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毎週コロシアムの記事 (3)

毎週コロシアム 4月分

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第15話(4月7日掲載分)


先程まで自慰紛いの痴態を演じていたカトラは理性や魔力の全てを失い、もはやハロの責めを享受しようとする心構えでいた。
言うまでもなく、ここからの逆転勝ちなどありえない。彼女は既に終わっている。

「やっと母乳が枯れたみたいだな。魔力がすっからかんになった今のお前じゃ、コイツに逆らえないだろうよ」

ハロは己のペニスを昂然と露出し、修道女の眼前に突き出した。
逞しく勃起したそれは独特の臭気や存在感でカトラの感覚器官を悦ばせ、直接触れることなく浅いオーガズムを促す。
ヴィランたちの性器には魅了(チャーム)の魔法が施されており、魔力の乏しい女は性器を見せつけられただけで肉欲の虜となってしまう。

(ああぁ……なんて、ご立派な……目が逸らせませんっ……♡)

無論、魅了(チャーム)は魔力を使い果たした者にも効果覿面である。
ハロの見せ槍を受けたカトラは生殖本能を丸裸にされ、濃厚な姦淫を期待せずにはいられなくなった。

「へへっ、コイツが欲しくて堪らねえだろ? 今の心境を包み隠さずに話せたら、その汚ねえ雌穴にぶち込んでやるよ」

色欲に緩んだ表情で男根に見蕩れるカトラに対し、淫らな尋問を仕掛けるハロ。
ヴィランはあらゆる手を尽くしてヒロインの尊厳を踏み躙る。


第16話(4月14日掲載分)


「コイツが欲しくて堪らねえだろ? 今の心境を包み隠さずに話せたら、その汚ねえ雌穴にぶち込んでやるよ」

女を惑わす魔力を秘めたペニスを前にして、カトラが抱く感情はただ一つ。
しかしそれを口に出してしまえば、彼女の面目は地の底まで失墜することになる。

「そ、それが……欲しいですっ……」

分かっていながら、カトラは己の本能に従うことしかできなかった。
この世に二人といない才媛から浅ましい欲望を吐露させたことで、ハロはサディスティックな笑みを満開に浮かべる。
だが、彼の嗜虐心はこの程度では収まらない。

「“それ”って何? ちゃんとした名前で言わねえと分かんねえよ。あと声が小せえ」

「お、おちんぽ……です……。おちんぽが、欲しいですっ……!」

目の色を変えて男根をねだるカトラ。
理性を溶かされた修道女はもはや男と交わることしか考えられない。
ハロはそんな女の扱い方を熟知している。

「ヘヘヘッ……シスターのくせに盛りやがって。“神なんかよりもチンポの方が偉大です”って言え」

「そ、それは……ううっ……」

人々の幸福を祈るためにある口で卑言を唱えさせ、さらには信仰心すらも放棄させようとする残酷な汚辱に対してもカトラは無力だった。
果たして彼女は神を冒涜してまでペニスを欲するのだろうか。それとも……


第17話(4月21日掲載分)


「“神なんかよりもチンポの方が偉大です”って言え」
「そ、それは……ううっ……」

神を冒涜しなければペニスにはありつけない。
信心と快楽の二択。正常な状態であれば迷わず後者を切り捨てたはずだが、今のカトラは媚薬と魅了魔法によって淫らな欲望に囚われている。
彼女がペニスの誘惑に負けることをハロは確信しており、その瞬間を誰もが待ち焦がれていた。
しかし……

「か、神よりも……神様よりも偉大なものなど、ありませんっ……!」

男達の黒い企みや期待とは裏腹に、カトラは肉欲を制して“神”を選んだ。
予想外の返事にハロが怪訝な形相を浮かべる。

「あ? そんな態度じゃコイツはやらねェぞ?」

「い、要りません、そんなモノ……! 神様を冒涜するような人を……いい気にはさせませんっ!」

修道女としての深い信仰心が、一度手放した理性を手繰り寄せる綱となった。
とはいえ、これで戦況が好転したわけではない。魔力を排出し尽くした彼女が無傷のハロに挑むのは無謀の極みである。
八方塞がりな苦境の中、カトラが取った行動は―――

「―――て、テメェ! 何してやがるッ!」

このコロシアムでヒロインが棄権することはできない。
自らの意思で負けるには、継戦不能と見做されるダメージを自傷によって負うしかない。
カトラはいつ終わるとも知れない敗色濃厚な勝負にしがみ付くよりも、信仰に殉ずる道を選んだのだ。

――――――――――――
――――――――――
――――――――

試合はハロの勝利となり、意識を失ったカトラは後見役の男に担がれてコロシアムの闇へと消えていった。
死を覚悟して噛み切った舌を魔法で治療され、不運なことに一命を取り留めた彼女を待つのは今まで以上に甘く、手痛い仕置きである。
ヴィランは獲物を冥府へ逃すような真似はしない。


第18話(4月28日掲載分)


ヴィランに敗れたヒロインは堅牢な檻の中に監禁され、まだ日の目を見ないヴィラン候補生たちの練習台にされる。
効率的な発情のさせ方や絶頂への導き方などを学ぶための教材として、悪の芽の育成に加担させられるのだ。
反抗も自害も特殊な首枷によって阻害されるため、敗北ヒロインは練習台としての利用価値を失うまで恥辱の限りを尽くされる。

「ああっ‪‪❤︎‬ あああッ……うああああぁぁぁ〜〜〜ッッ‪❤︎‬‪❤︎‬‪❤︎‬」

「チッ、上手くいかない。理性を保たせたまま欲情させたいんだが……」

力加減を掴めない魔術師が試行錯誤のために催淫魔法を連発する。

「性感帯を探り当てる訓練がしたいのに、コイツはもう全身がそうじゃねえか。ハロさんの毒はすげーな」

目当ての練習を諦めた男が力任せにペニスを高速抽送する。

「私はお馬鹿トラっ……趣味はセックスううッ‪❤︎‬‪❤︎‬‪」

「お、やっと思い通りに喋った。誰か、術の解き方わかるか?」

駆け出しの催○術師が初めて術を成功させる。
後ろに控える十数名の候補生たちも、代わる代わる独自の淫技を無防備な修道女に披露した。

苛烈な責め苦を一身に受け続けたカトラのその後は筆舌に尽くし難い。
今宵もまた、一つの正義が潰えたのだ。

※毎週火曜日20時に更新
※制作・販売中のゲームの設定に準拠していますが本編とは無関係です

次回

ルール
ヒロインは5人のヴィランと一人ずつ対戦
3人倒せばクリアとなり賞金獲得

希望すれば4、5人目とも対戦することが可能
さらなる高額賞金を狙えるが、敗北すれば全額没収される

対戦するヴィランをヒロインが指名することはできない

対戦相手には何をしても許されるが
殺意のある攻撃は特殊な結界によって無効化される

基礎ステータス
耐久  … 肉体的ダメージに対する耐性
筋力  … 高いほど肉体的な力が強い
魔力  … 魔法技術の高さ、保有魔力の多寡
知力  … 知識の豊富さ、機転の利きやすさ
敏捷性 … 動きのすばしっこさ
名声  … 知名度と名誉
自尊心 … プライドの高さ(ヒロイン専用)
勝率  … このコロシアムにおける勝率(ヴィラン専用)

性的ステータス
性欲  … 性格のエロさ、性行為への欲望の強さ(ヒロイン専用)
開発  … 性感帯の敏感さ、成熟度(ヒロイン専用)
精力  … 性行為時における持久力の高さ(ヴィラン専用)
性技術 … 性行為の相手を悦ばせる能力の高さ(ヴィラン専用)
倒錯  … 性的嗜好がどれほど背徳的であるか
※性欲、開発、精力、性技術、倒錯の一般値はいずれもDである

性的データ
性交経験 … 性行為をした相手の人数(合意の有無問わず)
絶頂経験 … 性的絶頂に達した回数(ヒロイン専用)
自慰頻度 … 括弧内の期間におけるオナニーの回数(ヒロイン専用)
アクメ率 … 絶頂させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)
屈服率  … 屈服させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)

毎週コロシアム 2月分

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第6話(2月4日掲載分)


マユウは不気味なまでに落ち着き払った佇まいで何かを口遊み始めた。
常人からすれば意味不明な行動だが、魔法に造詣が深い者ならばそれを見て大方の見当がつく。

(詠唱を必要とする古代様式の魔法ですね……知識自慢のつもりかは知りませんが、悠長にも程があります!)

古代魔法は威力もコストも現代のものと変わらないが、唱える時間を要するため、発動するのに最低でも二十秒は掛かる。今となっては非効率的なだけの技術である。
敢えて使う場面があるとすれば、知識を自慢したい時か、相手を挑発したい時くらいだろう。

「食らいなさい! 聖光弾ッ!」

(ククク……)

詠唱を阻止しようと考えたカトラの判断を誤りとは言えない。
何もせず詠唱を続けさせていれば、古代魔法とはいえ何らかの攻撃を許すことになっていたからだ。
結果的にはマユウの術中に嵌ることとなったが……。

シュルルルルルル!!

「いやッ……!?」

聖光弾がマユウに直撃した瞬間、どこからともなく現れた触手がカトラを捕らえた。
マユウはなぜか無傷で、憎たらしいしたり顔を見せている。

「詠唱妨害は重罪です……貴方を裁判にかけさせてもらいますよ」

触手の正体はマユウが信奉する教派が造り出した「裁判獣」と呼ばれる魔法生物である。
裁判獣は信者が特定の被害を受けた際に姿を現し、まずは加害者を拘束する。
古代魔法の詠唱はこの性質を利用した罠だったのだ。

性器を誇示するような体勢で束縛されたカトラは、またもや混乱と羞恥に苛まれる。
触手は非常に頑丈で力強く、人間の膂力で抜け出せるようなものではない。

(なぜ……? 魔力が使えません!)

魔法による抵抗も許されない。
裁判獣に捕らわれている間は「判決」が下されるのを待つ他ない。

これより淫靡で過酷な裁判が幕を開ける……


第7話(2月11日掲載分)


男性器に似た触手を陰部に宛てがわれた途端、全身の筋肉がピンと強ばった。敵の挿入を拒もうとする女としての無条件反射である。
だが、拘束から抜け出すことも魔法を使うこともできない今、それを阻止することは叶わない。
カトラの運命は触手の異形・裁判獣が握っているのだ。

「ではそろそろ始めましょうか、裁判を」

ズプッッッ
「いやぁぁッ!!?」

カトラは触手に容赦なく秘裂を貫かれ、悲痛な喘ぎ声を上げた。
粘液が潤滑油として働いたため痛みは感じなかったが、衆人環視の中で肌を許してしまったという背徳感に胸を締め付けられ、目尻に大粒の涙を浮かべる。
触手はなおも辱めようとしてか膣内を反復し始めたが、今の精神状態ではとても快楽など感じられない。
そのはずだった……

「ひ、あ、あぁっ……! あぁぁぁ……んッ」

悲痛な喘ぎ声が段々と嬌声に変わっていく。あろうことか、カトラは異形との性行為で快感を覚え始めていた。
触手に善がり乱れる全裸のシスター。当然、男たちの欲望の的となる。会場の熱気は最高潮にまで高まり、四方八方から卑猥なヤジが飛んでくる。
裁判獣の粘液には媚薬効果があった。それを膣内に満遍なく塗りたくられれば、さすがのカトラも肉悦を禁じ得ない。

「ヒヒヒ……まだ一分も経っていないのにそのザマでは、有罪は免れないでしょうね。裁判は一時間もあるのですよ?」

マユウの言う裁判を一言で説明すると“一時間の絶頂耐久”である。
裁判獣の責めを一時間凌げば無罪となって解放されるが、もし我慢できずに絶頂してしまえば「罪紋」と呼ばれる凶悪な呪いを体に刻印され、マユウの如何なる命令にも逆らえなくなる。そうなれば敗北は必至だろう。
イくかイかないかがこの試合の勝敗を決すると言っても過言ではない。

(い、一時間なんて、絶対に無理ですっ! 今にも、果ててしまいそうですのに……!!)

あと五七分。
修道女は快楽に抗い続けられるか……


第8話(2月18日掲載分)


ジュプ、ジュプと粘着質な水音がコロシアムに響き渡る。修道女を絶頂へ追い詰めようとする触手が鳴らす音だ。

「や、止めて……あぁぁ、んッ! 私の、弱いところばかりっ……こ、このままでは、ほんとに……!!」

怒涛のピストン運動は決して力任せではなく、媚薬に疼く蜜壷を絶妙に刺激している。その魔性を秘めた心地良さは、かつて大賢者と呼ばれた才女に止め処なく善がり汁を分泌させるほどだ。
カトラの限界は近かった。

「そ、そこっ……! も、もう、耐えられません……! ひ、うぅ……んぅッッ!!」

ビクビクビクッ!
電気ショックを受けたかのように全身が痙攣し、執拗なGスポット責めに屈した女性器から多量の潮が吹き出す。
誰の目から見ても明らかなオーガズム。我慢することを放棄して快楽を受け入れるカトラの姿は、会場中の全ての男達の目に焼き付けられた。
絶頂の余韻にヒクつく陰部から触手がズルリと引き抜かれる。

「まさか五分も持たないとは……。淫らな罪女には罰を与えなくては」

絶頂耐久に失敗したカトラには有罪判決が下される。裁判獣は触手の先から糸のように細い光線を放ち、放心して虚空を見つめる咎人の腹部に罪紋を刻み始めた。

「こ、これは一体……?」

我に返ったカトラは己に刻印された罪紋を見て当惑した。これが「相手の言いなりになるタチの悪い呪い」だとはまだ気付いていない。
役目を終えた裁判獣は空気に溶け込むように消えていった。


第9話(2月25日掲載分)


(何のつもりかは知りませんが、拘束を解いたのは迂闊でしたね。散々辱められた恨みを晴らさせていただきます!)

触手から解放されたことを好機と見てカトラは反撃に転じようとする。
しかし……

「動くな、手を後ろで組みなさい」

それはマユウの言葉で簡単に制止されてしまった。

(な、なぜっ!? 体が動きません……!)

「その罪紋がある限り、貴方は私の傀儡です。咎人に自由など要らないでしょう」

敵を前にして無防備に佇むカトラ。呆然と立ち尽くしているように見えるが、本人は体を動かそうと必死に努力している。その努力が実を結ぶことは有り得ないが……
今の彼女にはマユウの命令を待つことしかできない。

「あぁ、首から上は自由にして構いませんよ。全く反応がないとギャラリーに飽きられてしまいますからねぇ」

これからどう甚振ってやろうか、などと下衆な思考を巡らせるマユウ。
彼は加虐的な妄想に浸るあまりに“ある事”を見落としてしまっていた。
それがカトラにとって現状打破の糸口となるかもしれない。

(……ま、魔力が使えます! これなら……)

※毎週火曜日20時に更新
※制作・販売中のゲームの設定に準拠していますが本編とは無関係です

次回

ルール
ヒロインは5人のヴィランと一人ずつ対戦
3人倒せばクリアとなり賞金獲得

希望すれば4、5人目とも対戦することが可能
さらなる高額賞金を狙えるが、敗北すれば全額没収される

対戦するヴィランをヒロインが指名することはできない

対戦相手には何をしても許されるが
殺意のある攻撃は特殊な結界によって無効化される

基礎ステータス
耐久  … 肉体的ダメージに対する耐性
筋力  … 高いほど肉体的な力が強い
魔力  … 魔法技術の高さ、保有魔力の多寡
知力  … 知識の豊富さ、機転の利きやすさ
敏捷性 … 動きのすばしっこさ
名声  … 知名度と名誉
自尊心 … プライドの高さ(ヒロイン専用)
勝率  … このコロシアムにおける勝率(ヴィラン専用)

性的ステータス
性欲  … 性格のエロさ、性行為への欲望の強さ(ヒロイン専用)
開発  … 性感帯の敏感さ、成熟度(ヒロイン専用)
精力  … 性行為時における持久力の高さ(ヴィラン専用)
性技術 … 性行為の相手を悦ばせる能力の高さ(ヴィラン専用)
倒錯  … 性的嗜好がどれほど背徳的であるか
※性欲、開発、精力、性技術、倒錯の一般値はいずれもDである

性的データ
性交経験 … 性行為をした相手の人数(合意の有無問わず)
絶頂経験 … 性的絶頂に達した回数(ヒロイン専用)
自慰頻度 … 括弧内の期間におけるオナニーの回数(ヒロイン専用)
アクメ率 … 絶頂させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)
屈服率  … 屈服させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)

毎週コロシアム 1月分

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第1話(1月1日掲載分)


ここは強き女と飢えたならず者たちが集う無法の闘技場。
悪は正義によって挫かれるのが世の常だが、
未熟な正義が巨悪の手に堕ちることもまた真なり。

目覚ましい偉業を成し遂げてきたヒロインと
卑俗を極めしヴィランたちの戦いが今幕を開ける―――。


第2話(1月7日掲載分)


「元大賢者様がこんなイカ臭い闘技場に来てくれるとはな。禁欲生活してるうちに刺激が欲しくなっちまったのか?」

強き女と破落戸たちが交わる某国の闘技場。
ヒロインとして招かれる女には皆、退っ引きならない事情がある。
かつて大賢者と呼ばれたカトラもそうだ。

「修道女は特にイカせ甲斐があるからな…たっぷり楽しませてもらうとするよ」

卑猥な言葉で戦意を逆撫でしようとするシリケン。
彼は絵に描いたような色男で、淑女殺しの異名を持つほど性技に長けている。
だが今世紀最大の女傑を前にすると、その肩書きはあまりにもちっぽけだ。

「神様、そして観客の皆様。この愚かな悪漢が泣きべそをかくところをどうか見ないであげてください」

余裕綽々といった具合で挑発し返すカトラ。
淑やかな印象とは真逆の攻撃的な発言に会場の熱気が高まる。
修道生活に身を置く者にとっても歓声とは気持ちのいいものだ。

しかしカトラはその歓声の意味を見誤っていた。
それは彼女の勝利を期待するものなどではなく、大口を叩いた女の痴態を待ち望む劣情の叫びなのだ。


第3話(1月14日掲載分)


「ま、参った! 俺の負けだ!」

勝負はゴングの残響があるうちに決まった。
試合開始と同時にすっ転ばされたシリケンが追撃を恐れて降参したのである。

「…杖も魔法も使わずに終わるとは思いませんでしたよ」

カトラはギブアップがあと一秒遅ければ振りかぶっていたであろう杖を下ろし、腰を抜かした対戦相手に手を差し伸べる。
拍子抜けしてしまったのか、その表情に試合前のような険しさはない。

「綺麗な指だね…ははは」

自分よりもうんと小柄な女の手を借りて立ち上がったシリケンは、逃げるように舞台裏へと去っていった。
同情としか思えない拍手がまばらに起きる。

斯くして第一試合はヒロインの完勝に終わった。
ヴィランたちにとっては手痛い黒星だが、この大敗が後に相手の油断を誘うかもしれない。


第4話(1月21日掲載分)


一戦目で完勝を収めたカトラの前に、第二のヴィラン"怪僧マユウ"が立ちはだかる。
正対する修道女と神父。二人は同じ神を崇拝しているが、信奉する教義はまるで違う。

「ううっ…汚らしい罪女の臭いだ…。まさか大賢者ともあろう女性が、己の操も守れぬ尻軽だったとは」

マユウは異常発達した嗅覚でカトラの“経験”の有無を嗅ぎ分け、わざとらしく鼻をつまむ仕草をした。
彼が妄信する教派には際立って厳格な性的価値観があり、無理やり純潔を奪われた女性も、肉欲に溺れ果てた女性も、一纏めに“罪女”と呼んで断罪の対象とするのだ。

魔物に心ならず処女を差し出した過去を持つカトラにとっては、この上ない侮辱である。

「異教の隣人も愛します」

言葉とは裏腹に只ならぬ気迫を纏って身構えたカトラの修道服が、なぜかシースルーのように透き通って見えた。


第5話(1月28日掲載分)


沸々と騒めきだすギャラリー。
神父らしからぬ邪悪な笑みを浮かべるマユウ。
当の本人のみが異変に気付いておらず、色めき立つ人々の歓呼に動揺を隠せないでいる。

(何をざわついて―――――嫌っ!?)

カトラは風に素肌を撫でられて漸く己の置かれた状況を理解した。
咄嗟に恥部を隠して屈み込み、着ていた服の行方を頭の中で追う。
当然、脱いだ記憶もなければ、脱がされた覚えもない。時間が経つほど混乱と羞恥の度が深まっていく。
激しく取り乱す全裸の修道女を全ての男たちが嘲笑っていた。

「罪女の身に修道服は相応しくありません。私の魔法で消させてもらいましたよ」

「くっ……下らないことを!」

怒気と含羞の入り交じった視線をマユウに向ける。
よほど狼狽しているのか、普段は閉じきっている目が微かに開かれており、そこから美しい深紅の瞳が覗いている。

(こ……こんなことで参るわけにはいきません)

見物客の下品な歓声を退けるようにして立ち上がるカトラ。
いくら着衣を奪われようとも、彼女は太平を築き上げた世界的英雄の一人なのだ。この程度で挫けるはずがない。

「おや、裸にされても棄権しないのですか。流石は罪女……恥というものを知らない」

再び向かい合う二人。カトラは魅惑的な肉体の全貌を晒したまま戦わなければならない。
果たして勝負の行方やいかに……

※毎週火曜日20時に更新
※制作・販売中のゲームの設定に準拠していますが本編とは無関係です

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ルール
ヒロインは5人のヴィランと一人ずつ対戦
3人倒せばクリアとなり賞金獲得

希望すれば4、5人目とも対戦することが可能
さらなる高額賞金を狙えるが、敗北すれば全額没収される

対戦するヴィランをヒロインが指名することはできない

対戦相手には何をしても許されるが
殺意のある攻撃は特殊な結界によって無効化される

基礎ステータス
耐久  … 肉体的ダメージに対する耐性
筋力  … 高いほど肉体的な力が強い
魔力  … 魔法技術の高さ、保有魔力の多寡
知力  … 知識の豊富さ、機転の利きやすさ
敏捷性 … 動きのすばしっこさ
名声  … 知名度と名誉
自尊心 … プライドの高さ(ヒロイン専用)
勝率  … このコロシアムにおける勝率(ヴィラン専用)

性的ステータス
性欲  … 性格のエロさ、性行為への欲望の強さ(ヒロイン専用)
開発  … 性感帯の敏感さ、成熟度(ヒロイン専用)
精力  … 性行為時における持久力の高さ(ヴィラン専用)
性技術 … 性行為の相手を悦ばせる能力の高さ(ヴィラン専用)
倒錯  … 性的嗜好がどれほど背徳的であるか
※性欲、開発、精力、性技術、倒錯の一般値はいずれもDである

性的データ
性交経験 … 性行為をした相手の人数(合意の有無問わず)
絶頂経験 … 性的絶頂に達した回数(ヒロイン専用)
自慰頻度 … 括弧内の期間におけるオナニーの回数(ヒロイン専用)
アクメ率 … 絶頂させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)
屈服率  … 屈服させたヒロインの数÷凌○したヒロインの数(ヴィラン専用)

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