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-freya- 2023/06/05 14:56

閉鎖病棟体験その6~その7

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-freya- 2023/06/05 14:55

ひとりえっち大好きの女の子が突然現れた妖精さんに全身貞操帯を装着されて、絶頂管理されちゃうお話し

――はじめに――
 こちらは全体公開用の前編になります。
 先月限定公開でUPした文章を推敲してるので一部内容変更をしております。(限定公開していた前編の文章は非公開とさせていただきます)
 支援者の方は中編後編の限定公開と合わせてお楽しみください!
(文字数の関係で、中編後編にわかれちゃいました)
 
登場キャラクター

・二葉一愛(ふたばいのり)
貞操帯着けられちゃうオナニー大好き女子高生。
突然現れた妖精さんにえっちを禁止されて大ピンチになる。

・妖精さん
金髪碧眼の美少女で、性の規律を司る妖精(自称)。
二葉一愛の前に突如として現れ、性活を管理してくる。


――以下本編――

 アタシの名前は二葉一愛。 
 現在は、都内の女子高に通うため地方の実家を離れてマンションに一人暮らしをしている。
 アタシは周囲よりも背が低めで、手足も細く、少し大きめに育った胸以外は、華奢な部類だ。
 ただ、ショートに切りそろえた黒髪だけはキレイだね、となぜか周囲に褒められる。
 クラスメイトが言うアタシの評価は、童顔でボーイッシュな顔つきをしてるから、中性的で可愛いとのことだ。
 喜んでいいのかどうかわからないけれど、ブスとかモブと言われるよりは何倍もマシなので、良しとする。
 まぁ、特に仲の良い友だちもおらず、部活動に参加していないアタシは、女子トークに加わることもなく、放課後は真っすぐ帰宅しているのだけれども。
 それでも、自宅のマンションに帰宅したアタシには、みんなには秘密の楽しみがある。

 それは、ひとりえっちという名のオナニーだ。

 オナニーにのめり込んだのは、ちょっとした好奇心がキッカケだった。
 一人暮らしの空いた時間で少し大人っぽいことにチャレンジするつもりでおまんこを触ってみたのだ。
 それが想像よりも気持ちよくて、ちょっとだけ、もう少しだけ、と繰り返しているうちにアタシは学校から帰ってきたときだけではなく、起床時や就寝前にも欠かさずオナニーをしてしまうようになってしまった。
 日常的にオナニーを繰り返してしまうことが普通じゃないってのは、アタシもわかっている。
 けれども、気持ちよくなれる方法を知っているのに、それをしないなんてどう考えても損してる。としか思えなかった。
 だから、アタシはそれがいけないことだとわかっていても、ひとりえっちを日常的に繰り返していた。
 だって、おまんこクチュクチュするの気持ちいいんだもん。
 
「ン……ッ、ぅぅ、ん」

 今日も学校から帰宅してすぐにお風呂を沸かしつつ、ベッドの上で白い肌を晒していた。
 楽しみにしていたオナニーをするためにM字に股を開いて、おまんこに右手の細指をはべらせる。
 そのまま、すりすり、と割れ目の外と内側のビラビラを優しく擦りあげ、ゆっくりと刺激に慣れさせていく。
 膣口からじわじわ溢れ出してきた愛液で、おまんこを満たして、十分に濡れたのを確認してから、中指を膣内に挿入する。

「ん……ッ、んふ、んん」

 クリトリスの裏側を刺激するようにクチュクチュと肉襞を擦り上げるだけで、甘い吐息が勝手に零れてきちゃう。
 でも、これくらいの刺激では、絶頂までまだまだほど遠い。
 だから、クリトリスとおまんこを右手の指でイジメながら、次は育ち盛りのおっぱいに左手を伸ばしていく。

「ンぁッ……!? あ、ぁあ……ッ、んふぁ……ッ、あぁあんッ!」

 触るだけでぷるぷると揺れてしまうおっぱいを少しばかり乱暴に揉みこんで、先端にある乳首を硬く勃起させる。
 それから人差し指の爪先で膨らみ切った乳首の先端をカリカリと弾いたり、挙句には親指と人差し指を使ってクリクリと抓るようにこねくり回したりして、出来うる限りの刺激を送り込んでいく。

「あ、ぁあ……ッ、あぅ、イクぅ……イッちゃうぅッ……!」
 
 数分か数十分か。
 同じ刺激を淡々を送り続けた部位からヒリヒリするようなくすぐったさが背筋を通って脳みそに行き渡って、内ももがぶるぶると震えだして――イク。
 そう思ったときだった。
 
「あらあら、そんなによがり狂った声を出してひとりえっちなんかして、本当にはしたない子ね。毎日オナニーばっかりして他にやることないのかしら?」

「――ッ!?」 

 アタシしかいないはずの室内に知らない声音が響いてきた。
 何事かと声のほうへ振り向くと呆れたような顔で宙に浮かぶ天使の翼を生やした金髪碧眼の少女がいた。

「あんた誰よ!?」

 ――見られた。
 その事実に昂った感情が一気に冷めていく。
 どうしていいのかわからなくなって、新しく湧き上がってきた感情を目の前の侵入者にぶつける。
  
「私は性の規律を司る妖精よ。あなたが毎日毎日ひとりえっちを繰り返しちゃうから、強○的に呼び出されちゃったみたい」

「は、はぁ……? 意味わかんないし」

 妖精と言われても、パッとしなかった。
 たしかに彼女は宙に浮かんでいるし、背中からは羽が生えている。どうみても普通の人間ではないのは目に見える情報からもわかる。
 けれども、だからといってなぜそんな存在が、アタシのオナニーに反応して呼び出されてくるのか訳がわからなかった。
 
「私はあなたのセイカツを正すためにここにいるってことよ。ホント、変態って困るわ」

 生活を正す。とか言われても、アタシは一人で十分生活できてる。
 一体何を正すつもりなのかさっぱりだ。
 それよりも、自分から勝手に現れておいて、アタシを変態扱いしてくるとか、何様のつもりなのだろう。
 アタシが変態かどうかはともかく、妖精なのか天使なのか曖昧過ぎる存在の彼女にアタシの人間性を定義されたくない。
 というか、思春期を迎えたら誰だってオナニーくらいするでしょ。

「生活を正すだかなんだか知らないけど、あんたにそこに居られると気が散ってオナニーできないから、さっさと消えて欲しいんですけど?」
 
 突然現れた存在に胸の鼓動がうるさいくらい脈打ってるけれど、さっきまで絶頂まじかだった身体の熱は冷めきってしまって、火照り出していた肌の色も戻ってしまっている。
 これだとまた最初から乳首やおまんこを愛撫して、感情を高めていかないと気持ちよくなれないだろうし、こうしている間にもアタシの生活のルーティンを崩されて、お風呂に入る時間が遅れていってしまう。
 あおりに煽ってくる妖精の相手をするのは面倒だった。
 
「あなた、私の話し聞いてた?」

 なのに、彼女は金色の眉をひそめてさらにアタシを煽ってくる。
 
「アンタのことなんてどうでもいいし、興味ないから消えてって言ったでしょ?」

 だから、アタシも彼女に対抗するように先ほどよりも強めの声音で言い切る。

「――――」

 お互いに視線をバチバチとぶつけ合わせて無言の時間を費やしたころ。
 
「そう……そういう態度をとるのね。本当は優しく諭してあげるつもりだったけど、いいわ。それなら、今後一週間あなたには一切のえっちを禁止させてもらうから」

 えっちを禁止って、どういう意味?

「あんた何言って――」

 パチンッ。

 アタシの問いかけが終わるよりも早く、彼女が得意げに指を鳴らすと、アタシの周りに鉄のような見た目のベルトが突如として現れた。
 それはウエストを挟み込むようにアタシのくびれたお腹に嵌りこみ、さらにお尻の筋を通りながら、お股を掬いあげるようにおまんこの上にも被さってくる。
 そして、お腹の上で鉄のベルトがカチリと組み合わさり、へその上を中心にハート型の錠でガチャッ、と施錠されてしまった。

「え? は? うそでしょ……? なによ、これ……っ?」

 何が起こったのか訳がわからず、鋼鉄のベルトに触ってみるが、隙間なくガッチリとアタシの股間に装着された鋼鉄のベルトはどう触ってもズレる気配さえない。
 おまんこを触ろうと股間に指を伸ばしてもコメ粒ほどの小さい穴が散りばめられたドーム状の鉄板にコツコツと指の侵入が阻まれて完全にオナニーを禁止されてしまっていた。
 なのに、ドーム状の鉄の板の内側では、ベルトの中心にある縦に細長く開かれたスリットの部分から、おまんこの割れ目の内側にあるビラビラが、強○的に露出するようにはみ出されていて、変な刺激がずっと残っている。

「まだあるわよ」

「ちょ、ちょっと待って――」

 パチンッ。

 状況を飲み込めていないアタシに構うことなく、さらに妖精が指を鳴らす。
 すると今度はお椀型の鋼鉄の板が二つ胸の前に現れる。
 それは、くるっとアタシの周りを一周し、背後から脇の下を通ってブラジャーのようにおっぱいの上に被さると谷間のところで接合部をカチャリと合わせ、股間に嵌り込んでいる鋼鉄のベルト同様にハート型の錠で施錠されてしまった。
 そこへ、どこからか現れた鋼鉄の鎖が左右の肩と鎖骨の上を通り、おっぱいから鋼鉄の板がずり落ちないように背後の鉄のベルトと谷間の接合部にガチャリと連結されてしまう。
 
「な、なんなのよコレえ!?」

「乙女の貞操を守るための貞操帯よ。毎日オナニーしちゃう罰として一週間はそれを装着してもらうわ」

「は、はぁ!? 意味わかんないし!? ふざけてないで外してよ! こんな変なもの着けてたら、オナニーできないじゃない!?」

 股間に嵌り込んでいる貞操帯とやらを外そうと躍起になるが、股関節とウエストのT字のラインを描くように腰のくびれやお尻の縦筋に食い込むように隙間なく嵌り込んで、ビクともしない。

「うぅ……ッ、外れないし、密着してるし、まじ気持ち悪いんだけど……ッ!」

 お尻の穴を広げるように肛門に隣接している鋼鉄のベルトが、腰を捻るたび動いて気持ち悪いし、貞操帯の内側でスリットからはみ出すように剥き出しにされたおまんこのビラビラも腰を動かすたびに外側へ引っ張られて、ムズムズするようなじれったい刺激を伝えてくるから、もどかしくてたまらなかった。
 おっぱいのほうに装着されたブラジャーみたいな貞操帯なんて、しっかりとアタシの胸の形に合わせて胴体をホールドしているから、肩を動かすたびに背中から脇の下を締めつけてきて、何度も何度もおっぱいを押しつぶしてくる。
 
「さっきも言ったでしょ? 私の目的は、性活。俗にいう性的な活動を正すことって。その貞操帯はあなたが一週間えっちを我慢できるまで絶対に外してあげないわ」

 さっきのセイカツって――生活のことじゃなかったの?

「そ、そんなの意味わかんないってば!」

 性活なんていう辞書にもない言葉を言われても反応できるはずがない。

「私は何度も説明したはずよ? なのに、一方的に話しを終わらせようとしたのはあなたでしょ? まぁ、でも大丈夫よ。どうせ、あなたのえっち癖が治れば、私は自然消滅するんだから」

 にんまりと口角を上げて、余裕の面持ちで妖精は言い切る。

「だから、どうしてアタシがアンタのいうこと聞いて、えっち癖を治さなきゃいけないわけ!? そんなの意味わかんないから! とにかくさっさとコレ外してよ!」

「そう、どうやらまだ自分の立場が分かってないようね」

 意を唱えるアタシが気にくわなかったのか、妖精はまたもパチンッ。と指を鳴らす。

「――ッ!?」

 瞬く間に九つもの重厚な見た目をした鋼鉄のリングが空中に現れる。
 それらは一つ一つ大きさがバラバラで、ギラギラと銀色の光を放ってる。
 どう考えても、明るい未来が見えてこない。

「ま、待って……ッ、これ以上は無理! 謝る! 謝るから!」

 妖精に落ち着いてもらいたくて、開いた両手を妖精に向けて声を上げる。

「そうね。もう少し早く謝ってればよかったのに」
 
 しかし、その願いもむなしく、妖精が指を杖のように振り回すと、それぞれの重厚な鋼鉄のリングがカパっと口を開き、次々とアタシに向かって飛び掛かってくる。

「ひッ!?」

 カチャ、ガチャッ。ガチャン。

 とんでもないホーミング性能で飛び掛かってくる鋼鉄のリングに、対応できるわけもなく、手首。上腕。足首。太もも。最後には首にまで鋼鉄のリングがガッチリと装着されてしまう。

「ちょ、やだ……ッ、やめ!?」

 そこへさらに鋼鉄のリングから飛び出すように出現した分厚い鋼鉄の鎖がそれぞれ対応した部位と繋がっていき、アタシの手足と身体を繋ぎとめるように鋼鉄の鎖がいくつもぶら下がっていく。

「お、重……ッ!」

 次々と装着される装具の重量が身体にのしかかり、動くことさえおっくうになる。
 けれど、鋼鉄のリングの効力はそれだけにとどまらない。
 手首同士を繋げる短い鎖は両手を肩幅ほどにしか広げられないように制限し、さらに腰の貞操帯とも短い鎖で繋いで、手首を高くあげることさえ許さない。
 それに加え、上腕に嵌められた鋼鉄のリングは背中で胸の貞操帯と繋ぎ合わさり、脇を広げさせてくれない。
 足のほうなんて、太もも同士が触れるくらい短く鎖が繋がれ、足首は肩幅に開くのもやっとだった。

「うそ……ッ、うそうそうそうそうそッ!?」

 等身大の鏡に映るアタシの姿は、鋼鉄の装身具に囚われた奴○みたいなことになっていた。
 慌てふためいたアタシは、装着された各所の鋼鉄のリングを無理やり外そうとするけれど、どこもかしくも肌に密着するほどきつく嵌り込んでしまっていて、手足の筋肉を動かすたびに圧迫された柔肌が強く締めつけられてしまうだけだった。
 首に嵌まり込んだ鉄枷なんて、アタシの喉をほどよく締めつけているから呼吸が喉を通るだけでも息苦しさを与えてくる。
 
「本当は、ここまでするつもりはなかったんだけれど、あなたが反省しないから悪いのよ? 反省した?」

 妖精は余裕の笑みを作り上げながら、そんなアタシを煽ってくる。

「~~~~ッ!」

 あまりにも惨めな姿に、何をどうすればいいのかわからなくて思考が真っ白になってくる。
 なのに、どうしてだろう。
 明らかに現実離れした状況なのに、下腹部の奥がじゅくじゅくと声をあげるように疼いて、興奮してる。
 こんなの絶対普通じゃないってわかってるのに、アタシはこんなときでもオナニーしたいと考えちゃってる。
 
「これでわかったでしょ? 私のいうことは絶対で、あなたに拒否権はないの。もちろん、貞操帯を外せるのは私だけだから、自由になりたいなら、ちゃーんとえっち癖を直すことね」

「……ッ」

 うふふ、と壊れた玩具を見下すような妖精に、全身の血の気が引いていく。
 コイツは本気でアタシに一週間もこれらの装身具を嵌めておくつもりなのだ。
 このままでは、朝起きてから寝るときまでもずっと、鋼鉄の装身具を身につけながら、生活させられる。
 オナニーはアタシの生活の一部だ。
 一人暮らしを始めてから、毎日ずっと続けてきた習慣だ。
 それを禁止されたら、自分がどうなってしまうのかアタシでもわからない。
 
「こんなッ……こんなの一週間もなんて無理ッ! おまんこずっとムズムズしてるのに……触れないとか、絶対おかしくなっちゃうってば! コレ以外ならなんでもする! なんでもするから、だからお願い!」

 必死に両手を合わせて、外してください。と妖精に懇願する。

「いまさらお願いしたってダメよ。そのままオナニーできないおまんこのことでも考えながら反省してなさい」

 でも、アタシの想いとは裏腹に妖精の身体が光の鱗粉に包まれていく。

「あ、待って! 消えないで!」

 全身を縛めている鎖の音色を響かせようと関係なしに妖精を呼び止めるけど、大丈夫よ。アタシは近くで見守ってるから。と言い残し、彼女は光の鱗粉に紛れてあっさりと姿を消してしまう。

「あ……ッ、うぁ……ッ、あぁ……ッ」

 マンションの寝室には、全身貞操帯を身につけたアタシだけが床に這いつくばったままポツンと取り残されていた。
 鎖に繋がれた両手足は不自由で、股間とおっぱいは貞操帯に覆われてる。
 身体を動かすたびに伝わってくる鋼鉄の重量感は本物で、これが夢じゃないことを物語っている。
 なのに、それらを強○的に身につけさせた存在はいともたやすく目の前から消えた。
 信じられない。
 こんな、理不尽なこと受け入れられるはずがない。

「なんなのよアイツ!? ありえないしぃッ!」

 一瞬、心が折れそうになったけど、こんなにも現実離れしたリアルがあってたまるか。と怒りを糧に貞操帯を外すための様々な道具をかき集めていく。
 けれども、鋼鉄の装具はアタシの想像以上に頑丈で、マンションにある道具を使っても、まったく歯が立たない。
 ヤスリで表面を削っても傷ひとつつかなかった。
 まるで、この世のものとは思えない不思議な力で守られているみたいだった。

「こんなんじゃ、まともに生活することさえできないじゃない……ッ!」

 手首や足首を鎖で繋がれてる以上、衣服に袖を通すことはできない。
 上に何かを羽織ることはできるけれど、明らかに不自然な見た目になっちゃうから論外だ。
 アタシには学生という身分があるのに、えっち禁止の一週間ずっとこの格好のまま日常生活を送るなんて絶対無理がある。
 そう思っていると、頭の中に直接妖精の声が聞こえてくる。

「あ、一応教えておいてあげるけれど、あなたにはそのままの姿でもその場に合わせたTPOになるように特別な認識阻害がかかっているから、その姿で外出しても他人はあなたが全身貞操帯を着けていることを認識することはないから、安心してね。もちろん風邪をひかないように体温管理の機能もバッチリよ」
 
 今の話しが本当なのだとしたら、アタシは全身貞操帯を身に着けながら、他の人が行き交う社会に溶け込んで、日常生活を続けなくてはならない。ということになる。

「ま、マジで言ってんの……ッ?」

 問いを返しても、何一つ妖精は返事をしない。
 否定も肯定もしないということは、マジなのだろう。
 
「う、うぁ……ッ」

 貞操帯に抑えつけられたおまんこがヒクヒクと疼く。
 反射的に股間へ右手を伸ばしてしまう。
 でも、理不尽な鋼鉄の下着がアタシの指先を拒んで、おまんこへの侵入を許してくれない。
 いや、おまんこだけじゃない。
 おっぱいに被さる貞操ブラのせいで乳首にも刺激を送ることができないのだ。
 だというのに、自分の身に起きている現実を考えれば考えるほど、なぜだか逆にオナニーしたくなってくる。
 このままではいけないとわかっていても、貞操帯の下に隠されたおまんこに指を伸ばして触ろうとしてしまう。
 
 コツ、コツ。

「なんで……っ、なんで触れないの……ッ!?」

 けれども、やっぱり触れない。
 アタシがどんなにオナニーしたくても、貞操帯の存在がそれを許してはくれない。
 貞操帯が装着されている限り、アタシはオナニーすることができないのだ。

「うぅ〜〜〜あぁ、もう! とにかく一週間だけオナニー我慢すればいいんでしょ!? その代わり、ちゃんと約束は守りなさいよね! バカ妖精! 聞いてんでしょ!?」

 すでに消えてしまった彼女へ怒りをぶつけるように決意を吐き出して、えっちな気持ちを遠くへと追いやる。
 そうでもしないとどうにかなってしまいそうだった。
 彼女の思惑どおりに意思決定するのは癪だけれど、全身に貞操帯が装着されてしまってる以上、アタシはこの状況を受け入れるしかなかった。

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-freya- 2023/06/05 14:55

SMメイド喫茶を利用する女の子

――はじめに――
 こちらは全体公開用の前編になります。
 
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以下、登場キャラクター

・藤光紗希(ふじみつさき)
 どこにでもいる普通の大学生。
 物語の主人公。

・堀川結衣(ほりかわゆい)
 紗希の友だち。
 幼稚園のころからの腐れ縁。

・日夏七菜(ひなつなな)
 結衣の大学の先輩。
 紗希とは初対面。
  
・メイド喫茶スレイブの店員。
・リリ
 ツインテールのメイド。
・ノノ
 ポニーテールのメイド。
・ルリ
 ショートカットのメイド。


――以下本編――


 大学一年目の夏休み。藤光紗希(ふじみつ さき)は、幼馴染である堀川結衣(ほりかわ ゆい)の誘いで、招待状がなければ入店ができない大人の喫茶店に訪れていた。
 
「じゃあ、あたしが食べさせてあげるから、お口あ~ん、して?」

「ま、マジで……?」

「でないと、食べれないでしょ?」

「うぅ……そうだけどさぁ……やっぱこれ、どうにかならないの?」

「ならないよ? 会計するまではそのままだって七菜先輩も言ってたじゃん」

「そうだけどさぁ……これ、めっちゃ恥ずかしいよ?」

「でも、結構似合ってるよ?」

「いや、似合ってても困るんだけど」

 いいから口開けて。と結衣は軽く笑いながら、お皿に盛られたクリームパスタをフォークで一口サイズに掬いあげ、あ~ん、と声を出しながら、紗希の小さく震える口元へそれを運んでくる。
 
「あ、あ~ん……ッ」

 紗希はそんな結衣の顔を上目遣いでチラチラ見ながら、頬を真っ赤に染めつつもクリームパスタを口に頬張った。

「どう? おいしい?」

「う、うん……おいしい」

「じゃあ、次もいくよ。はい、あ~ん」

「あ、あ~ん……ッ」

 明るく染めたショートボブの髪をはらりと揺らし、結衣は次々とクリームパスタを掬いあげては紗希に食べさせてくる。
 自分だけの玩具を手に入れた五歳児のようにその顔は明るさで満ち溢れているように見えるが、紗希の内心はそれどころではない。いくら幼馴染の誘いとはいえ、このような場所に来てしまったことを後悔していた。
 なぜなら、紗希の上半身には両手を後ろ手に縛り上げる麻縄がギッチリと食い込まされていたからだ。
 
 紗希は、清楚系の衣服を嗜むどこにでもいる大学生だ。
 高校生のころショートだった黒髪を現在はセミロングまで伸ばし、前髪は黒い瞳の上で切りそろえ、三つ編みに結った左右の横髪を頭の後ろで束ねるスタイルを好んでいる。
 身長は平均より低めで顔はどちらかというと少女のような童顔寄りだが、白いブラウスの胸元には誰が見ても立派な谷間が作り出されており、身体全体のシルエットが綺麗に見えるようなウエストを絞るスカートを身につければ、それなりの大人の女性に見えなくもない。今日はその中でも白いブラウスに合うように紅色がメインに使われた白黒チェックのフレアスカートを採用している。
 
 ギチッ、ギシシッ。

 だというのに、紗希の上半身に食い込む麻縄の存在は明らかに異質めいたものだった。
 コの字にそろえた後ろ手。
 手首だけでなく、二の腕の上下にまで這いまわるように施された麻縄は、育ちきった紗希の大きな胸の丸みを強調するように白いブラウスの上から真横に上半身を締めつけて、両腕の自由を奪っている。

 【メイド喫茶スレイブ】

 名前から想像するに、この喫茶店がどういうサービスを扱っているのかは明白だろう。
 わからない人のためにあえていうが、この喫茶店は、俗にいうSMプレイから拘束プレイに至るまでの“そういう”プレイを好き好んでいる被虐体質を持った女の子が奴○の気分を味わえるというお店である。
 しかしながら、招待状を手にして来店するお客さんには初めて訪れる人もおり、また、紗希と同じようにそういうことを知らない初心な人もいる。
 そのため、この喫茶店では、初めてサービスを利用する人限定で最終会計時に割引が課されるメリットが用意されていた。

 正面に手錠をつけるなら二割引。
 後ろ手に手錠をするなら三割引。
 緊縛による後ろ手縛りなら五割引。
 追加拘束することで、そこからさらに一割引き。
 
 上記のプランを選んだあとは、受付横にあるカーテンレールが誂えられた試着室でプラン通りの拘束をメイドに施され、そこから奥に進んだ廊下の片側一面に建ち並ぶ鋼鉄の鉄格子によって隔てられた狭い個室に奴○として収容されるのだ。
 しかも、その個室の出入口にある鉄格子にはしっかりと錠前が取り付けられており、一度でも中に入ってしまえば、鍵を持っているメイドが錠を開けない限り、自由に出入りができないようになっている。
 要するにこの喫茶店のメイドは来客をもてなすスタッフでもあると同時に喫茶店に自ら囚われに来た奴○たちの看守でもあるということだ。
 ただ、冷房の効いた牢屋に配置されたベルでメイドを呼び出したり、プランを追加したりしない限りはメイドが自らお客に関わることは基本的にはないらしく、あくまでもお客さんの希望に沿ったサービスを展開しているらしい。
  
「てかさ、なんで私だけが縛られてるの? もともとは結衣が縛られるはずだったんじゃん」

 最後のクリームパスタを胃袋におさめたころ。食事の介助を終えた結衣が向かいの座席へ戻っていくタイミングで、紗希は思い出したように現在の状況について異を唱える。
 そもそも紗希がこの喫茶店へやってきたのは、結衣が大学の先輩である日夏七菜(ひなつなな)から「喫茶店に遊びに来て欲しい」とその場の雰囲気で招待状をもらってしまい、あとから断ることもできず、最終的に友だちである紗希に「一人で行くのは不安だから一緒について来て欲しい」と涙目に頼み込んできたのが発端だ。
 お客を奴○のように扱うお店なんかに紗希は行きたくなかったが、「あたしの傍にいてくれるだけでいいから!」と結衣が泣きついてくるから、そこまで言われたら仕方ないと紗希は同行することを受け入れた。
 なのに、受付で拘束についてのサービス内容を聞いた途端、「やっぱりジャンケンで決めよう!」と結衣が騒ぎ出し、なんだかんだで紗希はジャンケンに負け、その勝敗を見守っていた結衣の先輩である日夏七菜に「じゃあ、紗希ちゃんのこと縛っちゃうね」とプランを選ぶまでもなく強○的に縄で後ろ手に縛られてしまった。
 紗希を後ろ手に緊縛し終えたあと「結衣ちゃんも縛ってあげるよ?」と日夏七菜は言っていたが、結衣は全力でそれを拒んで、紗希だけを生け贄に捧げたのは言うまでもない。
 
「いやぁ~、だってやっぱ身体の自由がなくなるって怖いじゃん? だから、唯一信頼できる紗希のこと誘ったっていうか……紗希ならあたしの代わりに縛られてくれるかなぁ~って、思っちゃったりしなかったり?」

「――――」

 その言い分が本当なのだとしたら、結衣は最初から紗希を身代わりにするために連れてきたということになる。
 結衣とは幼稚園からの付き合いになるし、なんとなくこういうことになるんじゃないかと予想はついていたのだが、それでも紗希は腹が立った。

「いや、その……はい、わかってます反省してますだからそんな怖い顔で睨まないでくださいごめんなさいっ!」

 鬼の形相を浮かべる紗希に対して、姿勢を正してから頭をペコペコと下げてくる結衣。
 それに免じて、ここでの会計を全額払うということを条件に、結衣を許してあげることにした。
 紗希は縄で縛られるなどという経験はしたことがなかったし、無料で体験できたと思えばギリギリ納得できなくもない。

 しかし、紗希にはどうしても気掛かりなことがあった。
 それは、日夏七奈に縄で縛られているとき耳元で囁かれた言葉。

 ――30分後。私が行くまでに紗希ちゃんが自力で縄抜けできてなかったら、特別なイベントに参加してもらうから、楽しみにしててね。

「……ッ」

 その言葉を思い出すだけでも、手のひらから嫌な汗がにじみ出てくる。
 なぜ日夏七菜に誘いを受けた結衣ではなく、おまけで着いてきた紗希がイベントに参加しなくちゃいけないのか。訳がわからない。
 しかも、イベント内容については一切説明なし。そんなイベントに参加などしたくはなかった。
 なのに、施された後ろ手縛りは紗希の想像よりも厳重なもので、縄抜けなどできそうにない。

 手首を背中に吊り上げる縄は指一つ分くらいの緩みがあって、若干の自由があるのだが、上腕を身体に縛りつける胸の上下の麻縄は肌に硬く食い込んでおり、そのせいで両腕全体が身体に密着し、肘を広げることができず、両手首を束ねて吊り上げる縄から腕を引き抜けないのだ。
 ならば、結び目から解こう、と親指と人差し指で縄目に触れるのだけれども、背中でコブのようにダマになっている結び目のどこに縄の端があるのかもわからず、ただ無意味に手首を疲れさせるだけだった。

「ねぇ、私の背中ってどんな感じになってる?」

 だから、紗希は縄に縛められた身体をくるっと回して、スマホに目を落とす結衣に状況を教えてもらうことにする。

「え……? そりゃあ、縄で縛られて動けなさそうだけど、それがどうしたの?」

「いや、そうじゃなくて……結び目とかどんな感じ? 自力で解けそうに見えるかな?」

「んぁ~……どうだろう? あたしには背中の真ん中で縄がいっぱい絡まってるようにしか見えないし、へたに触らないで七菜先輩に解いてもらったほうがいいと思うよ?」

「だよねぇ……」

 結衣の意見はごもっともだ。
 だが、それでは日夏七菜の言う特別なイベントとやらに参加することになってしまう。あのときの雰囲気からして、まともなイベントではないのは確実だ。
 何としてでも日夏七菜が来る前に縄抜けをしたい。したいのだけれども、メニューをオーダーしてからの待ち時間などを考慮すると、日夏七菜から宣言された時間はとうに過ぎており、結衣に結び目について問いかけた時点で、紗希は自分が納得できるように縄抜けが出来なかったいい訳集めをしているにすぎなかった。
 しかし、やっぱり納得いかない。
 
「どう? 二人とも楽しんでる?」

「あ、七菜先輩!」

「――ッ」

 そこへタイミングよく現れた日夏七菜が鉄格子越しに声をかけてきて、それに気づいた結衣がパッと明るい表情をみせながらスマホを閉じる。
 紗希はといえば、奥歯をぎゅっと噛みしめて、後ろ手に緊縛された両手をギシリ、と鳴らすことしかできなかった。

「そろそろパスタを食べ終わるころだと思って、食後のパフェ持ってきたよ」

 日夏七菜は鉄格子に備え付けられた錠前を専用の鍵でカチャリと開けてから、カートで運んできたチョコとストロベリーづくしの特盛パフェを個室のテーブルに二つ並べてくれる。

「あ、ありがとう……ございます」

 本物のメイドさんのように規則正しく洗練された日夏七菜の動きは、黒髪ストレートロングとメイド姿が相まって、とても育ちが良く見える。
 結衣の話しでは、このお店のオーナーは日夏七菜の親戚とのことだったが、これだけおしとやかで凛々しい佇まいができる人なら、血の繋がりとか関係なしにこういうお店に雇われていても不思議じゃない。
 なぜなら、こういうプレイを提供するサービスには安心感というものが一番不可欠なものだからだ。
 日夏七菜のようなカリスマ的な雰囲気を放つ女の子に縄で縛られるのなら、自ら進んで縛られに来るドMな女の子も多いだろう。
 紗希は日夏七菜とは今回が初対面だが、それほどまでにカリスマ的な魅力を彼女から感じていた。
 だからこそ、縄抜け出来ていないこの現状に胸の奥がもやもやするような危機感を抱いている。

「ありがとうございます七菜先輩!」

「どういたしまして」

 そんな紗希に構うことなく、結衣は配膳されたパフェと日夏七菜をキラキラした瞳で交互に見やりながら、早くもスプーンに手を伸ばす。
 テーブルに配膳されたパフェは、それほど見事なまでに豪華な見栄えをして美味しそうだった。
 もしも、両手が自由だったのなら、紗希も結衣と同じようにスプーンを手に取っていたかもしれない。
 しかし、紗希の両手は後ろ手に緊縛されたままギシギシ音を鳴らすだけで動かせない。
 それが酷くもどかしい。

「じゃ、いただきまーす! ――んんッ!? うわ、うっまぁ~い! なにこれ、最高なんですけど!?」
 
 大げさと言わんばかりに頬っぺに左手を添えて高い声をあげる結衣。
 いくらなんでもオーバーリアクション過ぎやしないか。と紗希は思うのだが、結衣のこういうところは昔から変わらない個性だったりする。

「ねぇ、私にも一口ちょうだい」

 パフェを美味しそうに頬張る結衣に釣られ、ついつい紗希もパフェが食べたくなり、結衣にねだってみる。

「え~、どうしよっかなぁ? もっと上手におねだり出来たら食べさせてあげてもいいよ? お願いしますぅ! ご主人様ぁ! って――」

「――――」

「あ、今のは冗談ですわかってますちゃんと食べさせてあげるからそんな怖い顔で睨まないでくださいごめんなさいっ!」

 やはりというべきか、調子に乗りまくった親友に冷ややかな視線を向けることになっていた。

「あはは、二人とも仲がいいんだね」

 紗希と結衣の関係は、仲がいいというよりも半分は腐れ縁のような関係だ。
 紗希のすぐ隣でおしとやかに唇に指を添えて、目を細める日夏七奈がいなければ、紗希は身を乗り出して結衣を蹴り飛ばしていただろう。それくらいお互いに気を許し合っているともいえる。

「……って、七菜さんはいつからそこに?」

「え、食器を片付けて、牢屋の戸締りをしてからだけど?」

 緊縛された紗希の隣に居座ることが当たり前かのように首を傾げて、日夏七菜が身を寄せてくる。
 その吸い込まれそうなほど深い黒色の瞳は、縄に絞り出された紗希の身体をしっかりと捉え、紗希が少しでも気を抜いてしまったら、さらに新たな縄を追加してきそうな危うい空気を纏っていた。

「あの、他のお仕事はいいんですか……? ほら、私たち以外にもお客さんいますよね?」

 適当に頭に浮かぶ疑問を零しながら紗希は隣に座っている日夏七奈から少し距離を取る。

「それは他の子たちに任せてるから大丈夫だよ? ほら」

 日夏七奈の視線の先。そこに見える鉄格子に視線を移すと、他のメイドが食器を乗せたカートを移動させていくのが見えた。
 どうやら、嘘は言ってないらしい。

「それよりも、紗希ちゃんは縄で縛られてるから一人じゃパフェ食べられないでしょ? 結衣ちゃんがイジワルして紗希ちゃんに食べさせあげないんだったら、私が食べさせてあげようかなぁ~って思ったんだけど……ダメかな?」

「そうだよ! 七菜先輩に食べさせてもらったらいいじゃん! たしかほら、メニュー表の追加プランにもそういうのあったよ?」

 日夏七菜の提案に便乗するように個室に置かれたメニュー表から、プランについてお品書きされたページを紗希に見せびらかすように結衣が広げる。
 そこには拘束されている奴○への給餌として、メイドが食べさせてくれるサービスプランというものがたしかに記されていた。

「ねぇ、結衣。値段見て言ってる? 半額とはいえ人件費がかかるから結構いいお値段してるよ?」

 ただ、メイド一人を付きっ切りで使用するプランのため値段はそれなりのものだった。
 それを言い訳にして、紗希はこの場をしのごうとするのだが、
 
「でも、七菜先輩が提案してきたってことは、無料でサービスしてくれるってことですよね?」
 
「もちろん、そのつもり」

「だってさ! ほら、食べさせてもらいなよ!」

「うぅ……ッ」

 紗希の上半身を縛めている縄が、さらに食い込むかのようにギシリと鳴いた。

「はい、紗希ちゃん。遠慮しないで、あ~ん、して?」

 頑なに閉じている紗希の口元に、日夏七菜がパフェを乗せたスプーンを運んでくる。

「……ん」

 この場の空気を加味しても、紗希に逃げ道は残されていない。
 目の前に迫るスプーンに乗せられたパフェ。
 白い生クリームとバニラアイスにストロベリーとチョコレートのソースが絡み合って、めちゃくちゃ美味しそうに見える。
 けれども、それを受け入れたらいけない気がする。
 受け入れたらきっと、良くないことが起きる。
 だから、絶対に受け入れたらいけない。
 なのに、パフェは問答無用で紗希の口もとへ迫って来て——

「……ッ」

 ——もう、どうにでもなれ。
 そんな言葉が紗希の脳裏に浮かんだ。

「あ、あ~ん……ッ」

 背中で揃えた両手で握りこぶしを作り、頬を真っ赤に染めながら紗希はパフェを頬張る。

「ん……っ」

 唇を閉じてすぐに、つるっとスプーンが舌の上から抜けていくと口の中でストロベリーチョコと生クリームの甘さがいっぱいに広がって、バニラの香りが溶けていく。

「どう? おいしいかな?」

「お、おいしい……ッ、です」

 どこか儚げに問いかけてくる日夏七奈から目を逸らし、不本意ながらに好意の言葉を紗希は漏らす。

「うふふ、よかった。この調子で食べさせてあげるね? ——紗希ちゃん?」

「は、はい……、おねがいします……ッ」

 頬を赤く染める紗希を揶揄うように、蟲惑的な笑みを作る日夏七菜を横目に見ていると、色々と考えるのも面倒になってくる。
 一体どこからどこまでが彼女の手のひらの上に転がる舞台なのか。弄ばれている紗希にはわからない。
 もしかすると、このお店に入店した瞬間から、紗希の逃げ道はなかったのかもしれない。
 それなら、このサービスを甘んじて受け入れるのも一つの抵抗と言えるのではないだろうか。

「はい、紗希ちゃん——あ〜ん、だよ?」

「あ、あ〜ん……ッ」

 だから紗希は、次から次に与えられるパフェを頬張っていく。
 何も考えず、ただ無心に、心を殺すように、目の前のスプーンの動きだけに集中して、与えられるパフェを口に含んでは飲み込むことを繰り返す。

 一つ。

「あ~ん……ッ」

 二つ。

「んぁ、あむ……ッ」

 三つ。

「はぁ、あ、あ~ん……んッ」

 そうやって繰り返すたびに、口の中でパフェの甘い香りが広がって、それと同時に緊縛された不自由な両手がなんとも言えないむず痒さを全身に滲ませてくる。
 
 両手を縄で縛られて、牢屋の中に閉じ込められ、初対面の人からパフェを餌付けされて……。
 一体自分は、何をさせられているのだろうか。

 そんな思考さえも、パフェを口に頬張るたびあやふやになって、周囲の現状も、何もかも、どうでも良くなってしまう。
 ただ一つだけわかるのは、ここのパフェはすごく美味しいってことだけだった。

「ねぇねぇ、紗希ちゃんって一人っ子?」

 すると、紗希の口もとで、パフェを乗せたスプーンを止めた日夏七菜が質問してくる。
 すぐそこまでパフェが迫っていたから、物欲しげに口を開けて待っていたのに、半端な状態で止められて、暫く口を開けて待っちゃってたのは、許してほしい。

「えと、そうですけど……?」

 日夏七菜の推測どおり、紗希は一人っ子だ。
 それがどうしたというのだろう。

「ふ~ん、どおりで甘え上手なわけだ」

「へ? あ、甘えって……私そんなに甘えてました?」

 甘え上手と言われても、紗希はただ、与えられるパフェを食していただけで、日夏七菜に自ら甘える行為をとった覚えは一つもない。

「うん、紗希が七菜先輩にパフェ食べさせてもらってるとき、よくわかんないけど、雰囲気がめっちゃえっちな気がする」

「は、はぁ!? そ、そんなわけないし……ッ!」

 横で紗希を見ていた結衣が珍しいものを見たような顔をしながら率直な感想を述べてきて、紗希は反射的にそれを否定する。

「えー、だって、今も頬っぺた紅くして発情したメス犬みたいに、はぁはぁ、って口あけて待ってたじゃん」

「そ、それは……結衣が食べさせてもらったら、って言ったから……! 食べさせてもらってるだけのことで……」

「あたしにパスタ食べさせてもらってるときは、別にそんな雰囲気してなかったじゃん」

 なぜか、リスのようにほっぺを膨らませる結衣。どうしてそんなに悔しそう顔をするのか意味がわからない。

「い、いや……ッ、だから別に、えっちな気分になんかなってないってば……ッ! ただパフェが美味しいから食べることに集中してただけで……そんなんじゃ——」
 
 結衣の謎リアクションに突っ込むことはせず、紗希はただただ事実を述べて、結衣の言葉を否定する。
 なのに、頬っぺたが変に火照って熱い。
 冷房の効いた部屋でパフェを食べているから、普通なら紗希の身体は涼んでいるはずだ。
 けれども、緊縛された紗希の身体は、なぜかのぼせたように熱に浮かされている。
 まさか、パフェを食べさせてもらっているだけで本当に発情してしまったというのだろうか。
 いや、そんなのはありえない。
 あっちゃいけない。
 
「えー、ほんとかなぁ~?」

「ほんとありえないってば!」

 細めた目でジットリと見つめてくる結衣に、紗希は大きな声で反論を続けるが、それが逆に図星みたいに感じて、ますます頬っぺたが熱くなっていく。
 これでは本当に紗希がそういうプレイが大好きな変態みたいではないか。

「はい、紗希ちゃん。まだパフェ残ってるから、お口開けて」

 そんな紗希の口もとに日夏七奈は、さきほどスプーンで掬い上げたパフェを近づけてくる。

「あ、あの、今はちょっと……まッ——あ、あむ……ッ」

 拒もうとしても、ほぼ強○的に押し付けられてしまい、後手に縛られた手首をギシリと鳴らしながら、紗希はそれを口に含む。

「七菜先輩はどう思います?」

 その隙を逃さず、結衣は話しの主導権を日夏七奈に手渡してしまう。

「え〜私? ん〜、そうね。もし、紗希ちゃんがパフェを食べさせてもらうだけで本当に発情しちゃってるなら、それはとってもはしたないことだし、私個人としては無理やりにでも紗希ちゃんを地下牢に連行しちゃいたいかも——あ、ほら紗希ちゃん、ちゃんとお口開けないとお口の周りクリームで汚しちゃうよ?」

「いや、ちょっと、ま、待ってくださ——あ、んむ……ッ」

 日夏七奈のとんでも発言に身の危険を感じて距離を取ろうとする紗希だったが、口もとにパフェを運ばれてしまってはどうすることもできず、それを頬張る。

「ち、地下牢って……マジですか?」

 そんな日夏七奈の行為に構うことなく、結衣は話しを深堀する。

「まぁ、他のお客さんには秘密なんだけどね……? このお店には長期間調教されたいVIP客専用の地下牢があるの。ほら、ここって喫茶店だから飲食を提供してて食べ物に困らないし、もしも本当にこの牢屋に人を閉じ込めておいても24時間スタッフの誰かが待機してれば、いくらでも面倒見れちゃうでしょ? そんな感じで少し前まで地下牢に監禁してた子が一人いたんだけれど、最近ご主人様に引き取られちゃって今はその地下牢空いてるから、紗希ちゃんが本当にえっちな子で、どうしても、そういうえっちなことが我慢できないっていうなら、その地下牢に閉じ込めて、私のペット兼奴○として暫く監禁調教してあげてもいいかなって思って――で、どうする? このまま私のペットになっちゃう……? 今なら夏休みだし、一ヶ月くらいは本当に監禁できちゃうよ?」 

「あ、いや……っ、その……ッ」

 そう言葉を発する日夏七奈の目は、何一つ笑っていない。
 紗希を見つめる彼女の黒い瞳は本気そのもので、紗希が一言YESと頷けば、マジで地下牢に連れて行かれそうだ。

「な〜んて、まぁ、冗談なんだけれど——どう? ドキドキした?」

「~~~~ッ」

「七奈先輩、やばッ! ぜんぜん冗談に聞こえなかったですよ~!?」

「あははは、そうかな?」

「マジ怖すぎですって〜!」

 わははは。と冗談めいて笑い合う二人とは別に、紗希の心臓はドキドキどころでなく、発作を起こしたみたいにバクバクと激しく振動していた。

「紗希ちゃん? 大丈夫?」

 異変に気付いた日夏七菜が、俯いている紗希の顔を覗きこむように声をかけてくる。
 
「あ、は、はいっ! だ、大丈夫、です! なんでもないです!」

 咄嗟に顔をあげ、首を大きく横に振って、大丈夫なことをアピールする紗希だったが、

「え〜もしかして、紗希……今のまんざらでもない感じだった? そういえば昔から紗希って、プライド高いくせにマゾっぽいとこあったもんね」

 結衣が横から余計なことをぺらぺらと言い出す。

「う、うるさいから! 変なこと言わないで!」

「えー、別にいいじゃん、それくらい」

「い、今はダメなときなの!」

「なんで、今はダメなの?」

「そ、それは……っ」

 ただでさえ紗希は、縄で緊縛されていて身の置き所がないのに、もしも、本当に地下牢なんかに閉じ込められでもしたら、骨の髄まで日夏七奈に調教されて、身も心もペット同然の奴○にまで落とされて……。
 それで……。
 その先は——

「あ、そうそう。話変わるんだけど、実はこれから特別なイベントがあってね? 紗希ちゃんはもちろん。結衣ちゃんにも、そのイベントに参加してほしいんだけど、お試しにどうかな?」

 顔を真っ赤にしながら声を荒げる紗希を横目に日夏七奈が結衣に話しを振っていく。

「それって、どんなイベントですか?」

【 サポートプラン 】プラン以上限定 月額:500円

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-freya- 2023/06/05 14:55

牛娘牧場に社会科見学することになった女の子のお話し

 はじめに
 先月から頭に浮かんでいたシチュエーションが纏まったのでゲリラ投稿です!

 どうぞお楽しみください!

 以下キャラクター

 和泉萌恵(いずみもえ)
 黒髪ショートの女の子。
 今回の物語における主人公ちゃん。
 
 紗代ちゃん(さよちゃん)
 萌恵が絡むグループのリーダーっ子で、イタズラが好き。

 飼育員さん
 牧場に雇われてる職員。
 男性の職員はゼロで、全て女性の職員で構成されている。

 牛娘(うしむすめ)
 牧場で飼われている家畜。
 見た目は完全に人間の女の子。
 家畜とわかるようにカウベル付きの首輪と牛耳や尻尾は必ず着用させる義務になっている。
 この牧場で育てられてる彼女たちはすべて乳牛。食用はいない。
 


——以下本編——
 
 気温が不安定になってきた二学期の中旬。女子高生の私こと和泉萌恵(いずみもえ)はとある牧場へ社会科見学に行くことになった。
 そこでは、私のような高校生の女の子と大して見た目の変わらない牛娘が畜舎の中で何匹も鎖に繋がれ飼育されていた。
 彼女たちを初めて目にしたときは人間の女の子が裸に剥かれて牛のコスプレをさせられながら鎖に繋がれているようにしか見えなかったけれど、飼育員さんがいうには、彼女たちは特別な遺伝子操作で生み出された新種の乳牛で、その豊満な胸から搾られるミルクは一般に出回ることがないほどに一部の資産家から絶大な人気を博しているのだとか。
 そのため、一般的に畜舎の見学などは常時解放されておらず、私たちのような高校生が飼育現場に立ち寄ることは初めての取り組みとのことだった。
 
「さて、これからみなさんには牛娘の乳搾りを体験していただきます」

 飼育員さんからの大まかな説明が終わり、私たちのクラスは畜舎の奥へと通される。
 ぱっと見たところ畜舎の中は長方形の形をしていて、内側(中心部)と外側(左右)のスペースを作るように柵で分けられていた。
 私たちが歩く道は中心部で、外側の左右に設置された柵の向こう側には、牛娘たちが大きなおっぱいを中心部に向かって晒しながら両手を上に吊り上げるように鉄枷から伸びる鎖によって拘束されていた。

(うわ……こんなにいっぱいいるんだ)

 一匹ずつ丁寧に、手前から奥に向かって、ズラリと陳列されてるその様についつい圧巻されてしまう。
 まるで牧場なんかではなく、奴○市場にでも来てしまった気分になるけれど、あくまでもここは畜舎であり、彼女たち牛娘は人間そっくりな家畜でしかない。
 そんな彼女たち一匹一匹にジャージ姿をした私たちが飼育員さんの指示で一人ずつ割り当てられていく。
 
「えっと……よろしくね?」

「うぅ……?」

 私とペアになった黒髪ショートの牛娘に挨拶混じりに語りかけてみる。私の顔を見るや否やカウベル付きの首輪をチリンと揺らしながら、純粋無垢な様子で首を傾げられた。
 意思の疎通はできるって飼育員さんは言っていたが、どうやらこの様子だと人間みたいに言葉は喋れないらしい。
 言葉が通じるなら、ここでの生活がどんなものなのか彼女に聞いてみたかったけど、無理なら仕方がない。

「というか……あなたって――」

 そんな彼女から伝わってくる第一印象は好感を持つべきか否か。迷うものだった。
 何といえばいいのか。
 兎に角、とても似ているのだ。
 何と似ているかって、私と彼女の顔がそっくりなのだ。
 背の高さも、体格も、まるで生き別れの双子のように感じるくらい似ている。
 私と違う場所を上げるとするならば、私よりも若干大きな胸を露出させたままの姿で牛柄の衣を身に纏い、首にはカウベル付きの首輪と手足には鉄枷を嵌めていて、頭とお尻に牛のような耳と尻尾(アクセサリーのようにも見える)がついていることくらいだろうか。
 これだけ私と彼女の見た目が似てるなら、ちょっとしたお遊びで私が彼女と同じものを身につけたら、簡単に入れ替わることができてしまいそうだった。
 
「ではみなさん始めてください」

 入れ替わる。などというバカみたいな考え事をしてる私の周りで、飼育員さんの指示を受けたみんなが一斉に乳搾りを始める。

「あぅ……ッ、んぅうッ……!」

「あ、あんッ……んッ……!」

「んぅッ……、うぅッ……!」

 瞬く間にあちこちから女の子の喘ぎ声みたいなのがたくさん聞こえてくる。出遅れたせいでなんだかその声を聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる。
 目の前にいる私そっくりの牛娘も乳搾りを始めたら同じように喘ぎ声を漏らすのだろうか。
 それってある意味、私が乳を搾られながら喘ぎ声を漏らしているみたいに感じて、なんか嫌だ。

「…………っ」

 自分と鏡写しのような牛娘を見つめれば見つめるほどそのことを意識してしまって、搾乳を始めることに抵抗感が芽生えてしまう。
 何となく後ろめたさを感じて、周囲を見回すと、何もせずに手が止まっている私を見つけた飼育員さんがこちらに気づいて、近づいてきてた。
 どうやら、このまま私だけ乳搾りを体験しないわけにもいかないみたいだ。

「ご、ごめんね……? ちょっとおっぱい搾らせてもらうから我慢してね?」

 飼育員さんに声を掛けられてしまう前に、私は意を決して、自分とそっくりな牛娘のおっぱいへ両手をはべらせていく。

「あぅ……ッ」

 彼女の大きめのおっぱいに手が触れると自分のものとは比べ物にならないくらいふんわりと柔らかい肉質が指先から直に伝わってきて、軽く力を込めるだけで脂肪の塊に手指がグニュっと飲み込まれた。
 まるで膨らんだばかりの大きなマシュマロを手で掴んだような感覚に、申し訳ない気持ちがあふれ出てくるが、私はそこで手を止めず、吐息を漏らすだけで逃げるそぶりさえ見せない彼女のおっぱいをさらに揉んでみた。

「あ、あぁあ……ッ、あぅ……ッ!」

「————ッ」

 甘い艶を帯びた声が彼女の口から零れ落ちてきて、息が詰まる。
 同時に気持ちよさそうに股をモジモジと内側に寄せながら、繋がれた両手の鎖をジャラジャラ鳴らして、彼女は苦しそうに悶えるから、このまま彼女のおっぱいを揉み続けていいものかわからなくなる。
 だって、どこからどう見ても彼女が性的な快感を得てるようにしか見えないのだ。
 でも、周囲に目をやるとみんなはそれでも牛娘のおっぱいを揉み続けて、彼女たちの乳首からミルクを搾り取っていた。
 だから、私も他のみんなと同じように牛娘のおっぱいを優しくこねくり回すように揉み込んで、先端部分にある乳首に刺激を集めていく。

「ンァッ……! あ、あぅッ、うぅッ……!」

 すると、コリコリに硬くなっていく彼女の桜色の乳首から白くて濃厚なミルクがピュッピュッと溢れ出す。
 私はそれを確認してすぐに、搾乳専用の吸引器を彼女のおっぱいに装着して飼育員さんの説明通りに機械を作動させた。

「あうッ、うぅうッ……!」

 搾乳機の吸引がうまく作動して、彼女のおっぱいからたくさんのミルクが搾りだされていく。
 
「んはぁ……ッ、あぁッ……! あ、あぁあッ……!」

「――ッ」

 しかしながら、自分と瓜二つの顔をした牛娘が頬を赤らめながら気持ちよさそうに喘いでいるのは、やっぱり恥ずかしかった。
 どう見たって、鏡写しの自分が乳を搾られているみたいに見えるのだ。
 ミルクを搾られるだけでこれほどまでに艶めかしい声を漏らすとか、搾乳ってそんなに気持ちいいのだろうか。
 ちょっとだけ搾乳機がどんなものなのか気になってしまうけど、私のおっぱいからミルクなんて出るはずがないし、そもそも搾乳機を体験するなんて論外だ。

「あ、あぅあッ! あ、ぁんっ、んんッ、ん〜〜っ!」

「〜〜〜〜っ」

 あぁ、早く終わってくれないかな。

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-freya- 2023/06/05 14:55

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