしっこが近くなっているのだろう。
赤ん坊並の尿道のアンジェは一晩に、何度もおねしょを繰り返すようになっていた。
じょぼぼぼぼぼぼぼぼぼ……。
「はふぅ……。おまた……温かいなぁ……」
呟くと、アンジェは再び深い眠りへと落ちていく。
それから、何回おねしょを繰り返したかは、アンジェさえにも分からない。
ただ、アンジェの充てている紙おむつは、白い部分がなくなるほどに、おしっこでブヨブヨに膨らんでいた。
きっと、立ちあがろうとすれば、おしっこの重みでおむつが落ちてくることだろう。
それでもおむつにお尻を包み込まれて安心しきっているアンジェは、安らかな寝息を立てていた。
☆
チュンチュン。
ピーチク、パーチク。
やがて空が青白んできて、小鳥の鳴き声が聞こえてくる頃。
おむつを充てて、七時間以上が経っていた。
最初のほうに漏らしたおしっこは、古くなって、やや茶色に変色している。
アンジェのお尻を包み込んでいるおむつからは、一晩分のツーンとしたアンモニア臭が漂ってきている。
「むにゃむにゃ……。……ん、んん? もう、朝か……」
脚を開いて寝ているアンジェは、いつものように冷たくなったおむつの感触に目が覚めた。
「おむつ、冷たくなってるな……。でも、感触は……サラッとしてていい感じか……。ジトジトにはなってないな。横漏れも……お尻漏れも……シーツは濡れてないな。合格っと」
起きたばかりの頭で、色々と考える。
こうして毎晩アンジェが紙おむつを充てて寝ているからこそ、世界トップシェアをひた走ることができているのだ。
「あっ、でも……おしっこ……出る……。しちゃうか」
ブルルッ!
アンジェは仰向けのまま、大きく身体を震わせると、
しょわわわわわわわわ……。
くぐもった水音とともに、生暖かいおしっこがお尻のほうへと広がっていく。
あんまり仰向けの状態でおしっこをしすぎると、背中から漏れ出してきてしまうけど、アンジェの特盛り紙おむつは、しっかりとおしっこを受け止めてくれている。
「ああ……おしり、あったかいよぉ……。やっぱり、おむつはいいなぁ……。安心しておしっこできる……」
ブルルッ!
大きく身体を震わせると、アンジェの放尿は終わった。
「はぁ……もう一眠り、するか……ふぁぁ……」
おむつが温かくなったら眠くなる。
アンジェの長年染みついた習性だった。
アンジェはそのまま瞳を閉じると、安らかな寝息を立て始める。
……が。
ドアがノックされたのは、アンジェが惰眠を貪り始めた五分後だった。
「むにゃむにゃ……入っていーぞぉ……」
「失礼します」
入ってきたのは、シックなメイド服に身体を包んだ神無だった。
朝早いというのに、もうシャキッとしている。
「お嬢様、おむつを替えにきました」
「むにゃむにゃ……適当に頼むー」
「換える前に、全部出しておいて下さい」
「ああー。出すー」
アンジェは夢見心地でおまたの力を抜くと、膀胱にわだかまっていた残尿が、
チョロロ……ッ、
ちょっとだけ漏れ出してきた。
「んん、出たぞ……」
「分かりました。交換しますね」
アンジェの充てている紙おむつは茶色く変色し、夜の頃と比べると入道雲のように何倍もモコモコに膨らんでいる。
神無は、そんなおむつをバリバリと音を立てて開封していった。
ムワッ……。
露わになったのは、茶色く染め上げられたおむつの裏側だった。
時間が経って古くなったおしっこは、茶色く変色して濃縮されたアンモニア臭を放つようになるのだ。
一晩分の凝縮されたおしっこの匂いは、鼻がツーンとして、涙が出てくるほどの悪臭だった。
「ううっ、自分でも臭い……」
あまりの匂いに、半分眠っていたアンジェも目を覚ますほどだ。
女の子とはいえ、その宿命からは逃れることはできない。
「ジッとしてて下さい。綺麗にしてあげますから」
「ああ、よろしく頼むぞ」
こんなにも悪臭を放っているというのに、神無は顔色一つ変えることなくおむつ交換してくれる。
古くなったおむつをアンジェのお尻の下から引き抜くと、温かいおしぼりで、丁寧におまたを拭いてくれる。
「んっ、おまた、気持ちいい……」
「お嬢様のおまた、今日も可愛らしいですよ」
「そ、そんな……変なこと言うなよ……んんっ」
なんだか最近おまたを拭いてもらっていると、変な気持ちになることがある。
今までは、そんなことなかったのに。
(この感覚、なんなんだろう?)
そんなことを考えていると、おまたを綺麗に拭かれていき、パフパフとベビーパウダーもまぶされていく。
「終わりました」
「あ、ありがとう……」
「今日はどのおむつを充てて行かれますか?」
「そうだなあ、今日は暑くなりそうだから、薄型のパンツタイプを頼む」
「それではこの紙おむつですね。これもプロトタイプです。履かせて差し上げますから、脚をこちらに」
「ああ」
ベッドから身体を起こして、両足をピンと伸ばす。
と、そこに神無がスポッとパンツタイプの紙おむつを脚に通していき、穿かせてくれた。
花柄があしらわれた、可愛らしいデザインのおむつだ。
これならちょっとくらいスカートが捲れてしまっても、おむつだとは思われないだろう……多分。
「やはりパンツタイプは軽くていいな。ウエストのゴムも問題なし、と……。キツすぎると苦しいし、そうかといって緩く作ると、おしっこの重みで落ちてきても大変だし……このへんは重要だからな」
おむつを穿いたアンジェは、ベッドから下りておむつの履き心地をチェックしている。
そこに神無は見事な手際でアンジェを学校の制服へと着せ替えていた。
シンプルな藍色と白を基調にした、つぼみ学園の制服だ。
その制服を着て、ツインテールを結び直せばいつものアンジェのスタイルだ。
もちろん、スカートのなかには紙おむつを穿いている。
薄型だから、まさかアンジェがおむつを穿いているだなんて、誰も想像さえもしないだろう。
「よし、今日も元気に登校するか!」
アンジェは、スカートの上からお尻をパンパン! とはたく。
世界シェアトップのおむつメーカーの一人娘ともなれば、様々な試作品をその身で確かめなければならないのだ。
おしまい
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