セツナソフト Apr/23/2024 22:31

ユーザビリティメモ【雑記】

相麻ゆづきです。

Ci-enの更新頻度を上げたいなあと思いつつ、前回の記事でも書いたようにイラスト苦戦中であんまり上げるものもないので息抜きに雑談記事。

……毎回雑談記事のような? いや気のせい。

今回のテーマは「エルローグのユーザビリティ振り返り」です。制作上で工夫した点を洗い出しつつ、上手くいった点やこれは改善点だなあ思う点を振り返ります。自分の中で無意識的にやっていることを改めて言語化して、もう少し意識的にやりたいなあというのもあります。

めちゃくちゃ細かい話が多いと思うので、興味ある人だけどうぞ。

はじめに:UIの変遷

ほとんど表に出したこと無いけど、制作最初期のゲーム画面現時点でのゲーム画面の変遷です。

こうして見るとかなり変わったなあ。

過去の記事で1~2回くらい触れたことがあるのですが、もともと自分はシナリオライターで、それ以外の点についてはエルローグ制作開始時点では初心者でした。なのでUIを組んだらめちゃくちゃ安っぽくなって「なんだこりゃ」になってしまったんですよね。

で、そこから絵の練習をしたり、他のゲームのUIを観察したりしていろいろ調整を加えて今に至ります。ゼロから技術を習得していく過程から始まってるわけだから、そりゃあ長期制作になるよなあ…。

前回の記事でイラストがうまく描けないという話をしましたが、神絵師レベルの絵と比較するからそういう精神状態に陥ってしまうのであって、もう少し自分の進歩を肯定してあげてもいいような気がする。

操作関連

ダッシュで自動的に曲がる

ダッシュ中に曲がり角にぶつかると自動的に曲がります。ローグライクではたまに見る要素。自分は「ドラゴンファングZ」というゲームを遊んで、便利だなあと思ってこの要素を入れました。

ダッシュで障害物をよける

上記項目の発展形で、障害物にぶつかると自動で避けます。何気なく入れた要素でしたがこれはかなりプレイが快適になりますね。入れてみて良かったなあと思う要素です。

キーボード時とパッド時で操作形態を変更

実はキーボードとパッド操作時で仕様を変えている箇所があります。

  • キーボード操作:「キャンセル=メニュー」「ダッシュが独立操作」
  • パッド操作:「キャンセル=ダッシュ」「メニューが独立操作」

デフォルト配置で言うと、Shiftを押した際にダッシュして、Xを押した際にメニューを開いたりキャンセルすることができます。ツクール・ウディタゲーでよく見る操作形態ですね。

ただ、この仕様をゲームパッドでもそのまま当てはめてしまうと、よくある不思議のダンジョンライクの操作形態とズレてしまうんですよね。「キャンセルでメニューを開く」というのはツクール・ウディタゲーでしか見かけない操作だなあと思います。

なので、パッド操作時には「キャンセルでダッシュする」という仕様に変えてCSゲーのプレイ感に近づけています。

こういうひとつのキーに複数の役割があるときって、コンフィグで変えようとしたら一緒に変わっちゃうことが多くてエルローグもその例に漏れないのですが、その制約下でもなるべく違和感を減らすため入れた仕様です。

操作キーとイニシャルを揃える

ゲームパッドの操作感はCSゲーに近づけていますが、キーボードはキーボードで遊びやすくしたかったので、デフォルトのキー配置にはかなり悩みました。(手慣れた人は操作を自分好みにするだろうけど、ほとんどの人はデフォルトのまま遊ぶと思うので)

基本的には、これもツクール・ウディタゲーでよく見る形で、Z・Xキーの付近にその他の操作を配置してます。

同時に実はZ・Xキーの付近に配置しつつ、覚えやすいようにイニシャルも揃えるという微妙なことをしていたりします。

  • A:アタックスキル
  • S:サポートスキル
  • D:ダウン/ドライブ
  • Q:クイックショット
  • W:斜め移動

こうして見ると、各操作と操作名のイニシャルが一致しているのが分かるかと思います。斜め移動はジグザグに移動するイメージからWを割り当てました。精霊武器の魔装の発現に「ドライブ」という名前を付けたのは、このためだけだったりします。

あまりに細かすぎる話なので、これはやって良かったというより「無いよりはあったほうがいいだろう」くらいの感覚の要素です。

マップ関連

常に画面を2倍ズーム

エルローグのマップは1ピクセル=1ドットではなく、常時2倍にズームした状態で表示しています。下記画像の1枚目がズームを切った状態、2枚目がズームした状態です。

見ていただけると分かると思いますが、ズームしていないとめちゃくちゃマップが小さい…!

マップチップは32x32や40x40サイズが作りやすいので、ツクール・ウディタゲーは以前からこの辺りのサイズが多いですが、それに対して解像度は年々大きくなっていき今やHD画質が最低、できればフルHD…みたいな環境になっていると感じます。

こうなるとマップに対して画面が大きすぎて、キャラが見づらくなってしまうという問題があるんですよね。

また、通常のRPGならそれでもプレイ自体に支障はありませんが、見下ろし型のローグライクの場合、視界範囲はゲーム性にも直結します。広範囲が見えすぎていると、探索してマッピングしていく意味が薄くなるので。

まあ、あとはせっかく可愛くドットを打ったから、それをもう少し大きいサイズで見て欲しいというのもあるよね!

常にキャラを中央に

マップ上でそのまま戦闘を行うローグライクというジャンルの都合上、画面上に常に複数のUIが表示されています。するとどういう問題が発生するかというと、キャラがUIに隠れてしまうことがあります。

ツクールやウディタの場合、マップの端っこに行くとスクロールが止まって、キャラが画面端の方に行くからですね。

なので、画面に映らない部分のマップもかなり余白をとって、常に主人公のキャラチップが画面の中央に来るようにしています。

これをしておくと、UIにキャラが隠れないというのもそうですが、マップが切り替わった際にプレイヤーを見失いずらくなるので、ダッシュ速度をかなり早めにしてもプレイ感を損ねにくくなるなと思いました。

各施設に一直線にアクセスできるように

超・地味ポイントですがこれも地味にストレスの有無に直結する要素。

マップの切り替え地点や、ファストトラベル地点から、なるべく単一の操作で各種施設にアクセスできるようにしています。

つまり、マップの入り口とお店のカウンターを直線状に置いたり、重要NPCをファストトラベル地点の近くに置いたりといった感じですね。

直線的にしすぎるとマップの見栄えが悪くなることもありますが、先ほど述べた「障害物を自動で避けるダッシュ」との合わせで、多少マップを曲げても単一の方向入力であちこちに行きやすいよう調整してます。

干渉可能なイベントを明示する

これは明確に失敗したところなのですが、リリース時点ではトロッコの上に「EVENT」というマーカーが無かったんですよね。

結果、トロッコで移動ができるということにほぼ気づいて貰えないということになってしまいました。

戦闘えっち主体のエルローグでは採用していませんが、例えば街でえっちイベントがあるNPCの上にハートマークが表示されるのも便利ですよねえ。それと同じロジックで、干渉可能な物体ももう少し分かりやすく明示すれば良かったなと思いました。

すべてのNPCやモノを片っ端から決定キーで調べたい時代でもないので、ここら辺は次はもうちょっと分かりやすくしたい。

画面関連

吹き出しメッセージ

自作システムだからできることではありますが、会話時にはセリフや選択肢をすべて吹き出しの形で表示するようにしています。

これは視線誘導のためですね。画面下部のウィンドウでセリフを表示すると、立ち絵の表情の変化と、テキストとの間の距離が開きすぎて、視線を交互に動かさなきゃいけなくなる点が疲れるなと感じることがあります。

解像度の向上やワイド化に伴って発生するようになった問題点なので、旧来の開発ツールでこの辺りが見辛くなるのは致し方ない面もありますが。ただエルローグでは表情差分を見て欲しかったので、気合い入れて吹き出しシステムを組みました。

情報のカテゴリごとにUIを集める

これも視線誘導のためですが、エルに関する情報は画面右側に、マップに関する情報は画面左側に集約して、見たい情報にアクセスするときに視線が散らばらないようにしています。

特にえっち関連の情報は、キャラクターのCGと一緒に視界に入れたかったのでこういう形式を取りました。

必要のないUIは片づける

戦闘えっちローグライクという仕様上、画面上に出しておきたい情報がかなりたくさんあるのですが、あまりごちゃごちゃしても見辛いので引き算できるところは引き算したいなあと思ってます。

で、例えば、戦闘えっちなら画面上にバーッとログが出るのは絶対に欲しいのですが、常時それを出していると今度はローグライクの攻略に集中してるときに邪魔になってくるので、「通常時」と「ダウン時」でUIそのものが切り替わるようにしています。

逆にミニマップなんかはダウン中は必要ないので、メッセージログと入れ替えるように片づけてます。

まあコロコロUIが切り替わってもそれはそれで目障りかもしれないけど、今のところこれくらいのUI変遷だとそんなに気にならないかな…?

メニューUIに常にカーソルを出す

メニュー画面から別のUIにシフトした際に、現在操作している項目がどこにあるか見失わないように、常にカーソルを出すような処理を入れています。

……と言葉で説明しても分かりづらいので動画で。


↑これ!この三角形のカーソルに注目しながら、以下の動画を見て下さい。

UIが変遷した際に、UIを跨いでカーソルが移動することで現在どこを操作しているかが迷いにくくなっているのではないかと思います。

実際、自分でRPGを遊んでて、例えばメニュー画面から装備画面に変遷したときとかに、どこが点滅しているかを一瞬見失うときがあるんですよね。

タッチ操作はともかくとして、方向キーで操作するようなUIの場合、この手のアニメーションが挟まるだけでかなり見やすくなるんじゃないかなあと思ってます。

使用する文字の色のルールを統一する

エルローグ内で使用するテキストのルールは以下で統一しています。

  • 黄色:強調・固定項目
  • 赤色:危険・警告
  • 緑色:安全・可変項目
  • 水色:操作TIPS
  • 橙色:強化
  • 紫色:呪い

これに関してはやって良かったというより、あって当然レベルのユーザビリティかもしれません。ただ、ひとつ反省点があるんですよね。それは「色に頼りすぎて、それ以外の誘導が疎かになってしまった」という点です。

水色を「操作TIPS」で統一して、画面の各所に表示していたので、それ以上の具体的な説明をしていない操作がチラホラありました。

例えば、メニュー画面のトップにずっとファストトラベル機能にアクセスするための操作としてTabという表示をしていました。(ゲームパッド時はBack/Selectボタン)

ただ、予想以上にファストトラベル機能の存在に気づかないユーザーさんがいて失敗したなあと思った点です。色による強調表示はあくまで補助的に使うもので、重要操作については明確な誘導が必要だなと思いました。

あと、操作が限られてるCSゲーならともかく、PCゲーだと操作の略称を表示しただけじゃ何が何だか分かりにくいというのもありますね。

例えば、オーソドックスなゲームパッドだと、Startボタンの対になるボタンに「Backボタン」という名前がついています。ただゲーム中に水色でBackとだけ表示されても何を意味する文字列なのかが分かりづらいですよね。

Back?戻る?どういう意味?となってしまう。

この辺りはそもそも、ゲームパッドごとに微妙に規格が違ったりするのも一因なので頭が痛くなるところですね…。

演出関連

立ち絵を1歩前に出す

エルはイベントの開始時に必ず1歩前に出て、イベントが終了すると元の位置に戻ります。これにはふたつの意味があります。

  1. プレイヤーの操作可能タイミングを分かりやすくするため。立ち絵が元の位置に戻った時点で操作をプレイヤーに戻すようにして、「あれ?もうイベント終わった?」みたいな齟齬を減らす意図があります。
  2. 他のキャラとの身長を合わせるため。立ち絵CGはできるだけ脚の部分まで見せたいので右エリアいっぱいに表示しています。ただ、それだと他のキャラと会話するときにエルの位置が高くなってしまうので、イベント開始時に1歩前に出して、エルの小柄さが分かる位置にズラしています。

エルちゃん小っちゃくてかわいいね!

エルローグでは採用していませんが、イベントの開始・終了タイミングを分かりやすくする方法としては、映画みたいに上下にシネマスコープを表示する手法もたまに見かける気がします。

選択肢の表示時に警告音を鳴らす

何らかの選択肢が表示されるときにピコンという警告音を必ず鳴らしています。ボーッとよそ見をしながら決定キーを連打したりしていると、操作ミスで選択肢を選んでしまうことがあるためですね。

頻繁に選ぶ選択肢とシナリオ選択肢で演出を変える

これも誤爆防止のためなのですが、通常の選択肢と、シナリオやイベント中に現れる選択肢とで微妙に演出を変えています。

例えばベッドでの就寝時など、頻繁に使う選択肢では、即座に選択を表示してカーソルも一番上に合わせています。

これに対して、シナリオ上で現れる選択肢は、一瞬だけアニメウェイトを入れ、一度カーソルを任意の方向に入れてからでないとカーソルが現れないようにしています。入力の誤爆はわたしも頻繁にやりがちなので、こういうのがあると便利。

選択肢を「はい/いいえ」ではなく「行動名/いいえ」で統一

選択肢を出す際に、必ず「眠る/キャンセル」や「料理する/キャンセル」のように、「行動名/キャンセル」というテキストで表示しています。

「はい/いいえ」だと状況によっては、どっちがどっちを指してるのか混乱して誤操作の元になるときがあるなあと思っています。

また、「眠る/眠らない」のように「行動名/行動名」という選択の出し方だと、キャンセルキーを押したときにどの選択にカーソルが向かうのか一瞬判断しづらいと感じる時があります。

なので、「行動名/キャンセル」の形にすることで、選択内容を明示しつつキャンセルキーの割り当てが分かりやすいように調整しています。

ストレスを感じにくい言葉に言い換える

ローグライクのストレス要件としてよく挙げられる「レベルリセット」や「アイテムロスト」ですが、こういう言葉自体が良くないというか、表現方法を変えるだけで同じ内容でもストレスが緩和できるのではと考えています。

例えば、エルローグではダンジョンのリザルト画面で、単にレベルをリセットするのではなく「レベルボーナス」「レベルを結晶に変換」という言い回しを使うことで、稼いだレベルにスコア的な意味を持たせるようにしてます。

あ、でも改めてスクショを見ると「レベルリセット」という言葉自体は使っちゃってるなあ。制作中盤から意識するようになった部分なので、ところどころ徹しきれてない部分があるかも。

2人以上での行動機会を増やす

主人公が独り言で延々と状況説明してしまうことを避けるために、誰かとの会話が発生しやすい状況を作り、会話の中で設定開示をしていくよう意識してます。

というより、本サークルの精霊システム自体がこのために生まれたものですね。時オカのナビィみたいな立ち位置というか。

これは、シナリオ展開としてはうまく機能した反面、エロゲとは相性が悪かったかもなあと思う面もあります。

なぜなら、常にわりと真面目な性格であるイースさんが同行しているせいで、エロへの没入が削がれることがあるためです。保護者が同行してる横でオナニーできないよね?みたいな。

一応、イースさんはエルが呼び出さなければ顕現しないという設定があるのですが、この辺りもゲーム中でうまく明示できなかったので、イースさんの存在が邪魔に感じたプレイヤーさんもいるかもしれないなあと思いました。

精霊にまつわるお話は本サークルの根幹なので今後の作品でも登場するのですが、登場のさせ方は工夫していきたいです。

その他反省点

便利機能は制作序盤に作る

これはユーザービリティというよりは制作上の反省点に近いですが、便利機能は制作序盤に作るべきだったなと思いました。

例えば、回想システムや闘技場システムは、制作の最終盤に実装しました。同時に内部で任意のイベントを呼び出すための機能を作りました。

そして実装してから気づいたのですが、これがめちゃくちゃデバッグに便利なんですよね!

特定のモンスターを呼び出して自由に戦闘できる闘技場とか、戦闘エロを作るなら、デバッグ効率を上げるためにも絶対に取り組んでおくべきものだと思いました。

いざ制作終盤になってからプレイヤーにとって便利な機能は作者にとっても便利ということに思い至ったので、次からはなるべく制作初期にこういう機能を導入するようにしたい。

あと、回想も闘技場もまあまあ複雑なシステムなのですが、これを制作終盤の土壇場に入れたせいでバグが出まくって、発売時点で回想システムの実装が間に合わないということをやらかしたんですよね…!

そういう意味でも、システムの根幹に手を入れるような大掛かりなシステムは序盤から設計しておきたいなと思いました。

データが増えても視認性を保てるかチェックする

あと手が回ってない部分として、状態異常が増えるにつれてどんどん戦闘エロCGが見辛くなるので、ここも何か解決策を考えたいところです。

これはこれでえっちなのですが、状態異常の種類が増えてきた制作後半に入ってから思ったより見辛いなと気づいた部分なので、そのまま手つかずになってる部分です。

システムを実装したときに、データが増えても破綻しないかは実装した時点でチェックしておかなきゃいけなかったなあと思います。

おわり

以上、雑談記事でした。

まあ反省点自体はここに書き切れないくらいまだまだあるのですが、多くの反省点はユーザービリティというよりそもそもの企画や制作方針の瑕疵に基づく部分が多かったです。

(例えば、シナリオ自体は真面目なのに、監獄イベントを見ようとしたら自ら犯罪プレイをしなければならないのは、小手先の調整ではどうしようもない企画段階での齟齬だなあとか)

いくら「細部に神は宿る」と言えど、あんまり些末なところに拘り過ぎて他の部分がお粗末になってもしかたないので、ユーザビリティの探求もほどほどにしておきます。ただせめて、漫然と制作を進めて同じミスを繰り返さないよう意識していきたいです。

……いい加減にアプデ日程の目途をつけたいなあ。
それではまた!

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