秘密の快楽2
下校中に腹痛に襲われる恐怖。
(今日は木曜日だから部活ないし! 早く帰って……!)
不幸中の幸い。
今日は部活がお休みだから、直帰することができる。
ちなみにミリーはバトンクラブに所属しているけど、いまのお腹具合でバトンなんて振り回した日には、お尻からもカチカチのバトンを出してしまうに違いない。
六時限目の授業が終わってショートホームルームが終わった瞬間、ミリーはクラスメートたちに気取られることなく席を立つと、一直線に昇降口へと向かった。
廊下は早くも放課後のざわついた雰囲気になっているけど、そんなもの無視だ、無視。
だけど実にタイミングが悪いことに、
「あ、ミリーさん、これから駅前に美味しいアイスクリーム屋ができたんですって。一緒に行きませんか?」
声をかけてきてくれたのは、隣のクラスの女子のであるところの知世ちゃんだった。
黒髪ロングの出で立ちで、ミリーとは同じバトン倶楽部に所属している。
アイスクリーム――。
その申し出は大変有難いところだけど、いまアイスクリームなんて食べたら、お腹がジェットコースターのように下ってしまって大変なことになるに違いなかった。
「ごめん、知世ちゃん、今日はちょっと体調が悪いというか、急用があるというか……っ」
「体調……? あの、大丈夫ですか?」
「うん。家に帰って休んだから治ると思うから……!」
「そうですか。それならまた今度にしましょう」
「うん、そうしよう、また今度に行こうっ」
ぎゅるっ、ぎゅるるるる……っ。
空気を読まないことに、ミリーのお腹からカミナリのような低い音が鳴り響く。
その音が聞こえたのか、知世ちゃんの黒瞳がほんの少しだけ見開かれたような……気がした。
「それじゃ、また明日ね!」
ミリーはごまかすように元気に手を振ると、昇降口で靴を履きかえてダッシュで校門を出ていた。
☆
「おっ、ごごごっ! なぜ、こんなことに……!」
ぎゅるる!
ごぽっ、ごぽっ! ごぽぽ!
昇降口からダッシュしたのがマズかっただろうか?
ミリーのお腹は真夏の夕立のように急降下していた。
「さ、最初からクライマックス……っ! わたしのお尻、お願いだから耐えて……っ、でないと、大変なことにぃ……っ」
まだ周りには同じ制服を着た生徒たちがたくさんいる。
だからいくらお腹が痛いとはいえ、へっぴり腰になるわけにはいかない。
ただでさえミリーはスカートを短く改造しているのだ。
少しでもお尻を突き出せば、水色と白のしましまショーツがパンチラしてしまうことになる。
女の子がスカートを短くするのは、気合を入れるためなのだ。
「姿勢、よくして、歩かないと……っ」
よろめきながらも、背筋を伸ばして歩き続ける。
お腹が痛いのに背筋をピンと伸ばしてられるのは、日頃のバトンで培われた練習の賜物だ。
「まだ慌てるような時間じゃ……うっ、ううっ!」
ぎゅるるっ、ぐぽっ、
ぎゅるるるる!
いつも見慣れた通学路が、フッと初夏の陽光に遠のく。
おもわず道の真ん中でしゃがみこみそうになるけど、ここでしゃがみこんだが最後。
太ももとお腹に押し出された一週間分の腐敗物がショーツをモコモコと盛り上がらせるに違いなかった。
「まだ、だいじょ……んんぅ~!」
住宅街の通学路の行く先には、初夏の入道雲がモコモコと盛り上がっている。よく目をこらせば、ところどころで遠雷も光っているようだった。
あの雲みたいにどっさりと、出したいものを出すことができれば、どんなに気が晴れることだろうか?
そんなことを考えてしまい――、
ギュルルル……。
ミチ、ミチミチミチ!
「おっ、おおお!? おごぉ……っ」
ミリーは思春期の少女にあるまじき低い呻き声を漏らしてしまった。
ショーツのなかに出てしまった、この感触は……。
忘れもしない、一週間直腸のなかでカチカチに固まっていた『実』の感触。
一度出てしまった『実』は、ミリーの思春期を迎えて柔らかくプリッと膨らんだお尻では、どんなに力を入れても千切ることはできない。
と、いうよりも、ここで千切ってしまえば、次の『実』が溢れ出してきてしまう。
自分の身体だからこそ、そのことが嫌でも分かってしまう。
「だ、だめぇ……!」
ミチミチミチ……。
メリメリメリ、ぷすすっ。
ついにミリーは立ち止まってしまう。
そればかりか、へっぴり腰になってしまう。
スカートからチラリと見えるしましまショーツは、少女のプリッとしたお尻の輪郭よりも、明らかに歪に膨らんでいた。
「こ、こんなところで……っ」
メキメキメキ……、
モコ、モコモコモコ……っ。
今日二度目の不幸中の幸いか、通学路をだいぶ歩いてきたから他の生徒たちの姿はない。
しかも夕飯の買い出しにいく主婦の姿もまだない。通学路にある、一日にほんの数瞬しかない真空地帯のような時間帯。
――いまなら、しゃがみこんでも誰にも見つからない!
頭のどこかで、ほんの一瞬だけそんなことを考えてしまって首を振る。
こんな住宅街の道の真ん中でうんちをしたら、それこそご近所の噂になってしまう。
それだけはなんとしても避けなくては。
メキ、メキメキメキ!
ぷすっ、ぷすす……
メキョ、メキョキョ。
だが一瞬でも楽になりたいと思ってしまった身体は、その隙を見逃してはくれなかった。
棒状のうんちがお尻を真っ二つに穿つと、その先端部がショーツを押し上げる感触。
それは取り返しのつかない感触だ。
「あぁ……うんち、漏らしちゃった……」
メリメリメリ……。
もこっ、モリモリモリ……っ。
うんちを漏らしてしまった。
いや。
うんちを漏らしている。
胸の奥底から絶望感が滲みだしてくる。
フッと意識が遠のき、お尻の力も緩んでしまい――、
メキリ、メキリ、
メリメリメリメリメリ!
「あっ! あっ! あっ! あっ!」
女の子のうんちは太い。
便秘気味で、いつもうんちが固いからだ。
カチカチうんちを出すうちに、肛門が知らぬ間に拡張されてしまっているのだ。
メキ、メキメキメキ!
モリモリモリモリモリモリ!!
「あっ、ひい! だ、め、ええ……!」
どんなにお尻に力を入れても無駄だった。
棒状の固いものに肛門を貫かれ、極太のうんちが漏れ出してくる。
一生懸命お尻に力を入れても、うんちはショーツの中を突き進んでいく。
やがて、しましまショーツにカチカチうんちの輪郭が、くっきりと浮き上がってくる。
そればかりか短いスカートからはみ出して、醜悪な臭いを撒き散らせ始める。
「おっ! おっ! おごっ! んっおおおっ! おほ!?」
モリモリモリモリモリ!
ブリッ! ブリリッ!
ショーツからはうんちがはみ出してくる。
一週間分のうんちが溢れ出してくると、
ボトッ、ボトボトボト!
夏のアスファルトの地面に落ちて、カチカチうんちが灼熱に焼かれていった。
住宅街の一角が、少女の悪臭によって満たされる。
「あっ、がっ、ごぉぉっ!」
メキメキメキ!
ぼと、べちょ、ぼととっ。
お気に入りのしましまショーツはすっかり硬質便によって盛り上がり、抑えきれなかったうんちは足口や腰ゴムからはみ出し、アスファルトへと落ちていく。
ミリーの足元に、焦げ茶色の便塊が、堆(うずたか)く積み上がっていく。
「ふっ、ふぅぅ……っ。ふぅぅぅぅ……っ。うっ、うう~」
メキメキメキ……っ。
モコ、もこり、もこり……っ。
気がつけば――。
ミリーは、自らの意思でお腹に力を入れていた。
こんなにもうんちを漏らしてしまったら、もう我慢するだけ無駄じゃないか……。そのことに、気づいてしまったのだ。
モコモコモコ……、
ぼと、ぼとぼとぼとっ
ショーツが盛り上がり、うんちがはみ出してくる。
ミリーの足元に、こんもりとしたうんちの山ができあがり、やがてミリーの息みが止まる。
すべて出してしまったのだ。
「あ、あぁぁ……全部、出ちゃった……ううっ、ひっひい!」
足元をチラリと見ると、そこにできあがったうんちの山に驚いてしまう。
その量たるや、カレーの三皿分くらいはありそうだ。
「ぱんつ、重たい……うっううっ」
ミリーが穿いているショーツには、地面に落ちた以上のうんちがミッチリと詰まっていた。
モコモコに膨らんだショーツはスカートからはみ出し、ヘドロよりも醜悪な少女の香りを撒き散らしている。
「うんち、どうしよう……片付けられないし……」
ごめんなさい、
心の中で謝ると、ミリーはよろめきながらも歩き始める。
スカートからはみ出しているショーツを、カバンで隠しながら。
それでもミリーがまとっている腐敗臭を消せるはずもない。
(だ、誰かに見つかったらどうしよう……っ)
そう考えただけで、鼓動が早まってしまう。
激しい鼓動に全身が熱くなり、汗ばみ、そしてついには。
ヌル……ッ。
股間に広がる熱い感触に、ミリーは戸惑ってしまう。
もこもこに膨らんでいるショーツを誰かに見つかったら大変なことになるというのに、なぜか股間が熱く濡れてきていたのだ。
「う、嘘……っ」
理性では認めたくなくても、若さにはち切れんばかりのミリーの身体は正直だった。
熱く濡れていると自覚してしまうと、股間が急にムズムズしてくる。
クリトリスが包皮を脱ぎ払い、勃起しているのだ。
(うんちおもらしして、ううっ、気持ちよくなっちゃうなんて! こんなの絶対おかしいのにっ)
どんなに否定しようと、クリトリスは固く勃起し、一歩進むたびにカチカチのうんちが擦れて甘美な電流を発する。
(ううっ、お豆が擦れて……っ、ムズムズするなんて……っ)
だが心のどこかでは理解はしているのだ。
久しぶりに思いっきりうんちをして、スッキリ気持ちよくなることができた――。
いつもトイレを詰まらせてしまうミリーにとっては、それは久しく忘れていた快感だった。
(そうか……。ぱんつを穿いたままうんちをすれば、少しずつトイレに流せるんだ)
よろめきながら歩き、ミリーはそんなことを考えてしまう。
うんちがミッチリと詰まっているショーツのなかでは、クリトリスが赤く充血し、勃起していた。
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この小説は、同人誌『真夏の記憶』として発表しています。
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