仲良し三姉妹がでかいロリサキュバスに口とケツから呑まれて最後に再会する話
本作品は某氏からのリクエストを受け、『G6』様の下記作品の二次(三次)創作として書かせていただいた物です。
依頼時に某氏経由でG6様にご了承はいただいております。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14087826
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14518675
本編をお読みいただく前に上記作品をご一読いただけると、責め役である『サキ』の理解がより深まると思いますので、ぜひご検討ください。
次章より本編です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「マイ、どう?」
「う、うーん……まだ遠い、かも。 あっ、えっと、方角はあっちの方だと思う! けど、場所は……ごめんなさい」
「良いのよ。 焦らないで」
「うふふ、そうよぉマイちゃん。 焦らずゆっくり、の~んびり行きましょう♪」
陽の光を遮る程に木々が生い茂った森の中を、3人の姉妹が歩いていた。
ゆるくウェーブが掛かったピンク色のロングヘアの長女――アイリが最後尾からのんびりとした声を上げる。
すると、先頭を歩いていたブルーグレーのショートヘアがくるりと反転し、振り向いた次女のレイがジトッとした視線を向けた。
「……お姉ちゃんは焦らなさすぎ」
「あ~! みてみて~! ウサギさんが3匹も! かわいいね~!」
「……聞いてないし」
「ア、アイリお姉ちゃん、レイお姉ちゃんが怒ってるよ……?」
「あのウサギさんたちも姉妹だったりするのかしら? ねぇ、マイちゃんはどの子が一番お姉さんだと思う?」
「えぇっ……? で、でもボク、オスとメスも見分けられないし……! えっと、えっと……」
「……マイ、お姉ちゃんの"のんびり"にはマジメに付き合わなくていいから」
「えっ!? う、うん……わかった」
「ほらっ、あのそっぽ向いてツーンってしてる子はレイちゃんっぽいかも! きっとレイちゃんみたいに一番しっかりさんなのねぇ……ねぇマイちゃん?」
「えっ、うわっ、ほんとだ……じゃなくてっ! えっと、えっと……!」
「はぁ、もう……」
ピンクの長女とブルーの次女に挟まれて、三女のマイがミントグリーンの癖っ毛をおろおろと彷徨わせている。
マイペースな長女アイリから自然とこぼれ出た褒め言葉に、不意を打たれた次女レイが頬を染めてそっぽを向けば……それに気づいた三女マイの言葉で更にレイは頬を染め、アイリが二人の肩を抱き寄せて笑顔を溢れさせる。
髪の色も性格も全く違う彼女たちであったが、3人ともがお互いの事をとても大切に想っていた。
仲睦まじく笑顔を分かち合う5人であったが、彼女達の目的はピクニックなどではない。
「う~ん、かなり奥まで来たわねぇ……でも、もっと奥から感じるのよね、マイちゃん?」
「うん、それは間違いないよ。 動物とか魔獣じゃないし……し、死体とかでもっ、なくて……生きた人間の反応だよ」
「……こんな森の奥で、ずっと前に行方不明になった人達が。 どこかに立て籠もっているか、囚われているか……か」
見た目はおどおどとしつつも、確信めいた口調でマイが自身の探知魔術の結果を述べ、先頭を歩くレイが形の良い眉を思案げに顰める。
彼女たち三姉妹はこの森でしばしば起こる"行方不明者捜索"の依頼を受け、この森を訪れていた。
この時代において、このような森林で行方不明者が出るというのはさほど珍しい事ではない。
人の手の届かない深い森の中は独自の生態系が広がっており、珍しい動植物や資源として得るものは大きいが、また同時に危険な魔獣の生息域でもある。
欲をかいて奥に進みすぎた者や、富を独占しようと単身乗り込んだ者などがしばしば二度と帰らぬ者となる。
しかし、昨今ではそれらのような素人や愚か者だけでなく、依頼を受けて森へ入った中堅の冒険者までもが行方不明になり始めている。
更に奇妙な事に、昨今で報告された行方不明者の実に9割以上が――――女性であった。
「待って……何か来る! マイ!」
「えっと、えっと……素早くて、犬くらいの大きさ……数は1,2……じゅ、10匹くらいいるよっ!」
「ウルフ系の魔獣さんかしら? ちょっと多いけど、レイちゃん、無理しないでねぇ」
「……分かってる。 マイ、お願い」
「う、うん……はぁ、ふぅ……んんんっ……!!」
三女のマイが深呼吸をした後に長杖を両手で握りしめ、目を閉じて意識を集中する。
魔術師である彼女の体から湧き出した魔力が杖の先端の水晶によって増幅され、二人の姉の体に流れ込んでいく。
やがてアイリとレイの体がぼんやりとした光を纏うと、額に汗をかいたマイが大きく息を吐いた。
「ぷはっ! はぁ、はぁ……ど、どう? お姉ちゃん」
「……ん。 問題無い」
「いい感じよ~♪ マイちゃんも強化魔術うまくなったね~!」
「え、えへへ……ありがと」
「ほらそういうのは全部倒してから……来るよっ!」
「うふふ、それじゃマイちゃんはサポートよろしくねぇ♪」
「う、うんっ! お姉ちゃん、気をつけてっ!」
マイに見送られ、姉達2人がこちらに向かう敵意に向けて走り出す。
光に包まれている彼女達の動きはまるで映像を早送りしているかのような不自然さがあったが、強化魔術に慣れている2人は戸惑う事なく動き続けた。
グルルルルッ!!
ガウッガウッ!!
グルァアアアアッ!!
「グリーンウルフの群れ……特異個体無し、か」
「お腹空いてるのかしら……魔獣じゃなかったらご飯あげるのに~」
「普通の狼にもご飯あげちゃダメだから……先行くよっ!」
「はぁい、気をつけてね~!」
前方から迫る魔獣の群れを確認すると、レイは一気にスピードを上げた。
三姉妹での次女の役割は"前衛"――身体能力を強化し、その手に携えた長槍で敵を真っ先に打倒する事である。
「はぁあああああっ!!」
ギャンッ!!?
グルルッ……ガァッ!?
ギャウウンッ!!
木々の隙間を縫うようにして鋭く突き出された穂先が先頭のウルフを刺し貫き、素早く戻された槍の石突が肉薄しようとしていた個体を打ち払い、その頭蓋骨を粉砕した。
グルルルガアアアッ!!!
ガァアアアッ!! ギャッ!?
グギャッ!? ガルル……ギャウウッ!?
突出したレイの背後から襲いかかろうとした狡猾なウルフ達の体が不意に衝撃を受け、苦しげに足をもつれさせる。
そしてまたも不可視の衝撃が彼らの体を通り抜け、ウルフ達はわけも分からず地面に倒れ込んだ。
ガウウッ……ガフッ! ガファッ!?
ギャウッ!! グゥウウッ!!
ウルフ達は慌てて起き上がるが、断続的に何度も遅い来る衝撃は体の芯まで響き、走るどころか再び倒れないようにするだけで精一杯だった。
正面にいたウルフ達を始末し終えたレイが振り向いた視線の先では、アイリが愛用の短杖を掲げている。
もしも魔術師と同様の感覚を持つ者が見たのならば、目を閉じたアイリの短杖から、断続的に魔力の波動が周囲に放たれている事に気づくであろう。
"波動魔術"――アイリが放つ魔力の波動は、範囲内で敵とみなした存在の動きを大きく制限すると同時に、体の深部にダメージを蓄積し続ける。
その習得の難しさと発動の遅さ、そして汎用性の低さから使い手の極めて少ない稀有な魔術を、アイリは高い水準で使いこなしていた。
グルルッ……ガフッ! グォオルルル……!
ギャウッ!?
ギャンッッ!!!
範囲内であれば回避困難な波動魔術だが、相手が比較的小型の魔獣とはいえ、波動の衝撃だけでその身を崩壊させたり、完全に無力化するのは長い時間が必要となる。
しかし、当然ながらアイリは1人ではない。
電光石火のように駆け抜けるレイが正確無比な刺突を1つ放つたびに、動きを鈍らせたウルフ達の致命的な急所が1つ、また1つと貫かれていく。
やがて視界内の最後のグリーンウルフに槍を突き立てると、レイはアイリの方へ向き直った。
「ふぅ……お姉ちゃん、これで終わり?」
「うふふ、ちょっと待ってねぇ、後ろに……あら?」
「えっ!? マ――――」
グルルルッ!! ガァアアアッ!!!
波動魔術の解除に向けて出力を弱めていたアイリの背後の木陰から、暗い体毛で一回り大きなシャドウウルフが襲いかかる。
まるで背後に目がついているかのような自然さで振り返ったアイリと、姉の言葉で注意を向けたレイが捉えたのは、ウルフとアイリの間に割り込んだマイの姿であった。
「ア、アイリお姉ちゃん! 危な――うぎゅうぅ!?」
「マイッ!? くッ……!!」
「あらあら……」
奇襲に特化したシャドウウルフの鋭い牙がマイの色白の肌に食らいつき――寸前のところで彼女が予め纏っていた魔力障壁によって阻まれた。
ガラスの割れるような音とともに障壁が破られると、勢いのままにマイを押し倒したシャドウウルフがその喉元に食らいつこうとする。
レイが慌てて駆け寄るが、その距離は未だ遠い。
「うふふ、オイタしちゃダメ……よっ!」
グギャッ!? ガファアッ……!!
しかし、アイリは予め極小規模な波動魔術を展開させていた短杖の先端を素早くシャドウウルフの腹部に打ち付け、態勢を崩したウルフの側頭部に向けて短杖を両手で思い切り振り回した。
衝撃とともに直接打ち込まれた波動魔術が頭蓋骨の内部で炸裂し、ぐるりと白目を剥いたウルフは地面に倒れるまでの間に絶命した。
長杖による高出力より短杖の取り回し易さを優先したアイリは、レイには及ばないものの近接戦闘も得意としているのだ。
「いっ、たたた……」
「マイッ!? 大丈夫ッ!? 噛まれたのッ!?」
「うふふ、大丈夫よ。 爪でちょっと切れちゃったのと、擦りむいちゃってるけど……頭は打たなかったかしら?」
「う、うん……頭は痛くない」
「はぁ……マイ、無茶しすぎ。 あなたは後衛なんだから、前には出ないようにと言ったはず。 お姉ちゃんは波動で近くの敵の位置は分かるし、近接も得意なんだからあのくらいなら助けは不要」
「あぅ、ご、ごめんなさい……ボク……」
ウルフがマイを押し倒す場面を見て取り乱していたレイだが、一つため息を吐くといつもの冷静さを取り戻したようだ。
マイに治療を施しながらも、彼女の蛮勇を咎めるようなジトッとした眼差しを向ける。
その後の説教はもちろん大切なマイの身を案じての事だが、深い姉妹愛の裏返しによる問い詰めるような口調を受けて、マイの目に涙が溜まっていく。
「うふふっ、マイちゃん、ありがとう! ぎゅ~っ♪ レイちゃんもありがとう! ぎゅ~~っ♪」
「ふぇえっ!?」
「えっ……? ちょ、ちょっとお姉ちゃん」
その場に漂い始めた暗い雰囲気をぶち壊すようにして、ほわほわとした笑顔のままアイリが二人の妹を抱き寄せる。
「マイちゃんはお姉ちゃんを助けようとしてくれたんだよね? お姉ちゃん、嬉しいぞ~♪ でもレイちゃんが言ったように、お姉ちゃんは結構強いんだからっ! 無茶しなくて大丈夫だよ~! さっきの見てた? こう、ブンッ、ズドーンッて!」
「う、うん……えへへ、やっぱりお姉ちゃんはすごいなぁ」
「うふふっ♪ レイちゃんも、お姉ちゃんが、えっと……優しすぎる?から、お姉ちゃんの代わりにマイちゃんのために怒ってくれてるんだよね? いつもありがとっ! でもほら、今回はマイちゃんもお姉ちゃん達のために頑張ってくれたんだし、まずは一緒に褒めてあげましょう?」
「っ……うん、お姉ちゃんの言う通りね。 マイ、私達のために走ってくれてありがとう。 助かったわ。 それに……さっきは私、前衛の自分が一番に皆を守らないといけないのに、間に合わなかった事が悔しくて、冷静になれなくて……八つ当たりしちゃってたかも。 まだまだ未熟ね。 マイ、本当にごめんなさい」
「ふぇえっ!? レ、レイお姉ちゃん!?」
不器用な妹達の仲を取り持つのはいつも長女であるアイリの役割だった。
自他に厳しく、つい頑なになりがちなレイも、アイリの言葉はすんなりと受け入れ、バツが悪そうな表情でマイに頭を下げる。
対するマイは急展開に慌てふためき、思わずレイに抱きついて言葉をまくしたてる。
「わわっ!? そ、そんなことないよっ! レイお姉ちゃんは一番前で一番動き回ってたしっ! そんな重たい槍持ってるのにっ、素早くてっ、クールでかっこよくてっ、ボクも真似しようとしたけど全然でっ! レイお姉ちゃんってやっぱりすごいんだなぁって思っ……あれ? レイお姉ちゃん?」
「…………ッッ」
「うふふ♪ その辺にしといてあげなさい? レイちゃんが照れて真っ赤になっちゃってるわ」
「……照れてないし、赤くなってない」
「うふふっ♪ ふふふふっ♪」
「ぷっ! あはっ、あはははっ!」
「…………ふふっ」
薄暗く寒々しい森の中にあってなお、3人きりで笑い合う少女たちの空間は温かな陽だまりのようであった。
持参した医療具と治癒力を高める魔術で手当をし、態勢を整えた3人は更に森の奥へと進んでいった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「アイリお姉ちゃん、遅いね……」
「……そうね」
森の開けた空間に簡易式の寝床と調理器具を組み立てながら、次女レイと三女マイが顔を見合わせていた。
不意にキュルル、と可愛らしい音が聞こえると、マイは恥ずかしげにお腹を押さえながら俯いた。
既に二人の手によって夕食の下ごしらえは済んでいるが、肝心の料理担当の長女アイリが席を外してから一向に帰ってこないのであった。
「あぅ……もうお腹ペコペコ。 アイリお姉ちゃん、おトイレどこまで行ったんだろ? ねぇ、アイリお姉ちゃんって普段はぽわぽわしてるけど、こういうとこ乙女って感じだよね」
「ふふっ……それにしても遅いわね……いえ、遅すぎる、かしら」
「えっ……?」
マイと2人でぽつぽつと会話を交わしていたレイが、訝しむような表情で椅子からゆっくりと立ち上がる。
いくらなんでも姉の帰りが遅い、遅すぎる。
トイレに行くとは言っていたが、3人の中で一番感覚が鋭敏なレイが気配も感じられない程遠くに行って、20分以上も帰ってこないのは明らかにおかしい。
まるで何者かに、攫われたかのような。
「……マイ、"探知"してみて。 お姉ちゃんを」
「えっ? う、うんっ…………えっと……あ、あれっ? あれっ……?」
「……どうしたの?」
レイに言われ、目を閉じて探知魔術を行使したマイの眉がハの時に歪められる。
「あっちの……動いて……ボ、ボクなんで今まで気づかなかったの!? こんなっ、大きな……っ」
「……マイ、落ち着いて。 どういう状況か、私にも教えてくれるかしら」
「えっ、あっ、う、うんっ……あのねっ」
ただならぬ様子を見せ始めたマイを見て、レイは自身まで取り乱してはならないと思い、小さく息を整えてからマイへ尋ねた。
「アイリお姉ちゃんの魔力が、あっちの方に移動していってる……。 で、でも、すぐ近くに……ううん、ほとんど重なってるくらいのところに、すっごく大きな魔力の反応があるの。 アイリお姉ちゃんの、何倍も……こ、こんなのぜったい人間じゃないっ!」
「……まずいわね。 すぐに追いかけるわよ。 最低限の荷物だけ、すぐに支度しましょう」
「う、うんっ!」
努めて冷静を心掛けるレイであったが、内心は全てを放り出してでもすぐさま駆け出したい程に焦りを募らせていた。
点検のために広げていた装備を手早く身につけ、頷き合った2人は闇に包まれた木立へと走り込む。
「……マイッ!」
「はぁ、はぁっ、あっちの方っ! で、でもっ、これっ……はぁっ、はぁっ、ゆ、行方不明の人たちとっ、同じ方向……」
「ッッ……!」
ギリリと奥歯を噛み締め、レイは衝動的な悲鳴を堪えた。
状況は考えうる最悪に近い。
もし姉が戦闘中や、何かに追われている状況なのだとしたら、必ずこちら側への合流を試みるはずだ。
しかしそれが、こちらと反対方向に移動しているばかりか、得体のしれない巨大な魔力反応と共に行方不明者達の方へ移動している。
間違いなく、大好きな姉の身に何か良くない事が起きているのだ。
そして状況から見て、姉もまた他の皆と同じように攫われた可能性が高い。
「はぁっ、はぁっ、ふぅっ、ひぃっ……!」
「……待ってて、お姉ちゃん。 必ず助けるから」
一番体力の無い妹を置き去りにしてしまわないように注意しつつ、レイは逸る気持ちを強引に押さえつけ、静かに闘志を燃やしていた、
既に日が落ち、光魔術が無ければ足元すら見えないような暗い森の中を、2人の妹達は姉へ向かって走り続けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ぜぇっ、はぁっ、はぁっ、ひぃっ……つ、ついたぁぁ……」
「……これは、小屋? こんなところに……いや、それよりも」
「はぁっ、はぁ……お、おっきい……!?」
暗い森の中をひたすら走った2人がたどり着いた場所には、1軒の小屋が建っていた。
しかし、その小屋は通常の形をそのままに縮尺を3倍近くに無理やり拡大したかのような、まるで冗談で建てられたかのような見た目をしていた。
閉じられた窓や屋根はもちろん、玄関の扉ですら、2人の身長より遥かに大きく、握りこぶしよりも巨大なドアノブが見上げるほどの位置に取り付けられている。
「レイお姉ちゃん……」
「……マイ、まずは私が入るわ。 合図をしたら――ッ!?」
「っ!?」
不意に、ガチャンッと大きな音を立ててドアノブが動き、扉がゆっくりと開かれていく。
緊張に身を固める2人の少女に向けて、場違いな程に緊張感のない声がかけられた。
「ん~? だぁれ~?」
「なっ……!?」
「ふぇえっ!? おっ、おっき……」
開かれた扉から顔を出したのは、ふわふわとした長めの金髪を垂らした、ぱっちりとした青い目の女の子であった。
胴体に対して大きめの頭部、ふくふくとした肉付きの頬や手足を見るに、少女というよりは"○女"と呼ぶべき外見である彼女はしかし――目の前の巨大な小屋にふさわしい、異様な大きさをしていた。
深い森にの奥に似つかわしくない水色のワンピースを着た○女がコテンと首を傾げる。
「う~ん……? あっ! もしかしてっ!」
身長にして5メートルを越えているであろう○女が、何かに気づいたようにパンと手を打った。
「もしかしてあなた達がレイちゃんとマイちゃん?」
「えっ……!? なんでボク達のこと……お姉ちゃんと話したの? ねぇっ、ボクたち、アイリお姉ちゃ――」
「ッ……マイ!」
「えっ? あっ……」
自分たちの名前を当てられ、驚いたマイが慌てて話し始めたのを、レイが制止する。
目の前の○女はその見た目もさることながら、深い森の奥の謎の小屋に住んでいることや、行方不明者達の反応と限りなく近くに居る事など、怪しい部分が多すぎる。
○女の方からうっすらと漂う、どこか甘いような香りも、理由は分からないがレイの警戒心を強く刺激していた。
「あ~っ! やっぱり、アイリちゃんの妹ちゃん達だよね? アイリちゃんなら"中"に居るよ! お外は寒いから、2人も入って入って~♪」
「ふぇっ!? あっ、わわわっ!!」
「マイッ!!……ッ!?」
大股で一歩を踏み出し、素早く伸ばされた巨大な手がマイの腕を掴み、強引に家の中に引き入れる。
横からそれを引き留めようとしたレイであったが、なぜか膝や腕に思うように力が入らず、倒れそうになってしまう。
慌てて体勢を立て直した時には既にマイは家の中に連れ込まれており、巨大な手はレイの方にも伸びてきていた。
「ほら~、そっちのマイちゃ……じゃなくて、レイちゃん? の方も入って入って~♪ 歓迎するよ~!」
「ッ!! やめなさ――うぅッ!?」
○女特有のぷにぷにとした感触の手のひらからは、その巨大さにふさわしい力強さが伝わってきた。
先ほどからなぜか上手く力が入らない足腰ではそれに抗う事もできず、レイもまたマイと同じように○女の家に招き入れられる。
ガチャン、とズドン、を合わせたような音が響き、レイの背後で巨大な玄関扉が閉じられた。
白いタイツに包まれた巨大な足がスキップをするように歩き、2人に向けてくるりと振り返った。
「レイちゃんとマイちゃん、いらっしゃ~い♪ わたしの家にようこそ~!」
「ふわぁ……おっきいぃ……」
「ッ……くっ……マイ、下がって……!」
「えっ? レ、レイお姉ちゃん……?」
「ありゃ、どうしたの~? えへへ……♥」
家の中はやはり、家具や小物の何もかもが倍以上の縮尺で作られていた。
大きなテーブルには何らかの魔導具が鮮やかな色の液体を循環させており、壁際の棚にはカラフルな中身が詰まったガラス瓶が雑然と並べられていた。
目の前の○女からうっすらと感じていた甘ったるいニオイは家の中に充満しており、より濃厚になったそのニオイはまるで熟れすぎて腐り落ちた果肉のようだ。
人一倍鋭敏な感覚を持つレイがそのニオイを強く感じている事は自然な事だが、呼吸の度に体が熱くなり、思考にモヤがかかるように感じられるのは尋常な事ではない。
ふらつく体で何とか戦闘態勢を保ち、マイの前に立ちはだかるようにして警戒心を露わにするレイに対して、○女はぺろりと舌なめずりをする。
「どうしたの~? なんだか辛そうだね……2階にベッドがあるから、休むなら使ってもいいよ!」
「……結構よ。 それよりあなた……お姉ちゃんは――アイリはどこなの?」
「そ、そうだよっ! ボクたちはアイリお姉ちゃんを探しにきたのっ! きみは、えっと……」
「わたしの事はね~、えっと、"サキ"って呼んでね! それで、アイリちゃんにすぐ会いたいんだよね? うんうん♪ それじゃ、今から会わせてあげるね……んっ……ん゛ぐっ……♥♥」
「えっ……えっ……!?」
「…………まさ、か」
全体的な巨大さはさておいても、サキと名乗った○女の腹はそれに輪をかけて大きく膨らんでいた。
水色ワンピースをぽこんと不自然に盛り上げている腹部を両手でこねるようにしながら、サキが口を開けたまま頭部を前後させる。
状況の理解が追いつかないマイがおろおろと困惑するのを尻目に、レイは槍を構えたまま奥歯を噛み締めていた。
「ん゛っ……ぐっ……ごぇ……え゛ぇっ……♥♥」
「っ!!??」
そして、腹部の異様な膨らみは徐々に喉の方へと上っていき――――サキの口内にベビーピンクの"つむじ"が現れた。
「んぷっ、むっ、おぇええええええええっ♥♥♥ っとぉ♪」
「う、うそっ……ア、イ…おね……」
「くッ……!!」
頭、胸、尻、そして足先。
ゴボゴボと不快な水音を響かせながらサキの体内からゆっくりと吐き出されたのは、間違いなく最愛の姉であるアイリであった。
粘液まみれの体でべちゃりと床に落とされたアイリの体はビクンビクンと時折痙攣しており、まだ息がある事が窺える。
「んっ……がぼッ! げッほッ!! うぇッ……!!」
「ア、ア、アイリお姉ちゃ――!?」
「待ちなさいマイッ!! ぐッ……う、迂闊に、動かないで……支援魔術をッ!」
「あっ……う、うんっ!」
「ありゃ? 来ないの~? せっかく感動の再会なのに~! アイリちゃんかわいそ~♪」
「うっ……ぐッ……レイ、ちゃ……マイ……?」
体内で飲み込まされたのか、泡立った液体を苦しげに吐き出しながら、ぬらぬらと濡れそぼった髪を額に貼り付けたアイリが呻きながら顔を上げる。
倒れている姉に思わず駆け寄ろうとしたマイをレイが制する。
姉を一刻も早く助けねばならないが、状況が悪すぎる。
自身の体はなぜか思うように力が入らず、無傷のまま姉を捕食したであろう得体の知れない相手にこれ以上の隙を見せるわけにはいかなかった。
レイの言葉で我に返ったマイが、レイの体に魔術による支援を施していく。
余裕ぶっているのか、サキと名乗った巨人がこちらにすぐに向かってくる様子は無かった。
しかし代わりに、サキは○女然とした無邪気な笑顔のままに、アイリの足を両手で掴んだ。
「えへへ♪ それじゃ2人には今からわたしの得意技を見せてあげるねっ! "人間ポンプ"! いっきま~す♪」
「うっ……あッ!? いやッ――――」
「アイリお姉ちゃんっ!!?」
「ッ……!!」
まるで、たちの悪い手品のようであった。
弱々しくもがくアイリのつま先を口に咥えたサキは、そのまま先ほどの逆再生映像のようにちゅるんとアイリを飲み込んでしまった。
粘液が潤滑油のように作用しているのか、冗談のような速さでアイリの姿が完全にサキの体内に収まる。
2人が呆気に取られている間に、サキが先ほどのようにぽこんと膨らんだイカ腹を手で押さえると、またもアイリの体が口内へ向けてせり上がってくる。
そしてサキの口から再び粘液まみれになったアイリの上半身がにゅるりと顔を出した。
「んっ……べぇええええっ♥♥ えふぇふぇ、ろう~?」
「や、やめてっ!! アイリおね――」
「ちゅるんっ♥ ごっくんっ♥♥ うぅ~ん♪ やっぱアイリちゃんみたいにムッチムチのコは喉越しがたまんないんだよね~♪」
「あっ、あぁっ……!?」
「くッ……こいつッ……!!」
サキの巨大な口からでろんと垂れ下がっていたサキの上半身は、次の瞬間にはちゅるんと啜り上げられるようにしてサキの体内へと消えていった。
うっとりとした様子で頬に両手を当てたサキが幸せそうに体を震わせる。
「マイ……集中、しなさい……! はぁっ、はぁっ、あなたは、逃げる準備を……!」
「レ、レイお姉ちゃん、すごい汗……!?」
「はいっ、もいっかいいくよ~~♪ んぐっ、ん゛んんっ~♥♥」
「…………そこッ!」
イカ腹を擦り、サキが再度アイリを吐き出そうとしたところで、レイが地面を蹴った。
不意をつき、支援魔術により強化された肉体を使っての完全な奇襲だった。
しかし、レイの肉体は彼女の意志に応えなかった。
「くッ……あぐッッ……!?」
「レイお姉ちゃん!!」
先ほどまでの気を抜けば倒れてしまいそうな程の状態から、支援魔術を受けたレイの脚力は確かに彼女の体を前に運んだ。
しかし、その速度は彼女の全力には程遠かった。
一歩ごとに泥濘に深く踏み込むような感覚が下半身を襲い、鍛錬により手足の一部の如く扱えたはずの長槍は更なる重しとなって上半身を引き止めた。
僅か3歩の内に完全に体勢を崩したレイは無様に転倒し、戦いの最中であるのになぜか弛緩した手のひらは、姉を救う鍵であるはずの長槍をいとも簡単に手放した。
「……あれ? ぷっ! くすくすっ、急に走ると危ないよ~? きゃははははっ!!」
「ぐッ……くぅうッ……んッ!?♥ 体、がぁ……!?」
地面に倒れ込んだレイはすぐさまその身を起こそうとするが、体には先ほどにも増して全く力が入らない。
体中が重く、熱い。
そして、転んで床に打ち付けた部分から感じるのは痛みではなく、痺れるような奇妙な感覚だった。
起き上がれずに身を捩るレイに悠々と歩み寄ったサキが、その肩を両手で掴んで顔を寄せる。
「あぐッ!!?♥♥」
「レイお姉ちゃん!? レイお姉ちゃん!!」
「そっか、レイちゃんはすっごく敏感さんなんだね~? えへへっ♪ まだ直接嗅がせてないのに、こんなに効いちゃってるコは初めてだよ~♪」
「や、めッ!! ん゛ぁああッ!?♥♥♥」
サキの巨大な手で鷲掴みにされている肩から全身に伝わるのは痛みではなく、電撃的な"快感"であった。
サキに初めて会った時、そしてこの家に入ってから感じていた甘臭いニオイを嗅ぐ度に、レイの体にはまるで毒のような性的快感が蓄積されていったのだ。
「ぐッ! んくッ♥ サ、サキュ、バス……!」
「え? すごーいっ! 分かるんだ!? わたしみたいな大きいコってかなり珍しいのに……だけど、んふふっ♪ ちょっと遅かったかな~? んっ、ぷはぁああああ~~~♥♥」
「ふぐッ!?!? ん゛んッ!! ん゛むぅうう~~~~ッッ!!!!♥♥♥♥」
「レ、レイ……お姉ちゃ……! うそっ、そんな……あぅぅ」
レイの眼前で巨大な口を開いたサキが、生暖かい吐息をレイに浴びせる。
サキの――"サキュバス"の体内で生成される濃密な媚毒フェロモンを間近で吸い込んでしまったレイが限界を迎え、口元を押さえながらガクガクと痙攣し、その股間からは透明な液体がほとばしる。
前衛であり、斥候でもある彼女の人一倍に鋭敏な感覚は、サキのような強力なサキュバスに対しては致命的な弱点として作用した。
「あははははっ!! ほぉらイッちゃったぁ♪ 妹ちゃんの目の前でイキ汁ぶちまけちゃったね~~♪♪」
人前で盛大に絶頂するという、普段のクールな姉からは考えられない痴態を見せつけられた事が引き金となったのか、先ほどから下腹部にずっと感じていたくすぐったいような違和感に思い当たったマイが太ももをギュッと閉じて後ずさる。
その様子にクスクスと含み笑いを溢しながらサキが言葉を続ける。
「それにしてもこっちのコは敏感過ぎだけど、そっちの……えっと、マイちゃんは今ごろ? ふふっ、ちょっと鈍感すぎだよね~。 まぁ、わたしが直接嗅がせてあげたらどんなコでも一発アウトなんだけどね♪」
「んあっ……あふっ……に、げ……にげ、なさいッ!! マイッ!! 逃げ―――」
「あぁ~~~~~~~んむっ♥♥」
「むぐゅううッ!!?」
「レイお姉ちゃん!!!」
絶頂の余韻に疼く体を必死に奮い立たせ、マイを逃がそうとしたレイの頭から首までを、サキの巨大な口がすっぽりと覆い尽くした。
「んちゅっ、ちゅるるっ♥ ちゅぷっ♥♥ ん~~~♪ 気の強いコはこのピリッてくる味が良いんらよね~~♪♪」
「ん゛んッ!!??♥♥♥♥ ん゛ぐぅううううう~~~~ッッ!!!♥♥♥♥♥♥」
「おね、ちゃ……あっ……ああぁっ……!?」
ねちゃねちゃ、くちゃくちゃ、と舐めしゃぶるようにして、サキはレイの頭部を口の中で転がしていた。
サキの全ての体臭と体液には媚毒フェロモンが濃密に閉じ込められており、口内でそれらを直接嗅がされ、飲み込まされたレイはもはや抵抗する事すらできなかった。
手足をピンと伸ばしてプルプルと玩具のように震わせながら、レイは一瞬の内に何度も連続で絶頂を味わった。
股間から噴射される絶頂汁にはいつしか失禁した尿までが混ざり、それらを押し出すようにして次から次へと透明な液体がほとばしる。
それはまるでレイの生命の素が果汁さながらに搾られていくかのようであった。
「あぁ~~ん、もっひゃいにゃい……んっ、ちゅるんっ♥ わたしのナカで出してほしかったのにぃ……」
「おねっ……あっ……そん、な……」
「んくっ……げぇっふぅううううううっ♥♥」
何事かを呟いたサキは、そのままレイを一息に啜り上げ、丸呑みにしてしまった。
腕に掛かったレイの絶頂汁や尿を惜しむようにペロペロと舐めているのは、そこにサキュバス種の糧となる何かが含まれているからであろうか。
床に溢れ落ちた大量の絶頂汁を切なげに一瞥した後、大きなゲップを一つ溢し、サキはマイへネットリとした視線を向けた。
「えへへっ、これで2人が再会できたよね~♪ さてと、あとはぁ……♥」
「あっ……ひっ!? やっ……やだぁああっ!!」
今まで自分たちを守ってくれた強い姉達はもう居ない。
次は自分が食われる番であると認識した瞬間、マイは震え上がるほどの恐怖に包み込まれた。
膝からするすると力が抜け、床に尻もちをついてしまう。
一人残された自分は、姉達を救うために今すぐ行動すべきだ。
しかしそれは、勝てるはずもない存在に無謀な突撃をかけるのではなく、この場から逃げ出して一刻も早く応援を呼ぶ事である。
だからこそ、レイは自分に「逃げろ」と言ったのだ。
なのに、力を失った膝はガクガクと震えるばかりで、一向に体を持ち上げようとしない。
「あぅ……あぁあっ!? なんでっ!? 動いてっ! 動いてぇええっ!!」
「くすくす……ふふふっ♪」
マイは意志に反して萎えたままの膝を叱咤するように平手で打つが、その腕にすら満足に力が入っていない事に気づく。
サキの家の中に満ちる媚毒は、遅まきながらも着実にマイの体を蝕んでいたのだ。
「えへへっ♪ たまぁ~にいるんだよね、マイちゃんみたいにニブ~いコ♪ 大体みんな処女で~、たぶん本当に"気持ちイイ"っていうのがどんなのかをまだ分かってないんだよね~♪」
「やだっ!! やだぁあああっ!! 来ないでよぉおっ!!」
「でも、安心して? わたしが頭からつま先まで、こぉ~~~ってりフェロモン漬けにして、死んだほうがマシなくらいにイカせまくってあげちゃうから♪」
「やぁああああっ!! 開かないっ!! なんでぇえええっ!!」
這いつくばるようにして何とか玄関扉にたどり着いたマイが、自身の頭より遥か上に位置するドアノブに縋り付くも、扉は一向に開く気配を見せない。
それは鍵がかかっていたり何らかの魔術で閉じられているからではなく、単純な腕力の問題だ。
サキの家に連れ込まれた哀れな少女達は、媚毒フェロモンに力を奪われた状態では絶対にこのサキ専用の巨大な扉を開ける事はできないのだ。
「ほらほら、もうちょっとこっち来てね~っと♪」
「あっ!? あぁああああっ!!! やだぁああああっ!!!」
マイの足首を掴んだサキが、そのまま片手で軽々とマイを部屋の中央まで引きずっていく。
もはやマイは満足に立ち上がる事もできず、駄々をこねる子供のようにじたばたと手足を暴れさせる事しかできなかった。
マイを中央まで運んだサキは、うつ伏せのマイをぐるりと仰向けにし、その上にズドンと尻を落とした。
「ん、しょっと♪」
「ふぎゅうううっ!!??」
「あっ、ごめんね~、痛かった? えへへっ♪ もうすぐ痛くなくなるからね~♪ んっ、れろ……♥」
「ひっ!? なっ、なにっ、やめっ――――」
「れろれろぉ~~~♥♥」
「ん゛むぅううううっ!!??♥♥♥♥」
3倍どころではない体格差で押しつぶされてうめき声を上げるマイに顔を寄せたサキは、何を思ったかその小さな顔を巨大な舌でペロペロと舐め回した。
サキのフェロモンが濃密に詰まった唾液を直接塗りたくられ、脳内を駆け巡った電撃的な快感にマイが悲鳴を上げる。
サキは泣きじゃくるマイの顔をまるでキャンディのように舐め回し、幸せそうに吐息を漏らす。
「れろれろれろぉ~~~♥♥♥ ぷはぁ……マイちゃんの魔力は思った通り、甘酸っぱい果物みたいな爽やか風味だねっ♪ ピリ辛風味のレイちゃんの後に食べるとまた美味しいんだよね~♪」
「ひぐっ、うっ……うぇえっ! やめてぇえっ! 気持ち悪いぃぃっ!!」
異種族をも虜にするサキュバス種のフェロモン臭は基本的に甘ったるい系統のものであるが、唾などの体液のニオイまで甘くなっているわけではない。
しかし、甘いニオイがしないからといってそれらにフェロモンとしての役割が無いわけではなく、むしろサキはそれらの悪臭にこそ、自身の媚毒フェロモンとしての力を大いに割いていた。
「つ、唾、やめっ……くさっ……い゛っ……? ふぁぁああっ!?♥♥♥」
「んっ、あっ♥ ふふっ、んっ♥♥ 効いてきた~?」
マイの顔中に塗り拡げられたネバネバの唾液が放つ、濃厚なツンとした唾臭に顔を顰めるマイであったが、その悪臭を通して送り込まれたフェロモンが遅れて脳内に麻薬のように広がっていく。
太ももを擦り合わせながら頬を真赤に染め、体中を駆け抜ける電撃に身悶えしているマイの上で、サキもまた興奮を高めていく。
「んっ♥ ふっ♥♥ ほぉらほぉら♪ ぬ~りぬ~~り♪」
「んぁっ♥♥ やっ、き、きもち、わるっ――うぅ゛んっ!?!?♥♥♥」
サキは自身の巨大な臀部を子供パンツ越しにマイの体に何度も押し付け、そこから溢れ出す大量の愛液を擦りつけていった。
同性とはいえ、他人の愛液を体中に塗りつけられていくその感触に寒気が走るがしかし、実際にはそれらがぬるぬると塗りつけられた部分はまるで火がついたかのような熱を帯びていく。
サキの愛液を介した強烈な媚毒成分が肌から直接浸透していくにつれ、その部分はまるで性感帯のように快楽を送り出す装置へと変貌していく。
「えへへっ♪ ほらほら、ふやけてイイ感じにやらか~くなってきたよ~♪」
「んんんっ♥♥ ふっ、ぐぅうっ♥♥ んっ……えっ!? ふぇええっ!!?」
サキが少しだけ腰を上げ、その下から必死に脱出しようとしたマイは自身の体を視界に収め、驚愕した。
サキの媚毒愛液を塗り込められた箇所は蕩けそうな程の熱を持ち――――そして実際に蕩けるようにして地面に薄く広がっていたのである。
「んふふふっ♪ ぬ~りぬ~~り♪ ず~りず~~り♪」
「わわわっ!? ボクっ!? 体っ!? どうっ……んひぃっ!?♥♥ あふぁああああっ!!♥♥♥ ん゛ぁああああああっ!!!♥♥♥♥♥」
夢か幻を見ているようだった。
サキの言葉通り、愛液によって正しく"ふやけた"ようなマイの体は、本来であれば骨が砕ける程の重さで押し付けられているであろうサキの巨大な臀部によって、ぺちゃんこに引き伸ばされていく。
痛みは無い。
感覚もほとんど無く、もはや手足を動かす事すらできないが、その代わりにまるで全身が性器になったかのような性的快感の波が押し寄せてくる。
「ふぃ~~~、こんなもんかな?」
「あ゛っ……♥♥ ぁひっ♥♥ はっ、うぅぅ……♥♥♥」
やがてサキが腰を上げた時には、マイはまるで床に描かれた下手くそな落書きような有様になっていた。
全身は汗なのか愛液なのか、自身の物かサキの物か分からないぬるぬるとした液体に覆われ、フェロモン作用が無ければ吐き気を催す程の濃密な女臭をもうもうと立ち昇らせている。
唯一立体的に残ったミントグリーンの小さな顔だけが、顔面由来の様々な液体を垂れ流しながら虫の息で喘いでいた。
その様子を見て満足気に頷いたサキは、おもむろにマイの顔を跨ぐようにして立つ。
そして、もはや下着の意味を成していない、完全に愛液まみれになっている子供パンツの股間をマイに見せつけるように近づけていく。
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