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快楽堕ちの記事 (22)

Final_Fiend 2024/03/08 07:03

NTRハーレム番外編 不知火祈がおじさんのモノになる話

「花咲。あなたの気持ちは嬉しいですが、私はあなたとは付き合えません」

 ある日の、夜の公園。少年・花咲遊真の告白を、少女・不知火祈はすげなく断る。

 その反応は、少年にとっては予想できたものであったが。

 続く言葉は、完全に彼の想定外であった。

「私はもう、花咲以外の男性と、結婚を前提に付き合っているんです」







 遡る事、10日ほど前。花咲遊真が幽霊部に来なかった、そんな空白期間の初日。

 学園を出て家に向かう祈は、長い銀髪を風にたなびかせながら、駅前を歩いていた。

 メリハリのついたスタイルの良い身体。すらりと伸びた細い手足。

 一瞬で目を惹く美貌には冷たい表情が貼り付けられ、更にその口元をマフラーで隠している。

『雪女』などという異名を頂戴するのも納得な、しかしその場の誰よりも美人であると確信できる少女。

 そんな彼女が、一人の男と軽くぶつかってしまったのが、全ての始まりだった。

「っ」

 跳ね返されることなく、祈の身体は相手に受け止められる。

「おっと、すまないねぇ。怪我は無いかい、お嬢さん」

 予期せぬ衝突の相手は、どこにでもいるような中年の男だった。

 服越しにもはっきりわかるほどにでっぷりと肥えた腹回り。やたらと太く肉の付いた手足。やや老け気味の冴えない容貌。

 およそ恋愛対象からは除外されるのが確定している、そんな男。

 しかし、この男にはたった一つ、他の男を隔絶し、女を魅了してやまない特性があった。

 それは偏に、

(なに、これ……!? この人の匂い、嗅いでるだけでおまんこの奥がキュンキュン疼く……♡ 切なくなる……っ♡)

 強いオスのフェロモンと、それを放つ元凶である荒々しく巨大なペニス。ズボンを穿いていても分かってしまうほどの、勝者の象徴。外見がどうとか内面がどうとかいう話を全てすっ飛ばして、どんな女でも堕としてしまえる剛直を持っていることであった。

 異変に気付いた祈は男を突き飛ばそうとするが、彼を振り解くことが出来ない。

 特段膂力に優れているわけでもない男が、祈を拘束することは不可能に近い。

 実際には、祈の身体が男から離れることを拒んでいるのだ。

「離してくださいっ」

「そのつもりだったんだけどねぇ。君があまりに可愛いんで、気が変わったよ。オジサンとお茶でも如何かな」

 下卑た笑みを浮かべている男。その顔を見れば、本当の目的がお茶などではないことは誰にでも分かる事だろう。

 それは祈も理解していて、現に彼女の太ももには、いきり立つペニスがズボン越しにグリグリと押し付けられている。そしてその雄々しい逸物が、彼女の疼きを更に加速させていく。

「……嘘は嫌いです」

「じゃあ、もう少し踏み込もう。オジサンと、イイことしないかい」

 普通に考えれば、こんな誘いに乗る訳がない。こういう冴えない中年男というのは、むしろ金を払って女と身体を交えるものなのだ。

 だがこの男は、そんな対価もなしに祈を誘っている。

 ありえない。今すぐ逃げるべき。そう判断する理性が彼女には残っていたが。

 ついて行きたい。この凄いモノで滅茶苦茶にして欲しい。そう叫ぶ本能が、彼女の思考を掻き消していく。

 それでも祈は、ありったけの意思を振り絞って言葉を捻り出す。

「お断りします」

「ダメ、オジサンはするって決めた。さあ行こう」

「あっ、ちょっとっ」

 男は祈の手を引いて、歓楽街へと歩みを進めていく。自分より強い男の手を、祈は振り解けなかった。

 それは力の差によるものだったのか、はたまた心の奥底に期待があったからなのか。

 その答えは、意外なほど早く明かされることになる。







「んむっ、ちゅっ! ちょっと、いきなり何をっ……むぐぅっ」

「何って、キスだよぉ。ふおおお、唇柔らかぁ……」

「あっ、胸っ、だめっ♡ はぁぁっ♡」

 ホテルに着くなり、男は祈のシンボルともいえる赤いマフラーをずらし、唇を奪う。同時に胸に手を這わせ、撫でるように愛撫する。今頃突き飛ばされていてもおかしくないほどの暴挙だが、祈には抵抗できるだけの気力が残されていなかった。

 だからこそ、彼女はホテルまでのこのこと付いてきたのである。

 今の彼女に出来る抵抗など、弱々しく男の腕に手を添えながら、口だけの抗議をすることだけであった。

「ふひひ、おっぱいも柔っこいねえ。オジサン気に入ったよぉ」

「嬉しくありませんっ……むぐっ♡ ちゅむっ、ちゅっ♡ んむぅぅっ♡」

 その声にも、次第に甘いものが混ざっていく。

 男の舌が唇を小突き、口内へと侵入せんと試みるが、祈は口をきつく結んで耐えていた。

 だがそれも、執拗な愛撫とキスで徐々に蕩かされていく。

「んんっ♡ んむっ♡ ちゅ……あんっ♡ あぅっ、れるっ♡」

 男の舌が、ついに祈の口内を犯し始めた。途端に男の唾液が流し込まれていく。ぬるぬるの舌が上顎を突き、歯茎を舐め回す感覚に、祈は多大な不快感を覚える――はずだった。

「んじゅりゅっ♡ れりゅれりゅれりゅ♡ じゅるるるるる♡」

 だが、彼女はそれを拒もうとしない。男と唇を重ね、舌を絡ませ合うことに未知の快感を覚えていた。

「んくっ、こくっ♡ ちゅりゅ、れりゅれりゅ……こくっ、こくっ♡」

 祈は喉を鳴らしながら、男の唾液を飲みこむ。その頃にはもうすっかり抵抗もなくなり、男の太った身体に身を預けていた。

 男はそれをいいことに、祈の制服を脱がしていく。

「ん……♡」

 わずかに身じろぎするものの、それだけ。されるがまま服をはだけさせ、フリルのついた淡いピンクのブラに包まれた豊かな乳房が露わになった。

「おお……気は強そうなのに、ブラは可愛いのを付けてるんだねぇ」

「悪いですか」

「ううん、オジサン好みだよぉ」

 下乳をすくい上げるようにタプタプと感触を楽しまれたり、全体を鷲掴みにされてぐにゅぐにゅと揉みしだかれる。

 そしてその度に、祈は蕩けた顔で甘い声を上げる。

「ああっ♡ ダメですっ♡」

「初心な反応、いいよぉ、そそるよぉ」

 下卑た笑みを浮かべながら、男はブラも剥ぎ取ってしまう。隠されていた乳房の先端が、ついに姿を現した。

 焦れる彼女の内心を示すかのように、それは固く勃起して存在を主張している。

 男は何の躊躇いもなく乳首に手を伸ばし、親指と人差し指で摘まんでコリコリと弄る。

「んんっ♡ あぁっ♡ はぁっ♡ あっ♡」

「敏感だ。じゃあこれはどうかな」

 摘まむのをやめ、今度は爪を立てて左右にカリカリと引っ掻く。

「ああっ、それダメっ♡ あぁぁっ♡ あん、ふあぁっ♡」

 反応は早かった。内股になり、中腰気味で尻を左右に揺らし、身をよじらせ始める。

 そんな彼女の痴態を楽しみつつ、男は祈の心を着実に屈服させようとしていた。

「そろそろ、ベッドに行こうか」

「……♡」

 首を横に振る祈。だがやはり、それ以上の抵抗はない。男も最早聞くまでもないと判断し、彼女のスカートを素早く脱がすと、手を取ってベッドへと運んでしまう。

 祈の身体が優しく投げ出され、ベッドのスプリングが微かに音を立てた。

 半裸の状態でベッドに横たわり、期待に満ちた瞳で中年太りの男を見つめる祈。彼女自身、そんな顔をしているとは全く自覚していない。身体の方が、既に男に堕とされかかっている何よりの証だった。

 そんな様子を見て、男はカバンから三脚を取り出す。レンズがベッドを向くようにスマホをセットし、録画を開始する。

 ポン、という小さい音に気付いた祈が、咄嗟に両腕で身を隠した。

「なっ、撮らないでくださいっ」

「いいじゃないか、誰にも見せないから」

「ナンパ男の言葉なんか信用できませんっ」

「そうか……じゃあ良いって言ってもらえるまで、身体に聞いてみようねぇ」

 そう言うと、男は一度スマホを取り外す。そしてズボンを脱ぎ捨てると、祈と同じようにベッドに上がり、彼女の後ろに回った。

 背後というのは、人体において最も無防備な場所。それ故に、警戒心が強い彼女であればそんな真似を許すはずがないのだが。

 実際には男の身体に背を預け、完全に身を任せていた。縞々のニーソックスに包まれた脚を掴まれても、小さい声を上げて身をよじらせるだけ。

 そんなことで男の腕を振り払えるわけもなく、彼女はいとも容易くまんぐり固めの格好で拘束されてしまう。ブラと同色のショーツを隠すことも出来ず、彼女は頬を赤らめる。秘穴を包む部分はしとどに濡れそぼり、黒い染みを大きく作っていた。

「ぐひひ、パンツびしょびしょだねぇ。オジサンも興奮してきたぞぉ」

 そしてそんな彼女の眼前に、男の巨大すぎる逸物が君臨した。

「な……♡ なんですか、これ……♡」

 二十センチをゆうに超える長さ、彼女の腕ほどもあろうかという太さ。そしてメスの弱い部分をくまなく抉り穿る凶悪な形状。どれをとっても女殺しと呼んで遜色ない極大のペニスが、彼女の顔の前で悠々とそそり立っている。

 そんなペニスからは強く濃厚なオスのフェロモンが漂っており、至近距離から彼女の嗅覚を支配する。

 駅前で出会った時から彼女を魅了しようとしていた香り。それを鼻先に直接当てられれば、いかに気丈な彼女と言えど発情するのは避けられないことであった。

「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」

 途端に息が荒くなり、ペニスから目が離せなくなる祈。そうして呼吸をするたびに、オスの匂いを肺に取り込んでしまうことになるというのに、彼女はそれを止められない。

(くっっっさ♡ これ、絶対にダメっ♡ 嗅ぎ続けたらおかしくなるっ♡)

 そんな彼女の内心など露知らず、男は濡れそぼった秘部をショーツ越しに指で撫で上げる。

「ふあぁぁっ♡ そこはぁっ♡ あんっ♡」

「撮ってもいいって言うまで、この綺麗な筋マンを指でイジメてあげるからねぇ」

 祈にとって、地獄とも言える時間が始まった。



 十分後。

「お゛っ♡ やめてっ♡ あ゛っ♡」

「敏感だねぇ、パンツの上からイジってるだけなのに」

「ひぅっ♡ ふぅっ♡ おちんちん、くさいっ♡」



 三十分後。

「あ゛っ♡ も、イぐっ……あっ……♡」

「んー? どうかしたかい? 要望があれば聞くよぉ……おぉ、もうマンコはぐっちゃぐちゃだねぇ」

「……何でもありませんっ♡」



 一時間後。

「ふーっ♡ ふーっ♡ なんでっ♡ イく直前でやめちゃうんですかっ♡」

「オジサンの気分だよぉ。もし撮っていいって言ってくれたら、イかせてあげようかなぁ」

「……っ♡ 分かりましたっ♡ 好きに撮っていいですからっ♡ それ、もっと激しくっ♡」

「それってどれのことかなぁ? もしかして、手マンのこと言ってる?」

 言葉と共に、男は膣内を掻き回すように指を動かす。グチュグチュという湿った音が、祈の耳にも届いていた。

 たっぷりと寸止めで焦らされた彼女の精神は、とうに限界を迎えていた。

「……そうですっ♡ 手マンでイかせて欲しいんですっ♡」

「よく言えました。じゃあ、思い切りイっていいよぉ」

 途端に男の指遣いが激しくなる。それまでとは違って、確実に絶頂へと至らせようとする強い意志すら感じるその動きに、祈はシーツを握り締めて備えるほかない。

「あっ♡ あっ♡ あっあっあっ♡ うお゛っ♡ も、イぐっ♡ お゛っ♡ お゛っお゛っお゛っ♡ お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡ お゛っ、ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」

 身体をビクビクと跳ねさせながら、祈は待ち望んだ絶頂に至る。だが、男は指を止めなかった。

「お゛っ♡ まってっ♡ いまイってるっ♡ イってますからっ♡」

「いいんだよぉ、我慢しなくて。好きなだけイこうねぇ」

「うお゛ぉぉぉっ♡ ひっ♡ いったん、とめてっ♡ あ゛っ♡ あ゛っあ゛っあ゛っ♡ らめ、まらイぐぅぅぅぅぅ♡」

 ぷっしゃぁぁぁぁぁぁ……と音を立てて、彼女は絶頂と共に潮を噴いた。透明な液体が彼女の尿道から放たれ、綺麗な放物線を描いてベッドに染みを作っていく。

「綺麗な潮吹き出来て偉いねぇ。まだ撮ってないのが残念だよぉ」

 そう言って男は拘束を解き、ベッドを降りてカメラをセットする。その間の彼女はといえば、ひっくり返ったカエルのようにだらしなく足を開きながら、身体を震わせるだけであった。

「お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉ……っ♡」

(おちんちんっ♡ おちんちん欲しいっ♡ ずっと目の前でくっっっっさい匂いしてたあのおちんちんが欲しいっ♡ 早く早く早くっ♡)

 どんな時も極めて理性的で、理路整然と言葉を紡ぐはずの彼女が、この思考。

 彼女の精神は、最早完全に屈服していた。

「準備完了! それじゃ自己紹介してもらうよぉ、ほら起きて起きて」

 男はいつの間にかペニスにゴムを装着して、祈を抱く用意を整えていた。男に肩を抱かれながら、祈は無理やり身体を起こさせられる。そのままベッドの縁まで運ばれると、男の膝の上に腰掛けさせられた。

 屹立する肉棒の感触を臀部に覚えながら、祈はカメラに顔を向ける。

「はい。学校名と学年、名前をどうぞ」

「……鈴ヶ丘学園2年、不知火祈です」

「祈ちゃんかぁ、可愛い名前だねぇ。スリーサイズも教えてもらおうかなぁ」

「……86・57・84です」

「うお、スタイル超いいねぇ。今日はどうしてホテルにいるのかなぁ」

「白々しいですね、あなたがナンパしたんでしょう」

「いいからいいから、そういうプレイだと思ってよぉ」

「はぁ……今日はこのおじさんにナンパされて、無理やり連れ込まれました」

「でも、抵抗しなかったよねぇ? 助けを求めるチャンスはいくらでもあったのに。祈ちゃんも期待してたんじゃないかなぁ」

「それは……」

 普段の彼女ならば、即座に否定の言葉を述べていたはずだ。答えに窮したのが、答えと言ってよかった。

 今なお背後に感じる、熱い欲望の象徴。目の前でその存在を見せられ、オスの匂いに嗅覚を支配されながら絶頂の寸前で焦らされ続けた結果、彼女の心も身体もそれを欲して渇き切っていた。

 彼女に唯一心残りがあったとすれば、それは花咲遊真の存在。祈は彼を、何だかんだと言いつつも好ましく思っている。故に、この男の言葉には拒絶を示さねばならない。

 はず、なのに。

「………………はい」

 消え入りそうな声で男の言葉を肯定する祈を見て、男は満足そうに口の端を吊り上げる。

「じゃあ早速いいかな」

「……言わせないでください」

「それじゃ、祈ちゃんの熱々マンコ……いただきまーす」

「ひっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 男はショーツをずらし、はち切れんばかりに怒張した巨大な肉棒で祈の膣穴を貫いた。ブツリと何かが破ける感触と共に、鋭い痛みが祈を襲う。性器の接合部からは、破瓜の証である鮮血が流れ落ちていた。

「おお……祈ちゃん、処女だったんだねぇ」

「……ええ、そうですよっ♡ 初めてだったんですっ♡」

 痛みに顔を顰めながら、未踏の地を蹂躙する肉棒の感触に戸惑う祈。そんな彼女を、男は後ろからひしっと抱き締める。

「そっかぁ、じゃあ慣れるまでこのままでいようねぇ」

 祈よりも遥かに大柄で分厚い身体が、彼女の細身を包み込むかのように抱いている。全身から伝わる男の体温が、祈の心を確かに落ち着けていく。

 男は祈の乳房に右手を伸ばし優しく揉み込み、左手の指で陰核を摘まみコリコリと捏ねる。二箇所から伝わる快感が、膣の痛みを少しばかり和らげる。

(こんなおじさんに抱き締められて、安心してる……♡ 腕、太くて、力強い……これが、男なんだ……♡)

 彼女の中から、花咲遊真の姿が急速に遠ざかっていく。今の彼女を満たすのは、中年太りの冴えない男であった。

 その男のペニスは、彼女の子宮をグリグリと押し込み、射精の瞬間を今か今かと待ち望んでビクビクと震えている。

「んっ♡ あっ♡」

 慣れてきたのか、祈の声に甘い色が浮かび始めた。その様子を見て、男は彼女に問いかける。

「動くよぉ」

 言葉はなく、祈は首を縦に一度振った。ベッドのスプリングを利用して、男は弾むように腰を動かす。

「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛ぁぁぁぁぁっ♡」

 男のペニスが出入りする度、彼女の頭から想い人の姿が消えていく。子宮口をノックされる度、彼女を抱き締める温もりへの慕情が入れ替わるようにして生まれていく。

「うおっ、祈ちゃんのナカ、具合良すぎだねぇ」

「あなたの、おちんちんがっ♡ 私の中でっ、暴れてますっ♡ ひぐっ♡ あぁぁっ♡」

「締め付けも強っ……気を抜くと、すぐにでも搾り取られそうだねぇ」

 前戯で焦らされ続けたことで、彼女の膣穴は男の剛直をすぐに受け入れた。今は痛みよりも、快感の方が大きくなっていた。

「お゛っ♡ お゛ぉっ♡ お゛っ♡」

 彼女自身も知らない性感帯を、ペニスがしつこく刺激していく。子宮口の周りを小突かれる度に嬌声が漏れ、立ち昇る未知の快感が再度の絶頂を引き起こそうとする。

「ひうっ♡ んんっ♡ んあぁぁっ♡ またイっちゃうっ♡ イくイくイくっ♡ ひぐぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡」

 身体を仰け反らせながら、祈は再び絶頂した。それに伴って、彼女の膣も急激に狭まって男のペニスを締め付ける。子宮口は子種を求めて亀頭に吸い付き、決して離すまいとディープキスを交わす。

「おっ、イったねぇ」

「ちょっ、分かってるならっ♡ 腰、止めてくださいっ♡ あぁぁぁっ♡」

 彼女の事情などお構いなしに、男は腰を弾ませ続ける。スプリングがギシギシと大きな音を立て、反り返ったペニスが彼女の性感帯を余すところなく刺激し、開発していく。

「ひぅぅぅぅっ♡ あぁぁぁっ♡ あんっ♡ あぁぁっ♡ ふぅぅっ♡ ううっ♡」

「ほら祈ちゃん、ベロチューしよう」

「あむっ♡ ちゅるちゅる♡ れろれろれろれろ♡ んむぅぅぅぅ♡ んんぅぅっ♡」

 言われるがままに、祈は身体を捻って男と唇を交わし、舌を絡め合う。お互いの唾液が口内を行き交う度に、祈の胸中が熱いもので満たされていく。中年男への嫌悪感など、もう微塵も残っていなかった。

「ぱぁ……何してるんですか♡ これであなたが満足する訳ないでしょうっ♡ もっとキスしてくださいっ♡ おちんちんも、もっとっ♡」

「ほぉ、言ってくれるじゃないか……じゃあ遠慮なく行くぞッ!!」

 男はタガが外れたかのように、ペニスを何度も最奥へと打ち付ける。性感帯をイジメ抜かれ、祈の嬌声は更に大きくなっていく。

 気付けば彼女の方も、男のペニスを迎え入れるように腰を振っていた。

「はぁぁぁぁっ♡ あぁぁぁっ♡ んむっ♡ ちゅりゅ、れりゅれりゅれりゅ♡ れろれろれろれろ、ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「ふぅぅぅ、もう出るッ! 祈のマンコに全部出すッ!」

「あぐぅぅっ♡ あ゛っ♡ いいですよっ♡ 来てくださいっ♡ 熱い精液、全部出してくださいっ♡ お゛ぉぉっ♡」

「イくぞ、祈ッ! お前もイけッ!」

「はいっ♡ 私もっ♡ イきますぅぅっ♡ うお゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉっ♡ お゛っ、お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」

「くぅぅぅぅっ、出るッ!」

 とどめの一撃。男は祈を一際強く抱き締めながら、亀頭を子宮口に押し付け射精した。

 同時に祈も絶頂し、膣全体でペニスを締め上げ子種をねだる。

「ふあぁぁぁぁぁぁぁっ♡ 中で、震えて……♡ まだ、出てるっ♡」

「うおぉ……締め付けヤバすぎ……極上だ……」

 しばらく二人は繋がったまま、無言で絶頂の余韻に浸っていた。男は祈の首筋に吸い付き、赤い腫れ痕を残す。祈の方も、逃げるでもなくそれを受け入れていた。

 やがて、男が口を開く。

「……こんな可愛い子が今日だけなんて勿体ないよねぇ……。祈ちゃん、オジサンのお嫁さんになってよぉ。オジサンねぇ、祈ちゃんみたいな可愛い子、いっぱいお嫁さんにしてるんだよねぇ。君もハーレム入りして欲しいなぁ」

「ふー、ふー……♡ はー、はー……お断りします……♡ 群れるのは嫌いですし、人付き合いなんて面倒なだけなので……♡」

「そんなの知らないよぉ、オジサンはそうするって決めたからねぇ」

「勝手なこと言わないでください♡ でも……♡」

 男の言葉を拒みつつも、祈はニヤリと笑みを浮かべる。

「あの映像がある限り、私はあなたに逆らえませんから……♡ 呼ばれればいつでもおまんこを差し出す、都合のいい女……所謂セフレにはなるしかありませんね♡」

「……ふふ、今はそれでいいよぉ。いずれ必ずオジサンのお嫁さんにしてあげるからねぇ」

「上等です♡ やれるものならやってみてください♡」

 挑発的な顔と共に、祈は男を熱っぽく見つめる。

 男は未だ硬度を保ったままのペニスを引き抜き、ゴムを外して口を結んだ。先端に溜まった精液は、水風船もかくやというほどの量でゴムを膨らませていた。

「こんなにいっぱい、中に出されていたんですね……♡」

「ぐふふ、まだまだこれからだよぉ。ご両親に連絡しておいてねぇ」

「ふっ。私の中でみっともなくイったあなたがどこまでもつのか、見ものですね♡」

 彼女の頭には、想い人であったはずの花咲遊真のことなど、もう欠片も残っていなかった。







 その夜。

 二十四時間営業のドラッグストアに、一組の男女がやってきた。

「らっしゃーせー」

 夜勤で入っていた男性店員は、気だるげな声で事務的に来客を迎える。

「ぐひひ、やっぱり足りなくなったねぇ」

「ちょっと、店の中でお尻を揉まないでくださいっ♡」

「いいじゃないか、恋人同士なんだから」

「誰が恋人同士ですか♡ 私とあなたはまだセフレです♡」

「まだってことは、いつかは恋人同士になるんだねぇ」

 くだらない痴話喧嘩に、店員は眉をひそめる。ただでさえ面倒な夜中の時間帯に、聞いているだけでイライラしてくるような会話をしているのはどこのどいつだと目を向けてみれば――

 そこにあるのは、不釣り合いという言葉だけでは表現できないほどの不均等。

 みっともなく贅肉を肥やした、冴えない顔つきの中年男。その傍らに侍っているのは、膝まで届く美麗な銀髪をたなびかせる、メリハリのついた扇情的な身体つきの超絶美少女。

 美女と野獣などという表現では野獣の側に失礼だろうとしか思えないほどに不釣り合いな二人組が、恋人もかくやという距離感でイチャついていた。

「うん、ゴムはこれだけあれば足りるかなぁ……ああ、そういえば夜食べてないよねぇ。戻る時にコンビニで適当に買っておこうか」

「今更ご飯ですか?♡ まあいいですけど♡」

「じゃ、祈ちゃんが買ってきてくれるかい。お金はオジサンが出すから」

「なんでですか、自分で買えばいいでしょうっ♡」

「いいからいいから。すぐ使うから袋はいらないって言うんだよぉ」

 そう言いつつも、彼女は男から金を受け取り、コンドームの箱を手に持ってレジへとやってくる。

「あの……袋はいりません♡ すぐ使いますから♡」

「あ、はい……」

 店員にとっては信じ難いことであったが、この美女が後ろで待つ冴えない中年のデブ男とセックスをするらしい。

「あの、もし何なら、警察呼びましょうか?」

 何か逆らえない事情があって、この女性は脅されているのかもしれない。こう考えた店員は親切心から申し出るのだが、

「いえ、大丈夫です♡ 合意の上ですから♡」

 即答であった。恋する乙女のように頬を赤らめながらそう答える彼女の姿を見れば、それ以上野暮なことは言えなかった。

「ありがとうございましたー……」

 去り行く美少女の背中を、店員は呆然と見つめる。やがて件の男が隣にやってくると、美しい形の尻に手を這わせ、むぎゅむぎゅと揉みしだいた。

 祈と呼ばれた少女は抵抗らしい抵抗も見せず、逆に男にしなだれかかるばかり。

 どこがセフレだよ、カップルだろうが。そうボヤきながら、店員は今日のオナネタを決定したのだった。





 結局その晩、祈と男は交わり続けた。

 朝になり、学園があるからと祈は解放されたが――一度冷静になると、とんでもないことをしてしまったという後悔が彼女を襲った。

 あの肥満体な中年男に身体を許し、あまつさえ撮影までもさせてしまうなど、彼女からすればありえないことであった。

 夢か何かだと逃避もしたくなるような話ではあったが、

「……っ♡」

 彼女の端末には、男の連絡先がばっちりと記録されている。そして、次の呼び出しの時間を記したメールも。

 あろうことか、次の夜――つまりは今夜、同じ場所でまた会えという事らしい。

 勿論、彼女には選択肢が無限にある。例えば、手近な交番に駆け込んでこのメールを見せれば、それだけで男との関係は断ち切ることが出来るであろう。

 だが、彼女はそうしなかった。できなかった。

 男の巨根を、膣全体で一晩中味わってしまったから。

 こうしている今も、あの男のペニスと、それにもたらされる快感を求めて心が渇いてしまうから。

 何より、こうして勝手な都合で振り回されることを、どこか心地よく思ってしまっていたから。

 本来、彼女は他人と必要以上に関わることを厭う性格だ。自他の境界を明確に線引きし、そこを超えてくる者を強烈に拒絶する。人付き合いが苦手で不器用な彼女は、自分を守るためにそうするしかなかった。

 更に言えば、自分勝手で他人を振り回す人間を、彼女は猛烈に嫌悪する。それは亡くした兄がそうであり、その皺寄せを祈が被ることになったから。

 だけどその拒絶は、憧れの裏返し。そうなりたかったという希望。それがあるからこそ、兄に似ていい加減な男であった花咲遊真を好ましく思っていたのだ。

 そしてその好意が、今はあの中年男に向けられている。一度男に強引に抱き潰されたことで、無自覚のうちに中年太りの男への期待が芽生えてしまっていた。

 故に、彼女が取った行動は。

『分かりました』

 そう、返答することだけだった。









 幽霊部の部室で、祈は平然を装って過ごす。

 花咲遊真の姿はない。彼女にはその理由は分からないが、兎にも角にも欠席であった。

 だが、幽霊部員は彼だけではない。彼を幽霊部に引き込んだ張本人、玖音彩乃がいつものように過ごしていた。

 彩乃は祈の姿を見て、心配そうに声をかける。

「祈ちゃん、昨日はどうしたの?」

「別に、何もありませんよ」

 何のことはなく、祈は昨晩の外泊の理由に彩乃を使っていて、口裏合わせをして欲しいと連絡が来ただけだ。だが聡明な彩乃は、祈がそんなことを頼む理由を凡そ察していた。

 女友達の家に泊まるなら、口裏合わせなんて必要ない。外泊先の家族に言付けをしておけばよく、わざわざ彩乃に連絡が来ることはあり得ない。

 つまり、祈は両親に言えないようなやましい外出をしているという所に帰結するのだ。

 可能性として最も高いのは花咲遊真と過ごしたことであるが、そうであれば部室に彼の姿が見えない理由に説明がつかない。彼の性格を考えれば、一晩を共に過ごす仲になった祈を放っておくとは考えにくいためだ。

 よって、何か良くないことに巻き込まれている。彩乃はそう結論付けて声をかけたのだが、祈からの返答は素っ気ない。

「ふーん、そっか。もし困ったことがあったら、いつでも話してね」

「お気遣いどうも。私は大丈夫です」

 相も変わらず、自分のテリトリーに他者を踏み込ませない態度を取る彼女の頬が僅かに紅潮していることを、彩乃は見逃さなかった。







 そして、その夜。

「おっ、来たねぇ」

「あなたが呼び出したんでしょう」

「断るって選択肢もあっただろう?」

「……昨日の動画がどこかに残っているかもしれないじゃないですか。あれがある限り、私はあなたに逆らえないんですよ♡」

 最早それが口実でしかないことは、祈本人にも分かっていた。男はあれを誰にも見せないと言うし、何なら朝別れる前に彼女の眼前でデータを消して見せた。この時点で、ハメ撮りが残っているのは祈が持つ携帯端末だけ。消す直前に男のスマホから転送されたそれだけが、昨晩の痴態を残した唯一の記録だ。

 それが分かっているのに、祈は白々しいことを言う。素直になれない彼女なりの意思表示を、男は確かに受け取った。

「それもそうだねぇ……じゃ、まずはご飯にしよう。昨日は食べそびれたまま始めちゃったからねぇ」

「ええ、構いませんよ。せいぜい私を堕とせるよう、精を付けておくといいです♡」





「くおぉぉっ、出るぅぅぅッ!」

 そして今日も、男は精を吐き出していく。祈の良く鍛えられたしなやかな両脚を抱き締めながら、彼女の膣内に白濁を注ぎ込む。

「あ゛ぁぁぁぁぁっ♡ また、中でぇっ♡」

「すぅぅぅぅぅぅ、くんくん。うお、祈の蒸れ蒸れニーソ足裏の香り最高……ッ! いくらでも射精できるッ!」

「なっ、そんなところ嗅がないでくださいっ♡ あっ、本当にまだ出てるっ♡ どれだけ出すつもりですかっ♡」

 羞恥に顔を赤らめながらも、男の精を受け入れる祈。その様がまた男の支配欲を掻き立て、精液を搾り取っていく。

 やがて長い射精が終わり、男がペニスを引き抜くと、その先端には溜まりに溜まった精液が相も変わらず巨大な膨らみを作っている。

「ふー、搾り取られたぁ……さて、次は……おっと」

 コンドームを付け替えようとして、箱が空であることに男は気付いた。

「もうゴムが無くなっちゃったよぉ。昨日買ったのにねぇ」

「なら、また買いに行きましょうか」

「それなんだけど……」

 身支度をしようとする祈を制して、男は一つの提案をする。

「祈ちゃんが良ければ、ナマでどうだい?」

「……っ♡」

 ナマ、すなわちコンドームを用いない性交。いつか来るかもしれないと彼女が身構えていたそれが、出会って二日で求められる。

 常識で考えれば拒絶するべき要求。だが、彼女は。

「……好きにすればいいじゃないですか。何度も言っているでしょう、私には拒否権なんてないんですよ♡」

 誘うような笑みを浮かべ、祈は自分から股を広げてペニスを迎え入れようとする。男の言葉に、抗う素振りも見せなかった。

「ぐひひっ。据え膳食わぬは男の恥だからねぇ、じっくり味わわせてもらうよぉ」

 男は逸物を祈の膣穴にあてがい、ごく浅い部分だけで出し入れする。それはさながら、キスでもするかのように。

「あっ♡ ちょっとっ♡ 遊ばないでくださいっ♡」

「祈ちゃんのマンコ、愛液で糸引いてるぅ。エッロ」

「やっ、そんなところ見るなっ♡」

「うひひぃ、それじゃ今度こそ……いただきまーすッ」

 反り返ったペニスが、祈の膣襞を掻き分けて、奥へ奥へと潜り込んでいく。

「ほお゛ぉぉぉぉぉぉ……っ♡ お゛ぉぉぉぉぉぉっ♡ なに、これぇ……♡」

「どうだい祈ちゃん、ナマのチンポの感触は」

「ひうっ♡ あっ♡ はぁ、はぁ……こんなもの、ですか?♡ 大したことありませんね♡」

「言うねえ、生意気言う子にはしっかり分からせてあげないと」

 それが祈なりのおねだりだと理解した男は、種付けプレスの構えで彼女に覆い被さる。

「今日こそオジサンのお嫁さんになってもらうよぉ、祈ちゃん」

「無駄ですよ、私が受け入れることなんてありませ――んんんんんっ♡」

 言葉の途中で、男は最奥まで突き入れたペニスをずりゅりゅりゅ……と引き抜く。

 高く張ったカリ首とエラが、祈の性感帯を余すことなく刺激していた。

「う゛お゛ぉぉっ♡ おなか、めくれっ♡ これ、まずいですっ♡ いったんとめてっ♡」

「待たないよぉ、挑発してきたのはそっちだから……なッ!!」

 ばちゅばちゅばちゅ!! と激しく音を立てながら、男はペニスで祈の秘穴を穿り回す。

 祈は目を白黒させながら、獣のような声を上げて快感に耐えるしかない。

「お゛ぉぉっ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉぉっ♡ お゛っ♡」

(生のおちんちん、凄すぎる……♡ こんなの、我慢できないっ♡)

「も、無理っ♡ イぐっ♡ イぐイぐイぐっ♡ イっぐぅぅぅぅぅっ♡」

 身体を大きく震わせながら祈は絶頂するが、男はお構いなしに抽送を続ける。

「あ゛っ♡ も、むりですっ♡ イってるっ♡ イってるからっ♡」

「くおぉぉ、生で味わう祈のマンコ格別すぎるッ」

「ひぐぅぅぅっ♡ だめっ♡ わたし、おかしくなるぅぅっ♡」

「上の口がお留守だぞ、祈ッ! ぢゅるるるるるるるる」

「んむぅぅぅっ♡ れるれるれるれる♡ ぢゅるるるるるる♡ れろれろれろれろ、ぢゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

 知らず知らずのうちに、祈の両腕は男の背に回されていた。縞々柄のニーソックスに包まれた両脚は男の臀部の辺りをホールドし、膣内射精を促すかのように男を拘束する。

「ほら、イけ祈ッ! キスハメで何度でもイけッ!」

「んぢゅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡ んむっ、んぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

 唇を重ね合い、舌を絡ませ合いながら、祈は二度目の絶頂に至った。どちらの唾液なのかも分からなくなるほど濃厚に交わり合いながら、目の前の男の欲望を一心に受け入れる。

 子宮は完全に降り切って、孕む準備を始めていた。その入口は亀頭に吸い付き、子種を飲み干さんと強烈にバキュームする。更にそれを手助けするように、膣襞が蠕動し男根を奥へ奥へと誘うように撫で回す。加えて、絶頂に伴う膣穴の収縮が男の逸物を締め上げる。

 一刻も早く子を孕むべく、祈の雌の機能が全力で男に奉仕していた。

 これほどまでに健気に愛されて、男の方も黙っているわけはない。責める個所によって変わる反応を楽しみながら、高まる射精感を堪えて祈の乳房を鷲掴みにする。

「ふぅぅぅぅ……胸柔らかすぎる……いつまでも揉んでやるからなッ」

「ひっ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛ぁぁぁっ♡ あ゛っ♡ お゛ぉぉっ♡」

 気を抜けば絶頂に至りそうな快感の中で、男は祈という極上の美女を余すところなく楽しみ続けた。

「んぅぅぅぅっ♡ 乳首っ、イジメないでっ♡ もうっ、吸うなっ♡ 赤ちゃんですかっ♡」

「うるさい、もうオレだけのモノだぞッ! 他の男に触らせるなよッ!」

「そんな、勝手なっ♡ あ゛ぁぁぁぁっ♡」

 身勝手な物言いで、男は祈を私物化する。彼女が最も嫌がるはずのそれが、今の彼女にとっては何よりも嬉しいことになっていた。

「祈ッ、出すぞッ! 祈のナカに生で出すッ! 孕ませるッ!」

「んんんっ♡ はやくっ♡ はやくイってくださいぃぃぃっ♡ でないと、わたしっ♡ ほんとにおかしくなるっ♡」

「うおぉぉぉ、出るッ! 祈、好きだッ!」

「好きとか、言うなぁ♡ あむっ、いまキスらめっ♡ わらひまれすきになるっ♡ あ゛っ、まらイぐっ♡ イぐイぐイぐイぐぅぅぅぅっ♡ お゛っ、お゛ぉぉぉぉぉっ♡」

「いいぞ、お前もイけッ! 孕めッ!!」

「んぐっ、イっ……ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡」

 どびゅるるるるるるるる!! という音が聞こえそうなほどの勢いで、大量の白濁が祈の膣内へ解き放たれた。

 子宮が精液で満たされる。初めて味わう生の射精の感覚に、祈はただよがることしかできなかった。

「お゛ぉぉぉぉっ♡ まだ出てるぅぅっ♡ 出し過ぎですっ♡ 本当に孕ませる気ですかぁっ♡」

「オレの子供産め、孕め祈ぃ……ッ」

 男は祈の子宮口に亀頭を押し付け、一滴も漏らさないとばかりに密着させて射精を続ける。どくどくと脈動するペニスから吐き出される子種が、祈の子宮内を占領していく。

 過剰な快感を受けて、祈の四肢に意図せず力が篭もる。立てられた爪が男の肌に食い込み、肌から鮮血を滲ませる。

「お゛っ♡ お゛っ♡ お゛ぉぉぉ…………っ♡」

 そのまま数分間、二人は繋がったままでいた。ごぽっと音を立てて引き抜かれた男根と膣穴の間で、精液が糸を引いていた。入り切らなかった精液が膣から溢れベッドを汚していく。

「お腹、熱い……これが、射精……♡」

「ふおおお……祈の生マンコ最高だったぁ……ありがとう」

 言いながら、男は祈の頭を優しく撫でる。全身で感じる温もりが、『雪女』と呼ばれた美少女を熱で浮かせていく。

(あっ……ダメ♡ これ、もう否定できない……♡)

 強く逞しい雄に愛され、彼女の心が大きく揺れ動く。

(私は……この人のことが……♡)

 その脳裏に、かつての想い人の姿はない。最早かつて誰を好きであったのか、名前も姿も思い出せない。

 今、彼女の心をときめかせるのは、冴えない中年太りのエロオヤジだ。

 だけど、それを認めるのは癪だから。彼女はあくまで、今まで通りの振る舞いを貫こうとする。

「祈、好きだ……オレのお嫁さんになれ……」

「お断りします……♡ 私は一人で生きていくんです……ハーレムなんて群れには加わりません♡」

「そんなの認めない。絶対にオジサンのお嫁さんにするッ」

「……どうしてですか? どうしてそんなに、私にこだわるんですか」

「好きに理由なんか必要ないよぉ、当たり前のことじゃないか」

「……ふふっ。馬鹿ですね、あなたは♡」

 満更でもなさそうな顔で、祈は男の背を撫でた。自分の爪で傷付けた辺りを、彼女は愛おしげにあやす。

「付き合ってもいないのに、結婚なんてする訳ないでしょう♡ まずは彼氏彼女から、です♡」

「じゃあ、言い方を変えよう。祈、好きだ。オジサンの彼女になってくれ」

「……ええ、いいですよ。あなたが私を好きでいる間は、私もあなたの彼女でいてあげます♡」

「やったぁ……祈ぃ、愛してるぞぉ。祈はどうなんだい?」

「答える理由がありませんね♡」

「あるよぉ、彼女なんだから。答えなさいっ」

「……っ♡ 私も、あなたが好きですよ♡ これで満足ですか♡」

「うんうん! それじゃ恋人になった記念に……この後、オジサンとデートしようか」

「構いませんよ」

 即答。恋人であることも否定せず、ただ男の言葉を受け入れる。大袈裟に喜ぶ男を見て、祈は次の言葉を紡ぐ。

「ただし、条件があります。……あなたの名前、教えてください」

「あっ、名乗ってなかったっけ。忘れてたよぉ」

「ええ。恋人の名前も呼べないなんて馬鹿な事がありますか?」

「それもそうだ。オジサンは片丘太志って言うんだ。改めてよろしくねぇ、祈」

「……こちらこそ、よろしくお願いします……太志♡」

 ここにまた一つ。正式に、カップルが成立した。

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Final_Fiend 2024/02/01 04:09

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Final_Fiend 2024/01/25 04:10

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Final_Fiend 2024/01/20 05:29

ゆずソフトNTRハーレム リドルジョーカーでNTR報告モノ

 夏休みを間近に控えた瑞花学院。いつも通りに登校してきた谷風李空は、自分の席周辺に集まる女子たちを見て、げんなりとした表情を浮かべる。

「んでー、太っちょが『パンケーキ、たらふく食べに行きたいねぇ』とか言い出してさー」

「ふぁはは、何それ! 店でいくらでも食べられるのに……ダーリン可愛すぎじゃん」

「ウチもそう言ったんよ。そしたらアイツ、思い出したーみたいな顔でさ……ぷくく、今思い出してもウケる……」

「ふふふ。でも確かに、店でもセックスしてばかりで、食べている所はあまり見ないわね」

「ええ。この間も、私と太志さんで……」

「確かあの時は、休憩時間が終わっても戻ってこなくて、僕と天音で呼びに行ったんだったね」

 同級生の女子たちが、夫である片丘太志の話で盛り上がっていたからだ。彼女たちは一様に、左手の薬指に白銀の指輪を着けている。それは彼女たちが中年太りの冴えないエロオヤジの生涯の伴侶であり、彼を生涯愛し続けるという誓いを現すもの。

「あっ、谷風クン! おはよー」

「よーっす」

「よすよすー」

 李空に気付いた来海たちは、これまでと変わらぬ様子で彼に声をかけてくる。だがかつてと違い、来海は机から立ち上がる素振りは見せない。

 このまま聞かせてやった方が喜ぶことを、彼女もまた知っているからだ。

「あっ、ヤバ。今日ウチの当番なのにゴム買ってないわ。帰りに店寄らなきゃ」

「えー、いいんじゃない? 生で」

 カエデの衝撃発言に、李空は俯きながらも目を見開く。

「いやー、学院辞めんのはちょっとね」

「でもアタシもみんなも、あの日からずっと生ハメだよ?」

「妾なんか、危険日を狙って当番に入るようにしてるわよ? オリエだってそうだもの」

「姫様っ、それは秘密とあれほど……!」

「僕も気にすることは無いと思う。今となっては、太志と生でしていない方が珍しいからね」

 誰も彼もが、夫の子種を受け入れたいと、そう強く願っている様を間近で聞かされる李空。そんな彼に向けて、かぐ耶は何かを思い出したように声を上げた。

「そうだわ、李空。アナタに渡すものがあるのよ」

「……なんだよ?」

「それはね……これ。コンドームよ」

 そう言って彼女は、0.01とデカデカと書かれた、目に優しくない色の箱を李空に手渡す。

「どういう意味だ?」

「妾にはもう不要なのよ。太志の子供を孕むと決めたから。だから、それは李空にあげるわ。太志に合わせたサイズだから、李空のそれには大きすぎると思うけれど……使う機会があれば使ってちょうだい」

「あっ、アタシのもあげるね」

「僕のも受け取ってくれ」

「では、私のものも……」

 かぐ耶に続き、来海や乃愛、オリエもコンドームを李空に差し出す。そう、彼女たちもまた、それを必要としていない。たった0.01ミリの薄くて分厚い隔たりを、煩わしいことこの上ないと感じていたのは他の妻たちも同じだった。

 不用品を押し付けられたわけだが、そのダメージは他の品々よりも遥かに大きく、彼の胸に突き刺さった。

「李空。女の子とする時は、ちゃんとこれを着けるんだぞ」

「責任の取れないことはしてはダメよ?」

 追い打ちが、李空の心を深く抉った。そんな彼をよそに、来海たちは雑談を再開する。

「そういえばかぐ耶ちゃん、最近ウチの周りをうろついてる『侵入者』ってどうなったの?」

「ああ、七海のこと? もちろん――」







「……怪しいところが、何もない?」

『ああ、不自然なくらいにな』

 数日前の橘花学院・第三寮。多くの学生たちが暮らす寮の一室で、在原暁は自身の所属する組織――情報局特別班、通称「特班」の室長であり、彼の父親でもある在原隆之介と通信を行っていた。

 その内容とは、彼らが所属する特班の調査対象である、「一夫多妻法」と呼ばれる新法の関係者について。

「あんなデタラメな法律の裏に何もないなんてこと、ありえないでしょう?」

『だが現実に、証拠になりうるブツは出てこなかった。それどころか、隠蔽された痕跡すら見つけられないんだ』

「……となると、やはり」

『「上」の予想通り、アストラルが絡んでると見ていいだろうな』

 アストラル。20世紀末に発見された粒子で、この世の超常現象の全てを説明できるとまで言われる超物質。人間の脳とリンクし、超能力とかつて呼ばれていた現象をもたらすそれを以てすれば、多くの人間に催○をかけたり、認識改変を行うなど造作もない。

 多くの反対を押し切って、急とも言えるほどのスピードで可決され、そのまま施行の日を迎えた「一夫多妻法」。その裏に政治的な取引の痕跡がないとは考えにくい。故に、そこにはアストラル能力による何かしらの干渉があるのではないかと、彼らの「上」――即ち政府の者の一部は考えているのだ。

「レヴィ9が調査に当たってる方も?」

『ああ、まるで成果なし。今回の新法で利益を得ている連中のうち、まずは実際に新法に従って多重婚姻を行った人物を軒並み調べさせたが、報告書によれば、どれもこれも政治とは無関係の一般人だった。多重婚姻者に支給される家の建設を担当した業者については調査中だが、中間報告を読む限りではそちらもシロだろう』

「ますます変ですね。誰が聞いても怪しい法律なのに、何もおかしな所がない……」

『そうなれば、アストラルに矛先が向くのは当然ではあるな。なんせ、あり得ないことでも起こせるのがアストラルだ。だからこそ俺たちの出番なわけだが……とはいえ、今はこれ以上できることは無い。立場上、一番怪しい政府内部に探りを入れることは不可能だしな』

「ということは、今は出来ることがないんですか?」

『いや、そうとは限らない』

 隆之介の側から、パラパラと紙をめくる音が連続する。やがてそれが止まると、彼は再び言葉を発した。

『多重婚姻者のなかに、妙なヤツがいる』

「妙、と言うと?」

『ああ。出自も妙だが、家の警備が異様なほどに堅牢だった。他の多重婚姻者の家にはないほどにな。そこの調査はレヴィ9が担当していたはずだが……本人から聞いてないのか?』

 レヴィ9とは、暁の妹である在原七海のコードネームである。彼の妹もまた、非公開組織のエージェントとして暁と共に活動しており、この橘花学院にも暁同様に潜入していた。

「いえ、特には……そいつの名前も知らないくらいですし」

『そうか、なら共有しておこう。……名前は片丘太志。年齢37歳、職業は喫茶店の店員。妻たちと同じ職場で働く、こいつ自身はどこにでもいる普通の男だ』

「こいつ自身は……ということは、妻たちが怪しいという事ですね」

『ああ。繰り返すが、片丘にもその妻たちにも、政治家との接点は一切存在しない。一度潜入したレヴィ9からの報告もシロだった……だが、そこにヒントがあるかもしれん。再度潜入部隊を組むかもしれんから、お前も準備しておけ、レヴィ6』

「わかりました」

『では、定時連絡終わり』

 暁は通話を切り、ほうと息を吐く。下った指示は、要約すれば「待機」の2文字に尽きる。今出来ることは、出動に備えた準備だけ。モヤモヤとしたものが彼の胸に溜まるが、吐き出す当てもなかったため、彼は気持ちを切り替える。まずは同じ案件に当たっている七海と情報共有を行うため、彼女のもとへ行こうとするのだが。

 着信音が、暁の耳を劈いた。そこに表示されているのは、さっき切ったはずの通信相手。

 不審に思いつつも、彼は電話に出るのだが。

 先程までとは打って変わって、緊迫した様子の隆之介の声がした。

『おい暁! 七海は今どこにいる!?』

「どうしたんだよいきなり、ていうか名前――」

『今はそんなことはいい! 七海はどうした!?』

「あいつなら、今日はまだ会ってないけど」

『くっ……先手を打たれたか……やはりあの男が……』

「おい、父さん? いったい何があったんだよ」

『……辞表だ。七海の名前と字で、辞表を送り付けてきたんだよ!』

「…………は!?」







「あれ、暁? どうしたの?」

 焦り顔の暁に声をかけたのは、同級生の周防恭平だった。

「恭平! 七海を見てないか!?」

 大慌てで詰め寄る暁に、恭平は困惑しながらも答えを返す。

「ちょっ、暁、落ち着いて! 七海ちゃんなら三司さんに呼ばれて学生会室に――」

「分かった、ありがとう!」

 それだけ聞いて猛スピードで飛び出していく暁を、恭平は唖然とした顔で見ていた。

「どうしちゃったんだ、暁……?」

 そんな彼を尻目に、暁は学生会室を目指してひた駆ける。彼がそうまでするには理由があった。

 在原七海は、彼の義理の妹……というだけではない。多くの艱難辛苦を共に乗り越えてきた同僚であり、何よりも想いを交わした恋人同士でもあるのだ。そんな彼女の身に何かあったとあれば、落ち着いていられるはずもなかった。

 規則で禁じられているはずの、無許可での能力使用までも行って走力を高めた彼は、あっという間に学内を走り抜けて目的地に辿り着く。

 乱暴に扉を開けば、そこにいるのは呼び出し人であり、学生会長でもある三司あやせと、探していた七海……だけではなく、

「こんにちは、先輩! ……? どうされたんです?」

「やあ、暁君。……息、荒いね。大丈夫?」

「随分と慌てているようだが、何かあったのか?」

 後輩であり七海の友人でもある壬生千咲、学生でありながら研究者としても活躍する式部茉優、同級生にして第三寮の寮長も務める二条院羽月の三人もそこにいた。

 よく見ると、彼女たちは皆一様に意味ありげな笑みを浮かべていたのだが、暁の意識は七海だけに向いていたため、それに気付くことは無かった。

「七海! どういうことなんだ、一体!」

「暁君、落ち着いて。順番に説明するから、まずは座りなよ」

「ああ、わかった……」

 兄の焦りに対し、妹は酷く落ち着いた様子で空いている椅子を指差す。彼が促された通りに座った、その瞬間だった。

「……ッ!? なっ、身体が……!!」

 暁の身体が、まるで押し固められたかのようにピクリとも動かなくなる。かつて彼が体感したことのあるこの感覚は、式部茉優のアストラル能力によるものだ。

「茉優先輩、これはっ」

「……もしもの時のために、ワタシと三司さんも動くつもりだったが」

「どうやら必要なさそうね。良かった」

 羽月とあやせまでもが、ため息を吐きながら言う。千咲もそれを咎めもしないし、戸惑う様子もまるで見せない。まるで、全員が暁の敵であるかのように。

 暁たちが橘花学院に転入してから1年近くが経つ。その間に彼は、七海と恋仲になっただけでなく、この学生会室にいる女子とも友好を深めていた。今彼を拘束しているのは、学院を襲う危険な組織から共に学院を守り抜いた、戦友と呼べるほどの仲だった者たちなのだ。

 それが今では、協力して暁を取り押さえ、何事かを始めようとしている。そんな光景に、彼は不気味さと身の危険を感じる。

「何のつもりだ……!」

「安心して。暁君に危害を加えるつもりはないから」

「じゃあ何でこんな拘束を――」

「……その方が、興奮するでしょ?」

 妖しい笑みを浮かべた七海が、いつも仕事で使っているタブレット端末を取り出した。素早く指を動かした後、それを暁の前の机に置く。

 画面に映っているのは、一本の動画だった。

 そこには、ベッドに腰掛ける贅肉たっぷりの中年男と、一糸纏わぬ姿で男の膝の上に座る七海の姿があった。

『暁くーん、見えてるかな? 今日は暁君に、わたしからお別れのビデオレターを送るね』

「なっ、何だよこれ!?」

「何って、今動画で言ったでしょ」

「そうじゃない、どういうつもりでこんなものを見せるんだ!?」

「……それも動画で説明するから、黙って聞いてて」

 底冷えするほどの声で、七海は暁を諫める。そんな彼女の様子に、さしもの彼も口を結ぶしかなかった。

 口論の間に進んだ分を巻き戻すと、画面の中の七海は嬉しそうに言葉を紡いでいく。

『えっと、この人は片丘太志さん。わたしが調査してた相手で、これからわたしの旦那様になる人です♡』

 その名前は、つい先ほど隆之介から聞いた名前だった。「一夫多妻法」の適用対象である多重婚姻者のうちの要注意人物。

 そんな男を、旦那様呼ばわりするはずがない。つまり七海は既に敵の術中にあると暁は考えるのだが。

『暁君の事だから、太志さんたちがわたしを操ってるとか、そんな風に思ってるんだろうけど……全然違うよ♡ わたしは片丘太志さんのことが、心から大好き♡ だから、暁君とはお別れ♡ ねっ、太志さん♡ キス、しよ?♡ ……はむっ、ちゅぅぅぅぅぅぅぅ♡ ちゅっ、ちゅっ、ちゅぅぅ♡』

 まるで恋人同士のように、七海は男と唇を重ねる。何度も何度も、愛を確かめるバードキスの雨が降る。

「ああ、ここでは言い忘れてたけど、報告書は嘘偽りなくきちんと書いたよ。太志さんもその奥さんにも本当に何もなくて、無関係の一般人だった」

「そうだね。アタシがやった計測でも、リンク値はみんな普通の人と変わらなかったし」

 事実、彼は能力者でも何でもない。当然、魔族でも天使でも死神でもない。信じ難いほどの精力とペニスを持っていることを除けば、どこにでもいる中年男だ。

「つまりですね、先輩は……」

「男として、太志さんに負けたんだ」

「これ以上ないくらい、明確でわかりやすい答えよね」

「………………っ、何だよそれ!」

 激昂し、今にも立ち上がろうとする暁。しかしながら身体はビクともせず、彼を椅子に縫い付けるかのように固定し続ける。

『んんんっ♡ はぁぁぁぁっ♡ 太志さんっ♡ そんなにおっぱい吸っても、まだ母乳出ないよっ♡ あぁっ♡ あっ♡ おっぱい飲みたいなら、はやく赤ちゃん孕ませてっ♡ あんっ♡』

 画面の中では、男が七海の乳首に吸い付き、音を立てながら舐めしゃぶっている。七海も嫌がる素振り一つ見せず、男の欲望を受け入れている。

「暁君もすぐにわかるよ。こんなおチンチンに愛されたら、誰だって太志さんに一生ついていきたくなっちゃうってこと」

 暗転の後、場面転換。七海は男に向けて尻を振り、挿入の時を今か今かと待っている。

 露出した性器を目の当たりにして、暁は度肝を抜かれた。

「…………は?」

「大きくて形も良いでしょ、太志さんのおチンチン♡ 暁君ならわかるよね、これがどんなに凄いのか……」

 凄い、などという言葉で説明できる代物ではないことは、暁にも容易に理解できた。男のペニスは、暁のそれの何倍もあるほどに巨大であり、オスとしての敗北を一瞬で認識せざるを得ないほどの逸物であった。

「これがおまんこに入ってくるだけで、太志さん以外の男の人なんて、みんなどうでも良くなっちゃうんだ。一突きされるたびに、暁君との思い出もどんどん消えちゃって……♡」

『お゛ぉぉぉぉぉぉぉっ♡ やっぱりこれすきっ♡ 太志さんのおチンチンすきぃぃぃぃっ♡』

『お兄ちゃんのとどっちが良いんだい?』

『こっちっ♡ 太志さんの方がいいっ♡ あぁぁっ♡ 暁君のよりっ、ずっと気持ちよくなれるのっ♡ あんっ♡ ねぇっ、もっとっ♡ もっとおチンチンくださいっ♡』

『じゃあ、もうお兄ちゃんとはセックスしちゃダメだぞぉ』

『うんっ♡ もう暁君とはエッチしませんっ♡』

 迷わず兄以外の男を選んだ七海。暁の心に暗いものが湧き上がる。そしてそれは、彼の下腹部へと血を運んでいく。

「ねぇ、暁君。もしかしてだけど……わたしが太志さんに抱かれてる所を見て、興奮してる?」

「……それは、その…………」

「答えてくれないならいいよ、こっちに答えてもらうから」

 七海は暁のズボンのジッパーを下ろし、パンツとズボンの隙間から性器を露出させる。

 姿を覗かせたのは、太志と比べてあまりにも控えめで小さなペニス。

 それを見た七海はため息を吐き、他の4人は蔑むような、あるいは憐れむような声を上げた。

「いやー……おちんちんは可愛いんですね、先輩。こんなのを七海ちゃんの中に入れてたんですか?」

「あー、まあ、うん。アタシはちょっとお断りかな。これじゃ全然気持ち良くなさそうだし、今後の成長も無さそうだからね」

「まったくだ。在原君のような小さくて粗末なモノにはちっとも惹かれない。見てくれ、太志の立派で逞しくて、男らしいこれを……これが、本物の男の象徴だ」

「ふふ。人を偽乳だの平野だの乳部・タイラーだのと呼んでくれた割に、随分と小さくてみっともない粗チンね? 私の胸は太志が愛してくれるけど、アナタのそれはどこの誰が愛してくれるのかしら?」

「……妹が寝取られてる姿で興奮するとか、キモッ。あーあ、こんなキモい人じゃなくて、太志さんに初めてをあげたかったなぁ……」

「くっ……」

 皆、思い思いに暁のペニスを罵倒していく。心を交わしたことも、身体を重ねた初体験も否定され、暁の精神は既にズタズタだ。

 そしてそんな彼に、画面の向こうの七海が追い打ちをかける。

『太志さんっ♡ すきっ♡ だいすきっ♡ すきすきすきすきっ♡』

『オジサンも七海が好きだよぉ。オジサンのお嫁さんになってっ』

『なるっ♡ なりますっ♡ 太志さんとっ、ずっと一緒に暮らしますっ♡』

 それは、一つの恋が終わった瞬間。何よりも大切だったものを、完全に奪い去られた瞬間。

 だが、これはあくまでも暁にとっての話。

 七海にとってみれば、新たな日々が始まった瞬間であり、想い人と真に心を通わせた瞬間でもある。

「そういう訳だから、もう暁君とはお別れ。特班を辞めるのも、太志さんとの夫婦の時間を増やすため。分かった?」

「あーあ、先輩フラれちゃった。でも、勃起はしたままなんですね」

「ピクピク震えて……射精したいんじゃない?」

「七海君にフラれたのにか? 流石にそれは、男として情けなさ過ぎるだろう」

「典型的な寝取られマゾね。七海さんに愛想を尽かされるのも納得だわ」

「……ふーん。いいよ、最後だから特別にシコシコしてあげる。雑魚オスらしくみっともなくぴゅっぴゅして、スッキリわたしとお別れしよ?」

 そう言って、七海は机に腰掛け、暁のペニスに右足を延ばした。5人に見つめられながら、暁は妹の足裏でペニスを扱かれ、たちまち射精へと上り詰めていく。

 画面では、こちらもいよいよ大詰めだった。男は後背位で七海を獣のように○す。その腰遣いは荒く、もう間もなく射精しようかという所だ。

『おぉぉぉぉっ、七海のマンコに出すッ! 子宮で全部受け止めろッ!!』

『う゛んっ♡ ふとしさんのせーえきっ、わたしのなかにだしてっ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ わたしのこと、ママにしてぇぇぇっ♡』

『おおっ、出るッ! 出るッ!!』

『お゛っ♡ お゛お゛っ♡ イ゛っ♡ イ゛ぐっ♡ イぐイぐイぐっ♡ イ゛っ……ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡』

 男がペニスを最奥まで押し付け、腰の動きを止める。それと同時に、七海は背中を大きく仰け反らせながら絶頂した。

 それと同時に。

「……イって♡ イけ、雑魚オス♡ イけ、イけ、イ……け♡」

 暁もまた絶頂した。ぴゅるぴゅると少ない精液を吐き出し、七海の靴下を白濁で穢していく。

「うわ、本当に気持ち悪い……妹の寝取られでイくなんて、最低だよ。おまけに早漏……ほんと、暁君ってダメダメだね」

 不快感を隠そうともしない七海。今や、彼女に暁への愛情など微塵もなかった。

 画面の中では、二人の身体が不規則に震えていた。入りきらなかった精液が、繋がったままの秘部から滴り落ちていく。

『お゛ほお゛ぉぉぉぉぉぉぉっ♡ すごいっ♡ おなかのおくっ、びちゃびちゃたたかれてるっ♡』

 可憐な顔立ちをあられもなく歪ませながら、全身で快楽に浸る七海。そこにはただ、愛する夫の精を受け止める幸福と歓喜だけがあった。愛していたはずの兄のことなど綺麗さっぱり忘れ去り、新たなる、そして永遠の伴侶と繋がり続けることを彼女は選んだのだった。

『はーっ、はーっ……あー、七海ちゃんのマンコ、とても良かったよぉ』

『ふーっ♡ ふーっ♡ 太志さんが、喜んで、くれたなら……はぁ、はぁ……♡ 嬉しいな……♡ 好き、太志さん、大好きです♡ それで、あの……♡』

『んー? どうしたんだい七海』

『あの、天音ちゃんから聞いたんだけど……♡ わたしも太志さんのこと、お兄ちゃんって呼んでいい?』

『勿論だよぉ、是非呼んで欲しいなぁ』

『……っ♡ うんっ、太志お兄ちゃん、大好きっ♡』

『うおぉ、七海にお兄ちゃん呼びされるの、凄くいいねぇ』

 鬱屈した射精を終えた暁に、更なる一撃。兄妹という唯一の繋がりすらも、冴えない中年太りの男に奪われた。たった一つ、生殖能力で劣るという、それだけのことで。

『あっ♡ ホントだ、お兄ちゃんのおチンチン、また硬くなってる……♡』

『何回戦でも行けるぞぉ。ほら、そろそろ千咲も入っておいで』

『はーい♡ やっと出番ですね♡』

 画面の外、手前側から赤い髪の少女が歩いてきた。躊躇うことなくベッドに乗り上げると、男と熱い口付けを交わす。

「先輩、知ってました? 私も太志さんのお嫁さんになったんです♡」

「千咲ちゃんだけじゃなく、アタシや三司さんもお嫁さんになったんだよ♡」

「勿論ワタシもだ♡ 太志のような、強くて頼もしい白馬の将軍様に嫁ぐことが出来て、とても嬉しく思っているぞ♡」

「そうね、太志は私たちのヒーローだから。好きになるのも当然よね……♡」

 かつて信頼して背中を預けたはずの仲間までもが、あんなエロオヤジを慕い、愛している。男として、これ以上ないほどの敗北だった。

 七海は靴下を脱ぐと、未だ身動きの取れない暁の顔に向けてそれを投げつける。

「暁君の精液で汚れた靴下なんて履きたくないから、それはあげる。わたしのことを思い出してシコシコするのに使って。……じゃあね、暁君。わたしは太志さんのお嫁さんとして幸せに暮らすから、暁君も元気でね」

「待てよ、何処に行くんだ……!」

「わたしたち、転校するんだ。この学院、太志さんの家からだと遠いから」

「お嫁さんみーんなで仲良く暮らしてる豪邸があるんです。いつか先輩もご招待しますね!」

「寮長も辞めることになるが……まあ大丈夫だろう。ワタシがいなくても、寮の治安は安泰だろうからな」

「待てよ。三司さんも茉優先輩も、そんなことしていいのか!?」

「ああ、うん。おと――理事長の許可も出てるから。広報活動に協力してくれるなら、学院は出ても良いって」

「アタシも留年する理由無くなったからね。この学院で研究を続ける必要もないんだ」

 予想外の回答に、暁は反駁出来なかった。何があったか彼には分からないが、少なくとも彼女たちがこの学院に残る理由はなかった。

 口を噤むしかない暁に向けて、七海は冷たく吐き捨てる。

「……負け惜しみは済んだ? わたし、太志お兄ちゃんのところに帰りたいんだけど」

「なら、そろそろ行こうか。人を待たせてるしね……バイバイ、暁君」

「それじゃ先輩、さようなら。どうかお元気で」

「ではな、在原君。キミにも素敵な伴侶が現れることを願っているぞ」

「……ふぅ。寝取られマゾで粗チンの在原君に、そんな人がいるとは思えませんけど……ま、祈るだけならタダですよね。在原君にいい出会いがあることを祈ってます」

 180度態度を変えたあやせの言葉は、どこまでも他人事でしかないのだった。

 七海は机を下りると、端末を片付けてしまう。そして、暁のズボンのポケットからスマホを取り出した。動けない暁の指にボタンを当て、指紋認証を解除する。

「さっきの動画、送ってあるから。好きに使ってね」

 そう言いながら、七海は暁のスマホを操作し、動画を再生し始めた。悪夢としか言えない光景が、再び目の前で繰り広げられる。

 それだけ済ませると、彼女たちは暁に背を向け、部屋を出ていこうとする。

「いいのか。茉優先輩がいなくなれば、俺だって動けるようになるんだぞ」

 どれだけ距離が離れていても拘束を維持できるほど、茉優の能力は強力ではない。そう読んでの発言だった。

 だが、最悪とは常に創造の上を行くもので。

「甘いなぁ。アタシは今、能力を発動してないんだよ。その椅子には、アタシの能力を遅滞発動してくれるトラップが仕込んであるんだ。今回は時限解除されるようにしてるから、そうだね……その動画が終わる頃には、解除されてるかな?」

「あのハメ撮りが8時間くらいあるから、それくらいですかね?」

 七海の言葉に、暁の顔から血の気が引いていく。少なくともあと8時間は、この地獄を延々と見せつけられるという事だ。

 とても正気を保っていられるとは思えない。下手な○問より余程効果的だ。

「わたしたちと太志さんの夫婦生活を邪魔しないって約束してくれるなら、解除してあげてもいいよ。……もし反故にしたら、本気で怒るけど」

 脅しをかけられ、暁は歯噛みしながら頷いた。羽月とあやせ、そして茉優が警戒するように能力発動の準備をするが、彼は抵抗しなかった。というより、そんな気力はもうなかった。

 もう興味もないといった様子で、5人は学生会室を後にする。最後の最後、部屋を出る直前で、七海は兄だった男に最後の言葉をかけた。

「……バイバイ、元『お兄ちゃん』」

 パタンと音を立てて扉が閉まる。兄妹の歩む道が、明確に断絶した音でもあった。







「それにしても、太志さんと会ってから、皆さん変わりましたよね」

 校舎を出るまでの道すがら。何かを噛み締めるように、千咲は思っていたことを口にした。

 反応は様々だった。

「そうだね……わたしだけじゃなく、みんな変わったね」

「あー、確かに……昔ほど研究第一じゃなくなったね。でも、二条院さんと三司さんの変わり方はアタシより凄いんじゃないかな」

「そうなのか? 三司さんは分かるんだが……ワタシは、どこが変わったんだろうか」

「前までの二条院さんなら、ハーレムなんてけしからん、成敗! くらいのことは言って太志をボコボコにしてたんじゃない? ……ていうか、私は納得されるのか……解せぬ……」

 あやせがそう思われるのも無理はなかった。先程垣間見せた天使のごとき丁寧な振る舞いは、あくまでも取り繕っているに過ぎない。このくだけた在り方こそ、本来の彼女の気質だ。

 当然、親しい者以外には隠していて、羽月や七海、千咲はそんな姿を知らなかったのだが。

「みんな、太志のお嫁さんになるんでしょ。すぐにバレるなら、隠してもしょうがないから」

「……わたしは、そんなあやせ先輩もいいと思います」

「うんうん。何ていうか、親しみが持てるっていうか……」

「人間味があるよね。二条院さんもそんな感じだよ」

「ワタシもか!?」

 かつての羽月は、規則こそが優先で、そこに例外を設けない、徹底した機械のような存在だった。だけどそんな彼女も、太志に愛されたことで考えをすっかり改めてしまった。

「……というか、ワタシは太志のお嫁さんになるんだから、いつまでも二条院と呼ばないで欲しいぞ!」

「それもそうだね。アタシも片丘茉優になるわけで」

「そうすると、わたしは片丘七海で……」

「私が片丘千咲ですね!」

「……で、私が片丘あやせ、か。うん、いいじゃない」

 満足気に、新たな名を呟く少女たち。その心は、幸せな日々への期待と希望で満ち溢れていた。

 そんな彼女たちの前に、一人の人影が現れる。それは、彼女たちが「待たせている」人物だった。

「お待たせ、琴里」

「遅いよー、茉優」







 自室に戻った暁は、すぐさま隆之介に事のあらましを報告した。一通り聞き終えた彼は、重たい息を吐きながら、しばらくの沈黙を置いたのち口を開いた。

『…………そうか、分かった』

「申し訳ありません、食い止めることが出来ず……」

『気にするな、こっちにも同じ内容の手紙が届いててな。それを読む限り、説得は無理だろうと思った。七海が一度決めたら折れないのは、俺たちもよく知ってるだろ』

「そう、ですね。それで、再調査の方は……」

『一応やってみるが……七海の言ったことが正しいなら、前と同じ報告書を書くことになるだろう。まさか、無実の人間を拘束するわけにもいかんしな』

「………………すみません、俺がアイツの心を繋ぎ留められていれば」

 暗い声で話す暁を、隆之介はどうにか慰めようとする。

『いいさ。特班としてではなく、父親としていずれ会うこともあるだろう。後のことは俺に任せて、お前はゆっくり休め』

「はい、失礼します」

 通話を切る。だが彼はそのまま休む気にはなれなかった。

 義理とはいえ、家族として過ごした短くない時間。その全てが、一人の男に穢された。

 だがどうしようもない。組織として動くことは出来ず、男として奪い返すこともできない。

 手の打ちようのない敗北。なのに何故か、どす黒い興奮が彼の中にはあった。

 スマホを操作し、一本の動画を表示させる。それは七海が最後に残した、彼女たちと男のハメ撮り映像。

 悔しげな声を上げながらも、彼は小さな陰茎を一人で惨めに扱くのだった。

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Final_Fiend 2024/01/17 16:21

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