いつもご愛顧いただきありがとうございます、んだば重工です。
昨年末参加したコミケにて「このアニメーションはどうやって作ってるの?」というご質問を数名から頂いたので、改めて制作の裏側を説明しようと思います。
かなり稀有な作り方で面倒なことも多いですが、新しいアニメ表現や作例のひとつとして何かの参考にしていただければ幸いです。
↓↓前回記事↓↓
エロゲのアニメ制作に関して①表現手法によるメリットとデメリット
live2D+セルルック3DCGによるアニメ制作
前回はエロゲにおけるアニメ表現のメリット・デメリットについてお伝えしましたが、今日は今作におけるアニメーションのワークフローをざっくりとお伝えします。
アニメーションの制作工程は以下のような流れになります。
アニメーション制作の流れ
1・体のモデリング・リギング(使用ソフト:Maya)
2・顔のモデリング(使用ソフト:live2D)
3・体モデルのアニメーション制作(Maya)
4・体だけのアニメーションの書き出し(Maya)
5・体アニメーションをトラッキング・合成(AfterEffects)
6・顔のアニメーション制作(AfterEffects)
7・アニメーションの連番書き出し・整列(AfterEffects)
8・RPGDeveloperBakinに取り込み・スプライト登録
①体のモデリング・リギング(使用ソフト:Maya/Substans 3D Painter)
はじめに3DCGソフトのMayaで体をモデリングしていきます。
今作は18禁モデル初挑戦だったので、おまたやお胸をしっかり動かせるモデルにするため1からモデリングをしました。
キャラクターモデリングはとにかく数をこなすことでクオリティアップに繋がると思ってるので、時間があれば1から作っていきたいです。時間があれば。。
テクスチャを描くのにSubstansPainterというadobeのソフトを使います。
コンプリートプランに入れてくれたら嬉しいのにと毎度思います。
Mayaな理由
BlenderじゃなくてMayaを使う理由ですが、単純にMayaをずっと使ってて慣れてるからというだけの理由です。。Mayaは運用コストがかかってしまうため、今から3DCGを始めたいという方は無料で使えるBlenderの方がよいかもしれません。また、昨年「Pencil+4 」というセルルックアニメに欠かせないプラグインがBlenderでもリリースされたのも大きな強みです。
今回のモデルはゲーム用ではなくアニメ用
アニメ用とゲーム用で3DCGモデルの仕様はそこそこ違います。
ざっくり解説すると、アニメ用は3DCGソフト上でサブディビジョンサーフェス(滑らか)にするので四角ポリゴン、ゲーム用はエンジンに読み込む際に三角ポリゴン化が必須なので三角ポリゴンで作ります。
今回はゲーム上でキャラクターモデルを動かすわけではなく、書き出した連番画像をアニメにして動かすので、アニメ用のモデルの作り方で進めて行きます。
②顔のモデリング(使用ソフト:live2D/Clipstudio)
体が出来たらLive2Dというソフトで顔のモデリングを行います。
Live2Dはここ数年でVtuberさんやソシャゲ、エロゲでもよく見られるようになりました。
まずはClipstudioというお絵描きソフトで素材を描いていきます。
描く時点である程度「どういう風に動かすか」を想定しておくと後々楽になります。
Live2Dのモデルの顔の角度は可動域を大きくするほど管理が難しくなるので、横顔と後頭部は正面モデルを改変して作った別モデルで管理しています。
③体モデルのアニメーション制作(Maya)
体と顔のモデルが出来たら、Mayaでアニメーションを作っていきます。
頭部がないモデルでHなモーションを作っていくため、変な性癖に目覚めないようにしたいところです。
あまり大きなサイズになりすぎるとBakinくんが黒い四角にしちゃうので、ループアニメは2秒以内に収めるようにしています。
④体だけのアニメーションの書き出し(Maya)
モーションが出来たら連番画像でアニメーションを書き出します。
カメラアングルはこの時点で固定となるため、無茶な角度にしすぎるとLive2D顔モデルにうまくはまらなかったりします。
高クオリティなセルルックアニメにするためには先述した「Pencil+4」というプラグインがあると便利なのですが、本来3DMaxというソフト向けに作られたものなので、Mayaでは使える機能にそこそこ制限があります。なんてっこたい。ちなみにリリースしたばかりのBlenderのPencil+4はほぼMaxに近い仕様みたいなので切ないです。Mayaくんのことも忘れないでPsoftさん。。
⑤体アニメーションをトラッキング・合成(AfterEffects)
Mayaでアニメーションを書き出したら、AfterEffects(以下AE)というソフトで顔と体を合成していきます。Live2D公式が出ているAE用のプラグインを使えば、AEにLive2Dモデルを読み込めるようになり、AE上でアニメーションを作ることができます。
書き出したアニメの顔部分にトラックマーカーを置き、動きをトラッキングします。
画像は首をトラッキングしてますが、激しい動きの場合はトラッキング用の仮オブジェクトを置いたりもします。
⑥顔のアニメーション制作(AfterEffects)
体の動きに合わせて顔のアニメーションを作っていきます。
顔に立体感があるように見せるたほうが体と馴染むので、X・Y軸を出来るだけ動かします。
また、体の後ろに髪が来るようにレイヤー順を「顔モデル→体アニメ→後ろ髪モデル」というように体を挟むような感じでモデルを配置してます。
細かい場所の修正はAE上でマスクを切ったりして調整します。
複数人での絡みがあるようなアニメは調整が大変だったりします。
⑦アニメーションの連番書き出し・整列(AfterEffects)
アニメーションが出来上がったらAEで連番画像で書き出して、書き出した画像をスプライト用に整列させます。
この時点で画像サイズが大きすぎる場合はコマを抜いたりして調整します。
これで出来た画像がようやくBakinへとインポートできます。
⑧RPGDeveloperBakinに取り込み・スプライト登録
リソースからBakinに画像を読み込み、アニメーションさせるようにスライスを「CountSlice」にし分割数を設定します。
パターンアニメとしてマップ上に配置する場合は「SRGB」にチェックし、スプライトとして登録する場合はチェックを外します。
パターンアニメの場合
パターンアニメの場合は大きさや速度とリピート設定をすればオブジェクトとして使用ができます。高画質のアニメを詰め込み過ぎるとロードに時間がかかるので要注意です。
スプライトアニメの場合
スプライトで使うアニメの場合はⅠフレームずつ設定しないといけないので、少々面倒です。また、デフォルトでループしてしまうので、ループさせたくない射精アニメ等は最後のフレームの時間を大きな数値にしてループを防いでいます。
完成!
工程をひとつずつ解説していくとかなり長くなってしまいましたが「はえー大変なんだなー」くらいに思ってくれると嬉しいです。また、この作り方が正解というわけでもないので、あくまで一例として捉えていただければと思います。
手間暇かけている分、実際にゲームで動せるようになった時は嬉しいですね!
それでは本日も記事をご覧いただきありがとうございました!
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