五月雨時雨 2024/08/03 19:45

押し込めた感情は激しく獰猛に愛されながら溢れ出る

十近く年の離れた血の繋がっていない弟達の瞳が、熱く獰猛な感情を乗せて兄を貫いていく。
冒険者としての旅をやめこの地に根を下ろす選択を取る程に愛しく大事に思っていた狼の半獣人である双子が、十年という月日がもたらした成長の中で自分達よりも華奢で小柄となった人間の兄を欲情に潤んだ視線で余すところ無く射抜いていく。
その様に対して、兄は何一つとして抵抗を行えない。双子の誕生日を祝う宴の中で深く酔い潰れ意識を失っている間に自由を奪う拘束をその身に緩く施されていた兄は、左右の肘から手首までの部分を背中で一括りに縛る布を無意味に軋ませながら、白布に作られた結び目を噛まされ言葉を封じられた口から羞恥に染まった唸りを漏らすことしか出来ない。
兄なのに、衣服を剥ぎ取られ腕を縛められ発言を禁じられた。年上なのに、自分の裸体を二人でじっくりと眺め獣欲を分かりやすく、際限無く滾らせていく双子に怯えを示すしか無い。
様々な選択肢を奪われ、自分よりも屈強な双子の支配下に置かれた兄である男はもう、家族以上の関係を欲しそれを手に入れるべく行動を起こした狼達に抗えぬ裸体を貪られるだけの存在だ。
遠い昔に三人並んで夜を穏やかに過ごしたベッドの上に裸体で転がされ、二人がかりで為す術無く足を大きく開かされた男はもはや、優しくも荒々しい手付きで快楽を注ぐ弟達の責めにただただみっともなく翻弄させられるだけの存在なのだ。
それぞれの右手と左手を胸元に添えられ、乳首を協力して捏ねられる。太ももを二の腕で押さえ込んでいる反対の手を股間に這わされ、男根を巧みに扱かれながら尻穴をゆっくりと掻き回される。
そんな拒絶するべき甘い刺激を心と身体の両方で嬉しがらされている今の男は、兄でも年上の雄でもない。自分を捕らえた狼達が行う淫らな捕食で至福を覚えている、一匹の雌でしか無いのだ。

「んうぅー……むふっ、んまうぅ」
「兄さん、またおチ〇チンが気持ち良さそうに震えてきたね。俺達に苛められながら、イっちゃいそうなんだね?」
「ケツも、俺の指をきゅうきゅう絞め付けてるぜ? 我慢なんてせずにイっちまえよ。兄貴が大好きな俺達の前で、また可愛く、思いっきりイっちまえ」

全く性格の違う双子が、同じ情欲を自分にぶつけながら発情を更に加速させていく。
絶頂が近付きつつあることを察して乳首を苛む指の動きを引き上げ、すでに何度も射精を迎えたというのにまだ硬いままの男根を扱く左手の動きを速めつつ尻穴に根元まで飲み込ませた右の人差し指と中指の責めを過敏な前立腺を狙い撃つ物に変更させながら、双子の狼が塞がれた口で悩ましげに喘ぐ兄をあらゆる器官で味わっていく。
その自分の痴態を愉しみつつ快感を終わり無く施す弟達に雄としての自覚を打ち砕かれながら、悦楽由来の涙に潤んだ瞳に映る不安と興奮が混ざり合った弟達の表情と至福と愉悦を幼い頃と一切変わらない動きで表わしている二本の薄茶色の尾を眺めながら、男は自分よりも逞しく育った狼達の手で甘く狂わされる状況への拒絶をじょじょに押し込めていた本心に内側から突き崩され、やがて兄であることを捨てた本能剥き出しのおねだりを、理性で制していた二人への家族のそれとは違う愛情を、腕と言葉を封じられた裸体全てで伝え淫蕩に堕ちていくのだった。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

記事を検索