ooo 2024/04/13 21:12

【二次創作】プロレス部ショタくんがサキュバスの女王のくっさい口と長舌に完敗しちゃう話

※本作は同人サークル「スカンクス」様の『ばとるふぁっか~ず』と、「とろとろレジスタンス」様の『もんむす・くえすと!』の二次創作です。


※基本設定は前作SSか本家様のゲームをご参照ください。

『ばとるふぁっか~ず』 ※世界観・主要キャラ
https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ251542.html

『もんむす・くえすと!』 ※今作の敵メインキャラ「アルマエルマ」
https://mon110.sakura.ne.jp/mong/top.html


【拙作】
『ばとるふぁっか~ず(スカンクス)』二次創作 ~憧れのおクチ~
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17625044



※本作には本家作品における若干のネタバレがあります。
 先に本家作品のクリアをオススメします。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「道場破り……ですか?」
「うん、道場っていうか、ウチみたいな団体なんだけどね。 今どき珍しいよね~」

 アンダーグラウンド興行団体、"ナイトオリンピア”の選手用ロビーにて。
 少年バトルファッカーの"東雲ユウ”は、先輩女性の"桜花”からとある噂話を聞かされた。

 何やらここ最近、プロレス団体やバトルファッカー団体を標的とした道場破りを行なっている者がいるという。
 その者は圧倒的な強さで全戦全勝を重ねており、驚くべきことにその人物"悪魔”のようなコスプレをしたとんでもなく美しい女性であるらしい。

「私の知ってるところもいくつかヤられちゃったみたいだし、いずれウチにも来るんじゃないかな。 っていうか、絶対来るよねっ? どれくらい強いんだろっ! 早く戦ってみたいよねっ!!」
「せ、先輩……」

 バトルファッカーとしての血が騒ぐのか、いきなり闘志を燃やし始めた桜花の姿に苦笑しつつ、ユウは心の中で思案していた。
 突然現れた、圧倒的な強さを持つ美女――それだけでも凄い事だが、その格好が"悪魔”のコスプレ姿というのが、ユウの心に引っかかっていた。

(悪魔って……もしかして、前みたいな……いや、考えすぎかな……?)

「あっ、そろそろ私の出番みたい。 それじゃ、いってくるね! って、ユウくん?」 
「…………え? あっ、はい! 頑張ってください!」
「なぁに~? ユウくんってば、カワイイ悪魔ちゃんの事で頭いっぱいで、先輩の事はもう眼中にないって感じ? 傷ついちゃうな~……」
「い、いやいやいやっ! そんな事ないですよ! 今のはちょっと、前の、えっと……」
「ふーんだっ! 確かに最近ユウくんには連敗中だけど、次こそは私が勝つからねっ! 首を……じゃなくて、鼻を洗って待ってなさーい! にひひっ♪ じゃーねっ!」
「あっ、うっ……えと、き、気を付けて、ください……」

 ユウの方を向いた桜花は何かを舐めまわすように舌をベロベロと動かした。
 たちまちユウが顔を赤面させると、桜花はいたずら気に微笑みながらリングの方へと走り去っていった。
 戦績で勝ち越したとしても未だに憧れの先輩である桜花の長い舌の感触とニオイを思い出し、ユウは自身の体格に見合った小ぶりなペニスを慌ててタオルで覆い隠した。

 嵐のように過ぎ去っていった桜花によって浮ついてしまった心を何とか鎮めつつ、ユウも自身の次の試合の準備をする事にした。
 しかし、この時は杞憂である事を願った予想が、数日後には現実になってユウの身に降りかかる事となったのであった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「うっ……!? なにが……こ、ここは……!?」

 まばゆい光が収まり、目をしばたたかせながらユウが辺りを見渡すと、そこには異様な光景が広がっていた。
 自身が立っている白いリングはあちこちからスポットライトが当てられており、リングの外は辺り一面、黒とも紫ともつかない得体の知れない闇に覆われている。
 まるで、ユウの立つこのプロレスリングだけが空間ごと切り離されてしまったような、明らかな異常事態である。

 自身のプロレス部が例のコスプレレスラーに襲撃された。
 その報を聞いたユウはすぐに現場に向かい、自分の後輩である部員達からその精を搾り取った犯人を追った。
 道場破りが部員達に残した手紙の通りの場所に向かうと……ユウは突如としてこの謎の空間に転送されてしまったのだ。


「いらっしゃぁい♥」
「――誰だッ!?」

 突如として背後から響いた甘ったるい声にユウが振り向くと、闇の中から一人の女性が浮かび上がった。
 ふわりと重力を感じさせない動きでリングの上に降り立ったその女性の姿は、この状況に相応しい異様さを持ち合わせていた。

「ウフフ……やっと見つけたわよ。 キミがユウくんね? 聞いてた通り……すっごくカワイイわぁ♥♥」
「っ……!? お、お前はフロマージュさん達と同じ……魔族だなっ!」
「あら、やっぱり分かるかしら? そうよ、私の名前は"アルマエルマ”……クイーン……まぁ、サキュバスって言ったら分かるかしら? フロマージュちゃん達とは……そう、お友達ってところかしらね♪」

 紫色の艶やかな髪を腰まで靡かせながら、アルマエルマと名乗った女魔族は妖艶な笑みを浮かべた。
 
 その背はユウよりも高く、スレンダーな腕や腰とは対照的に、胸や尻、太ももにはこれでもかと女性的な肉感を盛り尽くした、まさしく男の欲望の具現とも思える体である。

 それだけであれば単なる卑猥な女性であるが、その頭部には一対の曲がった角が、その背はコウモリを思わせる巨大な羽が。
 そしてヒモのような黒の衣装が辛うじて秘部だけを隠している下半身に目をやれば、太く長い尻尾の先端でまるで花弁ような器官がパクパクと開閉を繰り返している。

 そのどれもがコスプレやCGでは到底及びつかない程の生々しいリアリティを感じさせている様は、まさしく彼女が人外の存在である事を声高に主張していた。

「アルマエルマ……! お前が、プロレス部の皆を……!!」
「フフ、ごめんなさいね? 本当はユウくんとだけ闘えれば良かったんだけど、お腹空いてたし、あんまりにも皆がカワイイから……つまみ食いしちゃった♥」
「皆はバトルファッカーじゃなくて普通のプロレス部員なのに……許さないぞ! 皆の仇はボクが取る!!」
「フフッ♥ 最初から闘志マンマンって感じね♪ 良いわぁ……さぁ、お姉さんと遊びましょう……んれぇ~~ろ♥♥」
「……ッ!!??」

 突き刺さるようなユウの闘志をゆるりと受け流すようにして、少し体を前に倒したアルマエルマは、ユウに見せつけるようにして何もない中空を舐め上げた。
 ニチャリと水音が聞こえそうなくらいにネバついた唾液の糸を引きながら彼女の舌が動かされると、ユウは思わず体を硬直させてしまう。
 
 ユウの視線はアルマエルマの組まれた腕の隙間から今にもこぼれ落ちそうな巨乳ではなく、スポットライトを浴びてテラテラと輝くピンク色の舌先にクギ付けになってしまっている。

「あらあら、いきなり固まっちゃってどうしたのぉ? もしかして、"こういうの”が好きなのかしらぁ……? 他にも例えば……んっ……んれぇ~~~♥♥」
「――――ぅ、わっ……!!?」

 ニヤニヤといたずら気な笑みを浮かべたアルマエルマが一度舌を戻し、再び口の中からベロンとこぼれさせた時、ユウは堪らずに声を上げてしまった。
 何と、先ほどまで綺麗なピンク色だった彼女の舌の表面が、真っ白に染まっていたのであった。

 ずるずる、ずるずると唾液を滴らせながら顎の下まで垂れ下がっていく長舌の色は、決して塗料のような美しい白さではない――――大量の舌苔に覆いつくされた、もわりと臭い立つような汚らしい白さである。
 そしてまさしくそれは、度重なる桜花との試合によって歪められたユウの性癖に真正面から直撃するような光景だったのである。
 

「あ、あっ……うぅぅっ!!?」
「そうよねぇ……キミは"こういうの”がだぁい好きだもんね? カワイイおちんちんの方も闘志ビンビンになっちゃって……♥ 嬉しいわぁ……私も高まってきちゃう♥♥」
「なっ……なん、で……!?」
「”なんで舌が急に汚れたんだろう”って? ”なんでボクの好みがバレちゃってるんだろう”って? ウフフ……どっちも答えは簡単……”私がすごぉいサキュバスだから”よ♥」
「……っ!!??」

 舌、唾、そして口臭にフェチを感じるようになってしまったユウの性癖は、今のところその元凶である桜花にしか知られていないはずだった。
 しかし、アルマエルマはサキュバスの特性をもってその性癖をユウの心から読み取り、自身の身体機能を操作する事でユウが最も好む舌の状態を再現して見せた。

 あまりの衝撃的な光景に狼狽えるユウの股間が、触られてもいない内にドクドクと脈動し始める。
 これからバトルファックの試合に臨む相手に性癖の全てを把握されているというのは、ユウにとって最悪の状況と言っても過言ではない。

「ウフフ、それじゃあ、気を取り直して…………」
「……ッ!!」

 アルマエルマがおもむろに光る指先を掲げると、見知った甲高い金属音が鳴り響く。
 観客もレフェリーも無い異空間に、どこからともなく打ち鳴らされたゴングの音を耳にしたユウは、反射的に正気を取り戻した。

「さぁ…………お姉さんと、遊びましょう……♥」
「来るなら……来いッ!!」

 再び闘志のこもった目を向け、手足を開いてファイティングポーズを取るユウの方へ、アルマエルマが地面を滑るようにして近づいていく。

「…………やぁッ!!」
「フフッ♥」

 無防備に射程圏内へと侵入したアルマエルマに向けて、ユウが鋭いサイドキックを放つ。
 小柄な体格から放たれる足技ながら、試合の中で先輩選手達の技を学んだユウが放つ蹴りは、牽制技として十分な威力を持っていた――――そのはずであった。

「……ッ!? はぁッ!! たぁあッ!!」
「ふぅん……重さは全然だけど、速さとキレはまぁまぁってところかしらね♪」
「なッ…………!?」

 二度、三度と連続して放たれたユウの蹴りは、アルマエルマの女性的で華奢な手によっていとも簡単に止められてしまった。
 ユウはその事実よりも、自身の蹴り足に返ってくる衝撃の小ささに驚愕した。

 "避けられた”のでも、”当たったが耐えられた”のでもない。
 ふわりと添えるように当てられたアルマエルマの掌によって、ユウの蹴り足が伸び切る頃にはその威力は完全に吸収されてしまっているのだ。
 あるいはユウがただの素人であれば、アルマエルマが魔族よろしく何らかの魔法を用いたと考えたかもしれない。

 しかし、ナイトオリンピアで数々の強敵と戦い抜いてきたユウには、それが彼女の凄まじい技量によって成されている事が分かってしまったのだ。

 あまりの技量差に肝を冷やしたユウの額から冷や汗が流れる。
 しかし、技量で負けているからといってここで諦めるわけにはいかない。

「くッ……うぉおおおおおッッ!!」

「あっ、そうそう、忘れてたわ……」

 ユウは蹴り技での牽制を止め、一度距離を取った後に素早いステップで攪乱し、渾身のタックルを放った。
 未だ成長期で小柄なユウに足りていない体の重さは、彼が日々のトレーニングで培ってきたスピードによって十分に補われている。

 ナイトオリンピアの強豪達もロープ際に追いやる事ができる、ユウの死角を突いたタックルは――――

「……んっ♥」
「ッ!!?」

 ――――ズドン、と鈍い音を立てつつも、少し足を開いて踏ん張ったアルマエルマに完全に受け止められてしまった。
 今度こそは技量だけでなく、圧倒的な反応速度と単純な力によって受け止められている。
 長身かつムッチリと女性的な肉を蓄えた彼女の体のどこにそのような力があるというのか。
 驚愕した次の瞬間には、ユウの背中にアルマエルマの腕がしっかりと回される。

 気を抜けばこのまま沈み込んでしまいそうな程に柔らかく、熱く、ムワリと匂い立つような抗いがたいフェロモンを放っている女肉に、ユウは完全に捕らえられてしまった。

「たしか、プロレスって相手の技をちゃんと受けないとダメなのよね? これでぇ、ちゃんとできているかしらぁ♥」
「む、ぐッ……んんんッ!!」
「ねぇ~♥ どうなのぉ~♥♥」
「ぐっ……さっ……! あぅ、うぅぅ……♥」

 ハグによる拘束を何とか振りほどこうともがくユウに向けて、アルマエルマが挑発的な言葉を投げかける。
 それも、額が触れ合う程の距離に顔を寄せ、わざとユウの鼻先で口を開けて囁くものだから、ユウの鼻先がモワリと生暖かいアルマエルマの吐息に包まれてしまう。

 酸っぱいような、生臭いような、重苦しいような……とても美女の口から醸されているとは思えない程の悪臭であるが、それはもちろんユウの好み100%にチューニングされたニオイである。

 身動きが取れず、顔を背ける事もできない状態でそのニオイを嗅がされたユウの体から力が抜けていく。

「…………う、うぉおおおおおッ!!!」
「おっとっと……フフッ、頑張るわね。 そうこなくっちゃ♪」
「ぜぇっ、はぁっ、はぁっ……まける、もんかぁ……!!」

 あわや完全に脱力してしまうというところで、再び気合を入れなおしたユウがアルマエルマの拘束を脱した。
 牽制の蹴りを繰り出しながら距離を取ったユウだが、またもアルマエルマが流れるように距離を詰めていく。

「ウフフフ……今度はこっちからいくわよぉ……ふッ!」
「……うぐッ!!?」

 くねくねと挑発的に尻を揺らしながら歩み寄ったアルマエルマがおもむろに腰を捻る。
 すると、ユウの脇腹にまるで鞭で打たれたかのような鋭い衝撃が走った。
 衝撃の後にやってきた痛みに慌てて脇腹を押さえたユウが目にしたのは、いつの間にか伸ばされていたアルマエルマの右足がゆっくりと元の位置に戻っていく様子だった。

 性の権化のような見た目に反して、まるで武の達人かのような動きを繰り返すアルマエルマが放った蹴りは、まさしく目にもとまらぬ速さだったのだ。

「ウフフッ、どんどんいくわよ♪」
「い゛ッ!! うぐッ!? ぐぅううッ!!?」
「ほらほら、頑張ってぇ♥」

 アルマエルマの下半身がブレたと思った瞬間、ユウの体に鋭い蹴りが次々と突き刺さっていく。
 そしてその蹴りは速いだけでなく、ユウが防御しようとした腕や膝を的確に避けて無防備なボディに突き刺さる。
 しなる脚が空中で軌道を変えながら襲い来る様は、まるで鞭で体を打たれているかのようであった。

「うッ、ぐッ! ぐぐぐッ…………!」
「ほぉら……つんつんっ♥」
「――――ひゃううっ!!? うわわっ!!?」

 せめてハイキックで頭だけは打たれまいと、力を込めた腕で顔を覆っていたユウの股間に、突如として痺れるような快感が広がる。
 脇腹に向かっていたはずのアルマエルマのつま先が、倒れないように必死に踏ん張っていたユウの股間を優しくノックしたのだ。

 金的を恐れ、慌てて股間に手をやったユウの視界いっぱいに、アルマエルマの妖艶な笑顔が映り込む。

「んれぇろぉ~~~~~っ♥♥」
「わぶッッ!!?? ん゛んッ!!?♥♥ むぐぅうううううッッ♥♥♥」

 ユウの顔のガードが解けた瞬間を見計らい、アルマエルマ白く汚れた長舌でユウの口元から眉間までをネットリと舐め上げた。
 不意を突いたぬらぬらとした舌の感触にユウの体は硬直し、その舐め跡に残された大量の唾液が放つ濃厚な唾臭に、ユウは鼻先を押さえて悶絶した。

 部員達の、仲間達の仇を前にしていると分かっているのに、ユウの股間はどうしようもなく熱を持って昂ってしまう。

「うぁああっ……ん゛ぐぅううッ!!?♥♥ ぐ、しゃ……くしゃいぃいいい……♥♥♥」
「あらあらぁ~♥ ヘロヘロになっちゃったわねぇ~♥♥」

 鼻先にベットリと張り付いた唾を慌てて手で拭おうとすれば、半渇き状態で更に濃厚さを増した強烈なニオイがユウの鼻腔を貫き、ユウの全身から力が抜けてしまう。
 ガクガクと膝を震えさせながら逃げようとするユウを優しく抱きしめるようにして、アルマエルマがユウをそのまま仰向けに押し倒した。

「うぐ、うぅううう……♥♥ やめ、ろぉ……はな、れ――――ひゃああうううッッ!!??♥♥♥♥」
「ウフフ♥♥ ホントに反応がカワイイわねぇ……今度はどうしちゃったのかしら~?」

 抱きしめるような姿勢で覆い被さっているアルマエルマを跳ねのけようと力を込めた次の瞬間、ユウの股間にまたも強烈な快感が与えられた。
 視界を埋め尽くすアルマエルマの顔と巨乳によって、ユウは自身の股間がどうなっているかを見る事ができない。

 しかし、トロトロと唾液を垂らしながら舌なめずりをするアルマエルマの背後では彼女の長大な尻尾が、ユウの股間に走る快楽に合わせてグネグネと蠢いていた。

「ひゃっ、ひゃめっ!! うひぃいっ!!?♥♥♥ やめてぇえええええ!!!♥♥♥♥」
「あっはぁああ……♥♥ やっぱりキミみたいな小さくて元気な男の子のおちんちんが一番おいしいわぁ……♥♥♥」

 まるで食中花のようになっているアルマエルマの尻尾の先端が、いつのまにかパンツを脱がされていたユウの小さなペニスにむしゃぶりついていた。
 アルマエルマの尻尾はその先端からゴボゴボと淫液をローションのように垂らしながら、ユウのペニスを呑み込み、吸い付き、回転し、ねぶり回していく。
 それはまるで巨大な口のようでいて、決して人間の口では真似できないような、抗い難い快感をユウの股間に与え続けた。

「やッ♥♥ あッ♥♥ うあぁあああッ――――むぶッッ!!?♥♥♥♥」
「ウフフ……だぁ~~めっ♥」

 必死に身をよじり、快楽の拘束から逃れようとするユウの顔をアルマエルマの両手が挟み込む。

「逃がさないわよぉ…………んれぇぇ~~~♥♥♥」
「むぐッ!! むぅうッッ!! ん゛んんんん~~~ッ!!!??♥♥♥♥」

 そしてそのまま、ユウの鼻先はまたしてもアルマエルマの臭い立つ口内に呑み込まれてしまった。
 敏感な鼻先がプルプルとした瑞々しい唇の感触に包み込まれ、その直後には僅かにザラついた舌の感触が鼻の穴周辺をナメクジのように這いまわる。

「んれぇ~~るれるれる♥♥ んふふふ~~♥♥ ちゅるるるるぅ♥♥♥♥」
「んぶぐぐッッ!!♥♥ じゅるるッッ!!??♥♥♥♥ げほッッ!! ん゛むぅうううううッッ!!!!♥♥♥♥」
(は、鼻にッ!!? 入って……ニオイが!! 唾が!! 頭ッ!! おかしくなるぅううう!!!)

 サキュバスであるアルマエルマは舌先すらも変幻自在であるのか。
 ユウの小さな鼻の穴にいとも容易く入り込んだ舌先は渦を描くようにして内部をことごとく蹂躙し、やけにネバついた唾塊や舌苔の欠片を置き土産のようにこびり付かせ残していく。
 左右両方の穴に舌先がジュボジュボと乱暴に出し入れされる様はまるで舌先を使ったレ○プかのようだ。
 体全体をガッチリと組み敷かれた状態で股間を尻尾に吸い上げられ、鼻先を舌で女子のように犯され……ユウはもはや正常な思考ができなくなっていた。

「んフフ……そろそろかしらね? んゲェェ~~~~ップ♥♥♥」
「むぐぎゅッッ!!??♥♥♥♥ ゲホッ!! ゴホゴホッッ!!♥♥♥♥」

 ちゅるん、と舌が抜きされたかと思えば、間髪入れずに下品な音と共にアルマエルマの胃の中の空気が吐きかけられる、
 鼻の奥が火傷しそうな程の刺激的なニオイにユウの体がビクンと大きく跳ねる。
 鼻の奥から脳みそまで突き上げるような激臭と、ふがいないこの状況に対する屈辱感に、股間部から全身に電気的に広がる暴力的な快楽が混ぜ合わさり、ユウの我慢は既に限界だった。

「ウフフ……我慢しないで……♥ お姉さんの中にいっぱい出しちゃいなさぁい……はむっ♥♥」
「むぐッ!!?」

 アルマエルマの唇が再びユウの鼻を咥え込む。
 先ほどまでと明らかに違い、鼻を本当に呑み込んでしまうかのように、反対に舌をズルズルと引き出し、ユウの鼻が舌の奥の奥へ密着するように……。
 
「んっ、いくわよぉ……んぇぇぇぇ…………♥♥♥」
「ぶッ、ぐぅぅ……!!?」


べちょっ。


「ん゛んんんんんぅうううううううううううッッ!!!!♥♥♥♥♥♥」

 ビクビクビクビクビクビクッ!!
 ドピュルルルルルッッ!!!

 ヂュルルルルルルルルルルルルル♥♥♥♥

 アルマエルマの長すぎる舌の最奥の、最も濃厚で、最も強烈なニオイを放つ部分にユウの鼻先が押し当てられた瞬間、ユウの脳内に真っ白なスパークが弾け、ユウは全身を震わせながら盛大に絶頂してしまった。
 アルマエルマの尻尾は年相応の小さなペニスから噴き上がる精子を一息に飲み干し、更に根こそぎ奪おうとするように強烈に吸引する。

「まっ、待っ――――あひぃいいいいいいいいっ!!!♥♥♥♥」
「んちゅっ、ちゅぶぶっ……ぷはっ♥ フフッ、まだまだ終わらないわよぉ……♥」

 射精直後の敏感なペニスを強烈に吸引され、ユウは体をのけ反らせて悲鳴混じりの喘ぎ声を上げる。
 通常のバトルファックであれば既に勝敗が決していてもおかしくはない状況だが、この戦いには観客もレフェリーも存在しない。

 アルマエルマはどこからともなく小瓶を取り出し、中の怪しげな液体を口に含んだ。
 
「んくっ、んくっ……ほぉら、んれぇぇぇ~~~~~……♥♥」
「はぁっ、ひぃっ、はぁっ――――あぶッ!!? んぐぐッ!!!??」
「ウフフフ……ダメよぉ、ちゃぁんと飲みなさぁい♥」
「んッ…ぐぐッ…………ごく…………ッッ!!?」

 そしてアルマエルマはユウの顔を固定して口を開けさせ、ネットリとした唾液と共に口の中のピンク色の液体をユウの口内に垂らした。
 快楽に喘いでいたユウは突然の行為に目を白黒とさせるが、すぐにアルマエルマの手によって鼻と口を塞がれてしまった。

 窒息を避けるため、やむを得ず口内の甘苦い液体をアルマエルマの唾液と共に飲み込んだユウの体内が、にわかに熱を持ち始める。

「ん゛んんッ!!? んッッ!!! むぅうううううッッ!!??」
「あはぁ♪ どう、すごく効くでしょ? サキュバス特製のび・や・く♪」
「んぅううッッ!!?? んんんんんんッッ!!!」
「ウフフッ♥ カラダがアツ~~くなってきたでしょ? それで、おちんちんはもぉ~~っとアツくなってきたでしょ♥」

 ユウの体はまるで融けた鉄を流し込まれたように火照り、萎えていたペニスは先ほどの特大射精による疲労が嘘のようにドクンドクンと脈動し始めた。
 なんら快感を感じているわけではないのに、意思に反して既に射精寸前の状態になっている自身のペニスを見てユウは驚愕した。
 
 その様子をおかしそうに笑いながら、ユウの口から手を離したアルマエルマが告げる。

「ウフフッ……私の媚薬は凄いのよ? しばらくの間、キミは萎えずに何度でも射精できるようになったの。 出した後に気怠くなっちゃう事も無いし、もちろん出しすぎて死んじゃったりする事も無いわ。 これで好きなだけいーっぱいドピュドピュできるわぁ……嬉しいでしょぉ?」
「ぶはッ! げほ、ごほッ! ま、待って!! これ以上は――――ひゃうぅッ!!?」

 許しを請おうとしたユウの頭が、突如としてヌチャリと湿った肉の感触に呑み込まれる。
 突然の異質な感覚に、ユウは情けない悲鳴を上げてしまった。

「でもぉ、責め方がさっきと同じだと飽きちゃうでしょ? フフッ……安心しなさい。 今度はさっきより面白いやり方で搾り取ってあげるからぁ♥」
「うぁっ――んぶッ!!? もごッ……んぐぐッ!!??」
「ウフフッ、ウフフフフ……♥♥」

 ジュルジュル、ヌチャヌチャと 濡れた肉の感触が広がり、ついにユウの頭から顔は完全に粘肉に呑み込まれてしまった。
 まるで軟体動物に顔を咥え込まれたような感触にパニックになるユウであったが、第三者の視点からは、アルマエルマの伸び広がった尻尾の先端がユウの頭部を徐々に呑み込んでいく様子がはっきりと見えるであろう。

 アルマエルマの尻尾はそのままユウの首、胸、腰とその体を呑み込んでいき、ついにユウの全身がアルマエルマの尻尾の中に納まってしまった。


「んっ……くうぅっ……んぁあああん♥♥  ふぅぅ……やっぱりかわいい男の子を食べちゃうのは最高だわぁ……♥♥」

 ユウの体が尻尾の中を通り抜ける感触で軽く絶頂し、愛液をトロトロと垂らしながら、アルマエルマは尻尾の中をゆっくりと進んでいくユウの膨らみを愛おし気に撫でる。

「ウフフフ……ナカでもい~~~っぱい、かわいがってア・ゲ・ル♥」

 ユウにとっての地獄のような快楽ツアーは、まだ始まったばかりだ。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「んぐぎぎッ!!??♥♥ ん゛んぃいいいいいッッ!!!♥♥♥♥」

 アルマエルマの尻尾の中を、ユウの体がゆっくりと進んでいく。
 まるで大型動物を丸呑みにしたニシキヘビの腹のように、アルマエルマの尻尾にはユウの輪郭に沿った膨らみが生まれている。
 "気をつけ”のようなユウの姿勢がくっきりと写る程に密着したアルマエルマの尻尾の内壁は生暖かく、粘液でヌルついた表面が股間に擦れる感触はユウにとって耐えがたいものであった。

 唾とも愛液とも違う、サキュバスのフェロモンを濃縮したような何とも言えないニオイが充満した尻尾の中で、ユウは短時間に何度も射精することとなった。

「うぁああッ!?♥♥ あうぅうううッッ!!♥♥ き、気持ちいいの、止まらなッ――――あひぃいいいいいッッ!!!??♥♥♥♥」

 アルマエルマの特製の媚薬の効果は凄まじく、ユウが何度射精しようがその未熟なペニスが萎える事はなかった。
 ペニスの先端から無尽蔵に精子を放ちながら、ユウは脱力する事も許されなかった。

「んッ、ぶぐぐッ…………ぶわッ!? なっ、なん――う゛ぅうッ!!??」

 しばらく窮屈な尻尾内を運ばれていたユウの体が、不意に開けた空間へ吐き出された。
 円形の空間には膝くらいの高さに温かい液体が満たされ、頭上には窄められた口のような小さな弁が見える。
 ユウは状況に困惑したが、次の瞬間には鼻先に突き刺さるような酸性の刺激臭が襲い掛かった。

「むぐッ!! ぐッ、ぐざぃぃ……!! こ、ここって……まさか……うわぁあッ!!?」

 目に染みるような酸っぱい発酵臭に喘いでいたユウに向かって、周りの肉壁がグネグネと収縮し始めた。
 ただでさえ狭苦しい空間で、蠢く肉壁によって刺激臭を放つ液体と一緒に体をもみくちゃにされ、ユウは悲鳴を上げる。

「うわぁあッ!! ぶふッ!!? げっほ!! う゛ッ、うぇえええッッ!!??♥♥♥ こ、これッ、ぶぇッ!!♥♥ や、やめッ――んぁあああああッッ!!!♥♥♥」
『ウフフッ、私の胃の中はどう? とっても気持ちいいでしょう♥ 私くらいになれば、体のナカだって自由に動かせるんだから♪』
「んんんんッ!! んぐぅうううッ!!♥♥」
(く、臭いのに、気持ち悪いのにぃ……! あったかいヌルヌルにちんちんが包み込まれて……気持ちよくなっちゃうぅうう……!!)

 長い長い尻尾を抜けてユウがたどり着いたその空間は、アルマエルマの"胃袋”だった。
 その中を満たす胃液が放つ強烈な刺激臭は常人にとっては嘔吐を避け得ない程のものであったが、日々の試合で性癖を捻じ曲げられた今のユウにとっては、それらは何よりの快楽へのスパイスであった。

 食物を溶かすのではなく、獲物を蕩けさせるためのローションのような胃液がユウの全身に絡められ、体内を犯し、更なる射精へと導いていく。

「あっ、うっ、あぁあっ!? んぁうぅううううッッ!!!♥♥♥♥」 
『あはぁあ……かわいいわぁユウくん♥ お姉さんのナカにどんどん出しちゃいなさい♥♥』
「ぶぐぐぐッ!! ぶはッ!! がぼごぼッ!!♥♥」

 射精時に駆け巡る快感に息をつく暇もなく、ユウは肉壁の動きによってすぐにフェロモン胃液に沈められる。
 初めは膝ほどまでの高さしか無かったはずの胃液だが、いつのまにか直立していないと顔が浸かってしまう程に嵩を増している。

「ごぼぼぼ……ぶはッ!! げっほごほッ!! お゛ぇえッ!!!♥♥ はぁっ、はぁっ……はぁっ……!!?♥♥」
(な、何で……胃液が増えて……いや、胃袋自体が大きく……まさか……!?)

『ウフフフ、そろそろかしらね…………ん、ぐっ……んんっ♥♥』
「う、あっ!? むぎゅううッッ!!??♥♥♥」

 何らかの魔法の作用で体内に響くアルマエルマの声が、強く息むようなニュアンスを帯びた次の瞬間、今までで一番激しく収縮を始めた胃壁によってユウは締め付けられた。
 そして、いつのまにかユウの全身が収まる程に巨大化していた肉の弁に押し当てられたユウは、そのまま弁を押し広げて細い管の中を突き進んでいく。

「んぐぐッ!!! ぐぎぎぎッ!!??♥♥♥ ま、また――――あぅううううううッッ!!!♥♥♥♥」

 キツく全身を締め付けるような細い管の中を、ユウは摩擦で射精を繰り返しながら進んでいく。
 尻尾とはまた違う質感のその管の表面を覆う粘液は、ユウが一番好きなニオイを強烈に放っていた。
 その生臭く饐えたようなニオイはどんどん強くなり、粘液にまみれてほとんど目を開けられないユウの瞼についに光が当たる。

「ん、ぎッ……ふぐぐぐッ……!!」
『んっ……んぇっ……んゲェエエ~~ップ♥♥』
「うわぁあああああッ!!!??」

 勢い良く上方に押し上げられ、一瞬の浮遊感の後にユウが投げ出されたのは、またもネチャネチャとした肉の空間だった。
 先ほどの胃よりは更に広い空間、しかしその場を満たすのはユウの性欲をビンビンと刺激する猛烈な唾臭であった。

「はぁっ、はぁっ……むぐッ!!? ん゛むぅうううううッ!!??♥♥♥♥」
(こ、濃い!!?? すっごく濃い唾のニオイと、ヘドロみたいな重たいニオイ……!! こ、ここってもしかして……!?)
『ウフフ、上手く戻せたわ♥ ほぉらユウくん、あなたが今どこにいるか分かるかしら♪』
「げほ、ごほッ! うッ、く……うぁ、あぁあ……!!?」

 真っ暗闇の視界に横長の切れ目が走り、薄暗かった視界が明るく開けていく。
 視界の前方に広がるのはアルマエルマに吞み込まれる前に戦っていた白いリングで、周りを見渡せば、自身の周りを囲むピンクの肉と、巨大な”白い歯”が目に映る。
 窮屈な体内の器官を潜り抜けてきたユウは今、アルマエルマの口内に吐き戻されていたのであった。

「ここ、く、口の…中……!? な、なんで……ボク……!!?」
『ウッフフフフ♥♥ ビックリしたかしら? お腹のナカでモグモグしてる間に、"ミニマム”の魔法をかけてあげたの……あぁ、この世界に魔法は無いんだったかしら? とにかく、あなたは私の口に納まるくらいちっちゃくなっちゃったのよ♥』
「そん、な……むぶぇッ!!?♥♥」

 魔法により縮小され、アルマエルマの口内に納まっている。
 この上なく非現実的で信じられない事実を告げられ、放心状態になっていたユウの顔をアルマエルマの巨大な舌先が舐め上げる。
 ネチョネチョとした感触の巨大な舌は、大量の唾液だけでなく白い舌苔に覆われており、ニオイだけでなく汚物そのものを擦り付けられる不快感がユウの性的興奮を一気に高める。

 これもまた魔法によるものか、ユウを納めている口を上下に動かさず、頭の中に直接届くような声でアルマエルマが言葉を続ける。

『さて、これからちっちゃいユウくんに、私のこのくっさ~~~い、きったな~~~い舌ベロを使ってたくさんヒドいコトをしちゃうけど……最後のチャンスをあげるわね♪』
「げほごほッ! うぇッ……チャ、チャンス……うわわっ!?」
『ウフフフ……♥』

 アルマエルマの不敵な笑い声と共に、ユウの体が再び喉の奥に押しやられ、その体が更に小さくされてしまった。
 そして、口元に手をやったアルマエルマはスルスルと舌を伸ばしていく。

「げほッ、ごほッ! おぇえッ……はぁっ、はぁっ……えっ!? こ、これって……!?」

 瞳が曇りそうな程の湿気と臭気に何とか目を凝らせば、ユウの目の前には長い舌の"道”がアルマエルマの手の平まで続いていた。
 外の世界へと続くレッドカーペット――実際にはピンクどころか大量の舌苔で真っ白に汚れている――は、ユウのためだけに用意されたものだ。
 一刻も早く脱出しなければと考えていたところに、むしろユウの脱出を促すかのようなアルマエルマの行為に疑問符が浮かぶ。

『ほぉら、大サービスよ。 そこから私の舌の上を通って……そうね、5分以内に手の上まで行けたら見逃してあげるわ♪』
「えっ……に、逃がしてくれる、の……!?」

 続くアルマエルマの言葉に、更にユウが困惑を深める。
 アルマエルマの体内で数えきれない程に搾り取られ、既に体力と精神力の限界を超えているような状態だが、巨大な舌の上を走るくらいであれば容易い事に思える。
 縮小に縮小を重ねた結果、手の平までの距離はユウにとって体感で数十メートル程になるが、平坦な道で全力疾走をすればたった10秒ほどの距離には違いない。
 不安定極まりない舌の上といえど、5分という制限時間は破格である。

『5分以内にゴールまで行けたら、ね♪ 今のヘロヘロのあなたにできるかしら?』
「…………」
 確かに体調はベストコンディションとほど遠いとはいえ、あまりに自身にとって都合が良すぎる条件に、ユウはアルマエルマの真意を勘ぐらざるを得ない。
 勝利を確信している様子のアルマエルマは、魔法で作り出した時計を宙に浮かべた。

『準備は良いかしら? それじゃ、スタートよ♪』
「えっ、えっ!? あっ……!」

 ぐいっ、と器用に舌の奥だけが持ち上げられ、ユウは背中を押されてつんのめる。
 ぬめる舌に足を取られて転びそうになりながらも、ユウは持ち前のバランス感覚で体勢を整え、出口へ向かって走り出した。

「よっ……おっと……!」
『んぁ……ゲッフゥウウウウウウ♥♥』
「むぐぐッ!!??♥♥ げほッ! うぇぇッ!!」
『あら、ごめんなさぁい♪ 気にせず頑張ってね~』
「はぁ、はぁ……♥♥ くっ、うぉぉ……!!」

 道中、いたずらに熱い吐息を吐いたり、ゲップをしたりはするものの、アルマエルマは特に露骨な邪魔立てをしてくる事は無かった。
 その様子にユウはますます困惑するが、とにかく止まるわけにはいかないと前に進んでいく。

 気を抜けば足を滑らせそうなぬめりけと、ブヨブヨと沈み込むような柔らかさを持った舌の上を走り続ける事は容易ではなかったが、それでもユウは着実にゴールへと近づいていく。

『あら、もうそんなところまで進んじゃったのね。 凄いわぁ、さっきまでヘロヘロだったのに。 奥に行くほど臭くなるから、逆に外に近づくほど息がしやすくなるのよね』
「はっ、はっ、ふっ、ふっ……!」
『はぁ、このままじゃ逃げられちゃう……残念だわぁ……もっとすっごぉい技でトドメを刺してあげるつもりだったのにぃ……』
「……ッ!?……くっ……はっ、はっ、ふぅっ……!」

 アルマエルマの意味深な発言に気を取られ、危うく転びそうになったユウが慌てて立て直す。
 頭を振るって雑念を振り切り、ユウはまた走り出した。
 長い長い舌の道は既に中程を過ぎ、時間はまだほとんど経っていない。
 
『あぁん、惜しいぃ♪ 今ので転んじゃったら私の勝ちに近づいたかもしれないのにぃ。 私の舌のくっっさくてきっったなぁ~~いヨゴレが顔にべちょぉぉ~~って付いちゃって♥ 息がし辛くなっちゃったかもしれないのにぃ♥♥』
「ッ!!……はっ…………ふっ…………!」


 舌の感触にも慣れ、徐々に速度を上げていたはずユウの走りが速度を落とし始める。
 ”転んだら大変なことになる”
 "だから早く走りすぎるのは良くないんだ”
 ユウはそのように心の中で自分に言い聞かせる。

 焦らずとも、ゴールである手の平には余裕で時間内に到達できる。

『ユウくんの体幹の強さを甘く見てたかしらぁ……全然転んでくれないわぁ……。 時間はまだまだ残ってるし、ユウくんが何回も転んでくれないと負けちゃうのにぃ……♪』
「ッ……ッッ!!…………ふぅ、ふぅぅ…………」

 手の平まであと10数メートルといったところで、ユウは更に速度を落とした。
 乱れた息を整えるかのように、疲労を堪えているかのように、小走りどころかほとんど歩くような速度だ。
 そしてもちろん、時間にはまだまだ余裕がある。

 "一度や二度くらい”は転んでも大丈夫だろう。
 この、真っ白に汚れたニチャニチャとした舌の上では、転んでもケガをすることはあるまい――――

「はぁ……ふぅ……………………お、っと……」

 ごくり、と唾を飲んだユウは、なぜか足をもつれさせたわけでもなく、不意に膝をついた。
 ぐぢゅ、という音と共に膝小僧が舌に沈み込み、続けて手をついたところから何とも言えないネバついた感触が返ってくる。

 恐る恐る、地面についた手の平を広げて見てみると、そこにはやはり真っ白な泥汚れのように舌苔がベッタリと張り付いていた。
 その手の平から放たれた強烈なニオイがユウの鼻腔にヅン、と突き刺さり、ユウの頭がクラリと呆けてしまう。


「うぁ、あぁ……♥♥ う……うわぁぁっとぉ……」

 
 頬を真っ赤に上気させながら、おもむろに立ち上がろうという姿勢を見せたユウの足がわざとらしく滑り、腑抜けた声を上げながらユウは舌の上にベシャリと倒れ込んだ。

「っ…………ん゛ひぃッッ!!???♥♥♥♥♥♥」

 そしてその瞬間、想定していた何倍も激烈な凄まじい臭気がユウの鼻に襲い掛かった。

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全文約26000字 あらすじ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21967728

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