ooo 2024/02/08 22:26

桃色のシアワセ♥茶色いセカイ ~ド変態のハンター少女ツグミはアナルディルドーに永久就職する~

この作品は『モンスターハンター』の二次創作です。






「わはははっ! あっ、それじゃお前、これは知ってるか? コンガマンの話」
「コンガマン? なんだよそりゃ」
「へへ、知らねえだろ。 なんでも、クソゴツい防具で全身固めた大男でよ。 G級ハンターで、前はここにも顔出してたらしい」
「へぇ、G級? そりゃすげえや、こんな辺鄙なところにもそんな猛者が居たとはな」
「猛者……くくくっ、まぁ、そりゃ色んな意味で猛者なんだろうぜ。 そいつはすげえ変わり者でなぁ……まず、とにかく無口で、人前でぜっってえ喋らねえんだ。 ギルドのだーーーれも声を聴いた事が無いんだと」
「へっ、そりゃまたクールなこって。 んで、なんで”コンガマン”? まさかほんとの名前ってわけじゃねえよな?」
「まぁ焦るなって、話にも順序ってもんがある。 もちろんコンガマンってのは周りがつけたアダ名だぜ。 なぜって、そいつはいっつも密林に一人で入っていくんだが――――」






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 ガンッ! ガンッ!
 ガギンッ! ガギンッ!

 動植物の楽園である深い密林の中で、鈍い金属音が響き渡る。
 重くて固い物が、更に固い物に何度もぶつかるような音が鳴り続けている場所には、数匹の桃色の獣達が居た。

「プゴォオッ!!」
「ゴァアアッ! ブルルァアッ!!」

 成人男性の倍以上の大きさの桃色の牙獣――コンガ達は唸り声を上げながら自分たちのナワバリに侵入してきた異物に対して攻撃を加えている。
 人間によく似たシルエットながら、成人男性の胴程に発達した前足を振り回し、その先端の鋭い爪を執拗に叩きつける。

 しかし、コンガ達の人外の怪力を何度受けても、今回の侵入者はビクともしなかった。

「ガァアアッ!!! グルァアアアアッ!!」
「プゴゴォッ!!! ガァッ……ゴァア……?」
「プゴォ……プゴォォ……」
「…………ふふふ」

 暴れ疲れてフゴフゴと熱い鼻息を漏らすコンガ達に取り囲まれたまま、一人のハンターが不敵な笑みを浮かべた。

 水辺に潜む巨大な盾蟹、砂漠を駆ける角竜、火山地帯に適応した岩竜――――様々な頑強なモンスターの素材を、融かした希少な鉱石で繋ぎ合わせた特注の鎧と盾を身に纏うそのハンターの姿は、まるで瓦礫と岩石の塊に鉄板が立て掛けられているようにしか見えない。

「プギィィ……」
「ほらほら、私に打撃は効きませんよ……このままでは私を排除できませんよ……」
 
 岩山のような全身鎧のハンターの頭部から僅かに除く肌色の口元から、この場に不釣り合いな程に可憐な少女の声がこぼれ落ちた。
 ハンターズギルドの中でも最高位の階級――G級に属する【ツグミ】という少女は、とある調査のためにこの密林を訪れていた。
 
 巨大な盾を構えながら、ツグミはジリジリとコンガ達との距離を詰めていく。

「さぁどうしますか……これはもうアレしかないですよね……ええ私もそう思いますよ……さぁ何を迷う事があるのですかぁ……ほら、ほらぁ……」
「プゴォ……?」
「ゴァッ……プルルルゥ……!」
 
 ツグミが一歩、また一歩と足を踏み出す度に、その超硬度と比例する超重量の装備によって、固い地面に深々と足跡が残っていく。
 小柄なくせに自分達の全力の攻撃を物ともしない異様な固さか、もしくは常にブツブツと漏れ聞こえる謎の呟きの不気味さか……とにかく得体の知れない恐怖を感じたコンガ達が、その巨体をブルブルと震わせながら後退りしていく。

「さぁコンガちゃん達の得意技を……アレを早く……早く早く早くぅううう!!!」
「プギッ!!?」
「プルルァアアッ!!」

 ボブゥウウウウウウウウウウッ!!
 バスッ! バズゥウッ!!
 ブッシュウウウウウウウウウウッッ!!!

「――む゛きゃあああッッ!!??」

 ズドンと足先を地面にめり込ませながらツグミの歩みが早まった瞬間、コンガ達は彼女に向けて一斉に尻を向け、彼らの奥の手である放屁攻撃を行なった。
 コンガ種の巨体に見合った巨大な尻から放たれるオナラの悪臭の威力は凄まじく、彼らの天敵である強大な飛竜種ですら嫌がって逃げ出す事がある程だ。
 無論、凄まじい身体能力を持ちつつも一応は人間であるハンター達にとってもそのガスは脅威で、まともに喰らえばしばらくは食料や経口薬も喉を通らなくなり、何発も喰らえば力尽きて失神してしまう程に強烈な代物である。

 いかに頑丈、頑強な鎧と言えど、激臭ガスを含んだ空気そのものを遮断する事は出来ない。
 もちろん、頭部防具の中にはそれらのガス類を選択的に遮断する、一種のフィルターが備え付けられている物もあり、こういったモンスターと対峙する際には用意するのが常識だが……なぜか顔面をほとんど剥き出しにしているツグミは、当然のようにそのガスの直撃を受け、激しく悶絶した。

「プゴプゴッ!!」
「ブキャキャキャッ!!」
「げほッ! げほッ! うぉえッ!!」

 排除すべき侵入者に対しての明らかな手ごたえを感じ、コンガ達が歓声を上げる。

「すぅううう……ごふッ! げほごほッ!! んっ♥♥ すぅうううう……んぐぅッ♥♥ すぅうううううう…………」
「プギャ……ギャ……?」
「プゴォ……??」
「すぅうううう……むふふぅうううっ♥♥ はぁああ……すぅうううううう……あへへぇ……♥♥♥」
「プギッ……!?」
「キャウウウ……」

 強大な飛竜さえ追い払う放屁の直撃を受けて悶絶していたはずのその小さな侵入者は、何と逃げ出すどころかその場に踏みとどまり、咳き込みながらも深呼吸を始めた。
 真っ赤に火照らせた小さな体をプルプルと体を震わせながら口を半開きにし、涎を垂らしながら恍惚とした表情を浮かべているその異様さ極まる少女の姿に、今までに経験した事のない恐怖を抱いたコンガ達が、まるで子犬のような情けない声を上げる。

「ふごっ♥♥ ふごごっ……ぉ……ん? どうしました……? 追撃がありませんねぇ……? この程度のオナラではG級ハンターである私は倒れないですよぉ……」
「ギャウウ……!?」
「プギュウウ……」

「さぁ、もっと……あなた達の本気を見せてください……♥♥ 同じコンガ種といえど森ごとに微妙に違う食性からオナラのニオイにも差異が生まれるんですよね……この森のコンガちゃんのオナラは他の森よりもマヒダケ系のキノコ成分が多くて鼻の奥がビリビリ痺れるようですね……今の私にこの程度のマヒ効果は効きませんが皆で協力してオナラすれば私を倒す事ができるかもしれませんよさぁほらやってみましょう仲間を呼ぶのも良いですねもちろん私は待ちますから……ああ色んな森のコンガちゃんが集う場所があったら色んなオナラをミックスして嗅ぐことができるんでしょうかそんな場所があればさいこ」
「「プギュウウウウウウーーッッ!!!」」

 ブッピィイイイイイッ!!
 ブズゥッ! ボスッボズゥッ!!
 ブボボボボッ!! バボボッボッボッボォォォ…………

「ふみ゛ゅぐッッ!!??♥♥♥♥ ん゛ぅおぉううッッ~~~~~~~~~!!!!♥♥♥♥♥♥」


 人の大きさを遥かに凌ぐ牙獣が上げたとは思えない情けない悲鳴と共に尻からガスを漏らしながら、コンガ達は一目散に走り去っていった。
 砂塵に混じってもうもうと立ち込める茶色いガスの中心では、鼻ではなく下腹部に手をやったツグミが地面の上でビタンビタンとのたうち回っていた。
 弱肉強食極まる密林の中で、明らかに致命的な隙を晒しているツグミであったが、この状況を作り出したコンガ達は既におらず、また、視界が歪む程の濃度の悪臭ガスの中にわざわざ飛び込むようなモンスターも存在しない。

 ツグミはそのまま、堅牢・重厚にこしらえ過ぎた装備のせいで自らの秘部に直接触れる事のできないもどかしさに悶絶しつつ、しかしやはり興奮が上回った事で気合いのノーハンド絶頂をキメた後、しばらく地面に転がってその余韻に浸っていた。

「はぁ、はぁ、ふぅ、ふぅぅ…………♥♥    さて、と」


 いつまでも浸かっていたくなる快楽の沼から意識を引き抜き、ツグミがすっくと立ち上がる。
 先ほどまで発禁モノの痴態を振りまいていたはずの少女は凛とした表情で森を見据え、一つ小さく息を吐いた。
 

(全く、いけませんね……コンガちゃん達を見るとつい抑えられなくなってしまいます)

 気を引き締めるように頬を両手で張ろうとして、そういえば今の掌は重厚な手甲に覆われている事に気づき、指先をグリグリと頬に押し付けて気合を入れ直す。
 木の幹が凹む程の重量の大盾を立て掛け、ツグミは少しおぼつかない手つきで体の鎧を取り外していく。
 拠点キャンプではなく、モンスターの蔓延る密林内部で防具を脱ぐのは並大抵のハンターにとっては自殺行為であるが、ツグミにとってそれは当てはまらない。

「…………ふぅ」

 ドガン、ズドンと見た目通りの重低音を響かせながら岩竜防具が脱ぎ去られると、その重量の半分にも満たない小柄さの少女の姿が現れる。
 ツグミはまるで小動物のようなあどけなさを残す可愛らしい少女であるが、その実力はハンターズギルドにおける最高ランク――"G級”を冠するに相応しい物だ。

「むぅ……」
(やっぱり、結構蒸れますね。 まぁ、私の体重を補うために重さを増した特注ですから、その辺は我慢するしか無いですね)

 激しい"運動”により薄っすらと汗ばんだ体をタオルで拭きつつ、他に比べてやけに湿り気を帯びている下部のインナーをいそいそと履き替えたツグミが、再び元の重厚な岩竜鎧を纏っていく。
 ものの数分で、可愛らしい少女の下着姿はまた岩石の塊へと変じていた。

 ツグミは元々、体格に見合った片手剣と革製防具での俊敏な立ち回りを得意とするハンターであったが……その後様々な装備を試した結果として、現在の岩ダルマのような状態に落ち着いた。

 もちろん理由は"コンガちゃんの打撃を全て防いで思う存分オナラだけ味わえるから”である。
 
 なお、両手で大盾を持つだけで精一杯なので攻撃用のランスは持っていない。






「…………ふぅむ」
 
 むむ、と真剣な表情で腕を組み――組もうとして装甲が分厚すぎて無理だったのでブラブラと所在無さげに揺らしながら、ツグミは深く考え込んだ。
 
 ツグミがこの森に日々通い詰めるようになったのは、とあるモンスターとの邂逅を求めての事であった。
 歴戦の臭いフェチを限界まで拗らせた歴戦のド変態ハンターである彼女が求めるモンスターはもちろんコンガ種であり、その群れを率いる親玉である"ババコンガ”である。
 
 そしてもちろんのこと、既に数々のババコンガの屁や糞を文字通り死ぬほど味わってきたツグミであるが……この密林で"あり得ないくらいデカいババコンガ”が目撃されたとの噂を耳にすれば無視するわけにはいかなかった。

 長年ソロハンターとして活動し、特に密林での索敵や追跡を得意とするツグミにとって、コンガの群れの追跡はお手の物である。
 喜び勇んで元居た拠点から鞍替えをしたツグミは、普段の活動拠点とは段違いの遭遇率に、この森が天国のように感じていたが……やはりどうにもおかしい。

「ふぅむ…………?」

 コンガの群れは見つかる。
 それこそ、冗談かと思うくらいの頻度で痕跡が見つかる。
 見つかるのだが、なぜかどれもこれも小規模な群ればかりであった。

 コンガ種に限らず、モンスターの群れを率いる親玉の力が強大であればあるほど、その群れの規模やナワバリも大きくなる。
 噂に聞く"あり得ないくらいデカいババコンガ”を筆頭とする群れであれば、それこそ今まで見た事のない程の巨大な群れが率いられているはずで、そういった群れが残す痕跡もまた大規模な物となるのは必然である。

「やっぱり、この群れも小さい……おかしいですね」

 にもかかわらず、ツグミがこの森の探索を数か月も続けて見つけた群れはどれもこれも小規模であった。
 そして、それぞれが少ない頭数の割に群れとの遭遇率はやたらと高い。


「小さい……みんな小さすぎます。 一体なぜ……?」

 群れの規模が小さいのはすなわち、群れを率いるババコンガに十分な力が無いからである。
 この森でツグミが出会ったコンガの群れはどれも小さく、その群れを構成するコンガや、筆頭たるババコンガでさえも、ツグミが今まで別の森で出会った個体に比べて一回り以上小さかったのだ。 
 長年コンガを追い求めて来た彼女であるからこそ、この状況は異様に思えた。

 キャンプ道具を入れた背嚢を背負い、ズンズンと地面を凹ませて歩きながらツグミは思考を続けた。

(ババコンガちゃんが独り占めして、群れのコンガちゃんが小さくなる事はたまにあります……でも、どの群れのババコンガちゃんも小さい……近くに別の強力な群れがあるのかと思えば、そうでもない……)

 溜まった欲求を吐き出した直後のスッキリとした思考で、ツグミは一つの答えに向かっていく。

(森の浅いところにたくさんのコンガちゃん達が……エサも満足に取れないくらいの密度で集まって……まるで群れごと無理やり追いやられたような……いえ、そうに違いないです……ということはやっぱり……!)

 別の角度からの思考アプローチを何度も繰り返し、ツグミはただ一つの解への期待を高めていく。
 数日かけて周囲の安全を確保した後、一人用のサブキャンプを解体し、より奥へと進んだ位置に設営する。

 それを繰り返して限界まで奥部に近いところへサブキャンプを置き、街にあるマイハウスから物資を持ち込む事ができれば……密林最奥部の長期探索への準備がようやく整う。

「ふふ……うふふ……むふふふふふふふ…………」

 G級ハンターに相応しい素材が取れるわけでなく、ただでさえ嫌われ者のコンガ種が溢れるこの密林と街との長距離を、途方も無い回数往復するという地獄のような苦行の中においても、ツグミの心が折れる事は一切無かった。

「むふふふんっ! 待っていてください……史上最大のババコンガちゃんっ!!」

 脳内を埋め尽くす、コンガ達と同じ桃色の妄想を鼻息とともに噴き出しつつツグミは再び重たい物資袋を引きずりながらズドンズドンと歩き始めた。


 決戦の時は――――近い。






 なお、物資運搬のために往復するなら軽装の方が望ましいが、ツグミは道中のコンガを無視するつもりなど毛頭無いので毎回このクソデカ防具を着ていく。
 不可能を可能にする原動力はいつだって人類の飽くなき執念なのである。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「ん……? すんすん……こ、これは……これはぁあっ!!? 」

 密林最奥部の探索を開始して数週間後のある日、ツグミは突如として驚愕の声を上げて走り出した。
 身の丈を超える藪を大盾と防具で強引に掻き分け、彼女の中で最も鋭敏な五感――――嗅覚が捉えた存在に向かって突き進んでいく。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ! 間違いないですっ! これはっ! ぜった……いっ! ニオイがどんどん…………あぁっ!!??」

 そうしていくつもの藪と茂みを抜け、ツグミがたどり着いた場所には予想通りのモノが、予想を遥かに超える状態で存在していた。

 木々をへし折って無理やり作り出したかのような空間には――――"あり得ないくらいデカい糞”が鎮座していた。

「こ、これは――むぐっ!!?? ぐぐっ……ぐしゃっ……臭すぎ、ます……ビリビリきます……!! なんという……この……うぐっ! この私が……気圧されるとは……!!」

 限界極まった臭いフェチであるツグミは、長年のコンガとの戯れの中で様々な悪臭を味わってきた。
 メインコンテンツはやはりオナラだが、その中でフンの臭いを嗅ぐ事は当然あるし、フンを顔面に投げつけられた事はもちろん、自ら口に含んだ事すら1度や2度ではない。

 だがしかし、その道の最先端を突っ走る彼女の嗅覚をもってして、目の前にあるフンはまさしく異常の一言で形容された。

 ゴツゴツとしたこげ茶色の巨体はぬるりとした光沢を帯び、表面や断面に未消化物が一切見当たらない様子はこれが腸内で相当に熟成されている事を窺わせた。
 そのニオイはまさに殺人級、否、モンスターですら泡を噴いて悶え死ぬのではないかと思われる程に激烈で、今まで見た歴戦のG級個体を遥かに凌駕している。
 実際に、ツグミがニオイを察知してからここにたどり着くために想定より遥かに長い距離を移動していた。

 まさしくこれこそ、ババコンガが自身の領域を示すための"ナワバリのフン”である。
 目視できる距離で嗅ぐそのニオイは、鼻の奥をビリビリと電気的に刺激されるような錯覚すら覚える程に刺々しい激臭であった。
 これがここに、恐らく他にもあるせいで、他のコンガ達は森の浅いところまで追いやられていたのだ。

「げほっ、ごほっ……こ、これは…………すごい、あり得ないです……! このっ、"太さ”は……っっ!!」


 目の前のフンを見てツグミが驚嘆していたのはニオイだけでなく、むしろその途方も無い太さに対してだった。
 フンのニオイについては腸内環境や生態、食性による要素が大きく、また、その量についても個体の排便頻度や食事量によって同じ体格の個体でもバラつきがあるものだ。
 
 だがしかし、フンの”太さ”を決めるのは大腸の太さであり、そして肛門の"口径”である。
 すなわち、このフンを産み出した個体の体格――とりわけ尻の巨大さに直結する要素なのである。


「こ、この太さ……あの時のより……更に大きい……!?」


 遠目に眺めるだけでも酸欠を引き起こす程の激臭にトリップし始めた、ツグミの脳裏に、まるで走馬灯のように今までの冒険の日々が思い起こされる――――



 片手剣と小盾で身軽に立ち回っていた時に、オナラは何度も味わった。
 攻撃を避けながら嗅ぐのでは物足りず、どれだけ興奮しても現場では一線を越えられなかった事がもどかしかった。
 なのでわざわざ迅竜を何頭も狩って作った隠密特化装備でコンガ達の巣に忍び込み、寝っ屁と嗅いでオナりまくっていたらバレて死に掛けた。
 何とか逃げ込んだ小穴に屁と糞を山盛りに詰め込まれた時は死を覚悟したが、たまたま通りかかったハンター達に救出されて九死に一生を得た。

 以後は懲りて体を鍛えて重装備を身に着け、相手を攻撃できない代わりにコンガ種の打撃程度ではビクともしない状態で屁だけを堪能するというスタイルに切り替え……ときどき魔が差して鎧を一部外したり巣に忍び込んだりして死に掛けた。

 そうして充実した日々を送っていたツグミの脳裏に、色あせる事無く残り続けている鮮烈な記憶があった。
 それはまだ軽装で戦っていた時期に出会った、超巨大な特異個体のババコンガのこと。
 
 それと対峙した際に色々な偶然が重なり、ツグミは超巨大なババコンガの肛門に吞み込まれてしまったのであった。

「すぅ…げほっ! ごほっ……すぅう、ぐっ……はぁあ……はぁ、はぁ……♥♥ 私の体も、余裕で入りそうですね……♥♥」

 当たり前だが肛門とは人間が入るべき場所として作られたわけでなく、その内部は当時のツグミを持ってしても死の恐怖を感じる程の地獄の様な環境であった。
 酸素は薄く、代わりに気を抜けば卒倒しそうな程の激臭ガスが充満し、サウナのような熱気と湿気の中でツグミはもがき苦しみ、最終的には腸内を刺激されて驚いたババコンガの便秘糞と一緒に排泄された。

 そして挿入から排泄されるまでの僅かな間、ツグミは人生の中で最も多くの回数の連続絶頂を経験した。
 その記憶はツグミの脳裏に恐怖として、後悔として、汚点として、そしてこの上ない快楽として、今でもまるで宿便のようにネットリとこびりついている。

「はぁ、はぁ、はぁあ……♥♥ さ、さて、このニオイを早く覚えなければならないですね……♥♥ 慣れてきたのでもっと近くに……」

 無論、ツグミとてアレをもう一度体験したいと本気で考えているわけではない。
 単純に危険極まるし、あの時に助かったのはほとんど奇跡のような物だ。
 またそれ以前に、あのような状況に陥る事自体が”あり得ない”と言える。

 当然ながら、肛門はコンガ達にとってフンやオナラを出すための場所であって、何かモノを入れるための場所ではないのだから。
 下品な攻撃手段が目立つコンガ種だが、さすがにアナルオナニーをする生態は無いし、カネやモノを渡せば言うことを聞いてくれるような相手でもない。

 なので今回はせめてその規格外から産み出されるニオイを思う存分堪能してやろうと、ツグミが巨大フンに向けて歩みを進める。

「ふぅ、ふぅ……♥♥ むふふふふふふふ……ふぇ? あ、れ……??」

 ズドン、ズドンと力強かったツグミの足取りが緩やかになり、止まってしまう。

 足が、上がらない。

 なぜか力が入らず、重たい岩竜素材のレッグアーマーを持ち上げる事ができないのだ。
 怖気づいているとか、ニオイが酷すぎるとかは今さらの話で、むしろツグミの心は巨大ナワバリフンのニオイをもっと嗅ぎたいと必死に訴えている。

「な、なんで……げほっ! くっ……ふぬぬぬっ……あぅぅう……!?」

 しかし意志に反して足は持ち上がらず、それどころか気を抜けば膝からくずおれてしまいそうだ。

「ぬぐぐぐっ……こ、これ……げほっ! ごほっ! もしか、して……麻痺……!?」

 ツグミの脳裏に思い起こされたのは、コンガ達の食性。
 その巨体に似合わずキノコを主食とする彼らは人間にとっての毒キノコの類でも平気で食べるし、オナラやゲップにそれらの成分が混ざる事がある。
 現に、この森に来て何度も嗅いだコンガ達の屁にも薄っすらと”マヒダケ”の麻痺作用が含まれていた。

「むぐぐっ……うぐぐぐぐっ……!?」
(この私に効くくらい強烈な……まさか”オオマヒシメジ”……!? いや、もしかしたらそれ以上の新種の可能性も……そんなに珍しいキノコを主食にしてるなんて……!」

 数々のコンガ達の放つ毒ガスを嗅ぎ続け、生身では考えられない程の毒耐性を獲得していたツグミであったが、目の前のフンからもうもうと立ち込めているガスの残滓はその耐性を貫通する程に強烈な麻痺成分を含んでいるようだ。
 下手に麻痺耐性を持っているからこその慢心が引き越した事態であった。

 現時点ではほんの少し力が入りにくくなる程度の麻痺であったが、そもそも身の丈に合わない超重量の防具を身に着けていたツグミにとってはその僅かな差が命取りである。
 このままこのニオイを堪能するのはさすがに危険と感じたツグミがゆっくりと踵を返し、口元を抑えながらナワバリフンから遠ざかっていく。

 とても惜しいが仕方がない。
 このように表面にテカりがあり、激臭ガスの湯気を立てているような"新鮮”なナワバリフンにお目にかかれる事はめったに無い事なのだが――――


「ん? 新、鮮…………?」

 バキバキッ

「っ!!?」

 ガサガサッ
 バキバキバキバキ……

「ブルルルル…………ボォアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ひぅううううっ!!??」

 巨大なフンの死角となっていた木陰の木々が薙ぎ倒されると共に、腹の底から揺さぶられるようなとてつもない轟音が響き渡った。
 ズドン、ズドンと小規模な地鳴りを引き起こしながら、特大の"あくび”を放ったばかりの巨獣がゆっくりと現れた。

「ブシュルルルル……ゴァアア……?」
「ひっ!!? でっ……デッ…デッッ……………!!???」


 デカい。 
 ただその一言すら、衝撃と歓喜に震える口元からは上手く紡がれなかった。
 
 "デカい”とか、"大きい”とか。
 そのような陳腐な言葉で言い表せない程に、目の前に現れたババコンガはとてつもない巨大さであった。
 その体は間違いなく飛竜種よりも大きく、地上戦に特化されている彼の膂力をまともに受ければ、如何にG級ハンターといえども死は免れないであろう。

 そして当然ながら、同種を追い出してまで築いたナワバリに入り込んだ者に対し、密林の王者が容赦を見せるはずがない。

「ブフゥウウウ……ブシュルルルルルルルルルル!!!」
「しゅ、しゅご……凄すぎます……むふっ……むふふふふふふふふっ♥♥♥」

 だがしかし、この場で鼻息を荒げるのはババコンガだけではなかった。
 討伐はおろか、逃走すら困難な化け物を前にしてもなお、ツグミの脳内には僅かな恐怖を一面に塗り潰す程の桃色の欲望が渦巻いていた。
 極度の興奮状態で手足が激しく震え、しかしその心は勢いよく奮い立つ。

 生きるか、死ぬか。
 どちらにせよ間違いなく今日、自身の人生は"絶頂”を迎えるのだろう、と。

「ようやく、ようやくです……♥♥ さぁ思う存分……嫌という程に……味わわせてもらいますよ!!」

 そう確信したツグミは大盾の持ち手を一層強く握りしめた。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「ブォルルルル…………ブガァアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
「…………ふっ、ぐぅうッッ!!?」

 先手を取ったのはババコンガだ。
 野生の筋肉に支えられた山のような巨体が地面を爆散させながら飛び込み、全身を使った突進を仕掛ける。
 それを斜めに受ける事で衝撃をいなそうとしたツグミが衝撃力を見誤り、軽々と数メートルの距離を吹き飛ばされる。

「がはッ! うぐッ……!!」
「ブルルォアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」

 木々に背中を強打したツグミが息を詰まらせ、無理やり搾り出された空気に血の匂いが混ざる。
 思わずたたらを踏んだツグミへ、振り向きざまにババコンガの巨木のような剛腕が振るわれた。


 ゴガァアアアアアアアアアン!!!!

「――――グギャアウッッ!!?」
「ん゛ッ…………ぷはっ!! はぁッ、はぁッ……むふふふふっ♥♥」

 無防備な少女を粉々に粉砕するかに思われた剛腕はしかし、特殊合金の盾によって正面から弾き返される。

 性癖は終わっているが天性の戦闘センスを持っているツグミは、この日のために拵えたG級装備の防御能力を十全に発揮して見せたのだ。
 血混じりの唾を吐き捨て、地面に深々と足をめり込ませながらも、ツグミの体勢はほとんど崩れていない。

 そしてその目はピンク色の欲望を宿してギラギラと輝いていた。

「ガァアアアアッ!!! ゴァアアアアアッッ!!!!」
「ふッ! ぐッ……! ぬ゛ぅんッッ!!」
「ブギャアアッッ!!??」

 恐ろしい程の風切り音を鳴らしながら二度、三度と闇雲に振り回される剛腕は、その全てがツグミの操る大盾に弾き返される。
 そしてそのたびにババコンガの指先に衝撃が跳ね返り、自慢の鋭い爪が自身の剛腕によって叩き折られてしまう。

「ブギギギ…………ブォガァアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
「ふッ……はぁああッッ!!」
「プギィイイッ!!?? ブギャギャギャギャアアアアアアッッ!!!」

 一度目はツグミを弾き飛ばした渾身の体当たりも、二度目は通用しなかった。
 ツグミは勢い良く体を捻りながら、絶妙なタイミングでババコンガの顔面を斜めに殴りつけ、その大砲のような衝撃力を完全にいなし切った。

 脳を横に揺らす衝撃に眩暈を覚えたババコンガは、突進そのままの勢いで岩場を粉砕しながら突き刺さった。
 岩場に突っ込んだ頭が抜けなくなったババコンガは、ジタバタと手足を暴れさせてもがいている。

「ぜぇッ、ぜぇッ、はぁッ、はぁッ……ふふ……むふふふふふっ♥♥ 今の私は間違いなく……人生の中で一番強いですねっ!」

 一つ間違えば即死もあり得る攻防を乗り越えたツグミが額の汗を拭い、燃え盛るように火照る体に気休めのような酸素を送り込んでいく。
 しかし、その目は未だ瞬きを忘れたかのように見開かれ、ギラギラとした欲望の視線を眼前の存在――――あり得ないくらいデカいババコンガの尻へと向けていた。

「ブギャアアアッ!! ギャウウウウウッッ!!!」
「はぁあああ……しゅごいぃ……♥♥ ムッチムチのブリンッブリンですぅ……♥♥ も、もっと近くでぇぇ……♥♥♥」

 極限の動きによる疲労と痛みを完全に無視し、煩悩のみによってツグミはジリジリと歩みを進めていく。
 ババコンガの尻に自ら近づくなど、下位ハンターですら犯さないような愚の骨頂であるが、ツグミにとってはそれが最大の目的であるのだからこの状況は必然であった。

 ジタバタと空を蹴る後ろ足の動きに合わせてブリンブリンと揺さぶられる超巨尻に焦点をユラユラと奪われながら、ついにツグミはババコンガの尻の谷間にたどり着いた。

「むふふふふふふふふふ……♥♥ この状況でもオナラをしないとは……やけに焦らしますねえ♥♥ 良いですよ……こうなればとことん――――おっと」
「ブギャッ!!」

 ブン、とツグミの頭上から振るわれたのはババコンガの体の中でも特徴的な部位である、桃色の”尻尾”であった。
 数トンを超える体重を樹上で支える事が可能な彼らの強靭な尻尾は、まるで3本目の手のように物を掴める程の器用さも持ち合わせている。

 今さら腕より細い尻尾による打撃でダメージを受ける事は無いが、万が一、巻きつけられたりすると大変だ。
 ツグミは頭上からの尻尾にも危なげなく対処し、盾でするりと鞭打をいなした。

 すると、ババコンガはそのまま尻尾の先端を自身の尻の谷間に突き入れた。

「むむっ!? ふふふ……むふふふふふふっ♥♥ ついにですね! 待ってましたよっ!」
「ブギギ……ギャウウウウウウウ……!!」

 あり得ないくらいデカい尻の谷間に完全に呑み込まれている尻尾の先端は見えないが、G級コンガマスターのツグミにとっては、その行為が何を意味するかが手に取るように”理解(わか)”る。

「グギャウウウウウウ……ギギギギ……!!」
「むふふふふふふ♥♥ 尻尾でのウンチ投げですよね?ずいぶんとのんびりしてますがお便秘なのでしょうかね?確かにそれだけのウンチが詰まっていたのであればあなたが全然オナラ攻撃をしてこなかったのも頷けますねぇということはその分すごい密度とニオイのウンチが出てくるわけですよねぇ今から楽しみですねぇ私はそれを味わうために今日まで……ん? あれ?   便秘……??」
「ブギギギ……ギヒィッ♥♥ ア゛ォオオオオッ♥♥」

 グチグチ、ニヂニヂと汚らしい水音を鳴らしながら、谷間から徐々に尻尾が引き抜かれていく。
 その先にはいつもなら投擲用の糞塊が握られているはずであったが……ツグミは不意に大きな違和感に襲われた。

 そもそも自分がこのババコンガを見つけたのは、彼がこの場にあり得ないくらいデカいフンを残していたからであり、またそのニオイがツグミにまで届いたのは、そのフンが出したてほやほやの"新鮮”なフンだったからである。 
 大きさから見ても、腸内のほとんどのフンを排泄した直後であるはずなのに、彼が便秘状態にある事は明らかに不自然だ。
 しかし、そうでなければ今までの戦闘中にもっとオナラ攻撃が多用されているはず。

 ブピピッ……ブジュルルッ
 ピッ、ブススッ、ブボボボボッ……

 その矛盾を埋める答えが次の瞬間、身の毛もよだつような爆音と共にツグミの目の前に現れた。

 ズボリュリュリュリュリュリュリュリュッッ!!!!

「オ゛ア゛ァアアアアアアアアアアアアアアアアッッ♥♥♥♥」
「なっ……なななっ……!!? コ、コンガ……ちゃん……!?」

 汚らしい喘ぎ声と共に、あり得ないくらいデカいババコンガの肛門から抜き出されたのは、まっ茶色に染め上げられているが、嫌というほど見覚えのあるシルエット――――コンガのものであった。

「……っ!!?」
(こ、子供の……!? いえ、普通のメスですか……共食い……も、違いますね。 消化されているわけではない……こ、これって、まさか……!?)

 あり得ないくらいデカいババコンガの肛門から、糞便と腸液でコーティングされた雌コンガが放り出された。
 あまりの光景にさすがのツグミも驚愕し、絶句しながらグルグルと思考を彷徨わせる。

 そして、立ち尽くすツグミに向かって"栓”を抜かれた肛門から内部のガスが噴出する。


 ブボッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!!


「――――ん゛み゛ッッッッッッ!!!?????♥♥♥♥♥♥♥♥」

 あまりの衝撃。
 あまりの臭気。
 質量まで感じられる激烈な悪臭がツグミの全身を包み込み
 ビグンッ、と大きく体を跳ねさせたツグミは、そのまま仰向けに倒れ込んだ。

「ん゛んんんッッ!!!!!♥♥♥♥ むぐぅううううううううッッッ!!!!♥♥♥♥♥♥ こ、これ゛……げッほごほッ!! お゛ぅぇぇッ!!」

 しかしてそのニオイはやはり、歴戦のG級臭いフェチであるツグミの想像を遥かに超える代物であった。
 その規格外の体格に見合った量の食物が、種族の特性として外敵撃退のために濃縮されて生まれた腸内ガスは、もはやただの悪臭の範疇に収まらない、明確な”毒ガス”と化していた。

 これは単なる比喩に留まらず、ハンターでない常人が吸い込もうものならニオイを認識する前に白目を剥いて気絶し、口からは泡を、鼻からは血を噴き出して危篤状態になる程に危険なガスであろう。
 G級ハンターとして常人より遥かに強靭な肉体を持つツグミであってすら1発で大きく体力を削られ、気絶しない代わりに鼻腔を筆舌に尽くし難い猛臭が貫いた。

「ごれっ、これは……この、私がッ……こ、ここまで……ん゛ぃッ!?」

 ブボボボボボボボッッ!!!
 ボシュウウウウウウウウウウウッッ!!!
 ブピィイイイイイイイイイイイイイイッッ!!!!

「ぐに゛ゃあああああああああああああああッッ♥♥♥♥♥♥」

 続けて特大放屁が連発された事で辺り一帯は毒ガス地帯と化し、哀れにも巻き込まれた小虫や小動物達は気絶と絶命のどちらかに強○的に振り分けられた。
 倒れたまま全身を一瞬で毒ガス沼に沈められたツグミの体が激しく痙攣する。 
「ゴブブブ……ブバァアアアアッッ!!! ゴフッ、ゴフッ……!!」
「げっほげほっ!!♥♥ ごほっ!!♥♥ お゛ぇえええっ!!!♥♥♥♥」
「ブギィィ…………ブォガァアアアアアアアッッ!!!!」
「まじゅ……まじゅい……でしゅ♥♥ うご、ご……うごか……にゃいと……おぉぉぅ……♥♥♥」

 ようやく岩肌に挟まっていた顔を引っこ抜いたババコンガは、自らの尻から抜け落ちた雌コンガの死体を見て沈痛な唸り声を上げる。
 そして、次の瞬間には怒りの形相を露わにしたババコンガが再びツグミへ猛然と襲い掛かる。

 鼻の神経を焼き殺すかのような悪臭によって呼吸はままならず、イキ汁を岩清水のように滴らせた太ももはプルプルと震えるばかりだ。
 しかし、それでも何とか命の危機に自身を奮い立たせたツグミにババコンガが喰らいつく。

「ゴガァアアアアアアアアアッ!!! ガァアアアアッッ!!!」
「んぎっ!! ぐっ……ぬぐぅうううううっっ!!!」

 巨大な口に備わった図太い牙がツグミの体を貫こうとしたところに、ツグミは何とか大盾を滑り込ませた。
 ババコンガがツグミの上半身に頭から噛り付いている状態で束の間の均衡が生まれる。
 ガギンガギン、と牙と合金が打ち鳴らされ、その咬筋力だけですり潰されそうになるのをツグミは必死で耐えている。

 上半身をすっぽりと覆った巨大な口から漂う、ムワリと湿ったババコンガの強烈な口臭――それが次の瞬間には劇的に変貌する。

「ンガァッ……ゴファアアアアアアアアアアアゥッッ!!!」
「ふに゛ぎぎっっ!!??? ん゛ぉっ!!? あに゛ゃああああああああっっ!?♥♥♥♥」

 ツグミの視界が一瞬にして薄黄色い空気に包まれ、顔中の粘膜を刺すような刺激が襲う。
 ババコンガはツグミの体を咥え込んだまま、特大のゲップを放ったのだ。

 そして次の瞬間には全身に耐えがたい程の”痺れ”が広がり、ツグミの身体は完全に弛緩してしまった。

「あひ……あ゛ぁ…………マ、ヒぃ……♥♥ らめぇ……うごけ……なひぃ……♥♥♥♥」

 それはツグミが予想していた通り、このババコンガが好んで食していた希少なオオマヒシメジに含まれる麻痺成分によるものであった。
 腸内で限界まで消化の進んだフンやオナラではなく、胃の中で消化中のキノコから発せられたより強力な麻痺性ガスがツグミの耐性を貫通し、一時的に体の自由を奪ったのだ。

「ブォフッ! ガフッ!! ブォフフフフ……♥♥」
「あ゛ぅっ!?♥♥ やっ……ひゃめ……ひゃめぇぇ……♥♥♥♥」

 命綱である大盾を手放し、ピクピクと痙攣しながら地面に倒れ伏したツグミの体にババコンガの尻尾がキツく巻き付いた。

 太く力強い尻尾に両手ごと全身を拘束されてしまえば、仮に麻痺が治まったとしても脱出は至難である。
 まさしく万事休すの状態だ。
 このまま頭から丸かじりにされるか、固い地面に死ぬまで叩きつけられるか。
 器用で強靭なババコンガの尻尾はそのどちらもを可能にし、未だ麻痺状態にあるツグミはただ判決を待つ死刑囚でしかなかった。

「ブジュルルル……♥♥ ブォフフフフフフフフッ……♥♥♥」
「あぅ……う゛ぇっ……!」
(やばいですやばいです今までで一番ピンチです!! このままじゃ食べられちゃいます!! ウンチをされるのは良いけどウンチにされちゃうのは困ります!!)

 長い尻尾で拘束したままのツグミの顔をベロリと舐め、ニチャリと湿り気のある笑みを浮かべるババコンガの顔は、そこに野生動物にあるまじき知性と悪意が備わっている事を感じさせた。

「ブォフフフッ♥♥ ブルフフフフゥウウッッ……♥♥♥」
「ぐっ……うっ…………!」

 しかし、ババコンガはツグミをジロジロと見つめるだけで、一向に彼女を痛めつけようとはしない。
 かと言ってこのまま解放する気は無さそうで、ジュルジュルと舌なめずりをしながら興奮を高めているようにしか見えない。

 全身が麻痺・拘束された状態で、唯一動く目と脳みそを全力で稼働させ、ツグミは状況を深く読み取っていく。

 息が荒く、熱い。
 涎が垂れている……興奮している?
 その割には攻撃衝動が収まっている。
 攻撃では無い"何か”をしようとしている……?

「ブォフフフ……ブルルルルゥウ…………♥♥♥」
「うっ……くっ……っっ!? はわわわわわわわっ!!??♥♥♥♥」

 ツグミを拘束した尻尾が大きく動かされ、ツグミの視界が勢い良く切り替わる。
 そして目の前にババコンガの”あり得ないくらいデカい肛門”が現れると、ツグミの思考は一気にピンク色に塗り潰されてしまった。

 ネバついた腸液を涎のように垂らし、モゴモゴと窄まったり広がったりを繰り返すその様子はまるで巨大な赤ん坊の口のようだ。

「にゃ、る……ほど…………ふへっ♥♥ ふひひひひっ……♥♥♥♥」

 他種族にとって銃口に等しいババコンガの肛門を間近に向けられて尚、ツグミはかえって興奮を高めるばかりであった。

 恐らくはこのまま至近距離で放屁を浴びせられまくってしまうのであろう。
 放屁の勢いでフンまで浴びせられてしまうかもしれない。
 しかし、それこそ望むところである。
 自分はそれらを味わうためにこの無謀な戦いを挑んだのだから。
 死の恐怖をピンク色の煩悩が塗り潰し、弛緩した口元からは意図せず涎が垂れ、誰かに聞かれたらドン引きされるくらい気持ち悪い笑い声が零れる。

「ふへへへへへへっ♥♥ 良いでひゅよ受けてたちまひょう思うじょんぶんオニャラをふふっ、ふっかけてくだひゃいわらしはそんにゃことでまけにゃ……にゃ?」

 しかし、眼前の超巨大肛門からはガスが放たれる事が無く、ツグミの体はどんどんと近づけられていき――――


 ブヂュウウッ


「オ゛ァアアアアアウウウウウ……♥♥♥♥」
「ぶみ゛ぃいいいいいいいいいいいいっ!!!????♥♥♥♥」

 あり得ないくらいデカい肛門からツグミに施されたのはオナラではなく、熱烈なキッスであった。
 身の毛もよだつような汚らしい音を立てて、剥き出しの肛門が柔らかな少女の素肌に吸い付く。
 体毛や筋肉に守られていない、敏感な肛門を刺激されたババコンガが野太い嬌声を上げ、ブビブビと歓喜に震えるようにガスが漏れ出す。
 予想だにしなかった衝撃的な出来事に、ツグミは肛門に顔を押し付けたまま悲鳴を上げた。

「オ゛アァアアアアアッッ♥♥♥♥ ア゛ゥアゥウウウッッ♥♥♥♥」
「ん゛み゛みみみっ!!?? み゛っ……ぶゅっ…………ッッ!!???!??」

 メリメリ、ニヂニヂ、と湿った肉を掻き分ける音が響き、ツグミの顔が、体が、ババコンガの肛門の中にゆっくりと挿入されていく。
 顔が最も抵抗を強い"門”を抜けると、少女の悲鳴は外界に一切漏れなくなった。
 ツグミは何が何だか分からず、早くも麻痺から回復しつつある体を懸命に動かしたが、全身を尻尾にグルグル巻きにされている状態では大した抵抗ができるはずもない。

「―――――ッッ!!???―――――――ッッッ!!!!????」

 やがて尻尾による体の締め付けが強まったかと思うと、ツグミの体は先ほどまでと逆方向に動き出し――――

 ブッピピピッ……
 ニヂュニヂュニヂュニヂュッッ……

 固く引き締まった筋肉に首元と頭が搾り上げられる感覚の後に――――ツグミの体はようやく外界への帰還を果たした。

「ア゛ォオオオオオオオオオオオオオウウウッッ♥♥♥♥♥♥」
「ぶはぁあああっ!!?? え゛ぅっっ!!??? げべっ!! お゛ぶぇええええっ!!!??」

 事態を理解するよりも先に、口と鼻の中を激烈な不快感が襲い、ツグミは顔面から様々な体液を盛大に吐き散らかした。
 無限にこみ上げるように溢れ落ちる体液には、目の前で蠢く超巨大肛門から垂れ落ちるのと同じ、明確な”茶色”が混ざっており、自身が先ほどまでどこに突っ込まれていたのかを是が非でも認識させられる。

「ぶっは!! ぉえ゛っ……!! げほっ、はぁっ、はぁっ……!?」
「ブルルォオオオオ……ブフヒヒヒィィ…………♥♥♥」
「な゛っ……なんっ……ひゃめっ――――!!??」

 ツグミは悪臭は大好物だが、フンや糞汁を直接口の中に入れられて平気なわけではない。
 ぐわんぐわんと頭の中で反響する不快感に精神を乱されながら、またも自身を咥え込もうと迫りくる超巨大肛門と、先ほどから響き渡っているババコンガの下品極まりない嬌声を認識したツグミのG級フェチセンサーが、彼女をある一つの”答え”へとたどり着かせる。

 このあり得ないくらいデカいババコンガが、”何”を求めているのか。
 体中が変色・変形し、汚損し尽くされていた雌コンガの体は、"何”に使われていたのか。
 同じく尻尾に巻かれた自身は、これから"何”に使われるのか。

 まさか、まさか――――

「ア、ナ――――!?」
「オ゛ギャアアアアアアアアアウウウウウウッッ♥♥♥♥♥♥」
「ん゛ゅううううううううううううううううううっっっ!!!????」

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