灰色 2023/08/05 12:01

花散峪山人考の感想呟きまとめ1

TwitterがXになっちゃったし、いつ消えるか分かんないな! と思ったので、以前書いた花散~の感想を纏めておきました。4万文字位あった。書き過ぎ。

そして、長過ぎて収まらなかった。書き過ぎ。


お前が私の性癖を歪めた

私が「好きな子が死んで悲しい!」系の表現に対して「は? お前其の程度で悲しいと思ってるとか、マジで言ってんの?」と思う様になってしまったのは、花散峪山人考の冬矢の所為。アレだけ本来の素朴な性格から変わってしまったのを見せ付けられちゃったらさぁ……。

穏やかだった頃の片鱗が所々垣間見えるの、本当に冬矢という人間の掘り下げ方が上手いんですよね……。花散谷〜はもう細かいシーンは全然覚えてないんだけど、冬矢が初めていちに出会って顔を見た時、嫁を思い出して一瞬本来の性格に戻ったシーンで、憎めなくなっちゃったんですよね……いや、やってる事は本当に酷いんだけどさ……。

単なるクズのDVモラハラ男だったら、そいつを好きになる女に対しても苛立っちゃうんだけど、冬矢に付いて行くしか無い状況とはいえ、付いて行っちゃういちの気持ちが、何となく分かる作りになってるんだよな……本質の優しさが滲む部分は、本当にじーんと来るから……。

私が好きになる作品、男側が必死になり過ぎて狂気に片足突っ込んでるか狂ってる奴ばっかじゃん……(周君、パルム、冬矢)

希さんの書き方が上手過ぎ問題

花散谷〜のライターさんの書き方の上手さは何なんだろう……? 冬矢のやってる事はガチの外道で性格も酷いのに、許すまでは行かなくても「仕方無いよな……」と読み手に思わせてしまう此の力は…私が書いたら多分「テメェ自分の不幸に酔ってんじゃねぇクソ野郎が、しばき倒すぞ!」になっちゃう…

書いてる人自体が冬矢自身を哀れんで居ないのが大きいのかな? 
作者が入れ込んでる、気に入ってて贔屓してるキャラって、何か分かるもんな。何処か冬矢に対して突き放した空気が有って、其れが上手い事作用しているのかも知れない。

キャラの駄目な部分って、潰し過ぎてもキャラとしての魅力が無くなっちゃうしね……私なんかは駄目な部分しか好きにならない。みたいな所が有るからな……だから冬矢が好きなんだな……成る程……(納得)。

言われてみたら、周りの女達も男達も、冬矢に同情はしても、行い自体は全て咎められてるな……いや、そりゃ当然なんだけど。第一章の時点でハッキリと冬矢の復讐は八つ当たりでしか無いと言われているのも大きいのかしら。書き手が色々理解した上で書いてると言うか。

まぁでも、冬矢も嫁が山人に殺されたんじゃ無く、病気とかだったら此処まで狂ってなかったんだろうな……。ってのが、読み手にはっきりと分かる作りにはなってるからなぁ……。情を引く書き方では無くても、其れが伝わるのは、やっぱり凄い。バランス感覚が良い。

バッドの書き方も良いんだよね

花散谷〜バットエンドが大体惨いのもバランスが取れているというか、因果応報で有る分、冬矢に気兼ねなく同情出来るのも有るのかも知れない……。
はい、死にました! で終りじゃ無く「冬矢を苦しませている」のがポイント高い気がする。

あ、そうか。今までヤンデレゲーをやって来て満足する内容が少なかったの、ヤンデレに求める重さが冬矢レベルだったんだな…? 普通の人からしたら、私が今までやって来たヤンデレは多分充分に重いんだ。でも私には足りないんだよ。ヤンデレなら冬矢並みに人生丸ごと一人の為に捨ててくれないと。

皆が普通のショートケーキで美味しい! って言ってる中、私は「嫌だ! 私は一人でホールケーキ丸ごと食べたいんだ!」って喚いてるレベルなのは知ってるんです…! でも、冬矢を知ってしまったら、もう並では満足出来ないんです…!

冬矢は恐ろしいものを私に残して行きました……ヤンデレと復讐物に対する基準の底上げです!(特に復讐物については不満が残る様になった)(途中で止めてんじゃねーよ! やり切れよ! やり切らないなら京香さんED位抜け殻になれ!)

復讐物の倫理観バランス問題

まぁ、実際に花散〜で周りの人達が言っていた様に、復讐したって何にもならないんですよね、もう過去は忘れて生きろになるのも分かる。でも、罪の無い山人を手に掛けた時点で、冬矢はもう降りられなかったし、復讐が終わってからも生きられる程、図太くはなれなかったんじゃ無いかな……

冬矢のやった事は許されちゃいけないという考えが作者さんの根底に有って、だからこそ復讐を終えた後の冬矢の生は覇気もなく虚しいもので、其れでも人さじの温かさだけは残る終わりなのが良いですよな……甘く無いけど優しい。

冬矢は作者に許されなかったから好きみたいな部分も有ると思うしなぁ……大団円が用意されてたら不満が残ったと思うし、だからこそ大団円が無いんだと思う。幸せを選べたけど選ばなかったからこそ冬矢が好きだし同情出来るし、全て許せるのだ……

伊波冬矢、あれだけでいち(とプレイヤー)に全てを理解させるの凄いし、HPのいちのキャラ紹介(彼女の首に巻かれた縄は最後まで解かれる事は無い)と完全にリンクしてるんですよね……。やっぱりね、愛を書ける作家はキャラに簡単に「愛してる」とは言わせないんですよ(個人の感想です)。冬矢はあれで本当に繊細な男なんだよ……そういう扱いされたら怒りそうだけど……。

自分がやった事の重さを理解しているからこそ、逆に許してくれとも言えなかったし誰にも言わなかったんでしょうね……。
悪人であり続ける事によって贖罪を果たそうとした男なんですよ、冬矢は。だから誰にも謝らなかったんじゃ無いかなって……。
元は善人で有るという事、本心では許されたいからこそ、他者から許すと言われる事が受け入れられない。

まで書かれているからこそ、見ているプレイヤーが許してやりたくなる。という作りが滅茶苦茶上手いな…って今でも思います。冬矢が許してくれって口で言ってたら許してやりたいと思えなかったかも…

クズを上手く描く為のポイント

私がクズをクズらしくする為に意識しているポイントに

・加害者だけど被害者ぶる
・何度も言い訳を重ねる
・他人に赦してもらいたがる
・自分の事ばかり話す

ってのが有るんだけど、冬矢は逆をやってるんだな…行動は外道でも、其れが徹底されていると同情してしまうんだ…。

EDの締め方最高だよね

後、花散のさ…最後のアレ、良いよね…口にしないのが良いよね…。って旦那さんに言ったら「付いて来て貰えなくても仕方無いって思ってたから何も言わなかったんじゃ無い?」って返ってきてさ…あぁ、後、いちにもう「命令」したく無かったのかもな…とか、こう色々ブワーって…冬矢よ…

後、愛してはいても今までの所業上言えなかったりだとか、初美にずっと操を立てている可能性も、有るよね……。
そういう男なんだよ冬矢は……。
本来は善良で優しい男でだからこそ自分が酷い事をしている自覚が有って、有るからこそ他人に優しく出来ないし赦してくれとも言わないし周りに哀れみを一切求めず赦される事を拒絶する男、伊波冬矢〜〜〜〜!!!!

最初はともかく、後半は絶対にいちに対して愛情有ったよな、冬矢…でも最初が最初(強○)だったし、あんな酷い事したのに、今更お前が好きだとか、自分に対する嫌悪感が強過ぎて、言えなかったんだろうな…そりゃ言えないよな…恥知らずな言葉になっちゃうもんな…

シナリオ上メインのカップリングと作者の萌えとプレイヤーの萌えが合致すると破壊力が凄いというか、初美亡き今、冬矢に付いて行けるのはいち位しか居ないだろうからなぁ…。
というか、過去の女性への想いや未練をアレだけ描写して、だからこそ、いちと幸せになってくれと願える話は他に無いよ……

冬矢の「引き摺り方」が好み過ぎてな…冬矢位引き摺ってくれないと「お前、本当に好きだったのか?」と疑う様になってしまった。やっぱり、クソ重男に対するハードルが上がったの花散の所為だわ……

でも勧め難いんだよね……

私も「この作品は素晴らしい! 最高だ! 広めたい!」という気持ちと「でもこの作品、流行れば良いって物じゃ無いしなぁ…変な解釈されたら嫌だな…」みたいな気持ちになってるんで、分かります…。作品其の物すら、冬矢と同じく規模が素朴で、伝え方が不器用なんだなぁ……。

花散はあんなに全体的に殺伐としていて、冬矢は狂人で有り復讐者を貫き過ぎてて常に怒り狂っているし、幸せになれる人が冬矢を含めてほぼ誰も居ないのに、根底に有るのは「愛と情」なんだよね……そりゃ好きにしかなりませんよ、こんな話。
冬矢の行動だけ見たら完全に凌○ゲーのクズ主人公なのになぁ……愛情が見え隠れしてるの、本当にさぁ……。

夢語り

あぁ、言われてみたら冬矢への感情は夢に近いのか……! でも初美といち以外の女性に心を向ける冬矢は解釈違いだから、

こう、初美さんが生きていて穏やかだった時代の冬矢に子供の姿でぶつかって、うっかり冬矢の服を汚してしまったりした時に半泣きでごめんなさいって言おうとしたら思いの外優しく「大丈夫かい」って言われながら立たせて貰って、更に傍らの初美さんに絹のハンカチで涙を拭って貰いながら「安心して、この人目付きが怖いけど、怒ってる訳じゃ無いの」とか言われて、「酷いな……」と呟く冬矢を見ながら、親元に送り出されたいですね……(長いよ

冬矢の口調、狂う前は凄く紳士的なんですよね……実はそこも好きな部分で「大丈夫か?」じゃなくて「大丈夫?」か「大丈夫かい?」なんですよ。多分。
そんな人が狂ったら滅茶苦茶粗野になってしまうって部分も含めて好きなんですよ。憎悪の強さが伝わって来るので……。

冬矢は昔に戻った時のセリフが全部相手を気遣う内容で、尚且つ口調が凄く優しいから「あぁ、恋人を殺されたから狂ってしまっただけで、本当は優しい人なんだな」と自然と感じられる作りになっているのが、またニクい……。

椿さんの気持ち、分かるよ……

最初、椿さん、何で見捨てないんだ…と思ってたけど、椿さんの嫁さんを心配しまくっていた冬矢を思い出したら「そりゃ放っておけんわ…」と思い直した。椿さん、きっと初美さんとも親しくしていたんだろうしね…そりゃ放置出来ないよね…。特別なイベント起こさずに親友描写出来るのやっぱり凄い……

幸せなバットエンドを迎えても良かったんだよ……と言いたいが、冬矢は其れを良しとはしないよなぁ……あの世界でもう一度いちと死ぬまで旅を続けて生まれ変わって、其れからやっと幸せになれそうなのが冬矢なんだよな……。
冬矢、合わない人には絶対に合わない主人公で、尚且つ本編の全てが冬矢の為に用意された話だから、勧め難いというか、個人個人に合うか合わないかを見極める目が試されるんだよな……。

やっぱりED良いよね2

花散は救いの塩梅が絶妙で、そこも大好きですね……。
やった事は確かに極悪非道で外道だし、関係の無い女達を巻き込んで傷付けた事実は消えないからね……でも、其れでも許してやりたい気持ちも有るんだよな……! からの、あのエピローグだから……。単に冬矢がクズだから極悪非道な事をした訳では無いのは本編の丁寧過ぎる位の描写で判るし、だからと言って行いを全て許してしまったら釣り合いが取れないし、更に冬矢自身が其れを一切望んでいないからこその、あの最後なんですよね……。

性格悪い主人公の書き方を教えてくれ

ブラッ君、本来は善人とかじゃないもんな…どうやったらコイツが魅力的になるんだ? いや、冬矢みたいなキャラを好感を持てる様に書け! と言われるよりかはまだ、ハードルが低い気がしなくもないんですけど…本当か? 性格悪いけど好意だけは本物だから、許してやらなくもない位でギリな気がする

冬矢は本来普通だったのが恋人の死を切っ掛けに狂っちゃったタイプだけど幾ら何でも山人皆殺しはやり過ぎでしょ幾ら何でも。という読み手と周囲の反応を書き手が充分に理解した上で「其れでもそこまでしないと抑えられ無い程に彼の怒りと憎しみと悲しみは強かったんです」ってのを見せてくれたからね…

此れ、冬矢という人間に感情移入出来る様に、本当に丁寧にきっちりと噛み砕いて行動で書き手が冬矢という人間説明してくれているから、ここまで響く話になっているんだよね。やっぱり「読み手にキャラの魅力を理解して貰いたい」なら、ここまでやらないと駄目だよなぁ……

あれだけ尺を取って書かれた冬矢の描写だって受け入れられない人は当然居るだろうし、冬矢大好きな私にも其れは理解出来るけど、だからといって書き手が冬矢という男の描写に手を抜いていたかと言ったら決してそんな事は無いし、寧ろ全身全霊全力を持って書いていた事は、読めば分かるからね……

てか、冬矢って狂う前は寧ろ全然怒らないタイプだったんだろうな……他の人が怒る様な事されても、慌てたり困ったり悲しんだりはしても、怒りはしなかったんじゃないかなって。本編であれだけ怒ってるのに、そう思えるのはやっぱり描写力の凄さだよなって……。

成長しないヘタレ嫌われ過ぎ問題

成長するヘタレは大体皆に好意的に受け止めて貰えるし、素直にそのまま書けば良いんだけど、成長しないヘタレ…というか普通の人からしたら、どこに萌えてるのか分かり難い性癖は花散の冬矢くらい丁寧に書かないと駄目なんだろうな…と今痛感している。

良い悪いじゃなくて解説が要る性癖ってあるよね
冬矢って一歩間違ったらやってる事は極悪非道なのに自分を哀れんでるヒーロー気取りになってもおかしくなかったというか、普通に書いたら確実にそうなっちゃうタイプの危ういキャラじゃん。丁寧さって大切だよね……。

普通に書いたら単なるクズ。みたいなキャラばっかり好きになってしまうので、毎回「いや此れどう書けっていうんだよ無理だわ!」って喚きながら書いてる。
プロと比べんじゃねぇよ、おこがましいわ。って話なんですが、冬矢を書き切った希さん精神力と体力の消耗凄かったんじゃ無いかな……。

花散は全てにおいて高水準で素晴らしいのに「主人公と話の内容が人を選ぶ」という一点のみで人に勧めにくく、尚且つ其の点自体が冬矢という人間を表しているのが、また、何というか本当に……。

冬矢の生き様大好きだけどしんど過ぎるからなぁ

本当に頭から爪先まで冬矢の苦悩と憎しみと怒りと愛の話として細かい部分(サウンドトラックの画像や予約特典のカードに至るまで)が作り込まれてて執念すら感じる……この世界観を崩すものかという怨念すら感じる……。
復讐物ってだけでも難しいのに、冬矢の人生を書く為には、「復讐物で無ければいけなかった」もんなぁ……。

いや、もう初美さんが生きてる平和なイチャラブルートだけで良いですよ! という自分と、冬矢という男を書き切る為には仕方無かったんだという気持ちが鬩ぎ合う……

冬矢を超えるクソ重一途で不器用で一人の人の為だけに命を燃やし尽くした男は、もうこれから現れないのでは……?
旦那さんに「冬矢は初美さんの事を過去にして幸せになっても良かったんじゃ無いかな……」って言ったら、旦那さんが「もう初美さんが死んだ時点で冬矢の人生は終わってしまったんだよ」と返されたのがなぁ……本当になぁ……。

冬矢に批判の声が集中するのも分かるんだが、此れ多分其れ込みで書かれてるのが、またしんどいんだよなぁ。ぶっちゃけエロゲをやる様な男性陣からは評判悪かったんじゃ無いかな冬矢……でも女性人気は高い気がする。少なくとも私はときめいたし、初美さん位愛されたいぞ。

そういや、旦那さんも冬矢には同情的ではあったな……。
旦那さんも私が殺されたら、そいつを絶対に殺してやる。とか口にする人だから、通じ合う物が有ったのか……?
冬矢と通じ合う部分が有る三次元中年男性怖くね?(萌えるだけで怖くは無いか……

ブラッ君も平均から見れば重い気がするんですが、冬矢と比べたらぬるいな……みたいな思いが有りましてね……もっと行けるやろ。
頑張れブラッ君頑張れ! 長男だろ頑張れ!

冬矢と並ぶくらい重い男募集中

冬矢と並ぶ位重い男が書きたい期が到来している(無茶を言うな)
冬矢・周・パルムみたく、文字通りに人生掛けてくれないとさぁ……(求めるハードルの高さよ

冬矢、確かに全肯定出来る男では無いどころか、下手したら大多数の人に「もっとピカレスクロマンみたいなスカッとした話を期待したのに、何だよウジウジしやがって」と思われる可能性が高いけど。突き抜けちゃったら其れは冬矢じゃないというか、あの中途半端に狂っているからこその冬矢だからな…

狂い方すら不器用で、下手くそなんだよなぁ。突き抜けられ無いし、かと言ってかつての…本来の性格に戻れる訳も無いし。もし戻れたとしても今度は罪悪感で苦しみそうだし。

というか、本編でも絶対に罪悪感は感じてたよね、冬矢は…其れを表に出すのは甘えだと思ってて見せなかったんだろうけど…もうこの思考回路からしてさぁ…やってる事だけ見たら本当に酷いし引く人の方が多いし、そりゃプレイヤーからガチで嫌われても仕方ないと思うのと同時にやっぱりお前、本来の性格を無くせる程には狂えて無いし、根本的な優しさは、消せて無いじゃんよ……! って言いたくなってしまうんよな……

大体の性癖って、文章だけじゃ伝わらないよね……。
花散の冬矢みたいな男が好きって言っても、何か女に暴力振るう怒りっぽい男が好きだと勘違いされそうな気がする……違うんや……そうだけどそうじゃないんや……(だから作品を作っている所が有る)

唯のヤンデレと冬矢を一緒にしないで下さい! アレは本来は穏やかで優しかったんだけど婚約者が殺されてしまった事により魂が死んで狂気に染まってしまったけれども、其れでも根っこには善良な残滓が微かに残っている不器用なレイパーで有りクソ重感情男なんです!(絶対に伝わらねぇよ……!
言われてみたら衛宮士郎君の方が、ずっと冬矢の本質に近いな……どっちにせよキャラが独特過ぎるけど……

灰色さんは怒りで出来ている

あっ、今気付いたんだけど、花散で冬矢に滅茶苦茶共感出来たの、私も二次元とかに対する怒りと憎しみの感情が粘着質で、ずっとずっと引き摺るし、怒りが燃え上がるタイプだからだ……! 其の点だけ冬矢と張れる位しつこい! 気付きたくなかった……!

旦那さん好きに関しては福満さんと比べてまだまだだな、って思うし
根が善人のクソ重男に関しては冬矢に比べたら足元にも及んでねぇな、ってなるし
私の中の「認められるレベル」がガン上がりしている気がしなくもない。

花散は本当に冬矢という男を書く為だけの物語だったからなぁ….…そして、周りの人達も同情はしても理解出来たかと言えば、そうでも無いし。
かと言って、其れは責められない事で。世間的には理解出来る方がおかしくて、だからこそ、冬矢という男の人生は悲しい……そう、普通の人はどれだけ冬矢を心配して、気遣っても、生き様を悲しむ位しか出来ない….…。
一番冬矢を理解していたのはリンドウかな、とは思うんだけど、其れすら冬矢の救いには成り得ないんだよなぁ….…。

中途半端な狂人が一番嫌われるんだよね

冬矢を見てて一番辛くて悲しいなと思うのは、完全には狂い切れなかった部分で、だからこそ読み手の反発をかったっぽい部分が、本当に冬矢の生き方が下手糞というのを表してるよな….…と。
周りの人が冷たくて理解されない系は、実はそこまで悲しくないのよな。
周りの奴ら、ヒデェな! って怒りになるから。周りの人達が優しいのに、其れでも理解されない方が、ずっと悲しい(冬矢の場合、其れが当然なのがまた、悲しい)。

私も冬矢の気持ちは分かるし、否定したくは無いけど、でも全肯定は出来ないというか、普通に幸せになって欲しい。というのが、どうしても先に来ちゃうしなぁ……。
冬矢を何と無く許してしまいたくなるの、細やかな描写と狂った理由と不器用さに加えて、所々抜けてるから。というのは大きい気がする。可愛げを感じさせるシーンが多々有るって大事よね……。

勿論、エグさを突き詰めた作品も其れは其れで良いんだけどね。其れが目的なら。
花散のエグさは冬矢の悲しみの表現手段で有って、目的では無いからね。其れを作り手が理解しているか、どうかよね。
花散の冬矢だって狂人キャラ作ろうぜ! って作者の意図が見える感じじゃなくて、何かこう、あの事件が起こってしまったから狂人になるしか道が無かった哀れな人。って感じがするじゃん?
其の違いを出せる様になりたいのよ。読み手に生きてる人間感を感じさせて欲しいんよな。

花散の冬矢にあんなに寄り添ってやりたくなったの、書き手の人が肩入れしてなかったからだと思うんですよね、何と無く……。作者の思想って、無意識に文章から滲み出るものじゃないですか。だからこそ、フラットな視点で書く事に憧れが有るんですよね、私……。
多分今花散やったら冬矢を偲んで滅茶苦茶泣くわ……(パルムの樹を読んで泣きじゃくっている灰)

紙の体験版の表紙がエグ過ぎる

フォロワーさんの熱量にあてられて「花散の設定資料集とか有ったら欲しいな〜」と思ったんだけど無くて、まぁ、仕方ないよなぁ。10年前だし…と思ったら紙の体験版っていうのが有って、其の表紙が…表紙…血みどろの道に転がる女達の死体……。

そもそも紙の体験版で血の海に沈む女たちの中に京香さんだけじゃなく山人の子も居たからね……何だかんだ言って女に対しては非情になりたくて頑張って非情になってるけど、奥底ではあの絵の状態なんだろうね……。

は~~~~~~~~面倒臭い~~~~~~~~~~!!!! クソ真面目な奴が俺は復讐を誓ったんだから悪に為らなきゃいけない!!!!! って思い詰めてアレな方向に頑張った結果がこれ(京香さん死亡)だよ!!!!!!!

冬矢が犠牲にして来た女達の事で傷付いてるのは、紙の体験版表紙で確定してしまったから……(アレ見た時呻いちゃったよ)。

やらかし悪役は許されては為らない派

あー…何か私が過去が可哀想故にやらかした悪役が改心して許される展開に腹が立つの、自分がもし同じ事やっても「可哀想だね! そんな思いをして来たんだから、道を踏み外しちゃっても仕方無いよ! よしよし!」何てならない事を知ってしまっているからかもなぁ。二次元に嫉妬してるのかも

「良いよな〜二次元キャラは後悔してますってポーズ取って泣いて見せれば許されるんだろ〜?」みたいな感情が根底に有りそう。そんな私ですら冬矢に対しては「もう、そんなに苦しまなくて良いんだぞ……!」ってなるのは、作中で持ち上げられたり、援護されてなかったから何だろうなぁ……。

伊波冬矢が好きなの、結局作中で成長しなかったからなのかもな……良くも悪くも彼は変わらなかったから……。てか本質は全く変わって無いんですよね、彼……。
其の点、冬矢は他人から許されても、許されなくても、どっちにせよ地獄だったので凄かったですね……。あそこまで自分で自分を許せなかったキャラ、居たか……?

伊波冬矢、言われてみたら完全に「為れの果て」の存在だよな……彼は悪堕ちっていうか闇堕ち感が有るから、元々穏やかで善良な男が憎しみによって闇堕ちする話が好きって感じになるのか……? そしてそんな男がサブでは無くて、メインじゃ無いと気に入らないみたいな……?(ニッチだなぁ)

冬矢に至っては好きな人と嫌いな人が両極端で「えっ、あんなに一つの作品を通して本来はどんな人間だったか描写されていても冬矢を許せない人が居るの!?」という想いと「いやでも、どんな事情が有ろうと、やってる事自体は鬼畜強○野郎だよ……?」という想いが交差してしまって辛い。

私個人の好みで言うと「もう許してやれよ自分を一番許せないのは冬矢自身なんだぞ!」って冬矢が苦手な人に説教して回りたいけど、そりゃ受け入れられない人の方が多いでしょ……という感情も有るから……何とも……。
主人公が何の為に存在しているのか分からない話が一番苦手なんだけど、其の点でも花散はがっつり好みの作品なんだよな……。全てが冬矢の為だけに用意された物語だから……。

あのEDは良いぞ

個人的に花散はあのエピローグで(私が)救われてしまったので、引き摺ら無かったのかな? あぁ、良かった。確かに冬矢の人生は誰にも理解されなかったかも知れないけど、彼の傍にはいちが居るんだ……一人では無いんだ……と思えたので。

あの仕草とスチルは未だに記憶に残っているので、やっぱり強いよな、花散……というか、よくぞあんな世界観を表現するのにぴったりな人を見付けて来たよね……。

てかOPで美しいお前の花を散らしたのは俺だって言ってる時点でいちに惹かれているのは最初から明白だったし、何か其の辺も含めて自分が許せなかった部分が有りそうね、冬矢……浮気じゃ無いけど浮気と言うか……いちを好きに為ったら初美さんを裏切る事になるとか思っていたのでは……?

掘り下げれば掘り下げる程「何でお前マメなのにそんな不器用なんだよ……!」ってなるな、冬矢……。

てか性格の作り込みが凄い。何もかもがブレて無いもんな……。変化してるのに、ちゃんと同一人物が変化をしたのだと理解出来るというか、作者の都合によって変わっていないって言うか……。

精神不安定男も良いぞ

精神が不安定な男が好きみたいな所が有って、伊波冬矢も精神が時々不安定になる所(本来の性格がのぞく所)が特に好きでしたね……あれは「彼が狂っている」「狂う前は優しい人間だった」の二つの要素が同時に表現されていてスゲーと思う。

元は優しかった人が狂うシチュが好きなのかも知れないな、私……。
でも、ぶっちゃけ冬矢くらい描写を徹底してくれないと、狂った方が本性なんじゃ無いの? てか、やらかしてる時点で既に優しく無いよね? になりそうだから、諸刃の剣……。

やらかしバランスの話

やらかしが1でキャラの後悔が1だと、読み手からしたら全く反省して無いみたいに見えるんだよね。
1やらかしたら、10反省してる、後悔してる描写を入れないと釣り合いが取れなくて読み手にはその気持ちが伝わらないのよな。そのバランスが難しいのよな。

作者はキャラに愛着あるから、1やらかし1後悔で許してやるか…になりがちだけど、読者からしたらやらかした時点で好感度マイナス10になってるから1後悔じゃ全然好感度は回復されないし、足りないのよね。その辺りの食い違いが起こると、胸糞悪くなるんじゃ無いかなって。

恋とか愛とか情が好きだけれど、かといって恋とか愛とか情があれば全てが許される訳では無いし
更に恋や愛や情が有るからこそ事態がややこしい事になる場合の方が多い訳で
ジャンル関係無く愛さえ有れば良いじゃない系は「いや、そうでもなくない?」と思ってしまう、捻くれ者の灰。
でも愛は欲しい

其れを理解した上で泥の中に咲く蓮の花を求める作家さんが好き。愛に否定的で懐疑的で、其れでも愛が欲しい人の作品は私に合う。パルムの樹とか明らかにそっちですね。個人的にパルムは「守りたいという気持ちは支配したいと同じだ」みたいな文章が刺さったな……やっぱり子供向けじゃなくない?
愛の恐ろしい部分を書いた上で、けれども愛は素晴らしいと言って欲しいのかもな……面倒臭い性癖過ぎません?

ほら、花散も愛が有ったからこその話だし……極端な話、冬矢が初美さんを愛して無かったらあの話は無い訳で、根底は愛なんですよ。

親になった伊波冬矢、見た過ぎるな……絶対子供の事を大事にするだろうし、子供が遊んでいる姿を見て、嬉しそうににこにこしたり、かと思ったら人一倍心配してそうよな……。

復讐者の基準が冬矢になってしまった件について

元は優しかったけど闇堕ちしてしまった男に挑戦してみたいけど、何書いても伊波冬矢がチラついて「無理だわ……」ってなりそうだなぁ。ヘタレのクズが言い訳並べてるだけ、みたいになりそうで……開き直ったクズより嫌われるからね、そういうの……(経験有り)。経験有りってのは商業作品とかで「あ、元は優しかったみたいに思わせたいんだな? ってのは分かるけど、ぶっちゃけ言い訳してる様にしか聞こえねーな!」って読者の立場で思った事が有るって事です。難しいんだよね…やらかしたヤツを良く見せるのって…。

伊波冬矢は言い訳しなかったもんな……。
ガチでやらかしちゃった本来は優しいキャラ、冬矢を除けばパルムかな…と思うんだけど、彼は人間では無いし子供だから、基準がまた変わるよなぁって。
後、好きな女の子と結ばれそうだったのを自ら蹴って、本来の樹に戻り、彼女と自分が殺した人達に償い祈り続ける事を選んだからな、彼は……。

あの冬矢の叫びや嘆きや苦しみを声で聞きたいっていうのは、ある意味残酷な楽しみかも知れないけど、其れでも味わいたいなという昏い願望が有る……普段はちょくちょく声を飛ばしがちなんだけど、絶対に全部聞くと思う。
特に普段と昔の声の違いで嗚咽を漏らしたい(マゾですか?)

旦那さんは多分、冬矢の親戚

花散の冬矢、確か最初の方で山人とイチャコラした後に吐いてたじゃないですか。あそこで好きになったんだよね、と旦那さんに言ったら
「アレは嫌悪感も勿論あっただろうけど、自分が此れからやろうとしてる事の罪悪感で吐いたんじゃない?」と言われて
お前、伊波冬矢か…? と思いました(違う
旦那さん、冬矢の思考の解釈完璧か……? みたいな部分が多々有るので「親戚か……?」と偶に思う。

男が女の一人称を書こうとしても女特有の生臭さの表現は出来ない様に、男が書く男の生臭さは、ちょっと女には理解出来ないみたいな所、有るんかなぁ……。いや、冬矢自身が特殊過ぎるだけな気もするが……
しかしそんなヤベー精神の私でもって、ちょっと理解が出来ないな、伊波冬矢……極端から極端に走るのは理解出来るんだけど、自罰の方向性が違うのかな……。

希さんシナリオで良い夫になれそうなの「築宮清修」君くらいかな……いや、冬矢もアレが無ければいい夫になれたんだろうな、とは思うんだけどさ……。
言い方は悪いが、初美さんを普通の病気とか事故で無くした場合の冬矢が一番私の好みに刺さりそうな予感がするので、ちょっと見て見たくは有る……。

京香さんのEND

若しかして「俺を呪うならいい方法がある。片目を隠せ」は凄く遠回りで判り難いけど、京香さんを巻き込んで、みすみす死なせてしまった後悔で自分を呪いたくて口にしてしまった台詞なのか……? 致そうとしたのも悲しみを誤魔化す為なのか……? えっ、わ、判り難過ぎて意味が判らんぞ……!?

責めてくれと自分から言えないから、致そうとしたのか……? 若しくはより、いちに、初美と似た女の子に、嫌って貰いたかったのか……? 彼が一番辛いのは、初美さんに嫌われる事だから……? 罰のつもりだったのか……? どうなんだ冬矢……私にはお前の考えが分からないよ……。

一回抱いた女を本気で見捨てられる男では無いと思うんだよな、冬矢……だから確実に罪悪感は有ったと思うんだけど、其れを知られる事を極端に嫌って口にはしないし、そういう素振りも見せようとしないから、やっぱり判り難いんだよな……わざと、判り難くしてるんだとは思うが。

二回目助けなかったのも、彼は一度死のうとした事が有るからだと思うし…いや手帳燃やしたのは冬矢自身だからマッチポンプかよ感も凄いんだけど、多分どっかで「たかが手帳、また書けば良いだろ?」と高を括ってた部分も有ると思うんだよね。大切だとしても死ぬほどじゃないだろ的な……。
其の辺りの食い違いは、どっかに絶対に有ったと思うんだよなぁ。山人に対してはアレだけど、其れ以外に関しては彼比較的普通だし……少なくとも進んで人を殺そうとする程ではない。

考えれば考える程冬矢の面倒臭さが浮き彫りになって「てめぇ!」という逆切れ感と「何でそうなっちまったんだよ…」という諦観と「初美さんが生きていれば…」という悲しみが同時に来るので感情がしっちゃかめっちゃかだよ。

花散、画像の全てが「この内容と空気感と世界観が合わない奴は呼んでねぇんだよ! 来るんじゃねぇ!」(冬矢口調)という意思を感じる……此れを見て「酷い! 綺麗な話だと思ってました!」って奴がいたら、そっちの方がおかしいもんな……泥臭くて血生臭い匂いしかしないよな……でも、其れでも根底には愛と優しさ(主に書いてる人の)が有るから、好きなんですよね……。根底にっていうのが、重要なんですよ私には……。

花散、京香さんが死んだ後、冬矢がいちに詰られた後「片目を隠せ」って言ったの何でだと思う? って旦那さんに聞いたら

「奥さんに詰って貰いたかったし罰して欲しかったし、止めて欲しかったんじゃないの?」

と返って来たので、やはり旦那さんは冬矢の親戚…(やっぱり男の人には分かるのか?

花散、私が適当に説明しただけで悩みもせずに「こういう事なんじゃない?」と答えてくれるので、副音声で冬矢の心情を解説して欲しい。
てか、何で予想が付くんだ? やっぱり男なら、ある程度心情が分かるもんなのか……⁉︎ 女だから分からんのか……⁉︎
てか、旦那さん本編やってないんですよね。私がやってたの偶に見てただけなんですよね。何で解説出来てるんだよ怖いよ。同類? 同類なんですか……⁉︎

男性特有の愛情表現のややこしさ

冬夜の口からは罵倒しか出ないからなぁ。でも、行動だと確実にいちを可愛いと思っているっぽいから、言っちゃなんだが男性特有の「行動で示してるんだから口で言わなくても分かるだろ」みたいなアレも相まって、余計に女から見たら好意が分かり難いのは有りそう。私も好きだとは思うんだがなぁ。体験版で思った以上にいちに折○してたから、自信が無くなって来たけど

あれも初美以外の女を好きになるのは裏切りだと思ってるっぽいからこその、過剰反応臭いしなぁ…更に言うなら、もう一度好きな女を失うのが怖くて、いちを好きな気持ちを必死に抑えてる可能性も有るなぁ…。更に言うなら、いちを手酷く折○していたのも、いちから嫌いになって欲しかったのかも知れないよね。
だって冬矢からは嫌えないでしょう。どうしたってさぁ……。

確かに冬矢の陰湿さ、本来が細やかな性格じゃないとあぁならないよな…って感じだからこそ、本質は昔の方なんだなって自然に思えたのかも。てか毒虫(じゃないけど)を見えない目の方に押し付けるみたいな嫌がらせも、細かい性格じゃないと思い付かないよね…私も陰湿さが可愛いと思ってしまうタイプ…

伊波冬矢に至っても、作中で同情はされていたけど肯定は一切されていなかったからこそ、あそこまで私は好きに為れたんだしね……あれで作中の扱いが「可哀想! 冬矢は悪く無いよ! 悪いのは山人だよ!」って感じだったら冬矢の事死ぬほど嫌いに為ってたと思うし。

伊波冬矢は本当に書き方が秀逸だったんだよな……彼が一番自分を許していないから……此れで彼が自分可哀想タイプだったら凄い嫌いだったと思うし「さっさと死んでしまえ!」になってたと思うので、やらかさないのが一番とはいえ「やらかした」後のキャラの書き方でも好感度って決まるんだよね……。

復讐者を書きたいなら怒りを書け

そういや、私も昔から恋人が殺されたのに「復讐は何も生まない」とか言われて復讐諦める展開には「悪いのは先に手を出して来た方だろうがァ!」と思っていたので、最初は其の点で凄い冬矢に共感して好感を持ったんだよな……(常に何かしらに対して怒っている部分も似てるしな……)

普通の人だったら「そんな怒らなくても……」って思うだろうし、基本的にそんなに怒りが続かないんだろうけど、私は10年単位で怒り続けてしまえる粘着質なタイプだから、其の点でも「そうだよなぁ! 何年経っても冷めない怒りってモンも有るんだよ!!」って冬矢と一緒になって怒っていた気がする

……あれだけ怒っているのは、初美さんに対する愛情の深さの表れでも有るっていうのが、また悲しいんだよな、冬矢……そうだよな。あれだけ愛していた人が理不尽に殺されて怒らなかったら、それこそおかしいもんな……やっぱり負の感情の強さと正の感情の強さって同じ位無いと変だよね。

花散も其の辺りが人によって違うだろうから、お勧めできなかったのよね。あの話は根底に愛と情が有ると私は思ってるんだけど、冬矢といちの関係が嫌って人が居るだろう事も理解は出来るしさ……。
花散も設定は壮大だけど、本筋はどこまでも冬矢の話でしか無いから、山人が救われて、更に登場人物が皆幸せになりましたーには、ならないんだよなぁ……。

でも、私が好きな話も大抵ものぐるタイプというか、花散も2409回も世界自体には何の影響も与えていなくて、ただ、本人達が満足しただけの話といえば、そうなんだよな……サイカノもそうかも。

救いは無いけど終わりはあったよ

冬矢は満足出来たかどうかも分からんが、少なくとも救いは有ると思うんよな、アレは……彷徨い続ける事になろうとも、愛しい女が側に居てくれる訳だから。
伊波冬矢、例え設定がそうだとしても書いてる内に破綻するだろうに、中途半端な狂人で悪人でヘタレってのを書き切った作品は他に無いよなぁ……動画見る限り、又兵衛さんも其れっぽいけど。

冬矢は自分で自分の行動を肯定していないし、本来の性格的に出来る訳が無いし、かといって其れを諦めてしまえば、そこで人生は終わってしまって、枯れてしまうしで、踏んだり蹴ったりだからなぁ…誰よりも許せないのは、山人ではなく、復讐を決めた後の自分の行動だったんじゃ無いかと思うんだよなぁ…
かといって、復讐しないという選択肢は、彼の中には無かっただろう。其れだけは私にも分かる。

私は元々怒りや憎しみを原動力にするタイプだから、一度火が付いてしまったら周りを巻き込んで燃やし尽くすしか無いんだよな。火が消えると同時に精神が死ぬのも、とても分かる。
私は冬矢みたいに優しくは無いけど、復讐に走る事しか出来ない異常な程の怒りや憎しみなら、何となく理解出来る。

きっと、いちが居なかったら彼は復讐を終えた後、死んでいただろうね。「此れで、やっと死ねる」って呟いて死んだんじゃ無いかと思うな……。あそこまでしなきゃどうしようも無い位、好きだったんだろうな、初美さんの事がさ……。
いや本当に表面だけ見たら鬼畜の所業でしか無いのに、根底に強過ぎる愛情と悲しみが見えるのがなぁ……本当にさぁ……。

2409回目の

確かに2409回目と花散の男の狂気って、女性が書いたら違う感じになるというか、多分周君にはもっと闇が入るし、冬矢は逆にマイルドになりそうな感じがする。周君、やってる事の方向性や思考は真っ当なのに行動が狂気じみてるってのが、あの作家さんじゃ無いと書けなかったんじゃないかな……と思うし(他の人が書いたらもっと闇深になりそう)冬矢に至っては男性じゃ無いと書けない執拗さ、生臭さが有って滅茶苦茶好きです(告白)。

(私も伊波冬矢の怒りに関しては違和感を抱かなかったというか「普通の人は多分引くんだろうな」というのは理性では理解出来たが、感情面では滅茶苦茶納得していたし、寧ろ今まで見てきた復讐物の怒りがヌルすぎたんだよ!!! と思っていた)
花散が冬矢の一人称だったら、私でも耐えられたかどうか微妙でしょうが! そういう事何ですよ多分!

冬矢の一番悲しい所、本質が優しいからこそ、破滅の道しか歩め無かった部分よな……。
あいつがもう少し冷酷だったなら、いちと生きて行けただろうに……。
私なんかが優しい男を書こうとすると、ふた昔前の乙女ゲームに出て来る王子様タイプというか、ちょっとわざとらしい感じになってしまうんだけど、冬矢は本質が優しいんだなって、やってる事がアレなのに理解出来るんだよな……。

花散だってパッと見バッドエンドだけど、彼の傍にはいちがいるんですよ。そしてあの仕草ですよ。
もう、あの一連の流れだけで、冬矢の人生もいちの存在も、悲しいけど、決して無駄では無かったと言えるじゃん……?
悲しいと無駄は違うんだよ(一緒にしてる作品は大体アレ)。

伊波冬矢も愛には違いないんだけど、余りにも怒りの要素が強過ぎて……愛なんだけど、でも……になってしまうよな。
其の「でも」が刺さった部分だから、否定したくは無いんだけど、其れでも生きて欲しかったよな、椿さんが言う様にさ……いちと幸せになっても、良かったのにな。

復讐者に対しては、大体「日和やがって! 腑抜けてんじゃねーぞ!」となる私が、唯一「仇を倒したんだから、お前はもう休んでも良いんだぞ……!」と言いたくなる男、伊波冬矢。
冬矢のキャラエンドは、途中下車でしか無いからな……目的地に付けていないし、本当に降りただけで終わってしまっているから……。

クオリティが高いのと受けるのは別

そう。上手くても一般受けしない…というモノは有るのだと、最近になって漸く分かって来た所なんだよなぁ。
尖ってるけどウケてる作品は、実際は尖ってる部分以外がウケてる事が多いのよ…花散は全方向が尖っているというか、全部が不器用なのよ…冬矢の人生を書く為に、敢えてそうなっているのだ…

当時花散に感動してさぁ、感想調べたら冬矢叩かれまくりで「何でこの男の良さが分からないんだよ!!!!」ってブチ切れて居たんだけど、私の趣味が特殊だなんて、思いも寄らなかったよね……。今なら分かる。
そりゃ男性ユーザーには好かれんわ……仕方無い。私はずっと好きなんだけど……。

旦那さんも特殊な男だから、冬矢に対して比較的好意的だったもんで、分からなかったんだよな……旦那さんは一般的な男性では無い(言い切り)。
どっちかって言うと、旦那さん自体が冬矢寄りの男なんだよな……。偶に意地悪と優しさを同時にお出しして来る部分も含めて(未だにこの部分だけはさっぱり分からん)。

考えてみたら、普通の男は最愛の女が死んでも、早くて数年、遅くても10年もしたら立ち直って、他の女性とお付き合いするものだもんなぁ……。
冬矢程の狂気には走らずとも、一生男やもめで暮らす時点でもう、普通では無いんだよな。私はそういう男しか好きになれないが……(病気)。

存在が呪いになっている女の人大好き

私は存在が呪いみたいな女滅茶苦茶好きなんだよ。
初美さんは絶対そんな女じゃ無いけど、冬矢は(ある意味)勝手に初美さんを呪いにしちゃってるんだよな。
だから好き(気持ち悪い好意を垂れ流すんじゃ無いよ)。
言っちゃ何だけど、永遠の愛情を書きたいなら
冬矢や周君、死神おじさん位ぶっ壊れてる描写を入れてくれないと、この人なら永遠に愛してくれるに違いない…! と思えなくなってしまった。だって、口だけならどうとでも言えるじゃん(捻くれ)

花散、あのパッケージの冬矢の顔にやられて買っちゃったからな……エロゲで主人公があんな形相する? するんですよ、あの作品は……。今考えると、本当に一般受けを投げ捨てた作品だよな……。

冬矢は元が善人だからこそ、最後辺りは「生きたくなかった」だろうしなぁ……。
花散の冬矢も、存在からして痛々しいもんな……痛々しい男が好きなプレイヤーや読者は確実に居るけど(私がそうなので)分母は絶対に少ないんだろうな、って思う。ブラッ君も性格が善人寄りだったら、痛々しい男になっていそうだ。基本的に精神脆いし。

そう。私も冬矢のキレっぷりにキュンキュン来るタイプなので、マジで分からない。
てか、キャラの心情がネチネチ書かれてるだけで「やったー!」ってなるんだけど
「普通の人は知らんキャラが心情語ってても興味持たないから止めろ」って言われるヤツ……。私は普通では無い……?

伊波冬矢の場合、最初から最愛の人が死んでいて、どうしようもない事がプレイヤーに分かっていたからこそ、見ていて耐えられたのかも知れないな……(ギリ救えそうに見せ掛けて死にましたパターンだったら、辛過ぎて地雷になっていたかも知れない)

主人公甘やかすな問題

あ、これが私が昨日言ってた「甘やかし問題」なのかも知れないな……冬矢の事を作中のヒロインも、ライターさんも、甘やかして無かったからな……一番自分を甘やかして無かったのは冬矢自身だったし……

伊波冬矢のやった事の方が、か……の主人公よりもずっと酷い事してるし、女の子が可哀想なんだけど
でも、冬矢がヒロイン達の事を嫌っていたかと言えば、絶対に嫌いじゃなかったと思えるのが、不思議だよなぁ……この違いが女の子が好きじゃ無いライターと女の子が好きなライターの違いだよ……。
旦那さん、伊波冬矢に対する理解力が異常だったから、やっぱり変わった人なんだろうな……いや、知ってたけど……。

私は冬矢といちの懸け橋になりたい

私は冬矢の心の傷になるよりかは、いちと冬矢の拗らせ過ぎて知恵の輪みたいになったボーイミーツガールのお手伝いをしたい……私自身は関わらずとも良い……髪飾り職人(?)になって「これ失敗しちゃったから上げます」とかいって、ちょっと花の形の歪んだべっこうの髪飾りを冬矢に渡して、それをいちに渡すかどうか、ずっと悩む冬矢を見守りたい。何なら、その髪飾りになりたい(????)

冬矢の良さを全人類理解してくれよ(無理です

伊波冬矢みたいな男が私は大好きだが、あの人は男には絶対に受けないし刺さらないって言い切れてしまうのが、辛い。
どう見ても私みたいな「成長出来ない悲しく弱く残酷で最悪なダメ男好き」にしか刺さらないし、そんな女自体、数が少ない…! タイプは違うけど、ブラッ君好きな人と層が被ると思う

花散も根底には愛があるというか、愛が中心の話なんだけど、冬矢が苦手な人からしたら、愛の描写が見え難くて、狂った部分しか映らないんだろうな、と思うと、何か、泣きそうになってしまうな……。ブラッ君の愛も分かり難いんだよな……冬矢程じゃないけど、根底にある想いを、誰にも見せたく無いんだろう。一番秘めた愛を見せたく無いのは、妹じゃなくて、自分自身が見たくないんだろうな、と思う。狂った後の冬矢も、同じかも知れない。

ブラッ君自体が「判り難い男」だからってのも有るんだけどさ…それならそれで、花散位細やかな描写が必要なんだろな…
いやでも、花散の冬矢も本当に一部の私みたいな女と、旦那さんみたいに愛が深くて重い男以外には優しさ伝わって無く無いか…? うぅ……うぅぅん……(悩)とはいえよ? 私が自分の好みの男の感情を読み取る為に一文ずつペロペロする気味の悪い趣味が有るにしても、花散書いた人はプロな訳だから、それでも冬矢の本質や愛情を理解した人はきっといる筈だよね……。私も其れ位細やかな書き方をせねばいかんのよ……面倒な男を趣味で書くならよ……

花散の冬矢と有る意味逆なんだな、ブラッ君……好きな人が死ぬと逆に素直になるというか、もう誤魔化すも何も無い(一番自分の気持ちを見せたくない相手が居ない)から素直になるというか、本質が出るのか……。あれか? 好き避けの凄い版みたいなアレだったのか? うわぁ、何て面倒なんだ……。

……花散の冬矢すら叩かれていたのを見た時「あいつの本質は優しいんだよ! 昔の冬矢が本来の姿なんだよ! 確かに今は半端に狂ってて酷い事もしてるけど、でも、それでも、冬矢は、優しいんだよ…」って憤ってたけど、嫌いな人は滅茶苦茶嫌いなんだろうな…って事実は否定出来なかったから…うぅ…

ブラッ君の話もしていた

ブラッ君は性格が元から悪いのに加えて、優しくは無いからな…情は有るんですけど…(冬矢とは別方向で分かり難いんだよな…)冬矢すら許せない人が居た訳だから、そりゃ仕方ないよな…。でも「いちの感情はストックホルムじゃん」で切り捨てたのは許さん。だとしても、想いを馬鹿にするのは許さん

私も冬矢が冬矢なだけで否定されるので何でだよー! 陰湿で陰険だから可愛いんだろ⁉︎ って思ってたけど、嫌いな人はめっちゃ嫌いな要素だって、分からなかったんだよな…私は大好きだから…。陰湿で陰険な男、大好きだから…。私が女だから可愛いと感じるだけで、冬矢って「男が一番嫌いだと感じるタイプの男」なのか? もしかして……あんなに、可愛らしいのに?(盲目)いや、冬矢の方が断然可愛いし、本来の性格もちゃんと分かり易く書かれてるけどね……良い部分を人に見せようとしない辺りとかは、ちょっとだけ近いかなって。冬矢が見せないのとブラッ君が見せないのは、理由が全然違うけどね…

冬矢にヒーロー性が有ったらこんなに好きになって無いので、私は「個人的な理由で他者を巻き込んで自滅する不器用で愚かでどうしようも無い男しか好きになれない」という悲しい事実を知ってしまった……。
理解者がほぼ存在しない性癖じゃ無いですか……!…。
花散も三人称であれだけ冬矢の人格を表現出来たんだから、やろうと思えば出来る筈なんだよね……やります(決意)。

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