毎週コロシアム 2月分

前回

第6話(2月4日掲載分)


マユウは不気味なまでに落ち着き払った佇まいで何かを口遊み始めた。
常人からすれば意味不明な行動だが、魔法に造詣が深い者ならばそれを見て大方の見当がつく。

(詠唱を必要とする古代様式の魔法ですね……知識自慢のつもりかは知りませんが、悠長にも程があります!)

古代魔法は威力もコストも現代のものと変わらないが、唱える時間を要するため、発動するのに最低でも二十秒は掛かる。今となっては非効率的なだけの技術である。
敢えて使う場面があるとすれば、知識を自慢したい時か、相手を挑発したい時くらいだろう。

「食らいなさい! 聖光弾ッ!」

(ククク……)

詠唱を阻止しようと考えたカトラの判断を誤りとは言えない。
何もせず詠唱を続けさせていれば、古代魔法とはいえ何らかの攻撃を許すことになっていたからだ。
結果的にはマユウの術中に嵌ることとなったが……。

シュルルルルルル!!

「いやッ……!?」

聖光弾がマユウに直撃した瞬間、どこからともなく現れた触手がカトラを捕らえた。
マユウはなぜか無傷で、憎たらしいしたり顔を見せている。

「詠唱妨害は重罪です……貴方を裁判にかけさせてもらいますよ」

触手の正体はマユウが信奉する教派が造り出した「裁判獣」と呼ばれる魔法生物である。
裁判獣は信者が特定の被害を受けた際に姿を現し、まずは加害者を拘束する。
古代魔法の詠唱はこの性質を利用した罠だったのだ。

性器を誇示するような体勢で束縛されたカトラは、またもや混乱と羞恥に苛まれる。
触手は非常に頑丈で力強く、人間の膂力で抜け出せるようなものではない。

(なぜ……? 魔力が使えません!)

魔法による抵抗も許されない。
裁判獣に捕らわれている間は「判決」が下されるのを待つ他ない。

これより淫靡で過酷な裁判が幕を開ける……


第7話(2月11日掲載分)


男性器に似た触手を陰部に宛てがわれた途端、全身の筋肉がピンと強ばった。敵の挿入を拒もうとする女としての無条件反射である。
だが、拘束から抜け出すことも魔法を使うこともできない今、それを阻止することは叶わない。
カトラの運命は触手の異形・裁判獣が握っているのだ。

「ではそろそろ始めましょうか、裁判を」

ズプッッッ
「いやぁぁッ!!?」

カトラは触手に容赦なく秘裂を貫かれ、悲痛な喘ぎ声を上げた。
粘液が潤滑油として働いたため痛みは感じなかったが、衆人環視の中で肌を許してしまったという背徳感に胸を締め付けられ、目尻に大粒の涙を浮かべる。
触手はなおも辱めようとしてか膣内を反復し始めたが、今の精神状態ではとても快楽など感じられない。
そのはずだった……

「ひ、あ、あぁっ……! あぁぁぁ……んッ」

悲痛な喘ぎ声が段々と嬌声に変わっていく。あろうことか、カトラは異形との性行為で快感を覚え始めていた。
触手に善がり乱れる全裸のシスター。当然、男たちの欲望の的となる。会場の熱気は最高潮にまで高まり、四方八方から卑猥なヤジが飛んでくる。
裁判獣の粘液には媚薬効果があった。それを膣内に満遍なく塗りたくられれば、さすがのカトラも肉悦を禁じ得ない。

「ヒヒヒ……まだ一分も経っていないのにそのザマでは、有罪は免れないでしょうね。裁判は一時間もあるのですよ?」

マユウの言う裁判を一言で説明すると“一時間の絶頂耐久”である。
裁判獣の責めを一時間凌げば無罪となって解放されるが、もし我慢できずに絶頂してしまえば「罪紋」と呼ばれる凶悪な呪いを体に刻印され、マユウの如何なる命令にも逆らえなくなる。そうなれば敗北は必至だろう。
イくかイかないかがこの試合の勝敗を決すると言っても過言ではない。

(い、一時間なんて、絶対に無理ですっ! 今にも、果ててしまいそうですのに……!!)

あと五七分。
修道女は快楽に抗い続けられるか……


第8話(2月18日掲載分)


ジュプ、ジュプと粘着質な水音がコロシアムに響き渡る。修道女を絶頂へ追い詰めようとする触手が鳴らす音だ。

「や、止めて……あぁぁ、んッ! 私の、弱いところばかりっ……こ、このままでは、ほんとに……!!」

怒涛のピストン運動は決して力任せではなく、媚薬に疼く蜜壷を絶妙に刺激している。その魔性を秘めた心地良さは、かつて大賢者と呼ばれた才女に止め処なく善がり汁を分泌させるほどだ。
カトラの限界は近かった。

「そ、そこっ……! も、もう、耐えられません……! ひ、うぅ……んぅッッ!!」

ビクビクビクッ!
電気ショックを受けたかのように全身が痙攣し、執拗なGスポット責めに屈した女性器から多量の潮が吹き出す。
誰の目から見ても明らかなオーガズム。我慢することを放棄して快楽を受け入れるカトラの姿は、会場中の全ての男達の目に焼き付けられた。
絶頂の余韻にヒクつく陰部から触手がズルリと引き抜かれる。

「まさか五分も持たないとは……。淫らな罪女には罰を与えなくては」

絶頂耐久に失敗したカトラには有罪判決が下される。裁判獣は触手の先から糸のように細い光線を放ち、放心して虚空を見つめる咎人の腹部に罪紋を刻み始めた。

「こ、これは一体……?」

我に返ったカトラは己に刻印された罪紋を見て当惑した。これが「相手の言いなりになるタチの悪い呪い」だとはまだ気付いていない。
役目を終えた裁判獣は空気に溶け込むように消えていった。


第9話(2月25日掲載分)


(何のつもりかは知りませんが、拘束を解いたのは迂闊でしたね。散々辱められた恨みを晴らさせていただきます!)

触手から解放されたことを好機と見てカトラは反撃に転じようとする。
しかし……

「動くな、手を後ろで組みなさい」

それはマユウの言葉で簡単に制止されてしまった。

(な、なぜっ!? 体が動きません……!)

「その罪紋がある限り、貴方は私の傀儡です。咎人に自由など要らないでしょう」

敵を前にして無防備に佇むカトラ。呆然と立ち尽くしているように見えるが、本人は体を動かそうと必死に努力している。その努力が実を結ぶことは有り得ないが……
今の彼女にはマユウの命令を待つことしかできない。

「あぁ、首から上は自由にして構いませんよ。全く反応がないとギャラリーに飽きられてしまいますからねぇ」

これからどう甚振ってやろうか、などと下衆な思考を巡らせるマユウ。
彼は加虐的な妄想に浸るあまりに“ある事”を見落としてしまっていた。
それがカトラにとって現状打破の糸口となるかもしれない。

(……ま、魔力が使えます! これなら……)

※毎週火曜日20時に更新
※制作・販売中のゲームの設定に準拠していますが本編とは無関係です

次回

ルール
ヒロインは5人のヴィランと一人ずつ対戦
3人倒せばクリアとなり賞金獲得

希望すれば4、5人目とも対戦することが可能
さらなる高額賞金を狙えるが、敗北すれば全額没収される

対戦するヴィランをヒロインが指名することはできない

対戦相手には何をしても許されるが
殺意のある攻撃は特殊な結界によって無効化される

基礎ステータス
耐久  … 肉体的ダメージに対する耐性
筋力  … 高いほど肉体的な力が強い
魔力  … 魔法技術の高さ、保有魔力の多寡
知力  … 知識の豊富さ、機転の利きやすさ
敏捷性 … 動きのすばしっこさ
名声  … 知名度と名誉
自尊心 … プライドの高さ(ヒロイン専用)
勝率  … このコロシアムにおける勝率(ヴィラン専用)

性的ステータス
性欲  … 性格のエロさ、性行為への欲望の強さ(ヒロイン専用)
開発  … 性感帯の敏感さ、成熟度(ヒロイン専用)
精力  … 性行為時における持久力の高さ(ヴィラン専用)
性技術 … 性行為の相手を悦ばせる能力の高さ(ヴィラン専用)
倒錯  … 性的嗜好がどれほど背徳的であるか
※性欲、開発、精力、性技術、倒錯の一般値はいずれもDである

性的データ
性交経験 … 性行為をした相手の人数(合意の有無問わず)
絶頂経験 … 性的絶頂に達した回数(ヒロイン専用)
自慰頻度 … 括弧内の期間におけるオナニーの回数(ヒロイン専用)
アクメ率 … 絶頂させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)
屈服率  … 屈服させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)

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