レモネードオアシス 2023/06/29 06:36

TS俺が女の子のレッスン!?14

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目次

TS俺が女の子のレッスン!?

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♠♥晶のわざとおもらしっ


「保健室に行く? それともおトイレに行く?」

 昇降口で上履きに履きかえたときに晶に聞かれる。
 そう聞かれると……、全部出し切ったと思ったのに、まだ膀胱にはおしっこが残っているように感じられた。

「……トイレ」
「わかった」

 再び晶に手を引かれて、一番近い女子トイレへ。
 授業中のトイレには、当然のように誰もいなかった。

「それじゃ、おしっこしちゃって。待ってるから」
「う、うん……」

 個室の前で待っててくれるという晶。
 だけど、ここで一つ問題が持ち上がる。
 学校の女子トイレは、すべて和式なのだ。
 司は女の子になってからというもの、和式のトイレは一度たりとも使ったことがないのだった。
 病院や家では、全部洋式だったし。

「晶、その……」
「なに? なにか問題でも」

 司は個室を前にして……そこにある和式トイレを前にして、戸惑っていた。
 男のころだったらおしっこだけなら立って放てばよかったけど、女の子はおしっこだけでもしゃがまなくてはいけない。
 男のころと同じように、和式トイレにしゃがみこんですればいいのだろうか?
 だけどそうすると、おまたを伝ってお尻のほうまでおしっこで濡れてしまうような気がする。

(な、なにか他に斬新な放ち方があったりするのか!?)

 女の子って、和式便器のときはどうやっておしっこをすればいいんだろうか?
 和式便器を見つめながら、司は黙考を続ける。
 しかし答えは出てきそうにはなかった。

「晶、女の子って、和式のときはどうやっておしっこをすればいいんだ?」
「えっ」

 その疑問は、晶にとっては意外なものだったらしい。
 常に無表情な晶の瞳が、ほんの少しだけ見開かれる。
 ……本当にほんの少しだけ。

「えっと、あの、司。その、普通にしゃがみこんですればいいだけ、なんだけど……」
「でも、そうするとおしっこがお尻のほうに伝っていきそうな気がするんだが」
「それはティッシュで拭くの。昔、何度もおしっこの飛ばし合いしたでしょ? あのときの私みたいに、しゃがみこんでするの」
「あー……」

 確かに、晶とは何度もおしっこの飛ばし合いをしてきた。
 立ってやったときは司の勝ち、座ってやったときは圧倒的に晶の勝ち。
 それだけ女の子が座っておしっこをすると勢いよく噴き出してくるということだ。

「しっかり見ててあげるから、おしっこしてみて」
「急にそんなこと言われても……」

 晶に言われて、ブルマを降ろそうと指をかける。
 だけどそのブルマはショーツごとおしっこでぐしょぐしょに濡れそぼっている。
 その布切れを降ろせば、露わになるのはおしっこ臭くて赤ちゃんのようにつるつるのパイパンだ。
 そのことが、なんだか急に情けなく思えてくる。

「うっ、ううう……っ」

 女の子になって、尿道だけではなく涙腺まで緩くなってしまったとでもいうのだろうか?
 碧眼から溢れ出してきたのは、大粒の涙だった。
 クラスメートたちの前でおもらしして、更には幼なじみにおしっこのやり方がわからないと聞くだなんて。
 情けなさ過ぎる。
 そのうえ、しっかりおしっこができるか見守られるだなんて。
 男として……、いや、年頃の女子としても情けなく思えてくる。

「ど、どうしたのよ。急に泣き出して」
「だって……、だって……ううっ、悔しすぎて……っ」

 女の子になってから、なにもかもが上手くいっていない。
 ショーツやブラジャー、スカートだって恥ずかしいし、そのうえおもらししてしまうだなんて。
 晶の前だけでなく、クラスメートの前でも。
 情けないし、悔しい。

「司。無理はよくない」
「ううっ」

 晶は、なんの躊躇いもなく司を、ギュッと抱きしめてくれる。
 母親よりも、共に時間を過ごしてきた幼なじみ。
 無口で不器用なところもあるけど、誰よりも心が通っていると、柔らかな温もりが教えてくれていた。
 こうして抱きしめてもらっていること、たぶん30秒ほど。
 それだけで不思議なくらいに心が落ち着いていた。

「もう平気そう?」
「ああ……、落ち着いた」
「そう。それはよかった。それじゃあ……」

 素っ気なく応えて、晶は抱擁を解く。
 そしてポツリと呟くのだった。

「一回しかしないから、ちゃんと見てて」
「えっ?」
「和式のおトイレでのおしっこのやり方」
「あ、ああ……」

 そうだった。
 そもそもの問題は、和式トイレの使い方から始まったのだった。
 晶に押されてトイレの個室へ。
 晶も一緒に入ってきて、鍵を閉めてしまう。
 司と晶、たった二人きりのトイレの個室に、熱気が蒸れる。

「まずは、和式のおトイレに、こうやって跨がる」
「お、おう」
「そうしたらしゃがみこむ。そのときにスカートをお尻に巻き込まないように注意して」
「な、なるほど」

 狭いトイレの個室の目の前で、晶がトイレにしゃがみこんでみせる。
 ここまでは男と同じようだ。
 だけど女子トイレの個室の内側で、女の子がこんなにはしたない格好をしているのはちょっと意外かもしれない。
 可愛いスカートを穿いているというのに。


TS俺が女の子のレッスン!?15につづく!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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この作品は同人誌『TS俺が女の子のレッスン!?』に掲載されているものです。
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