Iceモナカ公国 2024/06/01 03:14

「のろい首塚5」背景モデル制作1 仮モデル使用

2024.06.01 更新
えち漫画「のろい首塚その5」を描くにあたり 女子トイレ の背景モデルが必要に。
漫画下描きから完成までの背景モデル制作の流れを3回に分け記載する。
「のろい首塚5」背景モデル制作1 仮モデル使用
・「のろい首塚5」背景モデル制作2 本番モデル制作
・「のろい首塚5」背景モデル制作3 如何にクリスタへ


今作では下描き段階から仮背景モデルを作成して使用した。

ネームから背景モデルの構造を大まかに決定、
それを下描き背景に反映させて整合性を見る為である。

また、実際に漫画で見えている場所だけ作成すれば良いので、
不要な部分のモデル作成の手間を省ける筈である。

では仮背景モデル作成から漫画下描きに配置するまでの作業を以下に。

Blender 3.6.5
ClipStudioPaint Ex 3.0.2
PC: Surface Go(CPU:Pentium, RAM:8GB)クリスタ
PC: Surface Pro 7(CPU:Core i5, RAM:16GB)Blender


Blender で仮背景モデル作成

大まかな設計図作成

今回制作する背景モデルは「女子トイレ」である。
公共トイレの設計図などから構造やサイズを拝借する。

この設計図も紙には書かずに Blender上で行う。
修正も複製も容易で、設計図から直ぐにモデル制作に移れる。

3Dビューのシェーディングを「ワイヤーフレーム」(右上のアイコン)
透過ON(シェーディングの左のアイコン)
上面図に(XYZギズモのZをクリック)
スナップ(上の磁石アイコン)で「絶対グリッドスナップ」にチェック。
これで移動中に Ctrl を押すとグリッドにきれいに配置できる。

立方体で壁、洗面台、トイレ個室、便器などを配置。
位置やサイズなどを整える。
上面図で大まかに設計出来たら側面図にして高さを設定。

辺の長さの表示
編集モードで
オーバーレイ(シェーディングの左のアイコン)> 計測「辺の長さ」をチェック。
選択物の辺の長さが表示されるので作成や確認に便利。

失敗談「立方体は2m」
立方体の初期サイズは2mである。(なぜ2mなのか問い詰めたい)
1mと勘違いして制作していたら巨大なトイレ空間が…
また無益なものを作ってしまったな。

失敗談「グリッドにズレてスナップ」
2頂点を選択して絶対グリッドスナップをしていたがどうもズレる。
原因と言うかこの場合は2頂点の中心点がグリッドスナップする。

設計図から仮モデル作成

設計図から各オブジェクトを簡易モデリング。

洗面台

新規にコレクションを作成し、名前を「洗面台」に。
キャビネット、蛇口、ボウル排水栓を作成。
背面のパネルは鏡が付くので、色分けできるように面を分ける。

洗面ボウル
5cmの厚みの直方体を楕円形UV球でブーリアンしてボウルにする。
サブリビジョンのブーリアンでボウルくり抜き。
ブーリアン用オブジェクトはアウトライナーでビュー隠す、ビュー無効、レンダー無効に設定。(この設定をしないとインスタンス複製で表示されてしまう)

マテリアル設定
オブジェクトを簡易色付けする。
3Dビューのシェーディングを「マテリアルプレビュー」に(右上のアイコン)
オブジェクトを選択しマテリアルプロパティを開く。
新規追加もしくは作成済みマテリアルを選択。
「ノードを使用」をOFF(ボタンが青→グレー)、ベースカラーで色付け。

洗面台モデルが完成したら、アウトライナーでビューで隠すに。

トイレ便器

新規にコレクションを作成し、名前を「トイレ便器」に。
便器と便器フタ、水タンクを作成。
マンガではフタは閉じたままなので、便器内部は作らない。
完成したらアウトライナーでビューで隠すに。

トイレBOX(トイレ個室)

新規にコレクションを作成し、名前を「トイレBOX」に。
前後左右の壁は個別に非表示にできるようオブジェクトを分ける。
ドアは開閉するので原点を端に設定。
トイレ便器をインスタンス複製で配置。
ペーパーホルダー、便器操作盤、ドアロックを作成。
ドアロックはドアとペアレント設定する。
完成したらアウトライナーでビューで隠すに。

女子トイレ

新規にコレクションを作成し、名前を「女子トイレ」に。
設計図を元に壁を立方体で形成。(床、天井は作らなかった)
壁は個別に非表示にできるようオブジェクトを分ける。
洗面台、トイレBOXをインスタンス複製で複数設置。

このモデルが背景モデルとして出力するオブジェクトになる。



FBXファイルにエクスポート

出力したいオブジェクト(今回は女子トイレ)のみ表示状態にして
ファイル > エクスポート > FBX
・内容 > 対象「可視オブジェクト」にチェック
・内容 > オブジェクトタイプで「カメラ」「ランプ」を外す
・ジオメトリ >「三角面化」にチェック

今後この設定を幾度も使用するので、プリセット追加で保存する。
次回からはプリセットを選択するだけで済む。

「FBXエクスポート」をクリックして出力完了。



Clip Studio Modeler で素材セットアップ

FBXをそのままクリスタで読込んでも良いと思う。
今回は素材としてクリスタに取り込む。
その為の設定をModelerで行う。(※Modelerは無料)

CLIP STUDIO の右上のメニューにModelerがあるので起動する。
(※インストールしないとメニューには無いかも知れぬ)

起動時に新規ダイアログが出るので「3Dオブジェクトを作成」をクリック。
(※ダイアログが出ない場合は、ファイル > 新規)

FBX読込

右のオブジェクト構成でノードタブを選択。
下の「ファイルから追加」でFBXを読込む。(赤丸)

ここで正しく表示されているか確認。
ミスがあれば破棄して Blender に戻り修正しエクスポートし直す。

カメラ操作

カメラ操作は酷いが我慢するのみ。
左上のカメラ角度、位置、距離で切り替えて動かすか、
右上のナビゲーションで位置と距離を動かすか…お好みで。

表示設定

右上の表示設定でお好みの設定にする。
これはクリスタでもそのまま反映された筈。
仮モデルの表示設定はそのままで問題ない。

その他

・マテリアル設定
・パーツの可動設定
・カメラアングル
・レイアウト(オブジェクトの配置や表示非表示)
等が設定できるが、仮モデルなので割愛する。

オブジェクト情報設定

右のオブジェクト構成でスケッチタブを選択。
右下のオブジェクト情報にサムネイル画像クリスタでの初期設定ができる。
仮モデルは面倒なので NoImage のままで…

クリスタ素材として登録

クリスタの素材パレットに登録する。
この登録は、この端末の CLIP STUDIO への素材登録だから気軽に行える。
クラウドへのアップロードやAssetsへの登録は、CLIP STUDIO の素材管理から行う仕組みである。

ファイル > 「新規素材として登録」するとダイアログが開く。
オブジェクトの名前を「女子トイレ V0」、サムネイルは NoImage、
素材保存先を決めて登録。

CLIP STUDIO を立ち上げて素材管理に素材があるか確認する。

この素材を修正、更新する場合

CLIP STUDIO の素材管理で素材の「> Modelerで開く」を選択
Modelerで修正して「ファイル>素材を上書き保存して閉じる」で保存終了する。
(※これを行う前にファイル保存しない。素材の上書き保存がグレーになるので Modelerで開くからやり直す)

素材の更新はできるが、既に配置された素材は更新されず古いままである。
そこに素材をドロップしても古い素材が配置される。(バグでなく仕様)
このように極めて分かりにくい状況が発生するので注意が必要。
バージョンを付けて新規素材として登録することをお勧めする。


Clip Studio Paint にて素材を使用

素材を3Dレイヤーに読込む

クリスタを立ち上げて素材を読込む漫画のページを開く。
素材パレットから「女子トイレ」をドラッグドロップ。
3Dレイヤーが作成され素材が読み込まれる。

既に3Dレイヤーがある場合は、レイヤーのコピペで別のコマ枠に複製できる。

3Dレイヤー中心を描画先中央へ

カメラの前後移動を利用して収束位置を確認、そこが3Dレイヤーの中心。
「レイヤー移動」で3Dレイヤー中心をコマ枠の中央辺りに持ってくる。
(適当で問題ないが、中心から離れると徐々に3D画像が歪むので注意)

中心から外して歪んだ3D画像をあえて使用する場合もある。

オブジェクトリストの整理

オブジェクトリストを開き、不要なオブジェクトを非表示にする。
(例えばトイレ個室の手前の壁が邪魔になるので非表示としたり)

構図に合うようにカメラを設定

下描きの構図に合うようにカメラを回転、移動、パース、ロールで設定する。
(※背景モデルは動かさずカメラを操作する)
この操作はコツをつかむまでは思い通りに設定できないと思う。

3Dパース定規で設定できる機能もあるようだが、
自分的には扱いにくいのでこの方法で行っている。
(そもそも下描きが適当なので…)

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