ooo 2024/01/02 23:21

因習村の女達 ~男殺しの屁淫香~

「おい花恵、花恵!」
「はい、ただいま……」

 白髪を散らした初老の男が机をコン、と叩きながら、視線を手元にやったまま声を張り上げる。
 すると、酒瓶を手に持った一人の女がしずしずと歩み寄り、村の長である初老の男の手に握られた器に酒を注ぐ。

「おいっ!」
「はい」
「おう、こぼすなよぉ? へへっ」

 続いて村長の向かいに座った20代の若い男――村長の息子がドン、と父親の真似をして器と机を打ち鳴らせば、花恵(ハナエ)と呼ばれた女はまた、淑やかに歩み寄る。
 少し前屈みになって酒を注いでいく花恵の体を、村長の息子が下卑た視線で舐め回す。

 濡れたように艷やかな長い黒髪を垂らした花恵の体を形容するならば、まさしく"豊満”の一言に尽きる。
 肥満というほどではないがむっちりと柔肉の備わったウエストには、まん丸と形の良い巨尻が備わっている。
 はち切れんばかりに膨らんだ服の胸元からは尚も白の柔肉が溢れており、彼女の動きに合わせてそれらが大きく揺れ動く様は、たとえ男でなくても目を奪われる代物である。

 見ているだけで辛抱堪らなくなった村長の息子の手がするすると伸び、花恵の艶めかしい曲線を撫で回す。

「へへっ、ふへへっ」
「お戯れを……こぼれてしまいます」
「だぁから、こぼすなって言ってんだよ! へへへっ……」
「賢治、そのくらいにしておけ」
「いいじゃんかよ親父。 もうすぐ俺のモンになるんだからさ」
「もちろんそうだが、今は待て。 ”サンレイ”までに傷がついては事だ」
「……はいはい、わかったよっと!」
「…………」

 不貞腐れた様子の村長の息子――賢治が腹いせのように花恵の巨尻を平手でピシャリと打つ。
 少なくない衝撃が薄い布越しに尻肉をブルンと波打たせるが、花恵は痛みや破廉恥に声を上げる事も無く、深くお辞儀をしてしずしずと後ろに下がった。
 外部の人間が見れば眉をひそめるどころではない扱いを受けている彼女であったが、ここでは全て日常の光景である。

 "尾長見村(おながみむら)”――――都心から遠く離れたこの古く小さな村では、現代においても極めて激しい男尊女卑の思想が根付いているのであった。

「"サンレイ”までいよいよあと一月だ。 さっきも言ったが花恵、それまで体に傷をつけるなよ。 言うまでもないが、稽古の時以外は屋敷から出るのも禁ずる」
「はい、存じております……」
「へへっ、楽しみだなぁ」
「お前もだぞ賢治。 当日までハメを外しすぎるな。 お前にとっても大事な儀式なんだからな」
「分かってるって。 主役が来れなきゃ締まらないもんな」

 花恵という美しく淑やかな女を、二人はまるでモノのように扱っている。
 村長とその息子という立場がそうさせるのではなく、尾長見村の男達は皆、村の女達を同様に扱っていた。

 尾長見村の女達は皆、30歳になると”サンレイ”の儀式を行わなければならない決まりがある。
 村の男達が集まる宴会場で、伝統の”舞い”を披露するのだ。
 独特の衣装は体に張り付くような細長い布で構成されており、ほとんど裸に近い露出度だ。
 その布の隙間から溢れる柔肉や、谷間の食い込みを肴にして男達は酒を飲み交わす。

 神への感謝を示すための物とされているが、男達にとっては下卑た欲望を発散させるためのものでしかない。

「分かれば良い。 花恵、後で部屋に来い。 問題が無いか見てやる」
「はい……」
「えっ! ずりぃ! 俺も見たいよ親父!」
「くくっ、だめだお前は我慢しろ。 儀式まではおあずけだ」
「んだよそれ! くっそー」
「くくくっ……」

 村の女達の中でも特に美しく、肉付きの良い花恵は村中の男達の欲情を向けられていたが、1ヶ月後のサンレイの儀式をもって、花恵は賢治の妻として迎えられる事が決まっていた。
 
 妻のことをつゆほどにも気にかけず、寝室に花恵を連れ込む村長を羨ましく思いつつも、賢治は渋々と自室に戻っていった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「おい花恵、アレやっとけ、掃除。 6時までな」
「……よろしいのですか?」
「良いんだよ! いちいち聞くな!」
「……申し訳ありません。 ですが掟では」
「バレねえようにやれってんだよ! チッ、毎回うるせえなお前……へへっ、お仕置きしてやろうか」
「重ねて、申し訳ありません。 しかし、今私に傷が付けば儀式に差し支え、村長もお怒りになるでしょう。 速やかに取り掛かる事で誠意を示したく思います。 では……」
「あっ、おいッ!! チッ、儀式が終わったら覚えてろよ……ひひっ、へへへっ……」

 妄想たくましく、脳内を桃色に染めて含み笑いを漏らす賢治をよそに、花恵は大きな蔵(くら)の中へと入った。
 村長宅で代々管理しているこの蔵には貢物や骨董品が多く納められている。
 そこは当代村長のずっと前から女人禁制の掟が敷かれているため、中の掃除や整理は賢治の役割であるのだが、怠け者の賢治は父親が家を空ける際などに花恵へ掃除を押し付けていた。

 花恵も慣れたもので、掃除道具を手にすると、黙々と蔵の中を掃除していく。
 生まれてからずっと尾長見村の風土の中で育ち、若くして両親も亡くしてしまった花恵は、村長親子を含めた村の男達に逆らう事はできなかった。
 そして来月、30歳を迎えた花恵は、”サンレイ”の儀式によって身も心もを神とそれを祀る村へ捧げ、正式に次期村長である賢治の妻――所有物となる。

 それを"当たり前”と割り切りつつもやはり心には陰を宿しながら、花恵はそれらを振り払うように掃除に没頭していく。



「……あら?」

 いつもより念入りにと、棚の中身を掻き出して奥を磨こうとした花恵の手が止まる。
 棚の隅に不自然な段差があり、元々は噛み合わさっていたのであろう板が外せるようになっている。

(二重底、みたいなものかしら……)

 いけない、とは思いつつも、好奇心からその中を覗き込んだ花恵は、古びた箱を取り出した。
 大きめの箱を開けると、黒い小袋がいくつかと、何らかの書物が入っている。
 花恵は久しく凪いでいた感情をドキドキと波打たせ、素早く周囲を見回してから震える手付きで書物をめくった。

(これは……記録? かなり古い、昔の……)

「……えっ?」

 思わず零れ落ちた驚愕の声に花恵は慌てて口元を抑え、周囲を見回した後に再び手元に視線を落とす。

 そこに書かれていたのはここ、尾長見村の歴史――――長い年月によって失われた”真実”が記されていた。

(なに、これ……うそ……!?)

 曰く、村長や、運営に携わる者は全て女性である。
 曰く、村の男達の立場は極めて弱く、半ば奴○のような扱いである。

 古文書で語られる村の様子は、今の尾長見村に住む者からすれば信じられないような内容だった。

『村の女が妙齢を迎えると、村中の男達がその女を讃え、奉る。
 生命を産み出す存在である女性に感謝の意を示し、子孫繁栄のために男達がその精を捧げる催しは"産礼の儀式”と呼ばれ――――』

(作り話……? でも、写真も……それに……こ、これ……)

『――女達の支配は暴力や恐怖によるものではない。
 古来より村に伝わる”秘薬”を常用する事により、女達はその身に"淫気”を宿す。
 女が放つ淫気や淫香に晒された男達はたちまち性欲を制御できなくなり、女達の虜となってしまう――』

(この小袋が……もしかして、秘薬……)

『――その性欲には決して抗う事ができず、たとえ何度射精しようとも女の淫香を嗅がされれば際限なく射精を繰り返してしまう。
 やがて命そのものを搾り出されるようにして、男はそのまま衰弱して死んでしまい――』

「し、死……!?」

 読み進める程に常軌を逸していく記録内容に、花恵は震える指先でページをめくっていく。

『――何人もの犠牲を出し、ようやくこの秘薬を女達から完全に遠ざけたが、これは劇物であると同時に、他国との秘密交易のための貴重な品でもある。
 これは村の長たる男が責任をもって厳重に管理し、交易の際以外は人目に触れさせてもならない。
 村人達にはこの秘薬にまつわる全ての口外、口伝を固く禁じた。
 ゆくゆくは交易の品目から外し、製法も含めて完全に絶やす事が望ましい。
 それまで、決してこの秘薬を女に近づけてはならない――』

(帳簿の整理も何度かしたけど、今の村でそんな交易なんてものは行われてない……本当は処分されるはずだった物が、いつしか忘れ去られて……?)

『――生まれ変わったこの村の名を、"尾長見(おながみ)村”と定める。
 男達は女達の事を厳しく監視し、管理しなければならない。
 二度と、悲劇を繰り返してはならない。
 二度と、女に支配を明け渡してはならない。

 女上(おながみ)村の歴史をここに記し、後世に伝え残す事で――――』


「……い……おいッ!」
「…………!?」
「居ないのかッ! 花恵ッ!!」 
「は、はい! ここにおります」

 ドンドンと戸を叩く音と大声を聞き、ビクンと肩を跳ねさせた花恵がうわずった返事を返す。
 苛立ったような賢治の声が投げつけられる。

「チッ、一度で返事をしろノロマめ。 あー、親父が早めに帰ってくるらしい。 5時までに終わらせろ」
「かしこまり、ました……」

 扉越しに用件だけを伝え、足音は返事を待たずにずんずんと遠ざかっていった。
 ホッと息を吐いて冷や汗を拭い、花恵はまた掃除に取り掛かった。
 咄嗟に懐にしまい込んだ黒の小袋と破り取られたページが、再び元の場所に戻される事はなかった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「いやあ、やっとか。 待ちくたびれたよ、村長」
「そうそう、俺も前からずっと今日が楽しみでねえ」
「まぁ、久しぶりのサンレイだものな」
「それもあるけどさ、今回のは何てったってほら、花恵だろ?」
「ったく、村長だって分かってんでしょう?」
「くくっ、まぁな。 念入りに仕込んである。 今日は皆、楽しんでくれ」
「よっしゃあ!」
「ぐふっ、ぐひひひ」
「酒っ、酒ぇこれで足りるかあ?」
「後からまた出てくるだろ。 足りんかったら後藤さんとこから持ってくるべや」
「へへへっ、俺なんて今日のために去年から――」

 サンレイの儀式――つまり男達にとって、妙齢の女を一晩好き放題にできる宴会の会場には多くの男達が詰め寄せていた。
 締め切られた部屋の中に女達によって料理と酒が運び込まれ、男達の談笑も熱量を高めていったところで、談笑に交じっていた村長がおもむろに立ち上がり、閉じられた大きな襖の前まで移動する。

「……皆、静粛に。 これより、サンレイの儀式を始める」

「おおおっ!」
「来た来たっ!」
「花恵ぇっ! 早く出てこおいっ!」

 村長から号令がなされると、一瞬だけ静まった男達が再び沸き始める。
 皆一様に酒で顔を真っ赤に染め、普段以上に鼻息を荒くしている。
 "すぐに脱げるように”ゆったりとした浴衣の隙間からは、既にギンギンと盛り上がったイチモツが下着を突っ張らせていた。

 トン、トン、トトトトト……

 小刻みに鼓を打つ音が鳴り、音に合わせて襖が一息に開かれる。
 襖が開かれた瞬間、ムワッと”色気”が宴会場に広がったような錯覚を受け、男達が大きくどよめいた。

「おぉっ……!」
「は、花恵ぇ……」
「こりゃあ…たまげたわ……」

 襖の奥には花恵が静かに佇んでいた。
 花恵は儀式特有の装束――白く薄い布地で胸と陰部を隠しただけのような、極めて扇情的な衣装を纏っていた。

 通常は乳房を半分ほど隠すはずの布地も、花恵の爆乳によって引き絞られ、辛うじて乳輪を隠せているか、といった有様である。
 肌を隠す用途を全く成していない、ヒラヒラとした装飾をはためかせながら、花恵は再び鳴り始めた鼓の音に合わせて動き出す。

 トン、トン、トトン
 トトン、トン、トン
 トトトン、トトトン、トトトン

「おっ、おぉお……」
「おぉおおおおっ!!」
「はぁ、はぁっ、はぁっ……!」

 花恵の体が揺れるたび、こぼれ落ちそうな乳房がその後を追うように揺れる。
 花恵の体が舞うたび、白と金の装飾が同じように舞い、その下の紅潮した艶やかな肌が見え隠れする。
 舞は徐々に激しさを増し、花恵の体からまるで湯気のように色気が匂い立つ。

 男達は全員が野獣のように低く唸り声を上げ、既にはち切れんばかりに勃起したイチモツを曝け出していた。

「くっ、うっ……はぁっ、はぁっ……」
(な、何だこれは……!? 確かに花恵の体は極上だが、これほどとは……この儂がここまで当てられるとは……!)

 際限無く意気を揚げ続ける男衆の中で、村長だけが僅かに疑念を抱いていた。
 花恵の色気は普段から凄まじく、自らが直々に施した"稽古”の際も、これまでで一番の盛り上がりになる事は確信していた。

 だがしかし、今日の花恵が放つ色気はまさしく次元が違う。
 花恵の体から醸されるニオイが、飛び散る汗が、まるで質量を帯びた物質かのように部屋を満たし、息苦しい程の色気で視界にピンク色の靄(もや)がかかったかのように感じる
 年老いて年々力強さを失っていた自身のイチモツは全盛期を凌ぐ程の力強さで勃起し、先端からは涙か涎のように我慢汁が滴っている。

「くっ……! ぬぉお……!」

 気を抜けば崩れ落ちそうな膝に渾身の力を入れ、舞台で舞う花恵のもとへ歩みを進めていく。
 ごくり、と唾を飲み込み、村長は震える手を花恵の方に伸ばした。
 
 トトトン、トン
 トトトトトトトトトトト

 トトンッ

「うぉ、おおおおおおおおっ!!」
「はぁはぁはぁはぁっ!!」
「あぁあああっ!! うぁああああああっ!!!」

 特殊な構造になっている装束の一部分を掴み、引き抜く。
 すると花恵の胸元から布地が失われ、ぼろん、ばるんと音を立てるようにして至極の爆乳がこぼれ落ちる。
 その瞬間、男達の怒号を超えた悲鳴のような絶叫が響き、宴会場を更なる熱が支配する。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……賢治……賢治っ!」
「お、おう!」

 息を荒げた村長が鬼気迫る形相で手招きをすると、この儀式のもう一人の主役である賢治が舞台脇から現れる。
 この舞いが終われば、男達は花恵の体に向けて殺到し、花恵は身も心も村に捧げられる。
 そして、この場に居る全員が漏れなく求めている交合の一番手となるのが、次期村長たる賢治の役目であった。

 普段は村の長として厳粛な姿勢を崩さない父親の取り乱した姿に動揺しつつも、今まで我慢し続けた花恵とのまぐわいが間近に迫り、賢治も気持ちを高ぶらせながら花恵の傍に歩み寄る。

 トトトン、トトトン
 トントントントン

 トトトトトトトトトトト……

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「ふぅ、はぁ、ふぅ、はぁ……」

 再び鼓の音が勢いを増し、儀式のクライマックスを告げる。
 花恵はこちらに背を向け、尻を突き出すような姿勢で妖艶に腰をくねらせている。

 途中から花恵に最も近い位置でその”淫気”に当てられ続け、頭の中が沸騰しそうな程の熱気に意識を朦朧とさせながら、村長は震える手を花恵の方に伸ばす。
 少し離れた位置からそれを見る賢治に目くばせをした後、意を決して花恵の体に残る僅かな布地に手を伸ばした。



 そして村長の指先が布地に触れる瞬間――――


「…………んっ♥」

 ブッボォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

「っ!!?」
「あっ……!?」
「うぉおっ……お……!?」

 花恵の尻の谷間を覆っていた布地がひとりでに舞い上がり、宴会場に巨大な破裂音が響き渡った。

「な、んっ……」
「えっ……?」
「へ、屁ぇ……?」

 男達の怒号と息遣いを押しのけるようにして響き渡ったのは、花恵の巨大な尻から放たれた”屁”の音であった。
 それに前列の者には、音に合わせて薄桃色の気体が花恵の肛門から噴出するのがしっかりと目に映ったであろう。

 異様な事態に宴会場がシンと静まり返り、男達に動揺が波のように広がっていく。

「へ、屁だよ、な……?」
「えっ、いや、あぁ……」
「花恵のやつ……屁を……へっ、ふへへへっ」

 先ほどまで妖艶に色気を振りまいていた女が、宴会場に響き渡る程に特大の屁をぶちかました。
 考えてみればあまりに滑稽な状況に、男達の気が緩んでいく。

「はっ、はははっ! オイ何やってん――――」

「むごッッ!! がッ! がはぁッッ!!!」
「げっほッ!? ぐぇっ! うぇえええッッ!!」

「おっ……!? はっ、はははっ! そ、村長そんな、大げさな」
「賢治まで、わはははっ!」
「はははっ……はっ……えぇ……?」

 突然、村長と賢治が口元を覆って苦しみ始める。
 至近距離で花恵の屁を浴びた村長の苦しみ様は特に激しく、床に倒れこんでのたうち回るようにもがき苦しんでいる。
 あまりに激しく苦しんでいる様子とは対照的に、村長の股間はドクンドクンと目に見えて波打ち、下着の隙間から飛び出した先端からはまるで小便のように白濁液が放たれ始めた。
 
「むぐぐぐッッ!!! げほッッ!! は、な゛っ……花恵ッッ!! ギザ、マ――」
「…………っ」
「むぐぅううううッ!!?」

 村長の目は血走り、激しく興奮しながら口角泡を飛ばしている。
 その真っ赤に紅潮した村長の顔に、輝く汗を滴らせた花恵の巨尻がズドンと落とされた。

「お、おいッ!? 花恵お前何して……んぉっ!? ぐっせぇえっ!? おぇッ!!」

「…………んっ♥」

 ブゥビビビビビビッッ!!!
 ボブブブブブィビビビビィイイイ!!!!

「あガッ!!! ぐガガガガガガガッ!!!!」
「げほッ、ごほッ! そっ、村ちょ――あぁあっ!?」 

 老いた村長の顔を、張りのある瑞々しい柔肉がすっぽりと覆いつくし、次の瞬間には女の尻から聞こえたとは思えない程に汚らしい破裂音が鳴り響く。
 そのニオイは離れていても分かる程に、爆音に相応しい激臭であった。

 それを至近距離で注ぎ込まれた村長は手足を激しく痙攣させながら、半透明の精液を噴水の如く大量に噴き上げ、やがて糸が切れたようにピタリと動きを止めた。

「…………ふぅ」
「なっ、はっ……!? そん、ちょ……ヒッ!?」 

 ゆったりとした動きで花恵の巨尻が持ち上げられた。
 そしてその下からは真っ赤な顔で舌をデロリとこぼれさせ、白目を剥いたまま硬直している村長の顔が現れた。
 
 この宴会場で最も強烈な悪臭に晒されながらも、村長の体は一切の動きを止めていた。
 呼吸も、そして鼓動さえも。

「えっ、し、死ッ……!? ぐっ!? げほごほッ!」
「お、おい! 花恵テメェ村長に何して――――」
「…………んっ♥」

 ブッゴォオオオオオオオオオオオオオッ!!!!
 バフゥウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!

「うぉッ!? こいつまた屁ェ……がはッ!?」
「ぐぜっ!! ぐっせぇええええ!!?」
「げほッ、げほッ!? な、なんだ、マラが……マラが痛ぇッ!?」
「ぁ熱ッッ!? なん、だ……うぉあああああっ!!?」

 男達に向かって背を翻した花恵が再三に特大の屁を放つ。
 薄いピンクの靄が男達を包み込み、男達は激しい悪臭に苦しんだ。
 そして、村長と、その傍で倒れて動かない賢治と同じく、自らのイチモツを限界を超えて勃起させていた。

 太い血管が隆起し、普段の倍ほどの、あり得ない程の大きさに勃起したイチモツの先端からは、まるで蛇口をひねったかのような勢いで精液がほとばしる。
 先端を塞いでも、根元を握りこんでも一切止まらずに射精は続き、我慢した小便を開放する時の何倍もの快感が男達の全身を貫いていく。

「おぁッ……あッ……あぁああうあ……」
「ふひゅヒッ…ヒヒヒァ……」
「と、とま、ヒッ、とまら、ね……エヘ、エヘヘヘ……」
「花、恵ぇ……よせ……ひゃめ、てくれ……」
「…………ふふっ♥」

 プッスゥウウウウ~~~~~…………

「んがぐッッ!!?? はぇッ……お、ぁあああああ……」

 命の危機を感じた男の一人が地面を這いながらも花恵に縋りつくが、それを一瞥した花恵は男の顔にしゃがみこんで空気が抜けるような屁を直接かける。
 すると、男のイチモツからはより一層の精液が噴き出し始め、やがて彼は他の男達よりも先に動きを止める事となった。


「な、何だ……!? 何が起こってんだ……!?」
「あいつら何して……んぐッ!? くっせぇッ!!」
「お、おいお前……それ……」
「げほごほッ! あァ……? ヒィッ!?」

 舞台から離れた席に居た男達にとっては、花恵が屁を放り出した途端に前列の男達が急にイチモツを勃起させて射精し始めたようにしか見えなかった。
 そして、地面に倒れこんでビクンビクンと快楽に体を跳ねさせながら尋常ではない量の射精を続ける彼らに訝し気な目を向けていた彼らのもとにも、ようやく"淫香”が届いた。

 "秘薬”によって花恵の体内で生まれた淫気が濃縮された淫香ガスを吸い込んだ男から順に、その体は未曽有の快感に支配されていく。

「……んっ♥……んんっ♥」

 ブビィイイイイイイイイイイッ!!!
 バスゥウウッ!! ブスゥウウウウウウウッ!!!
 ボシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!

「あぁああああああっ!! なんだこれぇえっ!!! 止まらねえ!! 止まらねえェエエエ!!!」
「げほげほッ!! ぐぜぇええッッ!! ぐぜ……ぇあッ!? なんッ、だッこれッ!? あぁあああああッッ!!!」

 それは明らかに、ただの射精ではなかった。 
 自分達を産んだ"女”という存在に精を捧げるべく、自らの意思とは無関係に、男達は最奥の蛇口を開き、自らの”生命”をイチモツから捻りだしていく。

 花恵が巨大な胸と尻をブルンブルンと震わせながら舞い踊り、濃縮された淫気ガスを肛門からまき散らすたびに、あちらこちらで男達の生命の噴水が上がる。

「何してんだッ!! やめさせろッッ!!」
「ぐッ!? げほッ! くッそぉッ!!」
「花恵、テメエごらァッ!! 何してやが――――」

「んっ……ふぅん……♥♥」

 ブォオオオオオオオブビィイイイイイイイイッッ!!!
 バッシュシュシュウウウウウウウウウウウウッッ!!!

「んがァアッ!!? かはッッ!!」
「なんッ……ぢ、ぢがら……はいらね……ッ!!?」
「和夫ぉ!! んだ、これッ……ぶぁああああッ!?」

 必死に止めようと殺到する男達を尻目に、花恵は時おり屁を放ちながら、ぶるんぶるん、と女肉を揺らして舞い続ける。
 汗を飛び散らせ、体を熱く火照らせた花恵の股間からはトロリとした液体が垂れ落ちる。

 男達はまるで花恵という蜜花に群がる虫のようで、そのどれもが花恵に触れもしないままに倒れ込み、精液を止めどなく捧げていた。

 気づけば閉め切られた宴会場内は薄いピンクの靄が充満している。

「はぁッ、はあッ! く、くそッ! 何かやべえぞッ!!」
「早く開けろッ! おいッ!! 何してるッッ!!」
「ち、力が入らねえんだよぉお……」
「どけッ! 俺が開ける……オラァッ! 開いたぞ――――」

「……ふふっ、来た来た」
「えいっ♥」
「そぉれっ♥」

 ブッシュウウウウウウウウウウウウウッ!!!!
 ブピッ、プビビビィイイイイイイイイッ!!!!

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