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2023年 11月の記事 (4)

わくわく城下 2023/11/29 21:20

『DQN-親友裏切り-』ちょい出しサンプル3-4

「くっ、何を―――!!」

ドスッドスッッ!!

澤北さんが、それに気づいた時には既に遅かった。
差し出した右手を引き寄せられてバランスを崩したところに、凶悪な腹パン2発。
みぞおちにキレイに決まり、膝から崩れ落ちてしまった。

「っ………お前という男は………どこまで卑怯な―――」

ドスッドスッドスッッ!!

――ひぃいっ!

オレの喉奥で、潰れた悲鳴が上がる。
だって、言い終わらないうちに、また3発だ。

一志君はぐったりしている澤北さんから衣服を剥ぎ取り、またパンイチにして両手両足をガムテでぐるぐる拘束してしまった。
そしてズボンのポケットに入れてあった、粉薬のようなものをムリヤリ飲ませた。

「だから油断すんなって言ったろ? って言ってねーか。まあ、どっちでもいいや♪」

床に転がされている澤北さんを、一志君が笑って見下ろす。

「貴様、よくも………っ」

「顔はさけてやったんだ、有難く思いな。にしても、改めて見てもでけぇモッコリだな、なかなかそそるぜ♪」

「―――ッ、オレに何を飲ませた、今のは睡眠薬じゃないだろ」

「当たり。気持ちよくなるオクスリだっつったらどーする?」

「じょ、冗談はよせ」

「おいおい、ビビり過ぎだって、オレまで勃起しちまうだろ♪ 今時媚薬ぐらい、みんな使ってんぜ」

「お前の周りにいる連中と一緒にするな………―――っ、ッ」

その瞬間、澤北さんの表情が曇った。

「おっと、即効性だからもう効いてきたみたいだな」

一志君がにやりと口角を持ち上げながら、足先でツンとモッコリにタッチ。
びくっ!と、大げさなほど反応してしまう澤北さんの身体。

「扱きてぇだろ、手伝ってやろーか?」

「ふざけるなっ! 二度とオレに触れるな!」

「でもよぉ、自覚あるかどうか分かんねーが、お前の立派なナニが、イイ感じに自己主張はじめてんぜ♪」

一志君の指摘どおり、澤北さんのアソコが窮屈そうにボクサーパンツを押し上げている。
「くっ」と双眸を細めた澤北さんの頬に、羞恥が浮かぶ。

「意地張んなって。――つっても、きかねぇだろうから先に言っておいてやる。オレはオレに楯突くヤツは徹底的にヤッちまわねぇと気がすまねぇ。だから手加減なんて一切しねーから覚悟しな」

そう言って、一志君がしゃがみこんだ。
そして下着の中で斜め向きに膨張しているペニスを布越しに掴んで、ゴシッゴシッゴシッと手荒く扱き出す。

「くっ………ッ、よせっ――っっ、止めろと言ってるだろっ!」

自由のきかない両手足をバタつかせて、何とかこの最悪を回避しようと、力を振り絞る澤北さん。
しかし、そんなものは一志君にとっては細やかな抵抗でしかない。

わくわく城下 2023/11/23 13:08

『DQN-親友裏切り-』ちょい出しサンプル3-3

………ど、どうしよう。

予想していた以上に、緊迫した空気になってきた。
立ち去るタイミングを逃したせいで、ついついこの場に居続けているけど、ここは一秒でも早く退散した方がよさそうだ。

………………………。

でも一方で、この後の展開も気になるし…………。
もしこの場に勲がいたら、『おもしろそうだから見てよーぜ』――なんて、スマホ広告を見るような感覚で言いそうだけど。

………………………。

そーいえば、今ごろ勲はどーしてるかな?
放課後に校長室に呼ばれるなんて、何があったんだろう?
気になるし心配だから待っていると言ったオレに、いつ終わるか分からないからとカギを預かって来た。
まさか、こんなド修羅場に出くわすことになるなんて………。

「で、どーするよ、大事なイトコのために100万出すのか出さねぇーのか」

「論外だ。俺のやり方で解決させてもらう」

「はっ、言うじゃねーの。剣道一筋でまともに殴り合ったこともねぇーくせによ」

「確かに、暴力沙汰は俺の生き方に反する。だが、相手がお前のようなクズなら話は別だ。はっきり言っておく、俺は竹刀を持てば最強だが、竹刀を持っていなくても負けるつもりはない」

わわわっ!
ど、どうしよう、マジで一触即発の空気に突入しちゃってる!

澤北さんは、本気で今にも一発かましそうな雰囲気だし。
そうなった場合、オレはどうしたら?
ガタイのいい二人のガチンコを止めに入る?
いやいやいや、ムリッ! そんなの絶対ムリだって! オレの方がヤラレちゃうよ。

でもだからといって、どちらか一人ががボコボコにされるまで、黙って見ている?
いやいやいや、それはそれで居心地が悪い上に、後味が悪過ぎでしょ。

『兄貴とまともにやり合えそうな人なんて滅多にいないし、どっちが勝つが賭ける?』

勲なら言いそう………うん、すごく言いそう。
しかし残念ながら、オレはそこまで肝が据わっていない。

「これが最後だ。オレの前で、お前が持っている恭也の脅迫ネタを全て消せ。でなければ、力尽くでそうさせてもらう」

妥協を許さない、澤北さんの口調
しかし、一志君が受け入れるはずなんて絶対にないから………

どうしよう、どうしよう、めちゃくちゃヤバイじゃん!
止められないケンカが始まってしまう。
ところが………

「分かったよ」

………え?

「本気のお前とヤリあったら、オレも無傷ってわけにはいかないだろーしな」

一瞬聞き間違いかと思ったけど、そうじゃなかった。

………信じられない

あの一志君が自分から折れるなんて。スマホを取り出して、動画を消去したところを澤北さんに見せている。

「これでいいか?」

「………あ、ああ」

………さっきまでの危険な空気はどこいった?

あまりの急展開に拍子抜けしてしまう。
澤北さんも微妙に眉根を寄せている。

「からかって悪かった」

しかも、一志君らしからぬ台詞。
ソファーから立ち上がって、右手まで差し出している。
つまり、溝を埋めるための握手を求めている。

「最後くらい付き合えよ」

「………そうだな」

多分、澤北さんという人は、根がすごく真面目なんだと思う
だから直前まで毛嫌いしていた相手でもあっても、握手を求められたら疑いを持つよりも前に、まず自然と応じることが身についてしまっているのだろう。

わくわく城下 2023/11/21 13:00

『DQN-親友裏切り-』ちょい出しサンプル3-2

「颯太、来てたのか」

一志君は、衣服を着終えていた澤北さんを見ても、特に何も言わなかった。
この状況で、オレがガムテを解いてしまったのは明らかなのに………

「ごめん、勝手なことして………」

「いや、構わねーよ」

「西園寺、どういうつもりだ、オレに何を飲ませた!」

激オコの澤北さんが、一志君の正面に立つ。

「声がデケぇよ、ただの睡眠薬だろーが。つか、油断し過ぎだろ、剣道の有段者のくせに簡単に盛られてんじゃねーよ」

「―――ッ、恭也のことで話があると言ったら、お前から招き上げたんだろ。家主から茶を出されたら口をつけるのが常識だ。どれほどお前を毛嫌いしていてもな」

「…………………………」

一志君は何も答えず、ついでに言うと全く悪びれもせずに、澤北さんの横を通り過ぎて、ソファーにどかりと腰を下ろす。

「おいっ!なんとか言ったらどーなんだ! 睡眠薬もだが、あんな格好で放置して、オレに何か言うことはないのか!」

「スリルあったろ? 他人チでパンイチで身動きが取れないなんて、そうそうできる経験じゃないぜ♪」

「お前というヤツは、性根から腐り切っているな」

「オレとしちゃあ、剣道有段者のお漏らしに期待してたのにな」

「………………理解に苦しむ。恭也はなぜお前のようなクズとツルんでいたんだ?」

「オイオイ、勝手に過去形にしてんじゃねーよ。今でも仲良しのラブラブだっつーの」

「ふざけるなっ!恭也を脅しているくせに!」

「………アイツがお前にそういったのか?」

その瞬間、一志君の眼光が凄みを増した。

「ここ最近様子がおかしいから、オレが強引に聞き出したんだ」

「………例の動画も見たのか?」

「動画だと?」

「オレの弟にガン掘りされてるところを、そこにいる颯太に撮らせたんだよ」

「なっ―――!」

驚愕に強張った顔をこちらに向ける、澤北さん。
でも、それはほんの一瞬で、スグにまた一志君に視線を戻した。

「その様子じゃあ動画どころか、内容も知らなかったみてーだな」

「………オレは弱みを握られ、脅迫まがいのことをされているとしか………」

「それで? 恭也がお前に助けてくれって泣きついたのかよ?」

「………いや、今日ここに来たのは俺の独断だ。恭也には片を付けてから話そうと………」

「ふっ、そんなこったろーと思ったぜ。クソ真面目なお前に問い詰められて、渋々打ち明けたってところか」

「………………っ」

「恭也のことならオレの方が熟知してる、二度としゃしゃり出てくんじゃねーよ。テメェは帰って竹刀でも振ってな」

自分たちのことには口出しするなと、はっきりと線引きする。
しかし、澤北さんはそんなことで引き下がるような人ではなかった。

「今すぐ、その動画を消せ!」

「オレの話聞いてたか? テメェは部外者なんだよ、部外者。ったく、クソウゼェ」

「お前の方こそ真面目に聞け。動画を消せと言っている!」

「なら100万だ」

「何?」

「100万出すなら、お前のお望み通り、動画を消してやってもいい」

「………本気で言っているのか?」

「さあ、どうだろうなぁー。100万持ってくりゃあ分かるんじゃねぇ?」

「―――ッ、貴様というヤツは」

わくわく城下 2023/11/02 12:38

『DQN-親友裏切り-』ちょい出しサンプル3-1

※3・4章を飛ばして、こちら新キャラ登場の5章のサンプルになります。



学校帰り。
親友から借りていたカギで勝手知ったるリビングに入ったオレは、そこで心臓が萎縮した。

なぜって?

だって誰もいないと思っていたのに、そこに人がいたからだ。
目の前にいる「彼」は、両手両足をガムテでぐるぐるにされ、イモムシ状態でリビングの床に転がされている。
しかも目隠しをされてだ。

「ようやく帰って来たな、どういうつもりだ!」

恐らく気配を察したのだろう、彼がオレに向かって声を張る。

「あ………あの………」

「その声は西園寺じゃないな、すまない、驚かせた、この家の者か?」

「………………いえ、違いますけど………」

「そうか、誰か知らないが、頼む、このガムテープを解いてくれ」

「は……はい」

返事をしてから、あっとなる。
パッと見た感じ、彼は恐らく大学生。
つまり、これは間違いなく一志君の仕業ということになる。
断りもなく、彼を自由にしてしまっても大丈夫だろうか………

「どうした、何をしている?」

「………すみません、やっぱり先に一志君に確認してからでないと………」

ここ最近の白峰先輩に対するアレやコレやらが頭をよぎり、お伺いを立てなければという気にさせられる。

「よせっ! オレに変なクスリを飲ませてこんな真似をしたのだアイツだ、連絡を入れる必要なんてない!」

鋭い気迫に空気が揺れる。
目隠しをしているから表情は見えないけど、彼が相当お怒りなのは、スゴク伝わってくる
とはいえ………

「頼む、ヤツが帰ってくる前に解いてくれ」

「………………………」

「………仕方ない、正直に言う、少し前からトイレを我慢している、そろそろ限界なんだ」

「エエッ!」

大変だ、それなら話は別。
オレは慌てて彼の自由を奪っていたガムテを解いた。

「助かった、ありがとう」

「………いえ」

「俺は澤北珀也(さわきた はくや)、君は?」

彼が………いや、澤北さんが目隠しを取って、オレを見てくる。

「松野颯太………一志君の弟の親友です」

「ああ、西園寺と違って頭のデキがずば抜けていいらしいな」

「勲のこと知ってるんですか?」

「恭也から話だけは聞いていた。俺と恭也は従兄で、同じ大学に通っている」

「………イトコ」

ああ、なるほどな――と、至極納得。
だってオレの目の前にいる澤北さんって、白峰先輩と引けを取らないくらいのハイレベルイケメンだから。
何かスポーツをやっていそうな、鍛えられた長身からは自信が溢れていて、自然体なのに魅力がある。

「あの………いいんですか?」

放り捨てられていた衣服を身に着けている澤北さんに、そっと声をかける。
今はそんなことよりも先に、トイレに行った方が………

「すまない、さっきのはウソだ」

「………えっ」

「ああでも言わなければ、拘束を解いてもらえそうになかったからな。とはいえ、ウソをついたのは申し訳ないと思っている」

「………いいえ」

オレの方を見て、きっちり頭まで下げてくれる。
確かに同じ立場だったら、オレでもそうしていたかもしれない。
けれど、一志君に断りもなく拘束を解いてしまった。
今からでも遅くはない、ヨシッ、一志君に連絡しよう。

オレはスマホを取り出した。
とその時、玄関のドアが開いて真っ直ぐこちらに(リビングに)向かってくる気配がした。

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