うっちゅう 2022/11/15 22:14

高身長むちむち幼馴染が勘違い嫉妬して、デート後に、低身長男の子を強引に犯しまくる話

「君が悪いんだ。君が他の女の話ばっかりするから。私には君しかいないのに」
彼女の息は荒く、頬は紅潮していた。部屋の電気が薄暗く光っている。彼女は怯え切った僕を満足そうに見つめた。そして、味わうように僕の体に触れる。身体が熱い。どうしてこんな風になってしまったのだろう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時間は遡る。僕は悩んでいた。体育館の床でモップをかけながら、先輩へと目を向ける。いつも、明るく快活な雰囲気で、マネージャーながらも部を引っ張ってくれた先輩。彼女が明日、引退する。夏の大会がもう終わってしまったからだ。結局、彼女にIH出場という夢を届けることはできなかった。

「どうしたの、暗い顔して。かわいい顔が台無しだよ」

先輩はもう引退だというのに、いつもと変わらない明るく元気な声で僕に話しかける。長い髪が、夕日に照らされて、とても綺麗だった。

「その可愛いっていうのやめてください。その、まぁ、悩み事です」

まさに、彼女に関することで悩んでいるのだが、そんなことは言えない。恥ずかしいし。こんな風に先輩と話せるのも最後かと思うとなんだか寂しくなる。

「そうなんだ、まぁほどほどにしときなよ。明日からは私無しでも頑張るんだぞ」

 そういうと先輩はにこっと笑った。そして、同学年の男子の先輩に呼ばれて去っていった。おそらく、引退する者同士、積もる話があるのだろう。その日は、そのまま、彼女とはもう話さずにお開きになった。
 僕が体育館の扉を開けると、夕焼け色の空が一面を覆いつくしていた。そんな空を眺めていると、僕を呼ぶ声がした。

「ねぇ、一緒に帰ろう?」

 幼馴染の月見時雨だった。僕は、首を上に挙げて彼女の方を見る。僕と彼女の間には歴然たる身長の差があるのである。僕が身長164cmで、彼女は187cmである。男の僕の方が、はるかに小さいから、あまり彼女と並んで歩きたくはない。というか、彼女と並んで歩きたい人などいないのではないか。彼女は、まず圧倒的にスタイルがいい。脚が非常に長く、スーパーモデルのような体型をしている。顔は中性的だが整っている。適度に高い鼻はまるで、ギリシアの彫刻のようだ。その瞳は理性的で、冷たく、いくらか悪魔的にも見える光を放っている。目元にしっかりと蓄えられた睫毛は、彼女の瞳の力を何倍にも増幅させる。身体にも、十分に女性的な丸みがあって、正直男性としてそれを意識しないことは難しい。でも、幼馴染の身体で欲情するなど、最低の行為だ。そんなことは許されない。つまり、どんな美男美女であっても、彼女と並んで歩けば、まるで別の醜い種族のように見えてしまうのである。それだけ、彼女の美は洗練されているのだ。僕は、そんな彼女と毎日登下校している。

僕たちは、静かに並んで道を歩いていた。お互いに気を遣わない距離感なので無言でも気まずさはない。毎日、どちらかが、とりとめのない話題を提供するのである。

「そういえばさ、何か悩みでもある?私に相談してよ」

そうだ、彼女なら僕の悩みを解決できるかもしれない。彼女は僕よりもはるかに賢いし、なによりも、先輩と同じ女子高生だ。彼女が適任だ。

「あのね、部活を引退するマネージャーの先輩に、個人的にプレゼントがしたいんだ。女子高生ってどういうものが嬉しいの?できれば、一緒に買いに行ってくれると嬉しいんだけど……」

 彼女は、面食らったような顔をし、顔をしかめた。その意味が僕にはわからなかった。そして、にっこりと笑って言った。

「うん。いいよ。ぜひ、ご一緒させてもらうね、そうだね、今週の土曜日なんてどうかな?」

 一瞬、彼女の瞳から、冷たいものを感じた。でも、次の瞬間には、彼女は普段通りに戻っていた。だから、気のせいだと思ってこの時は気に留めることもなかった。
 
 集合場所の駅には僕の方が先についていた。夏休みだからか、人だかりが多い。目の前を、多くの人が横切っていく。夏の日差しが照り付けるように暑い。スマートフォンで時間を確認すると、集合時間よりも20分も早くついてしまっていた。何をして時間をつぶそうか考えていると、遠くの方から彼女がこちらにやってくるのがわかった。彼女は、元々身長が高いから、周りの人と比べて見つけやすいし、それ以上にオーラが違いすぎる。彼女に思わず見とれてしまった。気づいた時には、彼女は目の前にいた。

「おまたせ。待たせたかな?」

彼女が笑って言う。美人特有の素敵な笑顔だった。でも、服装がいつもと全く違った。普段、彼女は高身長を生かしたボーイッシュな服装を好んできている。それこそ、ジーンズに黒のキャップを合わせるというような、いわゆる、かっこいい服装をすることが多かった。実際、彼女の恵まれたスタイルとそのファッションは良く合致していた。男の僕でも女の子として、恋に落ちてしまいそうなくらい素敵なものなのだ。でも、今回は打って変わって、非常に女の子らしい着こなしだった。薄いベージュ色のタイトスカートに、透けたブラウス。服の上から彼女のきめ細やかな肌がほんの少しだけ透けて見える。鎖骨のあたりもがっつり出てるから、正直目のやり場に困る。とてもかわいいとは思うけど、今までの彼女にはなかったファッションだ。どうやって反応すればよいかわからない。

「その、今日の服とっても可愛いね。いつもの時雨ちゃんとは違って、それがとてもいいと思う」

 月並みな感想だった。気の利いたことの一つも言えないのかと思った。でも、そういうと、彼女は満足げに微笑した。そして、僕の腕を引っ張って、意気揚々と改札へと向かっていった。彼女の足取りはとても軽やかだった。嬉しそうな彼女を見て僕もなんだか心が温かくなった。でも、彼女が、歩く速度を僕に合わせてくれているのが男として凄く恥ずかしかった。

 電車はそれなりに混雑していた。夏休みだから仕方ないと言えば仕方ない。でも、座れないどころか、満員電車よりも多少マシな程度でしかなかった。冷房がしっかり効いているので、暑さによる不快感はさほどない。でも、すぐ近くに、人がいるのはやはり慣れなかった。でも、その車内環境以上に、目のやり場にとても困った。彼女が、扉付近に立ち、僕はそれに向かい合う形だった。こうなると、身長の関係から、彼女の胸が僕の目の前にくる。非常に困る。僕も女性の身体に対して、人並みの興味はある。しかも、彼女はとてもスタイルが良い。気になって仕方がない。幼馴染をそんな目で見るなど最低なので、なんとか目線を逸らす。扉に貼ってあるくだらない酒の広告や、近くのおじさんなんかを観察して、必死に気を紛らわす。扉に反射した自分の顔がとても険しくて、なんだか笑ってしまいそうになった。笑い事ではないが。

「ねぇ、大丈夫?さっきからしんどそうだけど」

彼女が、心配そうに声をかける。非常に申し訳ない。

「ううん、全然大丈夫だから。何ともないよ」

そういうと、彼女はそうなんだ、といってまた黙ってしまった。基本的に彼女は隠し事をされたり、頼ってもらえないことを嫌がる。勘が良い彼女のことだから、僕が何か隠していることには気づいているだろう。だからといって、本人に直接話せるわけではないのが問題である。もし話したら、一瞬で嫌われてしまうだろう。

 そうこうしているうちに、ショッピングモールがある駅までたどり着いた。人々が、流れる川のように、規則正しく電車から吐き出されていく。無数の人間が押し合いへし合いしているうちに、彼女を一瞬見失ってしまった。何とか混雑を抜けて、彼女と合流すると、彼女がこういった。

「また、はぐれたら大変だからさ、手、つなごうよ」

少し恥ずかしかったけれど、僕はそっと左手を差し出した。握った彼女の手は僕より大きかった。でも、女の子特有の柔らかさがあってそれだけで、なんだかドキドキしてしまった。

僕たちは、ショッピングモール内を並んで歩いていた。色とりどりの広告が次々と目に飛び込んでくる。購買意欲を煽るためであろう楽しげな音楽が耳に響く。それに、合わせるかのような女性の事務的なアナウンス。ショッピングモールに来た、という気持ちになる。夏休みのショッピングモールは混雑していた。家族連れや、カップルが沢山いた。僕たちは、その中を特に行く当てもなくぶらぶらしていた。

「私たち、他の人からしたら、どんな風に見えてるのかな?」

彼女が急にこんなことを言い出すから、困ってしまう。どういう意図だろう。僕と手をつないでいるのが恥ずかしいということだろうか。確かに、学校の知り合いに見られたでもしたら気まずいし、弁明が大変だ。

「手をつなぐの、嫌だった?確かに、そういう関係に見られちゃうかもしれないしね。まぁ、この身長差だから、どう見ても姉と弟に見えるだろうけど」

僕としては、割と面白い冗談を言ったつもりだったのだが、彼女は口角を一切上げなかった。それどころか、若干不機嫌そうな顔をした。手を放してこないので、そういう意図ではなかったのだろう。それが、癪に障ったのだろうか。話題を逸らそうと思い、本日の本題、先輩に渡すプレゼントの話をすることにした。

「その、女子高生って、何をもらったら嬉しいものなの?」

彼女は若干機嫌を直してくれたようだった。少し考えこんだ後、口を開いた。

「そうだね、化粧品なんかは、止めといたほうがいいかもね。肌に直接つけるものだから、相性があるしね。アクセサリーなんかは喜んでくれるかもしれないけれど、これも、好みが分かれるから、ちょっとリスキーかも。やっぱり、アロマとか、お菓子とかの、消耗品のほうがいいんんじゃない?」

なるほど、化粧品はよしたほうがいいのか。彼女は頼りになるなと思った。女性の視点から、意見をくれるから非常に参考になる。彼女を誘ってよかった。先輩は、甘いものが好きだから、ちょっと高めのお菓子なんかがいいかもしれない。僕がそんなことを考えていると、彼女が、ゆったりとした声で付け足した。それはなんだか、僕に囁きかけるみたいな話し方だった。

「でも、私は、好きな人からもらえるものなら、何でも嬉しいかな」

そう言った彼女の顔は本当に綺麗だった。

若干動揺してしまったが、行先は決まった。二階にある少しお高めのお菓子屋で、焼き菓子を買うことにした。僕たちはエスカレーターに乗って店まで向かった。不思議なことに、僕たちは一言も言葉を交わさなかった。周囲の喧騒から離れて、二人だけは静寂だった。それは、直前の彼女による発言が、二人の間に若干の緊張感をもたらしたからだった。決して居心地が良いわけでもないのだけれど、居心地が悪いわけでもない不思議な感じだった。このままではいけないと思い、なにか世間話をしようと考えた。よくよく考えれば、彼女は、先輩について何も聞いてこなかった。彼女と僕がどういう関係にあるのかなどは、一切聞いてこなかった。わざわざ、先輩へのお礼の品を選んでもらっているのに、彼女にそれを伝えないのは道理が通らない気がしたので、これを機に話すことにした。そんなことを考えていると、先に彼女が口を開いた。図らずも、僕が考えていたことと、同じ内容だった。

「そういえばさ、空とその先輩はどういう関係なの?」

なんだか、探るような聞きかただった。関心はあるのだろうが、声は全く弾んでいなかった。確かに、今まで何も伝えずにここまで来てしまったから、腹を立てるのも当然だ。僕は先輩との関係を話すことにした。

「先輩は一つ上の部活の先輩で、うちのバスケ部でマネージャーをやってた人なんだ。中学時代は自分も選手だったのだけど、足の怪我で続けられなくなって、高校からはマネージャーになったんだって。とても後輩への面倒見がよくて、僕も本当にお世話になった。放課後にシュートの練習に付き合ってもらったり、練習の後はご飯をおごってもらったり、本当に優しい、あこがれの先輩だった。あと、話がとても面白くて、合宿の時なんかは……」

僕が話を続けようとすると、彼女が唐突に会話を遮った。

「そういうことは聞いてない」

僕は彼女と何十年も一緒に生きてきたけど、こんなに苛立ちを露わにしているところを見たことがなかった。低い声からも、彼女の怒りが容易に読み取れた。彼女は、僕よりはるかに体格に恵まれているから、威圧感がすさまじかった。生物的な本能としての恐怖を感じた。

「私が、聞きたいのは、その先輩と付き合っているのか、付き合ってないのか、それだけ」

彼女は、先ほどよりも、苛立ちを抑え、でも、明らかに威圧するかのような声で僕に尋ねた。おそらく、彼女が、聞きたかったことと、僕の回答に致命的な乖離が存在していたから、彼女は激しい憤怒を覚えたのだろうか。それにしても、彼女はそこまで、短気な人間ではなかったような気がする。早く答えなければならないことは間違いなかったので、僕は急いで答えた。

「あ、えっと、全然そういう関係じゃないよ。僕から見ても尊敬できる先輩であって、それ以上でもそれ以下でもないし、先輩からしても、きっと、可愛い後輩くらいのイメージだったんじゃないかな」

僕がそう答えると、彼女は、ふーん、と言ってまたいつものような彼女に戻った。彼女に対して、先輩の話はしてはいけないようだが、そんなに先輩のことが嫌い、あるいは苦手なのであれば、どうして、買い物に付き合ってくれているのだろうか。昔は彼女のことは。どんなことでも、わかると思っていたし、実際そうだったけど、今はさっぱりわからなかった。

その後、彼女と相談しながら、お菓子屋さんでクッキーを買った。時計は16:00を指していた。昼から集合したので、概ねこんなものである。当初の目的はすでに果たした。でも、僕にはまだやらなければいけないことがあった。

「今日のお礼がしたいんだけど、何か欲しいものとかある?」

彼女は、驚きと喜びが入り混じったのような表情を浮かべた。そして、3階の化粧品売り場を指さした。

「ここがいい」
「化粧品とかって、肌によって相性あるから避けたほうがいいんじゃないの?」

僕は揶揄うように言った。

「本人がいるから、別でしょ。いいのいいの」

彼女が先導する形で、僕たちは化粧品店に向かった。僕は化粧品には全く以て疎かった。四角や丸のケースの中に、色とりどりの板?が敷き詰められていた。これを肌に塗るのだろうあ?それ以外にも、液体が入ったボトルなど、様々なものが陳列されていた。もし、僕が女の子だったら、これらすべてを把握して、使わなければいけないと思うと、ゾッとした。とても、僕にはそれはできそうになかった。僕にとっては、意味不明な空間だったけど、彼女はその中を慣れた足取りで進んだ。僕もおいていかれないように彼女に着いていった。彼女は、棚から何か手に取った。そして僕に見せた。

「これがいいな。君とおそろいがいい。二人で、同じやつ買おうよ、君の分は私が買うから」
「それだと、お礼にならないじゃん。」
「いいの、いいの。二人でリップクリームを送りあうなんてなんだか素敵でしょ」

そのあとも、二人分、僕が払うと言ったけど、彼女は聞かなかった。こういう時の彼女は非常に強情で、自分の意見を曲げない。仕方がないので、それぞれ相手にリップクリームを買って、それを送りあった。しかも、まったく同じものである。そうであれば、贈りあう必要はあったのかと思ってしまうけれど、彼女にとってはそれが一番重要だったのだろう。僕からもらったリップクリームをその大きな体で大事そうに持っていたことから、それは明らかだった。僕の予想した形のお礼ではなかったけど、彼女が喜んでくれたので、まぁ良いかと思った。


僕たちは、そのまま、電車を利用して、家まで帰った。駅からは、徒歩で移動した。あたりは、もう真っ暗になっていてすっかり夜だった。街灯の光だけが二人を照らしていた。僕たちの家は隣接しているので、それぞれの家の前で解散という手はずだった。でも、彼女が思いもよらない発言をした。

「今日さ、夕食うちで食べていかない?両親は二人で旅行に出かけてるから迷惑にはならないよ。なんなら、私も夜に一人だとちょっと寂しいんだよね。一緒にいてくれるの助かるのだけど」

僕は困った。確かに、僕たちは、子供のころはよくお互いの家で遊んだし、食事を共にすることもあった。でも、中学生になって以降は、めっきりそんなことはなくなった。いくら幼馴染で、仲の良い友人のような関係だからと言って、夜に相手の家に遊びに行くのはさすがに倫理的に許されない。それくらいは僕でもわかる。付き合ってもない男女にしては、一線を越えすぎている。僕は断ろうとしたけど、彼女はそれを察したのか、言葉を付け加えた。

「さっき、お礼にならないって言ってたよね。じゃあ、これがお礼ってことにしてくれない?」

彼女がいたずらっぽく笑って言った。こうなると僕も断り切れなかった。仕方がないので、彼女の家にお邪魔させてもらうことにした。彼女は嬉しそうに、自分の家の鍵を開けた。そして、僕を中に手招きした。

「どうぞ、入っていいよ」
「お邪魔します」

久しぶりに入った彼女の家は、僕の幼いころの記憶通り、洗練されて清潔だった。シックな家具を基調に落ち着いた雰囲気だった。木材特有のかぐわしい匂いが鼻腔を刺激する。まさに、上流階級の家、と言ったような雰囲気だった。彼女は、キッチンへと向かい、準備を始めた。

「下ごしらえは終わってるから、すぐにできるからね」

なぜ、下ごしらえがもう終わっているのだろうか。彼女は最初から、僕のことを家に招くつもりだったのだろうか。そういう疑問は、包丁とまな板の子気味良い音と、食欲を煽る香りで吹き飛んだ。昔から料理が得意だったけれど、こんなに上手だったわけではない。きっと、何度も数をこなして成長したのだろう。しばらくすると、彼女は机の上に料理を並べだした。

「はい、できたよ。おなか一杯になるまで食べてね」

家庭料理とは、思えない程のクオリティと、品数だった。色とりどりの野菜や、肉類など、僕が名前もわからないようなお洒落な料理が大量にテーブルに並んでいる。もしかして、普段からこんな品数なのだろうか。そうだとすると、恐ろしいなと思った。

「いただきます」

全て食べられそうにはなかったので、とりあえず一通り食べてみることにした。作ってもらって一口も食べないのは悪いからだ。どれも絶品だった。こんなに美味しいものは食べたことがないというくらい美味しかった。

「本当に美味しい。お店出せるんじゃない?これ」

彼女は満足げに、そして自慢げに笑った。そういう態度をとっても違和感がないくらい美味しかった。僕は多少喉が渇いたので、水をもらうことにした。

「あ、ごめん、水もらっていいかな」

そういうと、彼女は水を注いでくれた。もしかして、水さえ特殊だったりするのだろうか、そんなことを疑いながら口をつける。あ、よかった普通の水だ、そう思ったときにはもう遅かった。だんだんと、意識が遠のいていくのがわかった。つまらない授業を受けているときに、眠くなるのと同じ感覚だった。やがて、ぷっつりと意識がなくなった。

目が覚めた時、僕はベッドの上にいた。仰向けに寝かされていた。おそらく、彼女の部屋だろう。はるか昔に見た間取りと同じだ。家具の配置や種類は変わってしまっているけれど、見覚えがある。僕が起き上がろうとすると、目の前に彼女がいた。いや、目の前にいるというのは正確ではなかった。僕にまたがって座っていた。おそらく、僕が急に眠ってしまったのを、彼女が部屋まで運んで寝かせてくれたのだろう。

「あ、起きたんだ」

彼女が笑って言った。

「ごめん、急に寝ちゃったみたい。起きるからどいてくれる?」

そうは言ったけれども、目が覚めて、頭が働いてくると、そもそも、なんで彼女が僕の上にいるのだろうと不審に感じた。何かがおかしい気がする。そんな考えが頭をよぎった時にはもう遅かった。彼女の手が僕の手首を、強く押し付けた。彼女の息は荒く、頬は紅潮していた。明らかに普通でなかった。獣のような冷たく鋭い眼差しが、獲物を見つめていた。

「君が悪いんだ。私に今まであんなに思わせぶりな態度をとっておいて、勝手に他の女を好きになるなんて冗談じゃない。絶対に許さない。今ここで君を私のものにする。大丈夫、気持ちよくしてあげるから。私に全部委ねて」

彼女が意図することがこの状況からはっきり読み取れた。僕は、全力で力を込めて、彼女の拘束から逃れようとする。でも、びくともしない。彼女は平然と、何の苦労もなさそうに僕を押さえつけ続けている。

「こんなに、小さい体で私に逆らおうなんて考えちゃ駄目だよ♡わかるかな?君が私に力で勝てるわけないよね。君はこのまま私に犯されるしかないんだよ♡」

怖かった。自分よりも圧倒的に体格と力に優れる人物に襲われるという恐怖。女性がレ○プに対して感じる恐怖心が今ならわかる気がする。生物としての圧倒的な格の違いを見せつけられ、なすすべもない。彼女はどうしてしまったのだろう。彼女がおかしくなってしまったのは、僕のせいなのだ。でも理由がわからない。それが、分かれば、説得できるかもしれない。

「その、僕が何か気に障るようなことをしたなら、謝るから……。できるだけ、今後改善するから。だから、離して……」

僕がそういうと、彼女は大口を開けて笑った。壊れてしまった人形みたいな笑い方で正直不気味だった。きっと、彼女をこうしてしまった責任は僕にある。僕が彼女をこんなに悲しい人間にしてしまったんだ。

「よく言うよね。本当に。好きで好きでたまらない人と一緒に、出掛けられた。ここまではよかったさ。でもさ、それが他の女のためっていうのがありえないよね。私がどれだけ辛くて、苦しくて、憎かったか想像できる?できないだろうね。私はね、君からほかの女の話なんて一秒だって聞きたくないんだよ。さらに言えば、君の周りに他の女がいることも耐えられない。ずっと私だけを見ていてほしい。それなのにさ、君は、私の前で、その先輩がどれだけすごいか、どれだけ自分と親しかったか、私に嬉々として語ってきたよね。もう私の心はぐちゃぐちゃだよ。想像できるかい?好きな人と一緒にデートをしていると思ったら、他の女の話をされるんだよ。デートだと思ってたのは、私だけかもしれないけれどね♡でも、君がいくら鈍感であっても、嫌いになれるわけがない。だって、私が欲しい反応と言葉を絶対にくれるから。君が服をほめてくれた時は嬉しかったなぁ♡あれ、結構勇気が必要だったんだよ。君が女の子らしい女の子が好きなんだって気づいたから、ああいう服装にしたんだ。でもさ、やっぱりだめだよね。君は結局、あの先輩みたいな、小柄で可愛らしくて快活な、そういう女の子としての魅力たっぷりな人が好きなんだろう?私とは正反対だよね。胸の大きさとか、そういう性的な魅力では、負ける気がしないけれど、こんな、女の子らしくない、デカ女は嫌いでしょ♡そのくせ嫉妬深くて、束縛するし。きっと、私は君のタイプじゃないんだろうなって今日はっきりわかったんだ。だからね、たとえ私が君の好みじゃなくても関係ない。今から、君が私のことを好きになるまで、君を犯し続ける♡有無は言わせない♡私の彼氏になるって言うまで、ずっと、ずっと、君が枯れても君を犯し続ける♡」

彼女は酷く饒舌だった。時に自嘲的で、時に声を荒げて、完全に普通ではなかった。僕が責任を取らないと。

「落ち着いて。君はとても綺麗だし、女性としてもとても魅力的だよ。そんなこと言わないで」

彼女は、そっとため息をついた。そして、僕の体に覆いかぶさった。彼女の吐息が耳元でじかに聞こえる。

「ほんとにさぁ♡なんで、いつも、私がほしい言葉ばかりくれるの?そんなに私に犯されたいの♡」

 彼女はそう言って僕の首筋に噛み付いた。強く噛まれているはずなのに不思議と痛みは感じなかった。まるで、自分の所有物に印をつけるみたいだった。僕は抵抗できずに、彼女に組み伏せられている。僕の腕は、彼女の足で押さえつけられていて動かせないし、彼女の手は僕の両手を握りしめたままで動かない。僕はどうすることもできなかった。何をすればいいのかもわからなかった。彼女は、僕に顔を近づけるとキスをした。舌が口の中に入って来る。彼女は、僕の口の中で、舌を絡めた。それがたまらなく気持ちよくて、それだけで、天国に行ってしまいそうな心地がした。彼女はまるでセックスするかのようにキスをした。僕の口内を○すという強い意志を感じた。初めてのキスは甘酸っぱい味だなんて嘘だと思った。ひどく淫猥で、甘ったるい味がした。

「んっ♡あっ、……んんっ……!?ぅあ♡」

僕はただ喘ぎ続けることしかできなかった。彼女はキスをしながら、僕を押さえつける手を少し緩めた。彼女は僕に馬乗りになったまま器用に服を脱いだ。彼女の女性的で魅力的な肢体が露わになった。下着姿の彼女はとても、煽情的で、僕の男性としての欲望を掻き立てるものだった。でも、それを見てはいけない気がした。幼馴染の下着姿なんて、見てはいけない。まるで盗撮をしているかのような心地だった。

「一応、今日のために可愛い下着を選んできたつもりなんだ♡」

 フリルや繊細な装飾があしらわれた黒色の下着は確かにかわいらしいながらも、女性的な魅力が溢れていた。ほぼ脱がすための下着といった趣だった。でも、それを気恥ずかしそうに言う彼女がさらにたまらなく愛おしかった。彼女は、ブラのホックを外すとそれを脱いだ。大きな乳肉が露わになって、僕の視界に入る。彼女は、僕を見下ろしながら言った。彼女はその大きすぎる乳房に手を伸ばし、自分で揉み始める。僕に見せつけているのだ。その行為によって、柔らかな乳輪が歪み、乳頭がツンと主張するように固くなっていく。彼女のその行為は僕を魅了するのに十分すぎるほどの効果があった。しばらくすると彼女はその胸から手を離す。彼女は僕の体に跨るようにして、僕の体を固定する。それからゆっくりと僕の下半身へと顔を下げていく。そして、僕のズボンをおろし始めた。パンツ越しに勃起しているペニスが見えて、さらに大きく膨らんでいく。それを見て、彼女は嬉しそうに笑った。僕はたまらず声を上げる。

「いやっ、やめっ」
「よかった。私に興奮してくれているんだね♡とっても嬉しいな。口ではそんなこと言ってるけど、君の身体はとっくに交尾の準備を終えているみたいだね。目の前の雌とエッチしたいよ♡エッチしたいよ♡って頑張って主張してるよ♡これは、もう合意ってことでいいかな♡」

 めちゃくちゃな理論だった。でも、興奮していること自体は否定できなかった。彼女は、僕を無理やり○すのではなくて同意を求めるような言い方をした。彼女は、自分の唾液を使って、指先を湿らせると、僕のアナルに触れて、穴の周りを優しく撫でる。彼女の指先は、とても熱くて溶けてしまいそうだ。そして、少しずつ中に入ってくる。異物感が強くなっていって、肛門に力が入ってしまう。でも、彼女の指をきつく締め付けてしまうせいで、余計、意識してしまう。そのたびに、僕の体は跳ね上がる。そして、僕のペニスも激しく痙攣する。それでも、彼女は僕の中に侵入し続けた。そしてついに、指は根元まで飲み込まれてしまった。彼女はその状態で、僕の中に挿入されている指をクニクニと動かした。そして僕の反応を楽しむかのように笑う。僕の方はといえば、必死で声を抑えるだけで精一杯だった。

「……っ……う……♥」

 彼女は指を引き抜く。腸内が擦られる刺激に耐えきれずに、僕は小さく喘いでしまう。それが、恥ずかしかった。彼女はそんな僕の表情を見ながら満足そうにしている。彼女にとって、僕の痴態を見ることが何よりも重要なことらしかった。彼女はまた僕にまたがって、僕にキスをする。舌が絡まり合い、互いの唾液を交換するかのように何度も口づけを繰り返す。彼女の口内に残った血の味が、僕にとっては何より甘く感じる味になっていた。僕は彼女の背中へ手を回した。彼女の背筋がぴくりと震える。キスを続けながら、彼女の手は僕の乳首を触り始める。指先で弾いたり、つまんだりする。くすぐったさと快感の中間みたいな不思議な感覚が襲ってくる。しばらくして、彼女の手が離れたかと思うと、今度は僕の胸に舌を這わせてきた。そして、吸い付いてくる。乳首が口の中に含まれると彼女の熱い口内で、舐られ続け僕はビクビクと身体を震わせることしかできなかった。彼女が僕の胸から口を離すとそこには、唾液に塗れた二つの乳頭があって卑猥さを醸し出していた。

「っ♥ん♥うっ♥」

そして僕は彼女の秘所を下着越しに見つめる。そこが湿っていることに気がついてしまったからだ。彼女はそれを恥じらう様子もなく見せつけてくる。彼女は腰を動かした。下着には染みができていてそれが僕の視覚を○すようだった。

「私も、準備出来ちゃった♡君がほしいな♡」

 彼女はゆっくりと、僕の股間へと移動していく。僕の陰茎ははっきりとその存在感を主張していた。彼女はそこに触れないようにしながら太腿を撫で始める。焦らすみたいに僕のペニスを挑発する。僕の理性は徐々に崩れ始めていた。彼女は僕のパンツを下ろすと僕の性器を露出させた。それからすぐに、彼女は自分の下着を脱ぐ。彼女の濡れている部分と僕のペニスの先が一瞬触れる。そして、僕たちは見つめ合う。彼女の目からは情欲の色が見え隠れしていて、僕のことを逃がさないという意志を感じ取れた。そして、僕の亀頭に彼女の愛液の滴る秘部を当てつけるようにゆっくりと押し付ける。それだけで僕の頭の中が蕩けていくような感じがしておかしくなりそうだった。

 彼女はゆっくりと腰を落とす。ずぶずぶと音がしそうなくらいゆっくりとペニスを飲み込んでいくのを感じる。彼女の中は熱くて、ドロっとした蜜に満たされていた。まるで、生き物みたいに僕を刺激して射精させようとしているみたいだ。それに抗うことは、不可能だと思えた。ただ、彼女に全てを委ねること以外考えられないほど思考力は奪われてしまっていた。そして、遂にペニスが完全に彼女の膣内に収められてしまった。彼女の身体が大きく痙攣するように震えると、僕のペニスにまとわりついた肉ヒダがきつく締め付けてきた。それは、強烈な快楽で脳天を突き刺されたのかと思ったほどだった。彼女はそのまま、腰を前後に動かし始める。僕のモノを出し入れするような動きに合わせて、肉ヒダが僕の敏感な部分を擦っていく。僕のペニスは彼女の膣の中で暴れ回るかのように膨張する。そのたびに、彼女は体をびくんと跳ねさせて悦んでいる。

「やめて、時雨ちゃ…ん。友達に……ッ♥戻ろう。んっ♥まだやり直せっ…ぇ♥♥だって、こんなの……おかしいよ。付き合ってもない男女が……ッ♥こんなこと……したらッ♥ダメだよ……ッ。また……ぁっ、昔みたいな……、関係に戻ろう?」

僕の方にも余裕はなくなってきた。彼女の身体の動きも次第に激しくなってきて限界を迎える瞬間は近かった。でも、僕はまだ正気を失ってはいなかった。そして、必死で抵抗を続けた。彼女とこのまま一線を越えてしまうわけにはいかないのだ。

「だめっ、♡ひにんも、してなっ…♡しぐれちゃんっ、んんっ、にんしんっしちゃうっ、…だめッっ♡」

しかし、彼女はそんなことはお構いなしに、自分の欲望に従って、僕の言葉など耳に入れずに、自分の気持ち良さのために僕を使い始めた。彼女は僕の言葉なんて聞こうともしない。それどころか僕を犯して楽しんでいるようでもあった。彼女は絶頂に達しようとしていたようで息遣いも荒くなっていた。僕を責め立てる速度が上がり、子宮口まで押し込まれる。僕のペニスがさらに膨らむ。彼女が甘い声をあげる。その姿を見て僕は正直興奮していた。最低だと思った。その痴態を見せつけられて我慢できなくなった僕はついに彼女の中に精を吐き出してしまった。精管をせり上がってきた熱いものが一気に放出される。僕は呆然としながら、彼女を見つめていた。彼女は僕の精子を全て受け止めてしまった。僕は涙を零した。もう取り返しのつかないことになってしまったという後悔が心を蝕んでいく。どうしてこんなことになったのだろう? 彼女は僕の上に覆いかぶさるように倒れ込んだ。僕は、彼女を抱きしめたかった。それは性的な欲求ではなくて、彼女を犯してしまって責任と申し訳なさからだった。

「君が責任を感じる必要はないよ。私が勝手に始めたことだから♡」

彼女が僕の上からどいてくれなかったので何もできなかった。彼女は小さく呼吸を繰り返していた。彼女の下腹部を見ると僕の出した白い液体が垂れていた。それからしばらく経って、彼女がようやく僕の上から離れた。僕は立ち上がることもできず、彼女のなすがままにされているだけだった。僕は大切な幼馴染を傷つけてしまったという事実と、経験したこともない快楽に打ちのめされて動けなくなっていた。僕はこれからどうすればいいのか全くわからなかった。

「待って……いかないで。話したいことがある。」

僕は部屋から出ようとする彼女を止めた。彼女は若干怪訝そうな顔をしながら戻ってきた。

「あのね、さっきも言ったけど、僕は別に先輩が好きなわけじゃないよ。僕が好きな人は君だよ。君だけだよ。こんな形になし崩し的な告白になってしまってごめんね。だから、僕と付き合ってください」

彼女は嬉しそうな、でも困惑した表情を浮かべた。

「ほんとに?ほんとなの?そんな様子ほとんどなかったよね?」

念を押すように、ぬか喜びをしないようにと、彼女が念を押して確認してくる。

「本当だよ。僕はね、昔から君のことが好き。でも、正確に言うと、今日までずっと諦めてた。君はとっても素敵な女性だから、僕が君の隣に立つべきじゃないと思ってた。将来もっと君にふさわしい人が現れると思ってたんだ。きっと勇気がなかっただけなんだ。そういって自分に都合の良い言い訳をして、君から逃げていた。君が僕のことを好きになるなんてありえないと思っていた。でも、もし君が僕を好きになってくれるのだとしたら、もっとふさわしい僕になってから、お付き合いをしたいと思ってたんだ。できれば、身長も君より高くなって、君よりも力も強くなって、そういう男性になって初めて、君と交際する権利があると思ってたんだ。でも、君は、ありのままの僕を好きだと言ってくれた。だから、そんな自分を受け入れて、僕も君を好きになろうって思ったんだ」

そう言い終わる前に、彼女は僕に抱き着いてきた。お互い全裸だったけれど、不思議と性的な感情は湧いてこなかった。彼女は相当強く、僕を抱きしめてきたので、ちょっと痛かった。でも、僕のほうからも彼女を抱きしめた。そういう時間がずっと続いた。お互いの愛を確かめ合うみたいに、ずっとそうしていた。すると、彼女が耳元で囁いた。

「私、君より身長高いよ?気にしない?こんな私でも好きになってくれる?」
「気にしないよ」
「すごく嫉妬するよ。ほかの女性と話してたら我慢できないかもしれない。それでもいい?」
「いいよ」
「私、可愛くないよ。私より女の子らしくて可愛い子いっぱいいるよ?」
「君は可愛いよ」
「私重たい女だよ。結婚まで責任取ってくれる?」
「とるよ」

僕は、彼女にキスをした。彼女の唇は柔らかくて、温かかった。彼女の腕は僕の背中に回されていて、離れないようにしっかりと掴まれていた。僕は、彼女のことがとても好きで、彼女のことを世界でいちばん大切にしようと誓った。僕は、この日のことを一生忘れないだろう。僕たちは、お互いに、今までの人生で一番幸せな時間を過ごしたと思う。僕は、彼女のことが好きで、彼女と付き合えて本当に良かったと思った。彼女と恋人同士になれてよかったと思った。僕は幸せ者だと思った。僕が唇を話すと、彼女は本当にうれしそうに笑った。昔から知っている、彼女の純粋で美しい笑顔だった。でも、今まで見た彼女の中で一番きれいだった。

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