紅差し 2016/11/03 09:00

【本編補足】何でもない優しい朝に君と甘いものを食べて、生産性のないセックスをして(以下略)

天上かなめシリーズ第2弾【何でもない優しい朝に君と甘いものを食べて、生産性のないセックスをして、それから一緒に死んでほしい】の補足記事です。

まずはご購入いただいた皆様本当にありがとうございました!早速感想ツイートとかいただけていて、本当に嬉しい…。

補足記事ではヒロイン側の心情にも触れています。
独自のかなめ&お姫様像を想像してくださっている方は、勿論この補足なしでも楽しんでいただければ幸いです。


今回はルート分岐ものなので、かなめの生い立ちは前作と一緒です。
今作が初めての方向けにある程度は年表画像で説明したつもりですが、わかりづらかったら申し訳ない…


【本編以前】
かなめが自殺の決意を固めた、例のやけくそインタビュー当日。
帰路、ふらっと寄り道をしてケーキ屋のお姫様と出会うルートに入ったのが今回の話。

お姫様の柔らかい笑顔と声色に失神しそうなほどの衝撃が走り、既に精神が限界ギリギリだったかなめはいきなり「僕と結婚してくれませんか」とぶっこむ。
お姫様も気が動転して「友達からなら大丈夫です」ととんちんかんな受け答えをし、勢いに飲まれて連絡先を交換する。

しかし翌日からも「あなたの顔が見たくて」と毎晩仕事上がりのお姫様の元へ押しかけるかなめは、完全なるヤバいストーカーであった。
だけど「本当に下らない人生でやんなっちゃってたんです(笑)でもあなたと出会ったおかげで僕は…」と、冗談めかしつつも一途な愛を語るかなめにお姫様の母性が爆発し、二人は何の障害もなく恋人同士になる。


【本編】
そんな出会いから数ヵ月後の、かなめとお姫様のノロけた日常の話。
前作が春~夏の深夜のHシーン(最後のトラックは昼間)
今作は秋~冬の昼間のHシーン(最後のトラックは深夜)のイメージで、図らずも季節と時間帯が真逆に…。

今回やりたかったのは
・ちゃんとお姫様と同意の上でのいちゃらぶセックス
・嘘も冗談も言わず、正直に心中願望を吐露した上でお姫様と結ばれるかなめ
・かなめがほんのちょっとでも他人(ファン)に優しい言葉をかけること
の、幽霊として闇堕ちしたかなめには無かったピュアな要素です。

かなめは普段から自殺願望を口にしていたけど、それはあくまで「は~死にたい、あぁ、冗談です(笑)」っていう自虐ネタであって、人前では一度も本心を吐露した事なんかなかった。
普段はあんなに高慢に振舞ってるのに、「本当は生きてるのが辛くて怖い」なんて絶対に表には出せなかったかなめが、お姫様だけには正直に向き合おうと頑張ったのが「王子様、お姫様」のトラックでした。

その後の二人の解釈は、本当にある日ぱたっと二人でこの世から居なくなっちゃうのでも、何だかんだ長く生きちゃったりするのでも、どっちも他人には文句のつけられないハッピーエンドだと思います。
こう書くと前作がバッドエンドで今作がハッピーエンドっぽい印象になってしまうのですが、前作は無理心中した後に地獄で幸せに結ばれる展開があるであろうと思っているので、二人は出会えた時点で何もかもがハッピーエンドなのではないでしょうか。

ちなみに週刊誌とラジオ放送で炎上した以降は、顔目当ての女性ファンが消え&本来のサブカル耽美アングラクラスタが舞い戻り、天上かなめ先生はマイナーながらも自分の書きたいものを書けるキワモノ作家になったとかならなかったとか。めでたしめでたし


【制作余談】
ホテルのロビーで待ち合わせするシーンで流した曲 エルガーの愛の挨拶
前作で尺が合わず使えなかった曲なので、今度こそと思って入れました。タイトルがジャストミート。

かなめラジオのメインテーマ ドビュッシーの月の光
かなめが深夜ラジオのレギュラー枠を持ちかけられた際に、本人はもう仕事全般に対して色々投げやりだったけど、ディレクターに「好きな様にやってもらって大丈夫です」と言われて、かなめ自身が選んだ曲。
空気を読んで周囲に同調しなきゃならないメディア仕事は大っ嫌いだったけど、一人で自分のファン相手に喋るだけのラジオ番組はわりと嫌じゃなかったかなめ。
ディレクターはかなめの毒吐きが大好きな懐の広いよいお兄さん
まだ始まったばかりの若い番組だったけど、炎上のおかげで知名度が上がったので、かなめが生きているかぎり末永く続いていきます。

かなめラジオお悩み相談コーナーの曲 ベートーベンのメヌエット
おぎやはぎのメガネびいきという深夜ラジオの悪ふざけパートで使われてる曲。オマージュです。
このネタがわかる人がいて下さったらとても嬉しいです。


以上今回はだいたいこんな感じです!
ほんとにそば太郎さんの泣き演技とか、最後の挨拶の余韻とか、喜怒哀楽の表現とか、何から何まで素晴らしすぎて、かなめの声帯をお願いできて幸せでした。
人の希死念慮や性格の歪みに対して、正論で「そんな事ないよ、 君は本当はいいこだから清く正しく生きれるよ」って前向きに否定される事が個人的に好きでなくて、「そうだね、だめだね、でも僕はそういう君が好きだからずっと一緒に居てあげるよ」とそのまんま肯定してほしい&肯定してあげたいタイプなので、そういう気持ちをめいっぱい込めてかなめと姫ちんを作りました。
姫ちんに感情移入してシチュボイスとして聞くのも、二人を見守るスタイルで聞くのも、何かしらイイなと思ってもらえる要素があれば本当に嬉しいです。改めてありがとうございました!


作業中にお供にしてた曲です。

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