百合の館2
紫帆に連れられてやってきたのは、近所でも噂になっている立派な洋館。
たったひとりで洋館で暮らしている紫帆の元に身を寄せることになった朱里は、しかし急にお腹の具合が悪くなってきてしまう。
首輪で繋がれているからトイレにさえも行くことができない朱里は助けを呼ぶも……!
「うわ。パジャマまで用意してくれてたんだ……」
久しぶりのお風呂。
気がつけば一時間以上も浸かっていた。
朱里が浴室から出ると、そこにはふかふかのバスタオルとパジャマ、それにショーツも用意されていた。
「もしかしたら、紫帆さんのおぱんつ……?」
用意されていたショーツを広げてみると、純白のローライズのショーツだった。
朱里がいつも穿いているしましまの女児ショーツと比べると、かなり大人っぽいデザインになっている。
「穿いちゃう? 穿いちゃうの?」
脱衣所で逡巡していると、扉がノックされて紫帆が顔を出す。
入ってきた紫帆は、ゆったりとした紫紺のワンピースに身を包んでいた。
「パジャマとショーツは私が使ってるものしかなかったからそれを用意させてもらったけど、嫌だったら穿かなくてもいいわよ」
「そ、そんな……っ。穿くっ穿きますっ」
「そう。そう言ってくれると嬉しいな。ブラは……明日にでも仕立屋さんを呼ぶから、そのときに買いましょうか」
「え」
仕立屋さん?
しかも買うって?
「あ、あの……。わたし、その……お金、持ってないです……」
「そんなこと気にしないの。さあ、私にショーツを穿くところをみせてちょうだい」
「は、はい……」
紫帆に手伝ってもらって、バスタオルで水滴を拭き取っていく。
ショーツを手に取って、広げると……、
もわわ……っ。
立ち昇ってきたのは、洗剤の柔らかい香り。
しっかりと洗濯されていたけど、クロッチの裏側は、ほんのかすかに黄ばんでいるようにも見えた。
(紫帆さんみたいな美人さんでも、おぱんつを汚してしまうんだ)
知ってはイケナイことを知ってしまった気がして、ドキリとしてしまう。
あまりにも食い入るようにクロッチを見つめすぎていただろうか?
「やっぱり穿くのはやめとく?」
「ううん。紫帆さんのおぱんつ穿くと思うと、なんかぽーっとしてきて……でも、全然嫌な気分はしない、です」
「そう。それはよかった」
紫帆はホッと胸を撫で下ろしてみせる。
こんな美人さんにこんなことを言わせてしまったのだ。
ここは一息に穿かなければ。
それに紫帆には助けてもらった恩もある。
絶対に恥をかかせるわけにはいかなかった。
「よし、穿きますっ。紫帆さんの……お姉様のぱんつっ」
純白のローライズのショーツに脚を通していく。
朱里が愛用している女児ショーツよりも、だいぶお尻を覆う面積が少ない。
大人っぽいデザインながらも、純白ショーツはシンプルだった。
「んっ……っ」
キュンッ!
じゅわわぁ……っ。
クロッチが食い込むくらいに穿くと、おまたが官能的に痙攣する。
すると早くもクロッチの裏側がジンワリと熱く濡れていった。
「あっ」
「ふふ、顔が真っ赤になって可愛いんだから」
ふらりと倒れたところを、紫帆に支えられる。
その温かくて柔らかい感触に、久しぶりの安心感を覚えていた。
(でも……っ。だめ。これ以上お姉様に迷惑をかけたら悪いしっ。それに、明日になったら仕立屋さんを呼んでくれるらしいけど、そんなことしたら絶対に凄いお金かかっちゃうしっ)
この期に及んでも、朱里は今夜のうちにお暇しようと考えている。
両親が普段からお金に困っているところを目の当たりにしてきたから、朱里という少女は他人に甘えることが下手だった。
「朱里、また遠慮しようとしてるでしょ」
「そ、そんなことは……ない、です……」
「うそ。目が泳いでるからすぐにわかるんだから。そんな朱里にプレゼントを持ってきて用意してあげたの」
「えっ、プレゼント……?」
ショーツにパジャマも貸してもらって、そのうえプレゼントだなんて。
それはとても嬉しいことだけど、でも、これ以上迷惑をかけるわけにもいかない――。
そう思っていると……、しかし紫帆が背後から持ちだしたものを見て、朱里は凍りついてしまった。
なにしろ、紫帆が指しだしてきたもの。
それは。
「く、首輪……!?」
「そう。首輪。遠慮がちな子猫ちゃんを捕まえておくには、首輪をつけておかないと、ね♪」
首輪は銀と黒革のオシャレなデザインをしていた。
それにスロープにも華奢な銀の鎖が使われている。
オシャレなアクセサリーと言われたら信じてしまいそうなくらいに作り込まれている。
「朱里が私から逃げたいと思っているのなら、首輪は断ってもらってもいいけど。どう?」
「ど、どうって言われると……そ、その……」
これ以上迷惑をかけるのは悪いと思っているから逃げようと思っていたのに、ここで首輪を断ったら紫帆のことを嫌っていると言うことになってしまう。
「む、むぅ……。首輪、嵌めます……。嵌めて、ください……」
「よろしい。それじゃあまずはパジャマを着せてあげるからジッとしててね。ブラは今夜のところは我慢してちょうだい」
「ん……はい……わかりました」
うっすらと紫がかった、ワンピース型のパジャマを紫帆に着せてもらう。
スカートの裾のところには、アジサイがあしらわれていた。
しっとりとした肌触りで、それだけでも高級そうな予感がする。
……怖くて値段は聞けないけど。
「それじゃあ、首輪を嵌めてあげる」
「よ、よろしくお願いします。お姉様……」
おとがいをかすかに上げ、無防備な首を紫帆に晒す。
こうしていると紫帆の指先が絡みつくように首筋を撫で回していき、ゆっくりと黒革の首輪が嵌められていき――、
朱里は、首輪に繋がれていた。
華奢な銀の鎖は、しっかりと紫帆の手に握られている。
「ああ……繋がれちゃってる……。お姉様に、首輪嵌められて、繋がれちゃってるよ……っ」
ゾクゾクとした冷たい電流が駆け抜けていく。
それなのに、おまたは熱くなっていて、クロッチの裏側は濡れそぼっていた。
(お姉様のぱんつなのに汚してしまっている……)
倒錯的で背徳的な感覚がない交ぜになって、だけどそれでも思春期の身体は正直で――、
ぐうぅ~。
切なげに鳴いたのは、朱里のお腹の虫。
あまりにも場違いな音に、朱里は頬が熱くなるのを感じた。
「あっ、あの……これは……、その……この三日間はほとんど食べてなくて……っ」
「元気になってくれたようでなにより。お夕飯作っちゃうから……、そうだ、食堂で待っててちょうだい」
「あ、あの、なにかお手伝いすることがあればなんでもしますっ」
「ありがとう。でもフラフラなあなたを手伝わせたら、指でも切られちゃいそう。食堂で寛いでてほしい、かな」
「わ、わかりました……」
「それじゃあ、行きましょうか」
「ぁんっ」
シャラリ、紫帆に銀鎖のスロープを引かれ、お風呂上がりの朱里は食堂へと連れていかれる――。
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