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ペニスバンドの記事 (4)

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1〜3話【射精したら強○ログアウトするゲーム ―VRMMOで女王様と遊ぼう―】

<あらすじ>
 仮想世界でSMプレイができるゲームが発売された。
厳しい現実から逃れるため、ゲームの世界に逃避する主人公の涼真(りょうま)。
選べるシチュエーションはSMクラブ、オフィス、学校、家庭。
オフィスを選んだ主人公が体験したプレイとは一体……!?

1話 仮想世界でSMプレイ

 ……俺にとって、この社会は困難の連続だよ。
現在、203X年。
大学を卒業後、企業に就職して3年目の25歳である。
最初に配属された営業部では『声が小さい』、『はっきり喋れ』と言われ続け、結果を出せずに部署異動……。
行き着いた先はマーケティング部。
うちの会社は、営業部と比較してマーケティング部に明らかに頭脳明晰な人材を集めている。
異動後は『もっと考えろ』と言われ続け、結局そこでも何もできなかった。
まったく通用せず、俺は……いわゆる社内ニートになった。
ぜんぜん仕事を回してもらえないんだ。
仕事がないので、社内のデスクでパソコンを無意味にカタカタ操作するようになってしまった。
もう最近では、社内の女性社員を見てエロい妄想を始めてしまっている時間帯さえある……!
ダ、ダメだろ、こんなんじゃ……。
 過去を振り返ってみると、思えばいつも【できない奴】というレッテルを貼られて、こんな感じになってしまっていた……。
大学時代のアルバイトも、どこで働いても役に立てず。
学業の方もイマイチだった。
努力はしているつもりだったんだけどなぁ……。
 ちなみに、俺の身長は179センチ。
体型はわりとガッシリしている。
顔は普通……だと思っている。
典型的な悪口である【木偶の坊】……と陰で言われているのだろう。
中学、高校の部活動もモテようと思って運動部に入っていたけど、いつも補欠だった……。
バスケにバレー……身長を活かせる部活を選んだんだけどなぁ。
このときは木偶の坊と、はっきりと言われたぞ。
もう死語というかハラスメントワードだろ、こんな言葉……。
 ああ……この現実から逃げたいっ!! 逃げたいよ……!
俺はもう……仕事中に現実逃避してしまっている!
家に帰ったときのことを考えているんだ……!
1分でも早く家に帰り、今日発売したVRMMOのソフト、【VRMMOで女王様と遊ぼう ―射精したら強○ログアウト―】をやることしか頭の中にないっ!!
バーチャルな空間、いわゆる仮想世界に俺の意識が入り込み、SMを体験できるという素晴らしいゲームだ!
昨今、RPGやFPS、そしてアダルトゲームは進化し、バーチャル・リアリティでのプレイが一般化した。
アダルトゲームでは、女性側もログインして金銭を稼ぐことが主流となりつつある。
最新作である【VRMMOで女王様と遊ぼう ―射精したら強○ログアウト―】は、女性が攻め側のSMをコンセプトとしており、これはVRMMO界で初めてのことである。
なんと言っても俺の性癖は……ドMだからなっ!!
あくまでも性に関してマゾなだけであって、社内で空気として扱われる放置プレイに快感を覚えたりはしないよ……!
ド変態のドM野郎ではあるけど、実際にお店に連絡してリアルな女王様のプレイを受ける度胸はなかった。
ネットで色々なお店を検索して何度も電話しようと思ったけどさ。
電話先のお兄さんは怖そうだし、女王様との間になんかトラブルがあったら嫌だし、電話する勇気が出なかった……。

 日が沈み始め、勤務時間が終了して帰宅した。
仕事がない俺は、定時に退社している。
隣のデスクに座っている、できる同期の女性社員が冷たい視線を送っているが、俺は帰るぞ。
帰宅ラッシュの満員電車に揺られて、家に着いたときはもう19時を回っていた。
明日も出勤なので、プレイ時間は限られる。
それでも……2~3時間はできるな。
 というわけで、いよいよ仮想世界にダイブしますか!
特にここ数年、バーチャルリアリティの分野は急速に発展を続けてきた。
バーチャルな世界であるにも関わらず、五感をほぼ正確に再現できるようになった。
アダルトゲームの分野では、ついにSMまでできるようになったのだ……!
今日は世界中のマゾ男にとって、記念すべき日だぜ……!
ログインしている女の子たちはプロの女王様なのかな? それとも素人の子?
どんなプレイが待っているのだろうか……!?
妄想に描いてきた、あんなことやこんなことをしてくれるのかも……。
1ヶ月ほど前に人数限定で体験版が公開されていたのだが、俺は抽選に漏れてしまった!
本当にもう……楽しみで仕方がないっ!
 よし、ハードを起動させ、ヘッドギアを装着したぞ。
ベッドに横になった状態で仮想世界にダイブする。
ああ……胸の高鳴りが止まらないぜ!
今日の朝にダウンロードしておいたソフトを開いて……ログインしますっ!!


 気づくと……俺は暗めの部屋に突っ立っていた。
ゲーム内に入ったようだな。
あ……明るくなった。
正面にある大きなモニターに明かりがついたんだ。

『プレイする場所を選んでください』

 俺はモニターを注視する。
文字が表示されたぞ。
……え? なんだ? 場所?

『SMクラブ、オフィス、学校、家庭』

 お、おお……そういうことか。
どんなシチュエーションでプレイしますか……ってことね。
SMクラブは分かりやすいな。
お店を探して相手を選んでSMプレイ開始……って感じかな。
……けど、他の場所が気になるぞ!?
オフィス、学校、家庭……って、何をどうしたらSMプレイが始まるんだ……?
ちょっと想像できないな……。
オフィスにしてみようかな。
俺にとって、あんな辛い場所がSMプレイの場になるなんて……。
……もしかしたら、現実のオフィスも少しは楽しく感じることができるようになるのかもしれない。

「……オフィスにします!」

『少々お待ちください』

 モニターが俺の言葉に反応し、10秒ほど経過した。
あ……部屋の中が明るくなった!
色々と雑品が置いてあるぞ。
どこかの倉庫か?
事務用品が多いので、オフィス……っぽいな。
あ、全身が映る鏡が置いてある。
俺は自分の姿を確認した。
部屋着に着替えてからログインしたが、ここではスーツになっているな。
オフィスを選んだからだろう。
俺の顔や体型も……変化しているな。
ちょっと痩せたかな? 身長も少し小さくなっている気がする。

「おっ……!?」

 髪型も違う。
なんかオシャレな感じにセットされているので、嬉しくなった。
思わず声が出てしまった……。
って、声も違ったな!
ちょっと高い声になっている。
めちゃめちゃ大きな変化はないが、細部が少しずつ変化しており、身バレを防ぐ効果はありそうだ。
自分で詳細を設定できないタイプのゲームだったので残念なのだが。
ゲームの世界の中ぐらい、イケメンになりたかったよ……。
 ん? 正面のモニターは未だにあるな。
文字が表示されたぞ。

『改めまして、こんばんは』

 今度は文字に合わせて、アナウンスも聞こえてくる。
生身の人間の声ではなく、合成音のような女性の声だ。

『こんばんは、M男の【プー太】さん。IDはputa_neatですね。このゲームのルールを簡単に説明します』

 俺の名前は涼真(りょうま)である。 
【プー太】は、今日の朝、このソフトをダウンロードしたときに俺が適当に付けた名前だ。
IDもそのときに設定した。
M男……か。
そうだよね、このソフトをプレイする人はM男で間違いない。

『まず、射精したら強○ログアウト……つまりゲーム終了ですのでご注意ください。再度ログインするためには、ログアウトした時点から12時間、つまり半日は経過している必要があります』

 ふむふむ……射精したら強○ログアウトね。
それはタイトルにも書いてあるから、知っているぞ。
純粋にSMを楽しんで、射精で一区切りするって感じかな?

『女王様の身体に許可なく触れた場合も、強○ログアウトです。もちろん、罵倒や恫喝、暴力などが確認された場合も、強○ログアウトです。これらの場合、次回からゲームにログインできなくなることもありますのでご注意ください』

 あ、そこら辺はしっかりしているゲームなんだな。
社内ニートとは言え、俺はサラリーマンだぞ。
コンプライアンスは遵守します。

『オフィスが舞台の場合、女の子と会話し、相手がプレイOKな状態になると、女の子側からサインが出ます。プレイ時間と金額もその時に表示されます。プー太さんがOKすると、プレイがスタートします。お金の清算は登録してあるクレジットカードで行なわれます』

 ほう……とりあえず、女の子を見つけて会話すればいいってことね。
面白そうだが、リアルな女の子が操作するキャラクターなんだよな……。
いざプレイするとなると、けっこう緊張する。

『それではスタートします。この部屋から出て、お楽しみください』

 言われた通り、倉庫から出た。
出た先にあったのは、オフィスの廊下のようだ。
ざっと眺めてみるとドアがたくさん見えるので、とても部屋数が多いことが分かる。
内装も綺麗で、一流企業の雰囲気が流れているぞ……。
 あ……正面の部屋のドアだけは開いている。
あの部屋に行けってことか……?
先ほどまでいた倉庫よりも大きな部屋のようだな。
その大きな部屋の窓から漏れる太陽光がちょっと眩しい。
ああ、スーツ姿の人が結構いるぞ。
なんだか雰囲気が良く、風通しの良さそうな会社だな……。
って、これはゲームの中の世界なんだよね。
さすが最新作だ! リアル過ぎて分からなくなってしまうぞ。
働いている人達をよく見てみると、頭上にウィンドウが出ているな。
【NPC】……と書かれている。
いわゆるノンプレイヤーキャラクター(non player character)のことだな。
リアルな人間がプレイしているキャラクターではない。
すごく簡単に言ってしまえば、コンピュータである。

「おはようございまーす」

「あ、はい!? お、おはようございます……!」

 び、びっくりしたなぁ……!
後ろから近づいて来たスーツ姿の女性に挨拶された。
おお、いきなり女の子に話しかけられたぞ……。
新卒1年目っぽい子だな……。
スーツが新しく、オシャレもほどほどに抑えている。
あ、けど……この子もNPCだな。
頭上にウィンドウが出ているぞ。
彼女は俺の横を通り過ぎ、正面の大きな部屋に入っていく。
やっぱり、あの部屋に行けってことなのかも。

「し、失礼します……」

 なんとなく挨拶しながら、部屋に足を踏み入れた。
この大きな部屋で働いている皆さんは、20人ぐらいか。
デスクに座ってパソコン操作をしている人や、書類を持って忙しなく動いている人がいる。
繁忙期なのだろうか……。
NPCの人が多いな……。
他のユーザーは、わかりやすい【SMクラブ】のジャンルに行っちゃったのかも。
あ、窓の外には高層ビルがいくつも見えるな。
この部屋も20階とか、かなり高い階にありそうだ。
とりあえず、頭上にウィンドウが出ていない女の子が何人かいるから話しかけてみるか。
きっと彼女たちが、現実世界からログインしている女の子なのだろう。
勇気を持って、話しかけるぞ。

「あの……すみません……」

 俺は一番タイプの女の子に話しかけた。
おっぱいが大きそうな子だったからね!
スーツを着ていても分かる巨乳ちゃんである。

「はい……?」

 返事をしてくれた!
この子は……やっぱりおっぱいが大きいな!!
こんな素敵な女性と、SMプレイができるのだろうか!?


2話 オフィスの上司が女王様だった話(その1)

 俺の目の前には、素敵な女性が姿勢よく立っている。
俺のことを見ているぞ。
大きな目で美白。
綺麗な大人のメイクをしている。
俺よりも年上だろうな……。
髪型は、茶髪のショートボブだな。
おしゃれなピアスとネックレス、そして腕時計。
黒のスーツの下にはVカットのセーター。
色はワインレッドか。
下は黒のミニスカートで、ヒールもワインレッドだ。
体型は細くもなく、ぽっちゃりもしていない。
普通……と言ったところか。
健康的で素晴らしいぞ。
身長は160センチ台の中盤〜後半くらいで結構大きい。
ゲーム内の俺の身長は少し小さくなっている。
彼女はヒールを履いているので、俺と同じぐらいになっているぞ。
それにしても、スーツに巨乳はエロいな。
個人的な見解ではあるが、茶髪のショートボブに巨乳でスーツはエロ過ぎるぞ。

「プー太くん……遅かったわね」

 彼女が大きな目をさらに見開いて、そう告げた。
あ……名前はバレちゃってるのか。
彼女から見たら、俺の頭上にウィンドウが出ているのかもな……。
……それにしても、よく通る良い声だなぁ!
羨ましいぞ……。

「すぐに会議が始まるわ。行きましょう!」

「え……。あ、はい! 行きます」

 なんだなんだ?
会議!? 会議って、俺はこの会社のことを何も知らないよっ!?
……あ、これはイベントか!?
イベント発生なのかな?
とりあえず彼女について行ってみよう。

「……大事な会議よ。分かっているわね?」

 一緒に廊下を歩いていると、彼女が俺の顔を見て真剣な表情で告げた。
おお……彼女は仕事ができる雰囲気だな。
歩き方にもバリキャリ感が溢れ出ている。
俺の上司という設定のようだぞ。

「は、はい……!」

 女の子に話しかけると、いきなりSMがスタートする……というわけではないんだな。
イベントを挟むわけね。
……な、なにが起こるんだろう?
大事な会議と言われると、余計に緊張してくるんだが……。

 廊下を少し歩いた後、会議室の中に入った。
人数は……3人だけか。
俺を連れて来てくれた女性と、会議室に元々いたスーツ姿のおじさん、そして俺だ。
おじさんはデスクを挟んで正面に座っており、女性は俺の隣である。
このおじさんは……NPCだな。
すでに頭はハゲ散らかっていて、太り気味である。
いかにも中年のおじさん……って感じだ。
ただ、人当たりは良さそうだ。
着ているスーツや履いている靴には気を使っていて、どことなく気品がある。
ちょっと待って、ま、まさか……このおじさんもプレイに参加したりしないよな?
エロゲーの中に、まさか中年ビジネスマンも含めた複数SMプレイがあるとは……。
いや、そういう性癖の人もいるかもしれないので何とも言えないが。

「……前回の会議で報告した通り、うちの代表製品の売り上げが落ちている。何か案はないか?」

 NPCのおじさんが喋り出して、会議が始まったぞ。
な、なんだなんだ? 案……だって!?
いきなり俺に言われても、分からないよ!?
ん……? おじさんが俺のことを見ているぞ。

「プー太さん、どうだ? 何か案はないか?」

 お、俺から!?
なんだっけ……何に関する案だっけ?
緊張しちゃって思い出せない……。
あ、そうだ……代表製品の売り上げね!

「……いや、え~と……そ、その、ちょっと待ってください……」

 慌ててデスクの上に置いてある資料に目を通す。
自社のスポーツドリンク【レモネードα】の販売戦略?
マーケティングか? い、いきなり言われても分からないよ……。
俺はマーケティング部で何の結果も上げられず、今や社内ニートだからな……。
会議に参加したところで、役には立てないだろう。

「ちょっと……しっかりしなさいよ? 事前に資料を読んできてないの?」

 あ……隣の女の子に怒られた。
うちの部署の人のように、鬼の形相で恫喝……とまではいかないが、真剣な表情で圧力をかけてきたぞ。
事前に資料って……!?
資料なんて、どこにもなかったじゃん!
な、なんだこのゲーム……。
まさかクソゲーか!?
い、いや……現実でも、こういうことは……あるか。
当日の朝に資料を渡されて、『取引先に行って来い』って言われたりね。
うわぁ……ゲームなのに、理不尽過ぎて心が痛くなってきたぞ。

「うぅっ……申し訳ございません……」

 あ、謝ってしまうよ……。

「仕方がないわね。……それでは、私から」

 あ、彼女がさらにキリッとした目になって喋り出すぞ。

「……我が社独自のデータから、スポーツドリンクは運動系の部活動をしている中高生からの売り上げが一定数見込めます。中高生が買いたくなるような新しいパッケージを広告代理店に考えてもらうのはどうでしょう? あと、スポーツジムに通っている人達を新たなターゲットとして狙うことにもチャレンジしたいです。スポーツジムの月学費は決して安くはありません。この層はお金を持っています。タンパク質を効率よく摂取できることを強調したドリンク、例えば【レモネードα・プロテイン(仮)】といったドリンクを製品開発部に提案するのはどうでしょう? ヒットすれば、本家のレモネードαの方も売り上げが伸びるかもしれません」

 お、おお……。
この子は仕事ができる感じだぞ。
身振り手振りを付け加えながら、自分の意見を主張している。
やはり声がよく通り、印象が良い。
プレゼン力が……高いな。
か、格の違いを見せつけられたぜ……。

「……そうだね、ミユキさんの意見は良いと思う」

 おじさんが微笑んだ。
あ……【ミユキ】って名前なんだね。

「で……プー太くんはどう思う?」

 おじさんが再び俺の方を見た!
『どう思う?』と言われても……分からん!
スポーツドリンクの売り方って、これまでの人生で考えたこともないよ!
う、うわぁ……前からも横からも、何か喋れ……的なオーラが出ているぞ。

「い、いやぁ……」

「どうなの? プー太くんは意見がないの?」

 ミユキさんも圧をかけてきた!
い、意見かぁ……。
スポーツドリンクか……学生時代、運動部で補欠だった頃を思い出すなぁ。
補欠の俺が買いたくなるようなスポーツドリンクを考えるぐらいならできるかも……。

「あ、あの……運動部に入っている中高生に買ってもらいたいのであれば、パッケージに補欠の人へのメッセージが入っているといいかもしれないですね」

「え……補欠ですって?」
「プー太くん、どういうことだ?」

 2人が意外そうな顔をしながら反応してくれた。
『どういうことだ?』と、言われましても……!
俺の経験から言っただけで……。
でも、良い案じゃないか?
全国の運動部の補欠の人が全員買ったら、めっちゃ売れるよな。
そうだよ……補欠の人って人数が多いんだよ。
そういえば昔、テレビかなんかで見たことがあるぞ。
『レギュラーよりも補欠の人数の方が多い。だから、スポ根マンガは補欠キャラに共感する人が多い』……って!

「……レ、レギュラーの人数はサッカーだと11人。野球は9人。バスケなんか5人しかいないので、あとの部員は補欠なんです。レギュラーじゃない人の方が多いと思うで、そっちをターゲットにした方が売れるんじゃないですか!? た、たぶん……ですけど」

「……確かに。そうかもしれん」

 おじさんは少し考えた後、そう言いながら頷いた。
もしかしたら、おじさんも昔は補欠だったのかもしれない。
あ……この人はNPCか。
頭上にウィンドウはあるのだが、姿がリアルの人間と変わらないので分からなくなる。
ミユキさんは、きっとレギュラーだったんだろうなぁ……。

「……なんてメッセージを入れるつもり?」

 レギュラーだったであろうミユキさんが横から俺に問いかける……。
そ、それも俺が考えるの!?
広告を作っているような人じゃなきゃムリだよ……。
めっちゃ真剣な視線を送ってプレッシャーをかけてくるじゃん……。

「……う、う~ん、難しいですね。『諦めるな! 目指せ、レギュラー!』とかだと、心に響いたとしても露骨過ぎて部活中に飲みにくいですよね。周りの目が気になっちゃいます。イジられてしまう可能性が高いでしょうし……」

「……じゃあ、ダメじゃないの」

 厳しい! 厳しいよ、ミユキさん!
一緒に考えて欲しい……!

「……うぅっ!」

「まぁまぁ、そんなに非難しないで。……発想としては、なかなか良かったんじゃないか? 一意見として参考にしよう」

 あ……おじさんに褒められた。
本来勤めている会社のマーケティング部で、俺は戦力外だ。
そこでの経験を活かしたわけではなく、自分の経験から手繰り寄せて捻り出した意見だったのだが……。
褒められたのは嬉しい。

「まぁ……そうですね」

 あ、ミユキさんも納得してくれた……。
けど、真面目な表情は崩していないぞ。
上司のおじさんに同意しただけかな?

「まぁ……難しいかもしれんが、プー太くんの意見は一応、コピーライターに相談してみるか。彼らはプロだ。何か良いコピーを作ってくれるかもしれん。よし、それでは会議を終了する」

 あ……良かった。
なんか俺の提案が次に繋がって嬉しい。
ゲームの中だけど……なんかもう、ほぼリアルに近いからさ。
けっこう嬉しくなってきた。
現実の仕事では、今や俺に意見を求める人もいないからな……。
 あ……ミユキさんが俺に何か言いたそうだぞ。

「……お疲れ様。じゃあ、プー太くんは私について来て」

 俺はミユキさんと一緒に会議室から出た。
部屋から出ても、彼女は真面目な表情のままだ。
何を考えているのだろうか?
彼女的には、俺の意見は良かったのか、ダメだったのか……。
ん……なんだ? ミユキさんが立ち止まり、俺の方をジッと見つめているぞ。
ど、どうしたんだ……?
あ、あれ……!? なんだ?
ミユキさんの頭の上にウィンドウが出ているぞ!?
NPCじゃないのに!?

『ミユキ女王様、25歳。30分、2.0万円』

 ……うおっ!?
もしかして、これが……プレイOKのサインか!?
な、なんでこのタイミングでOKのサインがきたの!?
ミユキ女王様……これはリアルな年齢か?
そうなら俺と全く同じ年齢だ……!
凄いしっかりしている子だな!
 ……待て待て、金額も出ているぞ。
ちゃんと見てみよう。
30分で……2万円!?
俺はリアルなSMクラブをネットで調べていた。
ある程度は相場を把握しているが……ちょっと高くないか!?
あ、けど……リアルのSMクラブだとラブホ代込みでかなり高いから、このぐらいが妥当なのかな?

「……お、お願いします」

 俺がそう告げると、ミユキさんが少し微笑みながら頷いた。
あ、ウィンドウが消えたぞ……!
やっぱりプレイ開始のサインってことなんだな。

「今の会議……自分の意見をちゃんと言うことができたわね。偉いわ。……じゃ、こっちの部屋に来て」

 俺にそう伝えると、ミユキさんは真面目な表情に戻った。
そして、再び歩き始めた。
……ほ、褒められたぞ!?
おじさんに引き続き、ミユキさんにも褒められた!
さっきまでは俺に肯定的なのか否定的なのか、よく分からない感じだったのに……!!
こ、こんな幸せな気持ちのままプレイできるの!?
最高じゃん……!!


3話 オフィスの上司が女王様だった話(その2)

 俺はミユキさんに連れられて、会議室と同じフロアにある部屋に入った。
小さい部屋ではあるが、豪華である。
接客するための部屋だろうか?
高価そうなソファーが2つと、アンティーク風のデスクがおいてある。

「……プー太くん、学生時代は補欠だったのね?」

「あ、そうなんですよ……」

「だからこそ、さっきの意見が言えたのよね。……部活は最後まで続けたの?」

「はい……つらかったですけどね。辞めずに続けました」

 10年ほど前は、最後まで諦めずに頑張る……というのが、まだ美徳とされている風潮が残っていた。
少なくとも、俺はそんな空気を感じていた。
そんな中、引退まで辞めずに頑張った。
最近では、向いていないことはやるな! 向いていることが見つかるまで探せ!
……という風潮が主流になっているけどね。 
例えば若者の間では、納得いくまで転職する……という考え方は当たり前になっている。
けど、結局……今いる会社である程度の結果がないと、転職先は見つけられないんだよなぁ。

「最後まで頑張ったのね……。補欠だった経験があるから、さっきの会議でアイデアが出てきたのよね。よかったじゃない。そんなプー太くんにご褒美をあげようかな」

「は、はい……。え、ご褒美……ですか?」

 あ……ミユキさんが近づいてくる。
そ、そうか……! 俺の本気を引き出して、より良いシチュエーション作りをしたのか!
会議で俺を本気にさせ、この世界に気持ちを入り込ませ、その流れでSMに入ろうとしているんだな……!
もし会議で俺が意見を言えなかったら、『あなたは本当に昔からダメなのね。お仕置きよ』……とかいうパターンだったのかも。
そっちのパターンにならなくて良かった……!
メンタルを責められたら、気持ち良くなれるかどうかは分からないよ……。
 おお……こ、このシステムは凄いんじゃないか……!?
現実世界で、女性警察やキャビンアテンダントのコスプレをしてエロいことをしてくれるお店とは一味違うかも……!
いや、行ったことないから詳細は分からないけどね!
バーチャルな世界で完璧なオフィスビルを再現し、NPCも駆使して現実のシチュエーションになるべく近づけ、その世界観に没入した流れからスッとエロに入るサービスは、既存のものとは一味違うはずだ!

「おっぱい……触っていいよ。最初に私に近づいて来るとき、おっぱいを見ていたもんね」

 うぅっ……!
バレてしまっていた……!!

「も、申し訳ございません……!」 

 ……って、おっぱい!? おっぱいを触っていいの!?

「それは別にいいの。私のおっぱい……触らないの?」

 待て待て……俺から彼女の身体に触ってもOKなんだっけ!?

「えっと……僕からミユキさんに触ってはいけないのでは……?」

「私が許可すればOKなのよ。優しくね。服の……ニットの上からじゃないとダメよ」

 そう言えば、最初の説明で『女王様の許可なく触れた場合……』とか言っていたっけ!

「あ……そういうことなんですね。そ、それでは、お言葉に甘えまして……」
 
 ゴクリと唾を飲み込んだ音が聞こえた。
俺の喉から鳴った音だ。
き、緊張しているんだな……。
ああ……綺麗で、仕事ができるミユキさんの大きなおっぱい。
セーターの上から両手でおっぱいを揉んでいるぞ。
や、優しく揉まないとな……。
ああ、ハリがある……素晴らしい感触だ。
こんな立派なおっぱいの子……実際に見たのは初めてかもしれない。

「緊張しているの? ぎこちないわね?」

「は、はい……。なんかすみません……」

「……別に謝らなくていいわよ」

 そう言いながら、ミユキさんが俺の手首をつかみ、おっぱいから遠ざけた。

「次は……おっぱいに顔を埋めてみる?」

「は、はい……!」

 俺は言われるがままに、ミユキさんのおっぱいに顔を埋めた。
うわぁ……すごい幸せだなぁ……!!
良い香りっ!
セーターとブラジャー越しだから実際のところは分からないけれど、弾力を感じるぞ。
あ、ああ……ほ、惚れてしまう……!
このまま、おっぱいを吸いたい。

「ミユキ様……! お、おっぱいを……ち、乳首を舐めさせて下さい……!」

 彼女の胸に埋めていた顔を上げて質問する。

「え? それはダメよ。私は脱がないわよ? 女王様なんだから」

 あ……すみません。
女王様の威厳が失われてしまうよね……。

「も、申し訳ございません……!」

 しまった……俺としたことが、ワガママを言ってしまった。
M男だと自覚していたのだが。
エゴマゾとは思われたくない。
……って、SM用のゲームなのに今のプレイはSMじゃなかったな!?
どういうことだろう?
ちょっと質問してみようかな……。

「……あ、そう言えば、SMプレイ……じゃなくてもいいんですね」

 凛々しい顔で、彼女が俺の質問に答える。
下から見るミユキさんの顔も美しい。

「うん、典型的なSMじゃなくてもいいの。ある程度の幅は許容されているわ。体験版の時点の情報だけど、普通にフェラしたり、素股したりしている子もいたみたい。リアルの世界でそういう仕事をしている女の子もプレイしているらしいからね。もちろん、バーチャルとは言え、挿入はダメよ。まぁ……SMではないにしろ、男の子側から自由に触ることはできないから、女性がリードすることになるのは間違いないわよ。このゲーム、まだ発売初日だからなんとも言えないけど、実際には痴女プレイが主流になる可能性もあるわね」

「そ、そうなんですね……」

 よく考えてみると、そもそもSMができる女の子って、世の中にそんなにいないよなぁ……。
まぁ、運営側が女王様プレイのチュートリアルなんかを始めたら変わるか。
今後の動きに注目だな。

「……絶対にSMだけをしたいんだったら、ログインしたときに【SMクラブ】を選ぶことね。あ、ちなみに私はSMプレイが得意だから安心して。今回は、あなたが頑張ったから、ご褒美におっぱいを触らせてあげただけ」

 や、やはり……!
会議で頑張らなかったら、おっぱいのお触りはなかったんだな。
ナイスだ……俺!

「……って、話が逸れちゃったわね。ちゃんとプレイを続けないと……。プー太くん、本当にしてもらいたいのは、こういうのでしょ?」

 いつの間にか、ミユキさんは右手に透明なビニール手袋をしているぞ。
左手には……何か透明な液体のようなものが入ったボトル!
こ、これは……粘度が高そうだ!
……ロ、ローションか!? どこから取り出したんだ?
ここはVRMMOの世界……自由自在に何もない空間からアダルトグッズを取り出せるのかもしれない。

「ほら、服を脱いで。全部よ」

 何をする気だ!?
ま、まさか……!

「は、はい……!」

 俺はソファーの上に立ち上がり、すぐに服を脱いだ。

「あ、もうギンギンに勃っているわね。……まぁ、私の大きなおっぱいは刺激が強すぎたか」

 うぅっ……!!
俺のアソコは完全に天井に向かっている……!
俺は全裸なのに、彼女はスーツ姿なので情けない。
……が、それがM男心を刺激する。

「ねぇ、何をされるか分かっているでしょ? そのまま四つん這いになって。あ、私にお尻を向けてね」

 そう言われて、俺はソファーの上で四つん這いになった。
こ、これは……アナル攻めだ……!
アナルファックは初めての経験だ……!
あ……ミユキさんは指で俺のアナルにローションを塗っているな……。
変な感触がする……。
気持ち良いというよりは恥ずかしい。
すごい恥ずかしいぞ……!

「いくよ」

「は、はい……! よろしくお願いします!」

 俺が返事をすると、お尻の穴の中にゆっくりゆっくりと彼女の指が入ってきた。

「あっ! ななっ!? ああああっ……!?」

 思わず声が漏れる。
こ、この感覚は不思議だぞ……!?
排泄している際に時折生じる気持ち良さが、ずっと続いている感覚だな。
ミユキさんの指が、俺の穴の中でゆっくりと抜き差しされているのだろう。

「もっと激しくしちゃおうかな?」

 ミユキさんのよく通る声が後ろから聞こえた。
なぁっ……!!
彼女は指を小刻みに丁寧に動かし、俺のアナルを刺激していく……!
な、なんか気持ち良さが倍増してきた!!
ま、まずい! まずいぞ……!

「うっ! ミユキ……さん? うぅっ!! そんな……あ、あひいぃ……」

 俺はアナル責めがもたらす快楽に溺れてしまっている。

「ひぃ……ひぃ……。気持ちひぃ……」

 あぁ、情けない変な声を出してしまっている……。

「おチンチン、さらにすごい勃ってきたわね」

 だって、気持ち良いし……。
ミユキさんが魅力的だし。

「よし……いったん抜くわよ」

 ああ……指を抜いてしまったのか。
このまま、この快楽に浸っていたいのに……!

「……痛くなかったでしょ? まだ終わらないわよ? ここからが本番だから」

「へっ……?」

 俺は上体を後ろに捻り、ミユキさんの方を見た。
彼女は自分のスカートを捲っている。
あ……あれは!! ペ、ペニバン!?
いつの間にか、ミユキさんの赤い下着の上にペニスバンドが装着されているぞ!?
真っ黒い、俺のペニスよりも大きなペニバンだぞ……!
漆黒のペニスだ……!!

「分かってるのよ……このゲームで発売初日から遊ぶなんて、変態なのよね。これで突かれたくて突かれたくて仕方がなかったんでしょ?」

 そういうわけじゃないけど、ミユキさんが徐々に女王様の雰囲気になってきているので、俺もM男の部分を出してしまうぜ!

「……そ、そうです! そうなんです! ミユキ女王様……! よろしくお願いします!」

 あ……あれ!?
また彼女の頭上にウィンドウが出てきたぞ……!

『ミユキ女王様、25歳。30分、2.5万円』

 もしかして……もう30分経過してしまったのか!?

「延長条件が見えるわね? 30分ごとに延長の確認が入るのよ」

 ……そうなのか!
え、延長したい……! もちろん延長したいぞ!
ここまできたら、ペニバンプレイをしてみたいっ!!

「お願いしますっ! お願いします……!!」

 ……なんか少し金額が高くなっているような気がするが、気にしないっ!
ミユキさんのペニスを突っ込んでくれぇっ!!

「ほら……舐めて」

 ミユキさんは、腰に両手を当ててソファーの上に堂々と立っている。
まずは……舐めるのか。
彼女が装着したペニスを、俺は膝立ちの状態で喜んで舐める。

「あら……いいわね。上手いじゃない。会議も好調で、フェラも上手い。素敵だわ、プー太くん。そうよ……しっかりと私に奉仕しなさい」

 ひらすら丁寧に舐めた。
ああ、良いなぁ……。
仕事のできる子に褒められて、なんか認められた気がしたし。
【プー太】なんて、適当な名前にするんじゃなかった。
彼女とは年齢が一緒だから、仕事のことを言われると少し情けないとも思ってきてしまったけどね……。
本来、同期なのに上司みたいだ……。
いや……しかし、褒められるのは、とても嬉しいので奉仕してしまう……。

「そうよ……先っぽも、サイドも、裏スジもしっかりと舐めて。あとは、しゃぶってもらおうかしら」

 俺は言われた通りに、黒いペニスをしっかりと舐めた。
そして、しゃぶった。
ああ……ミユキ女王様に奉仕している。
この子の魅力に服従してしまう……。
絶対に、このペニスを挿れてもらうぞ。

「うん……もういいわよ」

 ミユキさんは俺の頭を両手で掴み、ペニバンから外す。

「はぁっ……はぁっ……」

 一生懸命しゃぶっていたので、少し息が切れる。
夢中になり過ぎたな……。

「また後ろを向いて、四つん這いになって」

 あ……ミユキさんがペニバンにローションを塗っているぞ。
早く四つん這いにならなくちゃ!
それを、お尻の穴に……挿れて下さいっ!

「オッケー、準備できた」

 俺も準備OKだ。
しっかりとアナルを彼女の方に向けて、四つん這いになっている……!

「ひ……ひぎゃあっ!」

 躊躇なく、俺のアナルに漆黒のペニスをぶち込んできた!
どんどん奥まで入っていく……!
……い、痛いぞ!?
ちょっと痛い……!

「……あ、ああぁっ!!」

「ほらほらっ! 現実の世界では、ロクに仕事ができないんでしょ? 会議でオドオドしている様子を見たら分かるわよ!」

 え、ええっ……!?
さっきまで褒めていたのに、今度はそんなふうに責めてくるの!?
痛いところを突いてくる!
仕事についてもアナルについても……!
悔しいけど……彼女は仕事ができる! 頭が良くてプレゼンができる!
しかも、容姿端麗で……ペニバンも使えるなんて! 
何も言い返せない……!

「……そ、そうなんです! ごめんなさい! ごめんさいっ! うわあぁっ!?」

 ミユキさんがピストン運動を開始した!
こ、これは刺激が強過ぎる……!!
おかしくなってしまうぞっ!

「情けない声が出ているわよ! ほらっ!」

 彼女は俺の腰を両手で掴んだぞ!
しっかり俺の身体を固定しながら、ピストン運動をさらに激しくする……!!

「ああぁ! そ、そんな……! こんな刺激があるなんてぇっ!! ひゃあああぁっ……!?」

 俺は嬉しがっているような、苦しんでいるような、そんな悲鳴をあげているのだろう。
ミユキさんは気にせず、淡々と腰を振り続けている。
そろそろ……おかしくなってしまうぞ……!!

「ほらほらっ! 学生時代は補欠で、リアルの会社では役に立てなくて……本当に申し訳ございませんって言ってみなさいよ!」

 うわぁ……そんなにメンタルを責めてくるの!?
学生時代のことまで……!!
そ、それは……傷ついてしまうぞっ!!

「学生時代は補欠で……リアルの会社では役に立てなくて、本当に申し訳ございませんっ!!」

 さ、逆らえない……。
なんでだろう……服従しちゃう……。

「ああ、残念な子! ……私と同じ年齢なのに、ずいぶんと差がついちゃったわね!」

 あ、ああ……そんなことまで言われてしまうとは……。
情けなくって、恥ずかしくなってしまったぞ……。
って、俺の年齢がバレてしまっている……。
やはり俺の頭上には情報入りのウィンドウが表示されているんだろうな。
 うぅ……屈服してしまう……!
悔しい気持ちがあるけれど、快楽の方が勝っているのだろうか?
それとも、彼女の完璧さに憧れを持ってしまったのだろうか?
……勝てない! ミユキさんには勝てないよ!

「も、申し訳ございません……!」

「ちょっと上司と私が褒めたからって、いい気になってんじゃないわよ!」

 そ、そんな……!
まだ俺のメンタルを削ってくるぞ……!!
もう言わないで……!
み、認められたい! 認められたいよ、ミユキさんに!

「がんばります……!! がんばりますから……! リアルでも!!」

「へぇ? がんばるんだ? ……期待はしないけどね!」

 え、ええぇ……!?
き、期待してよぉ……!
本当にがんばるから……!!

「……ほら、そろそろイっちゃいなさいよ!」

 あ……彼女は右手で俺のペニスを掴んだぞ!?
腰振りを続けながら、右手を前後にスライドさせていく……!
ローションに塗れた状態で、手コキを始めたぞ……!!

「……あああぁっ!! ちょっ! ちょっと待って下さい! ……そ、それは! そんなことしたら! ……すぐに出ちゃいますっ!」

「出しなさい! さっさとね! ほら! 出せっ! 出せよ、ブタ野郎!」

 ど、どんどん口調が激しくなってくるぞ!
うぅっ……射精感がこみ上げてくる……!!

「も、もうダメですっ!! ミユキ女王さまぁっ……!! あ……あはぁっ!!?」

 出、出たっ……!!
ブチまけているぞ……!
射精時間が長い……!!
アナルファックされながらの射精……すごい気持ち良いっ!!

「……おふぅっ!!」

 俺は崩れ落ちた。
そして、ソファーの上でうつ伏せの状態になった。

「はぁ……はぁっ……出たわね。お疲れさま。5分以内に強○ログアウトするから」

 ミユキさんの声が聞こえてくる。
腰を振り続けたため、彼女の息が少し切れている。

「……じゃ、リアルで頑張ってね。会議の意見、本当によかったわよ。がんばって結果を出せば良いことあるわよ……きっと」

 ミ、ミユキさん……!?
なんか最後のアナルファックでは罵倒されたけど、最終的には褒めてくれた。
しかも、現実世界の仕事も応援してくれた……!
 彼女の言葉のどちらが本音か分からないけれど……【がんばって結果を出せば良いことある】というのは確かだよな。
 う~ん……けどなぁ、彼女の【罵倒】と【褒め】はどっちが本音?
本当に気になるなぁ。

「私の名前とIDがあなたの履歴に残るから。私がログインしていたら、どのジャンルにいるのか分かるわよ。またログインしたら、よろしくね」

「はい、ありがとうございました……。あのう、罵倒と褒めたの、どっちが……」

「……ん? 何よ?」

 あ、質問を言い終える前に、俺の目の前が真っ暗になってしまった……!
強○ログアウトか!

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