Iceモナカ公国 2024/06/01 19:46

「のろい首塚5」背景モデル制作2 本番モデル制作

2024.06.01 更新
えち漫画「のろい首塚その5」を描くにあたり 女子トイレ の背景モデルが必要に。
漫画下描きから完成までの背景モデル制作の流れを3回に分け記載する。
・「のろい首塚5」背景モデル制作1 仮モデル使用
「のろい首塚5」背景モデル制作2 本番モデル制作
・「のろい首塚5」背景モデル制作3 如何にクリスタへ


前回作成した仮背景モデルから本番モデルを作成する。
モデルをブラシュアップし、UV展開、マテリアル設定までを行う。

「女子トイレ」背景モデル完成版(EEVEE、AO無し)

クリスタの事なんぞ忘れて(忘れてた)
Blender で出来る事をやってみた感じである。

では作業の流れを以下に。

Blender 3.6.5
ClipStudioPaint Ex 3.0.2
PC: Surface Go(CPU:Pentium, RAM:8GB)クリスタ
PC: Surface Pro 7(CPU:Core i5, RAM:16GB)Blender


参考:ワールドモデリング(部屋モデリング)
vol.01 部屋の空間を作成しよう!
vol.02 窓を作成しよう!
vol.03 部屋のモデルに質感をつける
vol.04 画像テクスチャを作成しよう!
vol.05 シーンにライティングを追加して、テクスチャをベイクする

仮モデルを本番モデリング

仮モデルで漫画下描きの背景に使用した。
問題点や必要なディテールを確認、それを踏まえて本番モデリングを行う。

本番モデリングに備えてちょっと勉強
基本的なモデリングの方法

ワークスペースを Modeling にして作業開始。

トイレ便器

水タンク

左右対称なので ミラーモディファイアを使う

水タンクは左右対称なので左側を右のコピー表示にする。
水タンクをワイヤーフレーム&透過、ループカットで中央で切断、頂点編集にして左側を選択削除。
プロパティウィンドウ > モディファイア > モディファイア追加 > ミラー。

角を丸める

スムーズシェードに
オブジェクトモードにして、オブジェクトを選択。
右クリックメニューで「スムーズシェード」にする。(元はフラットシェード)

サブディビジョンサーフェス追加
モディファイアプロパティ > モディファイア追加 > サブディビジョンサーフェス
丸くなりすぎる所はループで辺を増やして対応。

後はタンクの蓋を形成して完成。

面の向きを確認

面の向きが正しいか確認する。
ビュー右上の オーバーレイ > ジオメトリ「面の向き」をチェック。
これは頻繁に使うので、お気に入りツールに登録をお勧めする。

面の向きが逆なら反転させる。
編集モード、対象面選択、Alt + N > 反転

便器、便器フタ

ミラーモディファイアとサブディビジョン追加。スムーズシェードに設定。
後は角が丸すぎる所をループカットを入れて角を立たせる。
便器の蓋は開けないので中は作成しない。便座も作らない。
最後に面の向きを確認して完成。

トイレ紙(トイレットペーパー)

コレクションを新規作成、名前を「トイレ紙」。
オブジェクトモードで 追加>メッシュ>円柱、半径0.055m, 深さ0.11m。
面を差し込み×2(0.035m、0.002m)、内側をブリッジで繋いで「芯」を形成。
オブジェクトモード、右クリック > スムーズシェード、自動スムーズにチェック。

トイレ紙ホルダー(トイレットペーパーホルダー)

コレクションを新規作成、名前を「トイレ紙ホルダー」。
「トイレ紙」のインスタンスを2個追加。

本体

天板と背面の金属板を一体成型。
ミラーモディファイア追加。スムーズシェード、自動で60度。
角はベベルで丸めてスムーズに。

ホルダー金具

本体を複製して背面金属板以外を削除。空いた面は面を張る。
ミラーモディファイアとサブディビジョン追加。スムーズシェードに。
棒の厚みは 0.006m(6mm)、ループカットで大まかに成形し、不要な面と辺を削除。
原点を金具の回転軸に移動。

ペーパー押さえフタ

トイレットペーパーモデルの曲面を利用する。
必要な面を選択し メッシュ>分離>選択 で別オブジェクトに。
ミラーモディファイア追加。スムーズシェード、自動。
フタらしく形成。原点を回転軸に移動。
もう片方のフタはオブジェクトのリンク複製で。

トイレBOX(トイレ個室)

「トイレ紙ホルダー」「トイレ便器」をインスタンス複製。

ドアと壁

壁は前後左右を独立したオブジェクトにする。
ドアは原点を回転軸に移動。
壁の上下はナイフでカットして金属の部材に。

ドアロック、ドアストップ

ドアロック、ドアストップを形成。
どちらも漫画でアップにならないので軽く仕上げる。

便器コントローラー

こちらもアップにならないので直方体のみ。

洗面台

洗面ボウルと蛇口はディテール高めで作成する。
その他は軽く仕上げる。
キャビネットも開けられる事は無いので内部無し。

洗面ボウル

ブーリアンモディファイアは適用して淵を滑らかに形成。
スムーズシェード、自動で60度。
左右は丸めず、前面のみ角を丸める。

蛇口

ミラーモディファイアとサブディビジョン追加。スムーズシェード、自動。

背面パネル

鏡の部分を少し窪ませて存在感を出す。

ダウンライト

コレクションを新規作成、名前を「ダウンライト」。
電球は作るがソケットは見えないので作らない。

円柱オブジェクトの底を抜き良い感じに形成。
面の向きは反転して内向きに。
スムーズシェード、自動。

電球

UV球からZを縮めて電球に。そしてスムーズシェード。

女子トイレ

「トイレBOX」「洗面台」をインスタンス複製。
壁はそれぞれ独立したオブジェクトにする。
床は平面オブジェクト追加。

天井

床オブジェクトを複製、面の向きを反転。
「ダウンライト」のインスタンス配置。
天井平面にナイフで六角形をポイント、最後はダブルクリックで閉じてEnterで確定。
削除 > 面 でくり抜き。


UV展開

UV展開は大変そうなので今までやってこなかった。
だがもう逃げられないようだ…戦うしかあるまい。

参考:
blender初心者はコレさえ見ればUV展開できます
Blender:UV展開
手動で思い通りにUV展開する方法まとめ

UV用語
シーム:UV展開用の切れ目
アイランド:UV展開図のひと固まり(※海に浮かぶ島の様に見えるから?)

では始める。ワークスペースを「UV Editing」に。

TexTools アドオンを導入

参考:TexToolsの使い方
TexTools 1.6.1 をインストール。
UV展開では必須なツールなので入れた。

オブジェクトトランスフォームのスケール適用

UV展開は、メッシュの形状や面積を考慮して展開される。
しかしオブジェクトにスケールが掛かっていると、メッシュの形状と表示の形状は異なっている。
よって表示イメージ通りに展開されないのでスケールはメッシュに適用する必要がある。
オブジェクトモード、オブジェクト > 適用 > スケール

必要ない面を削除

UV展開するにあたり、見えないなど必要ない面を削除した。
例えば便器の底面や洗面台の背面など。

シーム設定

UV展開するにあたり、きれいに展開するための切れ目(シーム)を入れる。
切れ目を入れる辺を選択して、UV > シームにマーク で設定。
シームは赤色で表示される。

勘所が分かればサクサク入れられるが、
UV初心者はまずUV展開して、良くない場所にシームを入れる感じ。

UV展開

編集モードにて、3Dビューで面を全選択後、UV > 展開

3Dビューで面が選択されてなくてもUV展開を見られるようにするには、
UVエディター画面のヘッダー左(左上のアイコン)「UV選択の同期」をONにする。
(※この表示状態ではUVのアイランド選択はできない)

チェッカーマップで確認

TexTools の CheckerMap を使用してテクスチャの歪み等のUV修正。
デティールが必要なところを大きく展開(=チェックは細かく)
逆に必要ないところは小さく。

テクスチャベイクを考慮した修正

ベイクをする場合、UVが重ならないように修正する。

ミラーモディファイアのUV展開

ミラーモディファイアのUVは反転して重ねた状態になっている。
ミラーを適用した状態でUV展開したい場合、
モディファイアプロパティ > Mirror:データ > ミラーUかVにチェックを入れる。
UVエディターで表示したい場合、オーバーレイ > 変形後の辺 チェック。

モディファイアの適用

ミラーのUV展開が分かりにくい場合は適用してメッシュ化する。
オブジェクトモードで、モディファイアプロパティ > 適用したいモディファイアのプルダウンメニュー「適用」
メッシュは分割されたままなので、必要なら中央の辺を選択して 削除 > 辺を溶解 で面が結合される。

リンクオブジェクトのシングルユーザー化

リンク複製したメッシュがあるとUVが被る。
被ると困るオブジェクトはリンク解除しUVを分ける。

インスタンスの実体化

オブジェクト固有のマテリアルを設定する必要があるインスタンスは実体化する。
そのまま実体化すると中身のオブジェクトが散乱して非常に面倒。
対策としてコレクションを作成してその中にインスタンスを入れてから実体化すると、
コレクション外には散乱しないのでちょっと楽。


マテリアル設定

オブジェクトに色や質感を付ける。
一気に見た目が良くなりテンションが上がる作業である。
まぁノードの編集は大変なのだが…

マテリアルを割り当て

まずマテリアルを設定していないオブジェクトにマテリアルを付ける。
参考:Blenderで設定できるマテリアルについて見てみよう

マテリアルの複製(シングルユーザー化)
Shading ワークスペースで複製したいマテリアルのオブジェクトを選択。
シェーダーエディターで対象マテリアルが出ていることを確認し、
ヘッダーのマテリアル名の右のユーザー数の部分をクリックすると複製される。
※単体だと数字が出ない。一時的にスロット増やしてユーザーを増やして複製する。(もっと良い方法があるだろうけど分からない)

アドオン Node Wrangler を有効化

参考:必須アドオン「Node wrangler」の使い方
マテリアルのノード編集に必須らしいので有効化する。
編集 > プリファレンス > アドオン > Node Wrangler にチェック。

マテリアルのノードを構築する

備忘
ノードの接続を切る:Ctrl + 右クリック
ノードを出力に接続:Shift + Ctrl + ノードを左クリック(各ノードの出力確認に便利)

床のタイル

参考:タイルの作り方/ノードとマテリアルを学ぼう
ノイズとレンガのカラーをミックス
ノイズのカラーライトからレンガのカラーライトに、Ctrl + 右ドラッグドロップでミックスができる。

窓(すりガラス)

参考:ガラスの表現を基礎から詳しく解説
プリンシブルBSDFなら、伝播1.0、粗さ0.5
参考:すりガラス風なものを作る
屈折BSDFなら、ベックマンかGGX、粗さ0.5

窓枠(アルミ)

参考:プリンシプルBSDFで金属の作り方
プリンシブルBSDFで、メタリック1.0、粗さ0.4、
ベースカラー:アルミニウム R0.913 G0.921 B0.925 ※これより黒くした

ダウンライト

参考:プリンシプルBSDFで発光の作り方
電球の発光設定
プリンシブルBSDFなら電球消灯時の状態も設定できるが必要ないので、追加>シェーダー>放射 を使う。
放射に光の色、放射の強さに10.0を設定。
電球用ライトの追加
レンダリングエンジンが Cycles なら放射設定だけで問題ないらしい。
レンダリングエンジンは EEVEE なのでライトを追加する。
(EEVEE だと放射光ではライトのように周りを照らさないとのこと)
オブジェクトモードで 追加 > ライト > エリア を使用、座標は電球より下。
データプロパティで、カラーを電球色、40W、シェイプはディスク、サイズは0.1m。

トイレットペーパー

ペーパーはテクスチャを描いて張る事に。
参考:UV展開をしてテクスチャで3Dモデルに色をつけてみよう
UVエディターで UV > UV配置をエクスポート でUV展開図を出力、
紙と芯をクリスタで描いてマテリアルに設定。

トイレットペーパーホルダー

金属部
参考:プリンシプルBSDFで金属の作り方
プリンシブルBSDF、ベースカラー少し暗め、メタリック1.0、粗さ0.4、
木部
参考:仕組みもわかるblenderノード解説【木目編】
ホルダー天板は木目調の樹脂板?なので、バンプなど不要な部分は省略して実装。
XYZ全てに面があるとスケールで縦縞にできない面が出てくる。
テクスチャ座標を生成でなくUVから接続すると解決した。

トイレ便器

全てを陶器とプラスチックの中間っぽい質感に。

トイレBOX

金属はアルミっぽく、壁やドアも適当に。
便器コントローラー
UV展開図をエクスポートし、テクスチャを描いて張る。
ボタンの絵(ピクトグラム)は標準化されていてそれを使用。
ゴム
参考:プリンシプルBSDFで樹脂製品の作り方

洗面台

洗面ボウル
洗面ボウルは大理石調に
参考:マスグレイブテクスチャを分かりやすく説明してみる/使い方編


参考:Eeveeで鏡面反射を作る
プリンシプルBSDF、メタリック1.0、粗さ0に。
オブジェクトモードで 追加 > ライトプローブ > 反射平面
オブジェクトの回転で矢印を鏡面の法線方向に、位置で矢印原点を鏡面少し手前に。
スケールで上下左右を鏡面が収まるサイズに、データプロパティ > プローブ:距離で奥行きを調整。
※オブジェクトが鏡に映らない場合は、ビューのシェーディングの設定で「シーンのライト」ON。
※インスタンス化オブジェクト内のプローブは機能しない?様で、外に出す必要あり。

アンビエントオクルージョン

レンダリングエンジンが EEVEE の場合は色々と設定が必要になる。
今回は最終的に必要なかったので設定せず。


あとがき

これで Blender でのモデリング作業は完了、トップの完成画像となる。
我ながらよくここまでできたものだと感心。

しかしこのモデル、クリスタで正しく表示される気がしない…

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