WsdHarumaki 2023/01/28 23:34

学校の怪談

「この椅子は、演劇で使えるわ」
 憧れの演劇部の女子部長が古い木製の椅子を見せる。旧校舎から見つけてきた、もう取り壊しで立ち入り禁止の場所。彼女は次の芝居で使う椅子を探していた。

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「この椅子に座る者は呪われるであろう! 」
 椅子に座る隊長職が変死するミステリー物だ、椅子に毒を塗って殺していた事を探偵が指摘する。隊長になれない副隊長が犯人。

 芝居の練習中に男子部員が椅子につまずくとばたんと倒れて動かない、保健室で死亡が確認された。後はお決まりのように部員が死に始めた。みなが呪いだ、旧校舎で死んだ生徒が居る。その椅子を使っていたと噂をする。

「部活動を中止で」
 校長命令で演劇部は解散する事になる。木製の椅子は、お坊さんにお祓いをしてもらい燃やされたと言う。

「本当に呪いなんてあるのね」
 女子部長が悲しげに僕の手を握る。もう部員は僕と彼女だけだ。僕が椅子に毒を塗った、殺鼠剤の硫酸タリウムを偶然に旧校舎で見つけて計画した。

 皮膚に塗っても飲ませても殺せる。僕は部長と親しくなりたかったが部活動が邪魔だった……

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